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旭陽生誕4 あまい口吻け

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「ッん……っぁ、アッ」

 痛みに揺れた体を抱き締めて、性急に舌を伸ばす。
 さっき入り口近くで交わしたキスの余韻が抜けていない体は、乱暴な口付けにも一気に熱を上げた。
 ひくひくと震えている舌を根本から絡め取り、口腔を掻き回す。

「ッふ、ンッぁ、ああ゛アっ!? ッンっ、んぅううッ!」
「っ……!」

 時折甘く歯を立てながら、水音を立てて旭陽の咥内深くまで乱していった。
 じゅっと強く吸い上げれば、腕の中で大柄な体が仰け反る。

 ガクンガクンと跳ねる動きは、深い絶頂に陥った時の反応だ。
 ぶわりと旭陽の甘い匂いが強く全身を包み込んできて、俺も思いがけないほど強い快感を浴びることになる。

「ッぅ゛、んぅあっ? ッふ、ぁ、アッ!」

 唇を塞がれた旭陽が、困惑と快感の嬌声をくぐもらせている。
 口を開放して、一度様子を確認したほうがいい。
 分かっているのに、更に深く舌を伸ばしてしまう。

「っぁ゛、ァんンっ!」

 ガクッと跳ねた体の下肢は、既に完全に服が変色している。
 どう見ても既に先走りの量じゃない。
 多分、舌に吸い付かれる度にイってる。

 さっきも軽くイってただろうと思えるほど感じていたとはいえ、あまりにも過剰すぎる反応だ。
 俺も咥内がビリビリと痺れて、まるで旭陽のナカに挿っている時に近い膨大な快感を感じている。

「ッぁ、ぅ゛ンあ……っ!」

 明らかにおかしい。
 でも、嫌な感じはしない。

 旭陽が全身の皮膚を粟立たせているのも、何度も絶頂しているのも、全部感じ取れた。
 衣越しに爪を立てられる僅かな痛みは、全部快感にしかならない。
 衣服に包まれた褐色の体が、俺に触れられたがっているのが伝わってくる。

 ここで交わす口付けって、体にまで影響が出るものだったのか。
 ――魂を繋ぐ、って、こんなにきもちいいものなのか。

 ぐらぐらと揺れる視界で、腕の中の男を見下ろす。
 ぼろぼろと涙が零れ落ちる黄金は、今にも閉じそうになりながら俺を見上げてきていた。
 視線が絡む。

 早く離れろって咎めの色を浮かべているかと思っていた。
 でも旭陽は、俺と視線が合った瞬間堪らないとばかりに目を細めた。

 背中に回ってきている腕が力を増す。
 強く爪を立てて――旭陽の方から顎を上向かせ、口付けの角度を深めてきた。

 俺も、旭陽を抱く腕が力を増す。
 無意識に一歩踏み出していた。


 足元から地面の感触が消えた。
 離れた場所に感じていたあたたかな闇の気配が、随分と後方に遠くなっている。

 元の城には戻っていない。
 でも、さっきまでの場所からは離れたらしい。

 何でもいい。キスだけじゃ足りない。
 まだ屋外のままだったが、構わず腕の中の体を地面に押し付けていた。

「っあ、ッ」
 深い口付けが解けた瞬間、普段よりも高い嬌声が薄い唇から迸る。

 押し付けてから気付いたが、周囲は見渡す限り花の絨毯だった。
 さっきと同じ、色とりどりの花々が旭陽の背中を受け止めている。

 地球の花とは色々違うらしく、押し潰されているのに茎が折れている様子はない。
 本物の絨毯のように、柔らかく大柄な体躯を受け止めている。
 これなら旭陽の体に余計な傷が付く心配もなさそうだ。

 頭の隅では冷静ぶった思考が働いているが、実際の頭にはそんな余裕は残っていなかった。
 脱がすのも時間が惜しくて、引き裂くように男の体から衣服を剥いでいく。

「っぁ、うっ……あッ、きら……っ」
 乱暴な剥がれ方にすら感じるのか、旭陽が身を捩って俺の手から離れようとした。

「旭陽、」
「ひあっ」

 離れるのか?
 俺の旭陽なのに。俺の、なのに。

 僅かな抵抗も寂しい気がして、乱暴に両手を頭上に引き上げる。
 摩擦でまた感じたのか、旭陽が悲鳴を上げた。
 もっとして欲しがっているような、聞き違えとは到底思えない甘ったるい声だ。

「旭陽、きもちいい? もっと?」
「あっ、ぁううッ……ッち、が、ッんあアっ!」

 乱暴に上衣を脱いで、太い腕に巻き付けてみる。
 簡易な拘束具になった俺の服に、旭陽が腰を浮かせた。

 褐色は何処も彼処も紅潮して、まだ碌な愛撫も施していないのに汗の雫に覆われつつある。
 服を脱がせた下肢は、思った通り既にびしゃびしゃになっていた。

「うまそう…………」
 勃ち上がりきって震えている逸物に、視線が惹き付けられた。

「っぁ、あ……っ! ァ、きらッ、ゃだ……っ!」
 顔を近付けていけば、旭陽が呼吸を引き攣らせた。

 最初に牙を穿ちすぎたのか、旭陽はここに触られるのが未だに苦手だ。
 たまに咥えてやれば、腰を振り乱し泣きじゃくって嫌がる。

 本気で拒絶してるわけではないはずだが。
 何度も血を飲んでいる内に、触れただけでも弾けるほど敏感になったのは確かだ。
 キスだけでこんなに吐き出すほど過敏になっている今、咥えたらどうなるんだろう。

 もっともっと、俺に溺れてくれるか?

 全身を駆け巡る灼熱にぼんやりしている頭で考え、大きく開いた咥内に招き入れていった。
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