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暗雲

第35話 つい乗ってしまう

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 射精した直後の旭陽に構わず、精液を絡めて滑りを良くさせながら互いのペニスをめちゃくちゃに扱いた。

「ッァ、ぁきっ、ッひぃ! まッ、はぅっ、っんああ! っ、ッ゛ま、だっ、むり、ッィあ……っ!」

 ずり上がろうとする腰に体重をかけて止め、どろどろになっているであろう鈴口に旭陽自身の掌を押し付けさせる。
 直接触れるのが一番楽しいが、その気がない相手自身に無理に扱かせるのも案外悪くない。
 絶頂直後で触れて欲しくない場所を、自分の手で刺激させられるのってどんな気分なんだろうな。

 想像してみると、俺もイきそうになるほど興奮が高まる。
 一緒に扱いている俺のモノも旭陽と同じくらい震えて、その動きを感じた男がまたどろりと指を濡らした。

「ッあ、ああっ! はっ、ぁ、き、ッあきらぁ……っ!」
「っは、ッ旭、陽、……っ!」

 俺の腰から旭陽の腕が離れて、首筋に回ってくる。

 辛そうに涙を溢れさせているのに、強引に扱かせている手を引き剥がそうとはしてこない。
 震える唇が口端に押し付けられて、力が入っていない歯を立てられた。

 ――嫌がって噛み付いてきたというよりは、誘われているような。
 褒美、という旭陽の声がふと脳裏に甦った。

「ッア、ぁ゛ああっ!? ひっぃんッ! ァッ、あっ、ッゃ゛、~~~っッ……!!」

 陰嚢から手を離して、俺と旭陽の先走りが伝っている秘口へ指を押し込んだ。
 まだ掻き出していなかった俺の精液が、ごぼりと重たい音を立ててナカから溢れ出す。
 悲鳴を迸らせた唇に噛み付き、舌に吸い付きながら精を零す鈴口を旭陽の手で擦り続けた。

「ッあ゛きっらッァアッ! ヒぐっ、ぅ゛ぅーっ!」
「っあさ、ひ、きもちいっ? もっと、イけよ、っ! 褒美ッ、くれるんだろ……っ」

 旭陽が目を見開いて体を跳ねさせる度に、一気に三本押し込んだ指で前立腺を押し潰す。

「ッち、がっ、ッぁヒっ! イ、っァぐ! ッぁ、あっあ゛! ッも゛、ずっ、とイ、――~~っひァあアアあッッ!!」

 何かを否定しかけた旭陽が、小刻みに頭を振って俺の首に強く抱き縋ってきた。
 がくがくと褐色の体が大きく痙攣して、透明の液体を自分の掌に噴き出す。
 さらさらとした感触が、俺の指も大量に濡らした。

 構わずにまだ手を動かそうとする。
 だが、首筋に微かな啜り泣きが触れれば咄嗟に動きが止まってしまった。
 指も止めたことで、ずっと下から響き続けていた水音が止まる。

「っか……ッひ、ぅ゛、ゥッ、っぁ……、ら……ッぁ、……」

 そこでやっと、旭陽の呼吸が途切れがちになっていたことに気付いた。

 …………しまった。今日、合計何時間ヤってるんだ。

 いつもみたいに強制的に発情させられてるならともかく、普通の状態でこれは流石に苦痛のほうが勝るか。
 旭陽から仕掛けられたとはいえ、俺のペースだと負担が大きすぎる。
 ついさっき、反応が消える寸前まで追い込んだばかりの体だということが頭から抜けていた。

 朝まで抱き潰して、昼も散々抱いて。さっき転寝した以外、今日は睡眠すら碌に取ってないんだった。
 魔王の体を持つ俺は平気でも、人間である上に抱かれる側の旭陽は別だろう。
 というか、よく自分から仕掛けてくるだけの元気があったな……?

 反省して、旭陽の中から指を抜く。びくりと震えた頭をそっと撫でた。

「っぁ゛、ぅ、ぁ゛、っ……き……ぃ……」

 ゆっくりと頭が持ち上がって、震える唇で名前を呼ばれる。
 開いた口腔の中で、真っ赤な舌がぶるぶると痙攣しているのが見えた。
 僅かに後頭部がソファから離れ、濡れた頬が手に押し付けられる。

「悪い……調子に乗った」

 素直に謝ると、目を赤くした旭陽が眉を寄せた。

「ッ゛……、……ば……ぁか……」

 シンプルに罵倒された。

 でもまた擦り寄ってくる頬からして、怒っているわけではなさそうだ。
 手を添えて口付ければ、旭陽の側から舌が絡まってきた。
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