20 / 113
20.食い扶持は自分で稼ぐ
しおりを挟む夜の森の中、ガサガサと茂みの中を進む一匹のトントン。その顔はやる気に満ち溢れ、確固たる決意を抱いているように見えた。小さいナップサックを背負い、胸に大きな希望を抱いていた。
物欲、それは際限の無い欲望である。現代社会に住む人間ならば次々と繰り出される流行りに辟易としているだろうが、それでもブランド物の新作やら従来の物より3g減のロードバイクやら超軽量スニーカーやら新色の口紅やら昔の映画のBlu-ray版やら過去作リメイクゲームやらと、毎年とんでもない数の企業努力の末に生まれた"欲しいもの"が次々生み出されてくる。
それらを手に入れる為に必要なのは?そう、金だ。物々交換という手段がほぼ息絶えた今、世の中を動かしているのは金なのである。
流行りに尻馬どころか自分が居なければ成功しなかったと宣う無駄に費用がかかるだけの勘違い中抜き業者や、己は地方民の味方の仲介者だと、自身の利益を追求する為だけに流行りの物を買い占めて適正価格よりも高く売りつける転売屋は来世で蛆虫にでもなれば良いと思う。
わたる世間も地獄の沙汰も金次第。
「と、いう事でやってきました森の中」
もうレベル14なのにこの最初の森でレベル上げなんて効率が悪すぎるって?いやいや考えてもみて欲しいゲームの道は適正レベルが低いほど単純で、高いほど複雑なのが一般的だと思う。
最初の町はプレイヤーにとっての最初の町であるだけで、決してNPCに対しては最初の町というわけでは無い。
「今日も元気にスライム食べてー、ヌシ様の枝にぎにぎの様子見てー、森の深いとこの散策するー」
感の良い人ならもう気づいただろう。そう、転生物の主人公であり、ゲーム世界の主人公ではない特殊な私ならば定められたルートを無視して何処へなりとも行けるという事に!レッツリアルオープンワールド!等身大の世界が私を待っている!!そしてまだ見ぬ金脈を求めて暗い森の中を駆け抜けた。
◆~◆~◆~◆~◆
「プキュウキギギキュキー!!(まぁ今は身体がトントンなんだけどね!!)」
「ウォーゥ!!!!(クイモノ!!!!)」
アイアム被!捕食者!!!!
狼っぽい魔獣に追いかけられること数十分、いくらナッツで基礎値は上がっているとはいえ怖いものは怖い、せめてレベル30ぐらいまであげてから戦いたい。
余裕で倒せる自信が無いとやっぱり嫌なのだ、お肌に血が出るような傷をつけたく無いのだ、だって中身は花をも恥じらう乙女なのだもの。
木の根や枝や茂みを飛び越え、森の奥へ奥へと跳ね進んでいく。
「ガゥグゥぐるァッ!(マテコラクイモノッ!)」
「ピッピキピーッ!!(待てるか狼野郎ーッ!!)」
「ゥォウグルルぁウゥあッ!!(コノイノチノカテトナレッ!!)」
「プキッキュギーッ!(お断りじゃーッ!)」
短い足を必死に動かして木々の間を駆け抜ける。え?戦え?嫌だよガブっといかれるじゃんガブっと!赤ずきんでも三匹の子豚でも七匹の子山羊でもどれだけ数が増えようがペロッといっちゃうあの狼よ!?しかも片言な所を見ると純粋な野生(ノラ)出身よ!!?
「ぴきぴー!ぴっぴぷぴぃー!!(トンちゃん!すぐ死にかけるぅー!!)」
「グァァァアガァッ!!(クワセロォォォオッ!!)」
暗い森の道を上下左右に跳ねながら、後ろの腹ペコ狼から逃げるピンクの子豚。目の前に現れた茂みを潜り抜け少し開けた場所にでた瞬間、後ろから聞こえてくる狼の鳴き声が不意に止んだ。
「ぷき?(あれ?)」
「…………キュゥゥ、クキュゥ……!(…………あの子豚、正気じゃねぇ……!)」
「ぴきゅぷきゅきゅ!?(いきなり流暢ね!?)」
そして背後から狼の気配がなくなった。なんか知らないけどラッキー、開けた場所に出るとお空にお月様が出ているのがよく見えた。
辺りを見回せど寝ているドラゴンも起きてるドラゴンも居ない、あるのは洞窟らしき入り口のみだ。もしかしたら良いものあるかもと、ちょっと突撃近くの洞窟散策をする事にしよう。
「ぷきゅぷぽぴー?(おじゃましまーす?)」
中を覗いてみたが誰もいない。変な虫とかもいないし、空っぽな洞窟である。恐る恐る入って行くと、地面に宝石の原石っぽい綺麗な大小の石と小さな丸いビーズのような物が落ちているのに気がついた。
蹄に挟んでじっくり観察する。糸を通す穴とかは空いていないけど、綺麗なまん丸のビーズみたいな物だ。これを集めればアレ的癒しアイテムが作れるのでは?ナップサックを開き、お兄様から貰った巾着袋を取り出してビーズっぽいのを詰めていく。
「ぷきゅぷきっ、ぴっぴぴぷきー……(これを集めればっ、アレが作れるはず……)」
ついでに落ちていた綺麗な石ころと、隅に生えていたキノコもナップサックの中に放り込む。
結構ビーズも集まったのでは?巾着袋が膨らむぐらいに集まったビーズと、三分のニぐらい溜まったナップサックの中身、そして小綺麗になった洞窟の中の地面を見て一息つく事にした。
洞窟の入り口を見ると空が白んできて日が登りそうな時間。
ヌシ様に会えてないけどそろそろ帰ろうかな、忘れ物が無いかチェックしてナップサックを担いでと、お空にお尻を向けていた私の足元にというかなんか全体的に入り口方面から影が伸びてきて暗く…………。
洞窟を覗き込むデカイ影。
ボチャリと落ちる涎らしき液体。
そして大型動物特有の息遣い。
「…………ぷきー(…………ぷきー)」
あ、これ死んだわ。
◆○◆○◆○◆○◆
影の正体はヌシ様でした。
なぁーんだよかったぁ、この洞窟というより洞穴は、所謂ヌシ様の寝床だったらしい。喉が渇いて近場に水を飲みに行ってたんだとさ、光合成するにもお水が必要だものね。洞窟前のいい感じの石に座ってお話をする。
「ここがお家だったのね」
「トンちゃんが遊びに来てるとは思わなかったよー、寝所の石を退かしてくれてありがとねー、寝やすくなったなぁ」
「成る程ねぇ、それで、ニンゲンと仲良くなろう練習の成果は出ているの?」
「うん、枝を折らないようになったよぉ!これでニンゲンとお友達になれるかなー?」
そう無邪気に吼えるヌシ様は手の中の小枝三本を嬉しそうに私に見せてきた、これならばヒゲオヤジとの握手ぐらいは許してあげられそうだ。
じゃあ次の機会にでもと、今度はハグして人間の背骨を折らない練習という事で、その辺に生えている細い木を相手に抱き着かせる練習に移行させた。
ちなみに、最初に蹄を指して指示した木は、哀れにもヌシ様が抱きついた所からぽっきりと折れてしまい、ヌシ様の朝ご飯となった。
◆◆◆◆◆◆
天才トンちゃんのお帰りだぞと鼻をぷひぷひと鳴らしながらお屋敷に帰ると、即座にメイドの一人に捕まってしまった。蹄を濡布巾で拭かれてそっと廊下に降ろされる。
「トンちゃん、森で何を拾ってきたのかしら?」
「ぷきっ!ぴぷきき、ぷきーっ(そうだ!お部屋きて、きてーっ)」
「あら、私はどこに連れて行かれるのかしらね、可愛いわねぇ」
メイドさんのスカートの裾を咥えて引っ張り、リリーの部屋にある私の寝床まで連れて行く。
すこーすこーとリリーの寝息が聞こえる中、ナップサックの中からビーズのような物が詰まった巾着袋を取り出し、メープル先生からもらったノートに単語を書き並べて行く。
『おかあさま に クッション つくる』
「奥様へのプレゼントですか?この袋は?」
『クッション 中身 小さい 作る』
「お手玉みたいなものかしらね……?」
お手玉の概念があるならば話は早い、そう、ビーズクッションの小さい版を作ってくれと言いたいのだ。どうやらお母様はトントンのお腹のモチモチ感が好きらしく、お膝に乗ると撫でてくれるのだが三回に一回モチィ……と揉まれる。
触り心地は違うが片手でモミモミできるビーズクッションなら、目新しいだろうし喜んでくれると思うのだ。ぷきぃと鼻を鳴らすとメイドさんが巾着袋の中身を確認する為に口を開いた。
その途端カッ!と目を見開かれ。
「こ、これはっ……!」
「ぷきぃ?(どしたの?)」
「旦那様!旦那様!!」
「ふぇあっ!?とんちゃぁん……?なにしてゅのぉ……??」
「ぴっ?ぴぴっ??(えっ?なにっ??)」
「旦那様大変です!!」
タタタタタタタタッ
「ぴきぴっ?ぴぴぴっ??(どうして?どこいくの??)」
トトトトトトトトトトトッ
リリーの部屋から慌ただしく出て行くメイドさん、なんで?ビーズクッション作って?なんで??ひらひらと舞うスカートの裾を追っていくと、何故かアリュートルチ家夫妻の寝室の前まで来て扉を叩き始めた。
どして?ビーズ、どして??ぴょんぴょんと足元で飛び跳ねるが巾着袋は返してくれないし、メイドさんの手元すら見えない状態。
そうこうしている内に髪の毛どころか髭にまで寝癖がついた不機嫌そうなヒゲオヤジが扉を開けて出てくる。
「煩いぞ、今何時だまだ起床には早すぎると思」
「それどころではありません!トンちゃんが!!」
「子豚がぁ?ほっとけあいつは碌なことをせん」
「ぷきゃきゅぅ!!(失礼ね!!)」
「薬草の種を採ってきたんです!!」
「なんだとっ!!?」
「これでゼンブナオール薬が作れます!」
「ぺふぷぱぽーぷぴぷぅ(ゼンブナオール薬ぅ)」
雑。だからネーミングが雑、公式が細かい所まで設定を作ってないせいかよく適当な名前とか物が出てくる。西洋っぽいけど決まってないところは無理矢理に日本文化!みたいな感じで。
マナー練習込みのお昼ご飯フルコースに出てきたデザートの鯛焼きっぽいものを、リリーがナイフとフォークで食べてたし。
「今すぐにありったけの植木鉢を出してこい!!」
「はいっ!!」
ダダダダダダダダッ!!
「ぷきゅき?ぴきゅき??(植えるの?それ植える??)」
トテテテテテテテテッ!!
メイドさんを追いかけて走って行った先で色々な人に指示が出され、次々にフカフカの土を入れられた植木鉢が庭に並べられ、私が集めてきたビーズが呼び集められた領地の農民のお爺ちゃん達によりどんどん植えられていく。
「ぴきっぴ?ぴきゅぴぴ??(ほんとに?植えるのほんとに??)」
「これ植え過ぎじゃないけ?」
「芽が出てから他のに移せばええろ、増えればゼンブナオールでワシの腰痛もようなるかのぉ」
「ぷきゅぴ?ぴぴっきゅ??(植えるの?植えちゃうの??)」
「領主様とこのトントンでねっか、ええ子だなぁ悪戯せんと植えるとこおとなしゅぅ見ちょる」
「はぁー、おめさめんこいなぁ、今度ウチの野菜でもやろか、今年の芋はうんめぇぞ?」
「ぴぴきゅー(植えられるー)」
ちょっとガサガサした手に頭を撫でられながら、次々と土に植えられていくビーズ、ではなく薬草の種を見つめる。せっかくたくさんあつめたのに……尻尾を萎れさせている私の前で、植木鉢にジョウロで水がかけられた。
◆❇︎◆❇︎◆ ❇︎◆❇︎◆
次の日、諦め切れず朝早くにお庭に出てみると、陽の光を浴びる植木鉢からちょっとずつ緑色の芽が出てきていた。近づいて見てみると、まだ葉芽のところがちびっとだけであるが、優しい黄緑色をしている。
「ぷきゅきゅぅ……(芽が出てる……)」
色々生活を改善してくださったお母様にプレゼントしようと思ったのに……濡た土の匂いに鼻をヒクヒクさせていると、頭の上に温かい手が乗せられた。
隣を見ると、表情の変化はあまり感じられないが、笑っているような雰囲気のお母様がしゃがんでいた。
「メイドからトンちゃんからですとお手玉を貰ったのよ」
「ぷきゅぃ(お手玉)」
「リリーと、トンちゃんも一緒に遊びましょうか」
細い腕に優しく抱きあげられ、お屋敷へ歩いて行くお母様に抱え運ばれて到着した朝食の席で私は思う。
結局、しっかり日本文化みたいなものはあるのかよ、これも公式のガバガバ設定のせいね、しっかりしなさいよG.G。
その日の朝ごはんは小倉トーストとフルーツミックスジュースだった。
0
あなたにおすすめの小説
溺愛兄様との死亡ルート回避録
初昔 茶ノ介
ファンタジー
魔術と独自の技術を組み合わせることで各国が発展する中、純粋な魔法技術で国を繁栄させてきた魔術大国『アリスティア王国』。魔術の実力で貴族位が与えられるこの国で五つの公爵家のうちの一つ、ヴァルモンド公爵家の長女ウィスティリアは世界でも稀有な治癒魔法適正を持っていた。
そのため、国からは特別扱いを受け、学園のクラスメイトも、唯一の兄妹である兄も、ウィステリアに近づくことはなかった。
そして、二十歳の冬。アリスティア王国をエウラノス帝国が襲撃。
大量の怪我人が出たが、ウィステリアの治癒の魔法のおかげで被害は抑えられていた。
戦争が始まり、連日治療院で人々を救うウィステリアの元に連れてこられたのは、話すことも少なくなった兄ユーリであった。
血に染まるユーリを治療している時、久しぶりに会話を交わす兄妹の元に帝国の魔術が被弾し、二人は命の危機に陥った。
「ウィス……俺の最愛の……妹。どうか……来世は幸せに……」
命を落とす直前、ユーリの本心を知ったウィステリアはたくさんの人と、そして小さな頃に仲が良かったはずの兄と交流をして、楽しい日々を送りたかったと後悔した。
体が冷たくなり、目をゆっくり閉じたウィステリアが次に目を開けた時、見覚えのある部屋の中で体が幼くなっていた。
ウィステリアは幼い過去に時間が戻ってしまったと気がつき、できなかったことを思いっきりやり、あの最悪の未来を回避するために奮闘するのだった。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
『辺境伯一家の領地繁栄記』序章:【動物スキル?】を持った辺境伯長男の場合
鈴白理人
ファンタジー
北の辺境で雨漏りと格闘中のアーサーは、貧乏領主の長男にして未来の次期辺境伯。
国民には【スキルツリー】という加護があるけれど、鑑定料は銀貨五枚。そんな贅沢、うちには無理。
でも最近──猫が雨漏りポイントを教えてくれたり、鳥やミミズとも会話が成立してる気がする。
これってもしかして【動物スキル?】
笑って働く貧乏大家族と一緒に、雨漏り屋敷から始まる、のんびりほのぼの領地改革物語!
真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます
難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』"
ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。
社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー……
……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!?
ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。
「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」
「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族!
「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」
かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、
竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。
「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」
人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、
やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。
——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、
「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。
世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、
最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕!
※小説家になろう様にも掲載しています。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした
月神世一
ファンタジー
「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」
ブラック企業で過労死した日本人、カイト。
彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。
女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。
孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった!
しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。
ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!?
ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!?
世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる!
「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。
これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる