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暗雲
第30話 体はもう、俺だけの
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ぶわりと水滴が噴き出した額に手を乗せる。
黒い髪糸を掻き上げ、汗の雫を舐め取ってから口付けを落とした。
「ッは、っは、ハアッ…… ! ッっ、ァ、ぁ、きらっ……ッ」
肩で息をしている男が、苦しそうに呻きながら額をすり寄せてくる。
何度か額に唇を触れさせてから手を離し、宥めるつもりで筋肉質な腹部を撫でた。
引き締まった腹は、最中に限っては飲み込んだ怒張によって僅かに膨らんでいる。
「っひぁ……っ!?」
びくりと腰が跳ね、驚きの嬌声が上がった。
俺も思わぬ反応に手が止まる。
「……気持ちいいのか?」
俺の先端が届いている場所に、もう一度手を滑らせた。
「っぁ、あっ……? わ、っか、んねッ、っあぅ! ぁ、はっ……ッぞわぞわ、す、……ぅッ……!」
手を動かす度に、旭陽の背筋がソファから浮く。
掌全体を腹に押し当てると、乱れている呼吸が更に荒くなった。
軽く力を加えてみる。
「っひッッ!」
がくりと大柄な体が跳ねて、短い悲鳴が漏れた。
隘路がぎゅううと強く俺を引き絞る。
それとは別に、先端からぞくぞくと背筋に電流が走った。
「っく……!」
全く動いていないのに、急速な快感に堪える間もなく欲を吐き出してしまう。
「ッぁ、あっ、ぁああっ! ッつア――っ!」
奥を叩く熱い奔流に、俺の背中に指を食い込ませて旭陽も白濁を漏らした。
掌に、旭陽の腹にこもった力が伝わってくる。
ああ、そうか。イイところを、俺の性器と手の両方から圧迫されてる状態になってるのか。
これはいいな。傷を増やさなくて済むし、跡も残らない。
片手で腰を掴んで、軽く揺さぶってみる。
「っゃ、ぁっ、あっ!? ッヒっぁぐうっ! ぁッ、きっ、ぃああっ! ッゃだ、手ッ、やぁアっ……!」
さっきと同じく、掌に旭陽の中の俺が伝わってくる。
弱点を内部と外部の両方から押し潰されている旭陽が、目を見開いて堰を切ったように激しく泣き出した。
苦しげに俺の背中を引っ掻きながら、弱い律動にも関わらずびしゃびしゃと精液を撒き散らしている。
まだ体が収まりきってはいなかったとはいえ、今は催淫効果を流し込んではいない。
それでも、本格的に穿つより前に何度も出して感じ入っている。
自分がどれだけ旭陽の体を作り変えたのか。
本当のところを、今初めて理解したかもしれない。
突き出された胸の突起に歯を立てる。
腹部の膨らんだ場所に掛ける手圧を増しながら、腰を強く奥へ押し付けた。
「ひっぐッぁ゛あっ!?」
がくっ、と大きく揺れた体の片足を掴み、持ち上げて俺の肩の上に乗せる。
「ッぁ、あ゛クッ、ぁああっ! ヒッ、ぉ、くっぅ、ぅンウ゛――ッ、っ!」
片足だけ持ち上がった不安定な体勢になった拍子に、奥の壁を俺の先端がごりごりと強く擦り上げた。
がくがくと腰を震わせて、旭陽がまた俺を締め上げる。
「っう…………!」
俺もうねる腸壁の動きに逆らわず、また旭陽の中に熱い精を注ぎ込んだ。
「ッひイぅうっ!」
俺の射精に反応して、旭陽の体が吐き出すものがない絶頂に陥る。
跳ねた顎の下に舌を這わせながら、また腰を掴み直して奥を突き上げた。
「あ゛あぁアアッ!!」
ごり、と腹の中を穿つ感触が伝わってくる。
震えている喉仏に軽く噛み付けば、背中に縋っている腕の力が増した。
今は一時間前の吸血効果がまだ残っているから、一概には言い切れないけど。
でも、毎回牙を立てる必要はなさそうだな。なくてもこんなにイき続けてるんだから。
射精の量はいつもの噴水みたいな勢いに比べれば少ないけど、普通の人間じゃ無理だってくらいには出してる。
良かった。噛まなくても、旭陽は俺の手でちゃんと感じてる。
安堵すれば、穿つ力が自然と増していった。
「ッヒグっ、ぁ゛ッ、あき、っィぁ゛あ! っゃ、く、ぅしッ、っッあヒッ! ッぁっあー……っ!」
がつがつと穿っていれば、くるしいと泣きじゃくる男の片足が腰に巻き付いてきた。
やだと何度も呻いているのに、行為をやめて欲しいわけではないのか。
外部から圧迫している所為で、隘路がいつも以上に狭い。
視界がちかちかするほどの悦楽に、俺も何度も呼吸が詰まった。
ぼたぼたと涙を落としている黄金が、ふらりと揺れて俺の視線とぶつかる。
「ッハ、はあっ、ア゛ッ! っャ、ッ、ぁ、っき、――ッ、手、ぇッ、ゃっ、め……!」
褐色の体が、見慣れた色付きを乗せてがくがくと痙攣している。
うっとりと見惚れていれば、また腹を押さえる手を嫌がる悲鳴が鼓膜を擽った。
嫌って言いながら、払い退けてこようとはしないんだよな。
やだと泣きじゃくっているくせに、従順なほど体を預けて俺が退けるのを待っている。
どれだけ酷い犯され方をしても、最中の旭陽はいつも俺のやりたいことに逆らってこない。
「だあめ」
不思議に思う気持ちを脇に退けて、さっきとは逆の乳首に歯を立てる。
「ッひンぅっ!」
びしゃ、と色のない精液がソファに散る。
いつもほどの量ではない。
それでももうとっくにソファから流れ落ちた精液は、床で小さな水溜まりを作っていた。
俺が大量に注ぎ込んだ一部も、旭陽の中に収まりきらない分は隙間から溢れ、ソファと床を濡らす一因となっている。
「ッぁ゛、ひっ、ぁっ、んで……っ」
俺に拒否されて、黄金にまたぶわりと涙が浮かぶ。
むずがるように小刻みに振られる頭を追いかけて、腫れ上がった目元にそっと口付けた。
「ッきもちい、から……我慢っ、して、ッ」
旭陽も気持ち良いだろ。
そう言おうとしたのに、自分の快感だけを理由する物言いになってしまう。
訂正しようかとしたが、それよりも先に旭陽の目に躊躇いが浮かんだ。
泣き濡れた瞳が微かに揺れる。
ぐっと唇を噛み締めてから、はくりと口を空ぶらせた。
「…………、……」
「……旭陽?」
何か言おうとしているのは分かったから、腰の動きを緩めて声をかける。
何故か、旭陽の眉間に皺が寄った。
「っは、…………あ、さひ?」
もう一度、名前を呼んだ。
自分の唇を濡らせば、舌の動きを黄金が追いかけてくる。
「ッ――た、ら、」
「ん?」
何か、乱れた呼吸の中に言葉が混じった。
微かな声を聞き取ろうとすると、旭陽の視線が一気に鋭くなる。
「~~~ッき、す、――したらッ、ゆるしてやる……っ!」
恫喝じみた重低音が、俺の耳を穿った。
一瞬、自分の願望が聞かせた幻聴かと疑う。
でも溢れ続ける涙が嘘みたいな鋭すぎる眼光は、何故すぐに行動しないのかと責め立ててきていた。
自分の言葉が遂行されることを当然として疑わない、皆の王様の目。
でも、自分の望みに反する俺の言葉を受け入れた、俺だけの贄の瞳。
予想外すぎる言葉に思考が停止して、頭の中が真っ白になる。
素直な体だけが、遅れを取り戻すかのような速度で動いていた。
項を片手で包み込み、ソファから後頭部を引き離す。
「っんンぅ……ッ!」
また変わった角度に呻く唇を、噛み付くような口付けで塞いでいた。
「ッァ、ふっ、ンんぁっ……ッ」
唇が触れ合った瞬間、険しくつり上がっていた目尻が甘く垂れた。
舌を触れ合わせて深く絡め取りながら、腹部に乗せている手に体を傾ける。
体重をかけて、奥の壁をぐっと抉じ開けた。
「ッ、ぁ゛、っ、~~~ッン゛ぅうんン゛ンぅーーッッ!」
がくがくがくっ!
逞しい体が激しく跳ね上がるのを、俺の手が押さえ付ける。
ぼこりと腹の内側から掌が押し上げられる。
肉璧のうねりまで伝わってくるような気がした。
勢いよく透明の液体が吹き上がり、さらりとした感触で肌を撫でていく。
「ひぎっ、ン゛ぐっ、んーっ! ゥうっんぁ゛ううっ……!」
びく、びく、と断続的に跳ねる体を押さえながら、舌をじゅうじゅうと吸い上げる。
かなり息苦しいはずだが、旭陽は嫌がってはこなかった。
背中に強く爪を食い込ませながら、必死で俺の腰に足を絡めている。
跡が残るであろう強さで項を掴んだまま、喉の奥へと舌を伸ばす。
旭陽の嚥下では到底追い付かない激しさで咥内を荒らしながら、また隘路を突き上げた。
黒い髪糸を掻き上げ、汗の雫を舐め取ってから口付けを落とした。
「ッは、っは、ハアッ…… ! ッっ、ァ、ぁ、きらっ……ッ」
肩で息をしている男が、苦しそうに呻きながら額をすり寄せてくる。
何度か額に唇を触れさせてから手を離し、宥めるつもりで筋肉質な腹部を撫でた。
引き締まった腹は、最中に限っては飲み込んだ怒張によって僅かに膨らんでいる。
「っひぁ……っ!?」
びくりと腰が跳ね、驚きの嬌声が上がった。
俺も思わぬ反応に手が止まる。
「……気持ちいいのか?」
俺の先端が届いている場所に、もう一度手を滑らせた。
「っぁ、あっ……? わ、っか、んねッ、っあぅ! ぁ、はっ……ッぞわぞわ、す、……ぅッ……!」
手を動かす度に、旭陽の背筋がソファから浮く。
掌全体を腹に押し当てると、乱れている呼吸が更に荒くなった。
軽く力を加えてみる。
「っひッッ!」
がくりと大柄な体が跳ねて、短い悲鳴が漏れた。
隘路がぎゅううと強く俺を引き絞る。
それとは別に、先端からぞくぞくと背筋に電流が走った。
「っく……!」
全く動いていないのに、急速な快感に堪える間もなく欲を吐き出してしまう。
「ッぁ、あっ、ぁああっ! ッつア――っ!」
奥を叩く熱い奔流に、俺の背中に指を食い込ませて旭陽も白濁を漏らした。
掌に、旭陽の腹にこもった力が伝わってくる。
ああ、そうか。イイところを、俺の性器と手の両方から圧迫されてる状態になってるのか。
これはいいな。傷を増やさなくて済むし、跡も残らない。
片手で腰を掴んで、軽く揺さぶってみる。
「っゃ、ぁっ、あっ!? ッヒっぁぐうっ! ぁッ、きっ、ぃああっ! ッゃだ、手ッ、やぁアっ……!」
さっきと同じく、掌に旭陽の中の俺が伝わってくる。
弱点を内部と外部の両方から押し潰されている旭陽が、目を見開いて堰を切ったように激しく泣き出した。
苦しげに俺の背中を引っ掻きながら、弱い律動にも関わらずびしゃびしゃと精液を撒き散らしている。
まだ体が収まりきってはいなかったとはいえ、今は催淫効果を流し込んではいない。
それでも、本格的に穿つより前に何度も出して感じ入っている。
自分がどれだけ旭陽の体を作り変えたのか。
本当のところを、今初めて理解したかもしれない。
突き出された胸の突起に歯を立てる。
腹部の膨らんだ場所に掛ける手圧を増しながら、腰を強く奥へ押し付けた。
「ひっぐッぁ゛あっ!?」
がくっ、と大きく揺れた体の片足を掴み、持ち上げて俺の肩の上に乗せる。
「ッぁ、あ゛クッ、ぁああっ! ヒッ、ぉ、くっぅ、ぅンウ゛――ッ、っ!」
片足だけ持ち上がった不安定な体勢になった拍子に、奥の壁を俺の先端がごりごりと強く擦り上げた。
がくがくと腰を震わせて、旭陽がまた俺を締め上げる。
「っう…………!」
俺もうねる腸壁の動きに逆らわず、また旭陽の中に熱い精を注ぎ込んだ。
「ッひイぅうっ!」
俺の射精に反応して、旭陽の体が吐き出すものがない絶頂に陥る。
跳ねた顎の下に舌を這わせながら、また腰を掴み直して奥を突き上げた。
「あ゛あぁアアッ!!」
ごり、と腹の中を穿つ感触が伝わってくる。
震えている喉仏に軽く噛み付けば、背中に縋っている腕の力が増した。
今は一時間前の吸血効果がまだ残っているから、一概には言い切れないけど。
でも、毎回牙を立てる必要はなさそうだな。なくてもこんなにイき続けてるんだから。
射精の量はいつもの噴水みたいな勢いに比べれば少ないけど、普通の人間じゃ無理だってくらいには出してる。
良かった。噛まなくても、旭陽は俺の手でちゃんと感じてる。
安堵すれば、穿つ力が自然と増していった。
「ッヒグっ、ぁ゛ッ、あき、っィぁ゛あ! っゃ、く、ぅしッ、っッあヒッ! ッぁっあー……っ!」
がつがつと穿っていれば、くるしいと泣きじゃくる男の片足が腰に巻き付いてきた。
やだと何度も呻いているのに、行為をやめて欲しいわけではないのか。
外部から圧迫している所為で、隘路がいつも以上に狭い。
視界がちかちかするほどの悦楽に、俺も何度も呼吸が詰まった。
ぼたぼたと涙を落としている黄金が、ふらりと揺れて俺の視線とぶつかる。
「ッハ、はあっ、ア゛ッ! っャ、ッ、ぁ、っき、――ッ、手、ぇッ、ゃっ、め……!」
褐色の体が、見慣れた色付きを乗せてがくがくと痙攣している。
うっとりと見惚れていれば、また腹を押さえる手を嫌がる悲鳴が鼓膜を擽った。
嫌って言いながら、払い退けてこようとはしないんだよな。
やだと泣きじゃくっているくせに、従順なほど体を預けて俺が退けるのを待っている。
どれだけ酷い犯され方をしても、最中の旭陽はいつも俺のやりたいことに逆らってこない。
「だあめ」
不思議に思う気持ちを脇に退けて、さっきとは逆の乳首に歯を立てる。
「ッひンぅっ!」
びしゃ、と色のない精液がソファに散る。
いつもほどの量ではない。
それでももうとっくにソファから流れ落ちた精液は、床で小さな水溜まりを作っていた。
俺が大量に注ぎ込んだ一部も、旭陽の中に収まりきらない分は隙間から溢れ、ソファと床を濡らす一因となっている。
「ッぁ゛、ひっ、ぁっ、んで……っ」
俺に拒否されて、黄金にまたぶわりと涙が浮かぶ。
むずがるように小刻みに振られる頭を追いかけて、腫れ上がった目元にそっと口付けた。
「ッきもちい、から……我慢っ、して、ッ」
旭陽も気持ち良いだろ。
そう言おうとしたのに、自分の快感だけを理由する物言いになってしまう。
訂正しようかとしたが、それよりも先に旭陽の目に躊躇いが浮かんだ。
泣き濡れた瞳が微かに揺れる。
ぐっと唇を噛み締めてから、はくりと口を空ぶらせた。
「…………、……」
「……旭陽?」
何か言おうとしているのは分かったから、腰の動きを緩めて声をかける。
何故か、旭陽の眉間に皺が寄った。
「っは、…………あ、さひ?」
もう一度、名前を呼んだ。
自分の唇を濡らせば、舌の動きを黄金が追いかけてくる。
「ッ――た、ら、」
「ん?」
何か、乱れた呼吸の中に言葉が混じった。
微かな声を聞き取ろうとすると、旭陽の視線が一気に鋭くなる。
「~~~ッき、す、――したらッ、ゆるしてやる……っ!」
恫喝じみた重低音が、俺の耳を穿った。
一瞬、自分の願望が聞かせた幻聴かと疑う。
でも溢れ続ける涙が嘘みたいな鋭すぎる眼光は、何故すぐに行動しないのかと責め立ててきていた。
自分の言葉が遂行されることを当然として疑わない、皆の王様の目。
でも、自分の望みに反する俺の言葉を受け入れた、俺だけの贄の瞳。
予想外すぎる言葉に思考が停止して、頭の中が真っ白になる。
素直な体だけが、遅れを取り戻すかのような速度で動いていた。
項を片手で包み込み、ソファから後頭部を引き離す。
「っんンぅ……ッ!」
また変わった角度に呻く唇を、噛み付くような口付けで塞いでいた。
「ッァ、ふっ、ンんぁっ……ッ」
唇が触れ合った瞬間、険しくつり上がっていた目尻が甘く垂れた。
舌を触れ合わせて深く絡め取りながら、腹部に乗せている手に体を傾ける。
体重をかけて、奥の壁をぐっと抉じ開けた。
「ッ、ぁ゛、っ、~~~ッン゛ぅうんン゛ンぅーーッッ!」
がくがくがくっ!
逞しい体が激しく跳ね上がるのを、俺の手が押さえ付ける。
ぼこりと腹の内側から掌が押し上げられる。
肉璧のうねりまで伝わってくるような気がした。
勢いよく透明の液体が吹き上がり、さらりとした感触で肌を撫でていく。
「ひぎっ、ン゛ぐっ、んーっ! ゥうっんぁ゛ううっ……!」
びく、びく、と断続的に跳ねる体を押さえながら、舌をじゅうじゅうと吸い上げる。
かなり息苦しいはずだが、旭陽は嫌がってはこなかった。
背中に強く爪を食い込ませながら、必死で俺の腰に足を絡めている。
跡が残るであろう強さで項を掴んだまま、喉の奥へと舌を伸ばす。
旭陽の嚥下では到底追い付かない激しさで咥内を荒らしながら、また隘路を突き上げた。
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