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眷属2
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魔獣襲撃事件も無事に解決し、俺とメリは神獣の森へ帰ることにした。最後まで満帆が俺から離れなくて困ったけど、また会いに来るし満帆も会いたくなったら何時でも会いにきていいよと伝えたら渋々離れてくれた。魔獣については王様と王妃様が民達に説明するそうだ。勿論、王女様達の悪事と今後についても。フィスィさん達も国に戻って全て公表すると言っていた。どうやらこの国は昔から人間の国から狙われていて、隙あらば乗っ取ろうと目論んでいた。小さな島国だけど、この国は翠嵐さんが守護する国で、龍の国との貿易、商売、交流も盛んに行われている。龍の国にしかない貴重な薬草や宝石もこの国には沢山出回っているけれど、人間の国との外交は一切していなかった。
人間の国の王族達は風雷の国を見下していて属国だと思い込んでいる。けれど、それは大きな間違いで風雷の国は龍の国の一部と言ってもいい。頻繁に翠嵐さんが様子を見に来たり、竜人の騎士達をこの国に滞在させて人間の国から守ったりしていた。それは今も続けられていて、実はメリが攫われたのも人間の国の王族が関わっているという。
神様からメリは王族内のごたごたに巻き込まれて奴隷にされたと聞いていたけど、その内容も胸糞悪いものだった。人間の国の王族達はどんな手を使ってでもこの国を手に入れたかったらしく、何人ものスパイをこの国に送り込んでメリを攫う機会を虎視眈々と狙っていたという。幼いメリを攫って人間の国で保護し、王女と婚約させた後で風雷の国に「王子が見付かりました」と手紙を送り、この国を乗っ取ろうと企んでいた。
幼いメリを連れ出すことには成功したが、自国へ帰る途中、盗賊に襲われてメリは奴隷商人に売り飛ばされた。予想外の展開に人間の国の王族達は焦り、この事に関しては一切口にしなかった。彼らもメリは死んだと思い込んでいたからだ。もし、この事がバレてしまったら龍の国から報復されてしまう。それを恐れた彼らは自分達の悪事を隠蔽した。
「また言いがかりをつけられたそうだ」
「最近本当に多いね。満帆達は大丈夫なの?」
「翠嵐が風雷の国に滞在しているからな。問題はない」
魔獣に襲われて王女様が怪我をしたから責任を取れと、人間の国は風雷の国を責め立てているようだ。メリを王女様の結婚相手として認めるなら今回の罪は不問にする、と。本当に身勝手な理由だ。魔獣を放ったのは王女様達だというのに。その魔獣だって犠牲者なのに、奴らには罪悪感というものがないのだろうか。
『みーつー! あそぼ! あそぼ!』
「ふふ。ごめんね。今はご飯を作ってる途中だから、もう少しだけ待ってくれる?」
『やーだー! いまがいい! みつ! あそぼ!』
「本当にごめんね。サク」
『いまじゃなきゃやだ! みつ! あそんで!』
俺の足元でごろんごろんしてるのは真っ白な毛並みに黒い瞳をした小さな狼。トキワ様の眷属だ。末っ子だからなのか、俺のことをお母さんだと思っているのか、ものすごく甘えん坊で俺にべったりくっ付いて離れない。
『こらぁああああああ! ミツル様を困らせるんじゃねえ! 少しは我慢しろ!』
『ふぇ!』
『チトセの言う通りよ。我慢しなさい。サク。ミツル様ばかり頼って、一人前になれると思ってるの?』
『ぅう』
『そんなに怒るなよ。チトセ。ミズホ。サクは末っ子なんだから、な?』
『あぁ、よしよし。お姉ちゃんと遊ぼう。ね? サク』
『ふぇえええええん!』
うーん。賑やかだなあ。みんなまだ幼い狼なのに、精神は引き継がれていて心はほぼ大人だ。一番上のチトセと二番目のミズホはしっかり者で何時も弟と妹達の面倒を見ている。こうやって怒るのも可愛い兄妹達の為を思って。三番目のセイランと四番目のアカネは末っ子のサクにデッロデロに甘くて、何時もこうして怒られて泣きじゃくるサクを慰めて甘やかしている。チトセとミズホが「そうやって甘やかすからサクは子どものままなんだ」って怒るけど、セイランとアカネはサクの過去を気にして「甘えたい時は沢山甘えたっていい」と伝えた。
「騒がしいな」
体を丸めてえぐえぐと泣くサクを抱き上げてメリは小さなため息を吐く。サクを撫でる手つきは優しくて、チトセとミズホがメリに注意するけど完全に無視。何時の間にかサクはメリにすり寄って『もっと撫でて!』とお願いしていた。
トキワ様は暫くと言っていたけど、狼達との賑やかな日常は二週間ほどで終わりを告げた。両手で持ち上げられるくらい小さくてふわふわだった狼達はトキワ様の力をどんどん吸収して三日くらいで中型犬くらいの大きさに、一週間くらいで大型犬、そして二週間も経つと馬くらいの大きさに成長した。森の中を駆け回る時は元の大きさで、屋敷に入る時は豆柴くらいの大きさに、体の大きさも自在に操れるようになった。最初に力を自在に操れるようになったのは、やっぱり一番上のチトセだった。次にミズホ。少し遅れてセイランとアカネ。
「大きくなったね」
『ミツル様とトキワ様のお陰です』
『ミツル様。本当にありがとうございます。魔獣となってしまったあの子を助けていただいて』
「サクを助けたのはトキワ様だよ。俺は何もしていないから」
『ミツル様は俺達の恩人です。みんなと一緒に過ごせて幸せでした』
『こうして全員が集まるのは難しくなりますが、どうかあの子を、サクを頼みます』
「うん」
そう。この子達と一緒に過ごすのも今日が最後。この子達はこれからトキワ様に命じられた国へと旅立って、その国の守護神となる。チトセはエルフの国へ、ミズホは龍の国へ、セイランは風雷の国へ、アカネは獣の国へ、それぞれ旅立ってしまう。みんな立派に成長したけど、何故かサクだけは小さいまま。チトセ達と違って、サクは魔獣に変えられて長年苦しみ続けてきた。それが影響しているのか、サクはチトセ達のように成長しなかった。けれど、誰もサクを責めなかったし、早く成長しろとも言わなかった。「立派な守護神にはなれないぞ」とか「大人になって困っても助けてやれないんだからな」とか、ちょっとした小言は言っていたけど。
「ミツ。準備ができた」
「ありがとう。メリ。それで、サクは?」
「今も泣いている」
「そう」
こんなに早くお別れするとは思っていなかったサクは、大好きな兄妹達が旅立つと知って泣き喚いた。嫌だ、行かないで、ずっと一緒にいてと。ひとりぼっちは嫌だと、寂しいのは嫌だと。一生の別れじゃない、みんなが旅立つ国に行けば会えると説明してもサクは泣き止まなかった。
「ミツル様。サクを連れてきました」
「トキワ様」
トキワ様に連れられてサクはとぼとぼ俺のところに歩いてきた。トキワ様が説得してくれたんだ。みんなもお別れするのは辛くて悲しい。けれど、トキワ様の眷属となった彼らはこの世界を守る義務がある。それが神獣の役目だから。サクが嫌だと思うように、みんなも離れ離れになるのは嫌だと思っている。それでも旅立たなければならないから、お別れの時は笑顔で見送ろう。みんなが安心して旅立てるように。
『おみおくり、する。ぼくは、ひとりでもだいじょうぶ、だから。わらって、おわかれするの』
「そっか。えらいね。サク。チトセ達もきっと喜ぶよ」
目元は赤く腫れているし、声だって涙声。サクは幼い子ども同然だ。それでも大好きなお兄ちゃんとお姉ちゃん達を見送ると決断したのだから大きな進歩だし、些細なことかもしれないけど大人に一歩近付いた。ぷるぷる震えるサクを抱き上げて頭を撫でる。チトセ達は、少しだけ成長したサクを優しい目をして見守った。
人間の国の王族達は風雷の国を見下していて属国だと思い込んでいる。けれど、それは大きな間違いで風雷の国は龍の国の一部と言ってもいい。頻繁に翠嵐さんが様子を見に来たり、竜人の騎士達をこの国に滞在させて人間の国から守ったりしていた。それは今も続けられていて、実はメリが攫われたのも人間の国の王族が関わっているという。
神様からメリは王族内のごたごたに巻き込まれて奴隷にされたと聞いていたけど、その内容も胸糞悪いものだった。人間の国の王族達はどんな手を使ってでもこの国を手に入れたかったらしく、何人ものスパイをこの国に送り込んでメリを攫う機会を虎視眈々と狙っていたという。幼いメリを攫って人間の国で保護し、王女と婚約させた後で風雷の国に「王子が見付かりました」と手紙を送り、この国を乗っ取ろうと企んでいた。
幼いメリを連れ出すことには成功したが、自国へ帰る途中、盗賊に襲われてメリは奴隷商人に売り飛ばされた。予想外の展開に人間の国の王族達は焦り、この事に関しては一切口にしなかった。彼らもメリは死んだと思い込んでいたからだ。もし、この事がバレてしまったら龍の国から報復されてしまう。それを恐れた彼らは自分達の悪事を隠蔽した。
「また言いがかりをつけられたそうだ」
「最近本当に多いね。満帆達は大丈夫なの?」
「翠嵐が風雷の国に滞在しているからな。問題はない」
魔獣に襲われて王女様が怪我をしたから責任を取れと、人間の国は風雷の国を責め立てているようだ。メリを王女様の結婚相手として認めるなら今回の罪は不問にする、と。本当に身勝手な理由だ。魔獣を放ったのは王女様達だというのに。その魔獣だって犠牲者なのに、奴らには罪悪感というものがないのだろうか。
『みーつー! あそぼ! あそぼ!』
「ふふ。ごめんね。今はご飯を作ってる途中だから、もう少しだけ待ってくれる?」
『やーだー! いまがいい! みつ! あそぼ!』
「本当にごめんね。サク」
『いまじゃなきゃやだ! みつ! あそんで!』
俺の足元でごろんごろんしてるのは真っ白な毛並みに黒い瞳をした小さな狼。トキワ様の眷属だ。末っ子だからなのか、俺のことをお母さんだと思っているのか、ものすごく甘えん坊で俺にべったりくっ付いて離れない。
『こらぁああああああ! ミツル様を困らせるんじゃねえ! 少しは我慢しろ!』
『ふぇ!』
『チトセの言う通りよ。我慢しなさい。サク。ミツル様ばかり頼って、一人前になれると思ってるの?』
『ぅう』
『そんなに怒るなよ。チトセ。ミズホ。サクは末っ子なんだから、な?』
『あぁ、よしよし。お姉ちゃんと遊ぼう。ね? サク』
『ふぇえええええん!』
うーん。賑やかだなあ。みんなまだ幼い狼なのに、精神は引き継がれていて心はほぼ大人だ。一番上のチトセと二番目のミズホはしっかり者で何時も弟と妹達の面倒を見ている。こうやって怒るのも可愛い兄妹達の為を思って。三番目のセイランと四番目のアカネは末っ子のサクにデッロデロに甘くて、何時もこうして怒られて泣きじゃくるサクを慰めて甘やかしている。チトセとミズホが「そうやって甘やかすからサクは子どものままなんだ」って怒るけど、セイランとアカネはサクの過去を気にして「甘えたい時は沢山甘えたっていい」と伝えた。
「騒がしいな」
体を丸めてえぐえぐと泣くサクを抱き上げてメリは小さなため息を吐く。サクを撫でる手つきは優しくて、チトセとミズホがメリに注意するけど完全に無視。何時の間にかサクはメリにすり寄って『もっと撫でて!』とお願いしていた。
トキワ様は暫くと言っていたけど、狼達との賑やかな日常は二週間ほどで終わりを告げた。両手で持ち上げられるくらい小さくてふわふわだった狼達はトキワ様の力をどんどん吸収して三日くらいで中型犬くらいの大きさに、一週間くらいで大型犬、そして二週間も経つと馬くらいの大きさに成長した。森の中を駆け回る時は元の大きさで、屋敷に入る時は豆柴くらいの大きさに、体の大きさも自在に操れるようになった。最初に力を自在に操れるようになったのは、やっぱり一番上のチトセだった。次にミズホ。少し遅れてセイランとアカネ。
「大きくなったね」
『ミツル様とトキワ様のお陰です』
『ミツル様。本当にありがとうございます。魔獣となってしまったあの子を助けていただいて』
「サクを助けたのはトキワ様だよ。俺は何もしていないから」
『ミツル様は俺達の恩人です。みんなと一緒に過ごせて幸せでした』
『こうして全員が集まるのは難しくなりますが、どうかあの子を、サクを頼みます』
「うん」
そう。この子達と一緒に過ごすのも今日が最後。この子達はこれからトキワ様に命じられた国へと旅立って、その国の守護神となる。チトセはエルフの国へ、ミズホは龍の国へ、セイランは風雷の国へ、アカネは獣の国へ、それぞれ旅立ってしまう。みんな立派に成長したけど、何故かサクだけは小さいまま。チトセ達と違って、サクは魔獣に変えられて長年苦しみ続けてきた。それが影響しているのか、サクはチトセ達のように成長しなかった。けれど、誰もサクを責めなかったし、早く成長しろとも言わなかった。「立派な守護神にはなれないぞ」とか「大人になって困っても助けてやれないんだからな」とか、ちょっとした小言は言っていたけど。
「ミツ。準備ができた」
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こんなに早くお別れするとは思っていなかったサクは、大好きな兄妹達が旅立つと知って泣き喚いた。嫌だ、行かないで、ずっと一緒にいてと。ひとりぼっちは嫌だと、寂しいのは嫌だと。一生の別れじゃない、みんなが旅立つ国に行けば会えると説明してもサクは泣き止まなかった。
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