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1章 悪役貴族は屈しない
第10話 貧民街での出会い
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いやあ儲かった儲かった!
ヴァルトナー邸を出た俺は、スキップしそうなくらい浮かれている。
前回渡した試供品2セットと、来週収める試供品10セット。
そして今回渡した正式商品2セットを合わせ、合計260万クロン。
さらに契約金100万クロンまで頂いてしまった。
うはは!
すごい大金持ちだ!
まあ、でも、これだけで終わっちゃいけないからな。
なんせこれから、まだまだお金が必要になる。
一体いくらかかるかわからないが、最低でも数億になる〝事業〟を始めるのだ。
これくらいで喜んでちゃいけない。
「そういえば、エレナさん。これから種類を増やすとかなんとか言ってたっけ……」
さすがに、これ以上といってもなあ。
アンチエイジングとか、しみそばかす対策とか、毛穴収斂とか。
種類はぱっと思いつくが、なんの成分をどれくらいの割合で入れたらいいのか、さっぱりわからん。
開発する期間も人手もないしな。
だから化粧水の種類は増やさない。
面白い案が浮かんだら、その時に考えよう。
それよりも、得意なジャンルがある。
抽出だ。
その辺の雑草から果物まで、成分抽出なら俺に任せろ!
ってなわけで、俺は再び市場に向かう。
ぱっと思い浮かんだのは、アロマオイルだ。
以前、炊いて死ぬ程後悔したアレである。
まあ、きわどいことをやらなきゃ大丈夫だろう。
人体に影響があるかどうかも、きちんと見極めればいいしな。
いますぐ商品化するつもりはないし、少しずつ時間をかけてやっていこう。
「大将、そっちは貧民街ですぜ」
付き添いのユルゲンが、僅かに眉を寄せた。
「わかっている」
「そっちよりも、普通に大通りを歩きませンか?」
「いや、この道を行く」
市場にいくにはここを突っ切る方が早い。
王都の道は勇者でプレイした時に大体覚えたから、たぶん間違いない。
まあ、道に迷ってもユルゲンがいるから大丈夫だろう。
なんて思って貧民街に入ったが、これ、ゲームの中よりきついな。
なんの臭いなのかわからんが、本能が呼吸を拒否するレベルの悪臭が漂ってる。
道ばたに倒れてる人も、リアルだ。
いや、本物の世界なんだからリアルもへったくれもないんだが……。
横になって動かない子どもとか、腕を失った老人とか、目に入るだけで心が痛い。
やっぱ、ゲームと現実は生々しさが違うな……。
「なあユルゲン。王都に働き口はないのか?」
「いや、常に人手不足ですぜ。何故そンなことを聞くんで?」
「こやつらが雇われれば、貧民から脱出出来ると思ったのだ」
「あー……身元もはっきりしねぇ奴を雇う店はありませンぜ」
「そうなのか?」
「失うもンがねぇですからね。下手すりゃそいつの行動一つで店が潰れかねねぇ」
「……ああ、なるほどな」
普通の人間の中にだって、醤油ボトルペロペロっておかしな行動を起こすやつがいるからな。
失うものがなければ、犯罪への心理的ストッパーは通常よりも緩くなる。
所謂『無敵の人』ってやつだ。
単純に仕事を与えればここから脱出出来るんじゃないかって思ったが、素人考えじゃどうにもならんな。
貧民街に入って五分。
そろそろ本気でこの道を選んだことを後悔しはじめた頃だった。
「大将ッ」
「む?」
ユルゲンが警戒を促すよう手で俺を制した。
なんだ?
こんなところに、子どもがいる。
俺と同じくらいの子だろうか?
白いローブを着た女の子だ。
んー。
茶髪に、白ローブ……。
いや、まさかね。
その子の前に、一人の大人がいる。
こっちはフードつきの黒いローブを身に纏っていて、顔が見えない。
なんか、嫌な雰囲気だな。
粘っこい、汚れた油みたいな気配だ。
この女の子と大人は親子……なんて感じじゃ全然ない。
一体なにをやってんだ?
そう思った時だった。
俺の感覚が、魔力の励起を感じ取った。
これは魔法を使う時の――。
そう思った次の瞬間には、俺の体は動いていた。
「た、大将ッ!?」
たぶん、これは偶然ってやつだ。
これまで上手くいかなかった魔力操作が上手くいって、身体強化が発動した。
スタートダッシュが成功して、連戦錬磨のユルゲンを振り切った。
【強化魔法を取得しました】
目の前では、男の手から炎が上がった。
炎が丸みを帯びて少女に放たれた。
ファイアボールか。
間に合えッ!!
歯を食いしばり、俺は少女を胸の中に抱き寄せる。
ひときわ、ぞっとする気配。
強い殺意。
次の瞬間、軽い衝撃。
「……はぁッ!? ――がふっ!!」
俺ではない誰かの湿った声。
そして、崩れ落ちる音が続く。
背中に痛みは……ない。
軽い衝撃はあったが、熱くなかったな。
……ふぅ。成功したか。
「ちょ、ちょっと!?」
胸の中で少女が暴れる。
だが、俺はすぐに離さない。
おい、暴れるな。
子どもは見ない方がいいって。
夢に出るぞ。
「ユルゲン、〝ヤった〟か?」
「はっ!」
「後処理もか?」
「既に」
そこで、やっと俺は少女を離した。
「なな、何するのよ!?」
「何もしてないぞ」
「だ、抱きついたじゃない!」
「そうだな」
「なんて破廉恥な!」
少女が顔を真っ赤にする。
いやいや。
このくらいの年代の子が抱きついただけで、破廉恥って感じるその心が破廉恥だよ!
「怪我はないか?」
「えっ、あっ!」
少女は自分の体を確認して、やっと気づいたようだ。
少し前まで自分が死にそうな目にあっていたことに。
「あ、りがとう」
「うむ」
「あのっ! あ、あんたの怪我は……」
「大丈夫だ、問題ない」
俺は精神力だけはバカみたいに高いからな。
そんじょそこらの魔法じゃ、かすり傷一つ付かないんだわ。
まあ、実際に当たってみるまではわからなくて、ちょっぴり怖かったけど。
少女が俺の後ろを見て、首をかしげる。
「ええと、先ほどの不信心者は……?」
「丁重にお引き取り願ったよ」
ユルゲンがね。
っておい、ユルゲン。地面に赤いシミ残ってんぞ!!
ちゃんと隠せ隠せ!
目で訴えると、ユルゲンが慌てた。
素早く俺の後ろにまわり、彼女の視界から赤いシミを遮った。
改めて、少女を見る。
ああ、やっぱりか……。
ヴァルトナー邸を出た俺は、スキップしそうなくらい浮かれている。
前回渡した試供品2セットと、来週収める試供品10セット。
そして今回渡した正式商品2セットを合わせ、合計260万クロン。
さらに契約金100万クロンまで頂いてしまった。
うはは!
すごい大金持ちだ!
まあ、でも、これだけで終わっちゃいけないからな。
なんせこれから、まだまだお金が必要になる。
一体いくらかかるかわからないが、最低でも数億になる〝事業〟を始めるのだ。
これくらいで喜んでちゃいけない。
「そういえば、エレナさん。これから種類を増やすとかなんとか言ってたっけ……」
さすがに、これ以上といってもなあ。
アンチエイジングとか、しみそばかす対策とか、毛穴収斂とか。
種類はぱっと思いつくが、なんの成分をどれくらいの割合で入れたらいいのか、さっぱりわからん。
開発する期間も人手もないしな。
だから化粧水の種類は増やさない。
面白い案が浮かんだら、その時に考えよう。
それよりも、得意なジャンルがある。
抽出だ。
その辺の雑草から果物まで、成分抽出なら俺に任せろ!
ってなわけで、俺は再び市場に向かう。
ぱっと思い浮かんだのは、アロマオイルだ。
以前、炊いて死ぬ程後悔したアレである。
まあ、きわどいことをやらなきゃ大丈夫だろう。
人体に影響があるかどうかも、きちんと見極めればいいしな。
いますぐ商品化するつもりはないし、少しずつ時間をかけてやっていこう。
「大将、そっちは貧民街ですぜ」
付き添いのユルゲンが、僅かに眉を寄せた。
「わかっている」
「そっちよりも、普通に大通りを歩きませンか?」
「いや、この道を行く」
市場にいくにはここを突っ切る方が早い。
王都の道は勇者でプレイした時に大体覚えたから、たぶん間違いない。
まあ、道に迷ってもユルゲンがいるから大丈夫だろう。
なんて思って貧民街に入ったが、これ、ゲームの中よりきついな。
なんの臭いなのかわからんが、本能が呼吸を拒否するレベルの悪臭が漂ってる。
道ばたに倒れてる人も、リアルだ。
いや、本物の世界なんだからリアルもへったくれもないんだが……。
横になって動かない子どもとか、腕を失った老人とか、目に入るだけで心が痛い。
やっぱ、ゲームと現実は生々しさが違うな……。
「なあユルゲン。王都に働き口はないのか?」
「いや、常に人手不足ですぜ。何故そンなことを聞くんで?」
「こやつらが雇われれば、貧民から脱出出来ると思ったのだ」
「あー……身元もはっきりしねぇ奴を雇う店はありませンぜ」
「そうなのか?」
「失うもンがねぇですからね。下手すりゃそいつの行動一つで店が潰れかねねぇ」
「……ああ、なるほどな」
普通の人間の中にだって、醤油ボトルペロペロっておかしな行動を起こすやつがいるからな。
失うものがなければ、犯罪への心理的ストッパーは通常よりも緩くなる。
所謂『無敵の人』ってやつだ。
単純に仕事を与えればここから脱出出来るんじゃないかって思ったが、素人考えじゃどうにもならんな。
貧民街に入って五分。
そろそろ本気でこの道を選んだことを後悔しはじめた頃だった。
「大将ッ」
「む?」
ユルゲンが警戒を促すよう手で俺を制した。
なんだ?
こんなところに、子どもがいる。
俺と同じくらいの子だろうか?
白いローブを着た女の子だ。
んー。
茶髪に、白ローブ……。
いや、まさかね。
その子の前に、一人の大人がいる。
こっちはフードつきの黒いローブを身に纏っていて、顔が見えない。
なんか、嫌な雰囲気だな。
粘っこい、汚れた油みたいな気配だ。
この女の子と大人は親子……なんて感じじゃ全然ない。
一体なにをやってんだ?
そう思った時だった。
俺の感覚が、魔力の励起を感じ取った。
これは魔法を使う時の――。
そう思った次の瞬間には、俺の体は動いていた。
「た、大将ッ!?」
たぶん、これは偶然ってやつだ。
これまで上手くいかなかった魔力操作が上手くいって、身体強化が発動した。
スタートダッシュが成功して、連戦錬磨のユルゲンを振り切った。
【強化魔法を取得しました】
目の前では、男の手から炎が上がった。
炎が丸みを帯びて少女に放たれた。
ファイアボールか。
間に合えッ!!
歯を食いしばり、俺は少女を胸の中に抱き寄せる。
ひときわ、ぞっとする気配。
強い殺意。
次の瞬間、軽い衝撃。
「……はぁッ!? ――がふっ!!」
俺ではない誰かの湿った声。
そして、崩れ落ちる音が続く。
背中に痛みは……ない。
軽い衝撃はあったが、熱くなかったな。
……ふぅ。成功したか。
「ちょ、ちょっと!?」
胸の中で少女が暴れる。
だが、俺はすぐに離さない。
おい、暴れるな。
子どもは見ない方がいいって。
夢に出るぞ。
「ユルゲン、〝ヤった〟か?」
「はっ!」
「後処理もか?」
「既に」
そこで、やっと俺は少女を離した。
「なな、何するのよ!?」
「何もしてないぞ」
「だ、抱きついたじゃない!」
「そうだな」
「なんて破廉恥な!」
少女が顔を真っ赤にする。
いやいや。
このくらいの年代の子が抱きついただけで、破廉恥って感じるその心が破廉恥だよ!
「怪我はないか?」
「えっ、あっ!」
少女は自分の体を確認して、やっと気づいたようだ。
少し前まで自分が死にそうな目にあっていたことに。
「あ、りがとう」
「うむ」
「あのっ! あ、あんたの怪我は……」
「大丈夫だ、問題ない」
俺は精神力だけはバカみたいに高いからな。
そんじょそこらの魔法じゃ、かすり傷一つ付かないんだわ。
まあ、実際に当たってみるまではわからなくて、ちょっぴり怖かったけど。
少女が俺の後ろを見て、首をかしげる。
「ええと、先ほどの不信心者は……?」
「丁重にお引き取り願ったよ」
ユルゲンがね。
っておい、ユルゲン。地面に赤いシミ残ってんぞ!!
ちゃんと隠せ隠せ!
目で訴えると、ユルゲンが慌てた。
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