聖女様は密かにヒロインを抹殺したい

『聖女』として、清く正しく生きてきた少女、アウローラ。

聖堂の中でも一際女神の寵愛を強く受けた彼女に、『普通』はなかった。

民のため、神のために日々身を捧げ続ける毎日だった。

しかしそんなある日、教会に黒い髪と眼を持った、不思議な少女が現れる。

祈りの日、神々の祭壇の上に突如光と共に舞い降りたその少女を、人々は『聖女』と呼んだ。

『聖女』の名を名乗れるのは、一人だけ。

国のためだけに生きてきたはずのアウローラは、あっさりと『聖女』の名を奪われた。

現代の『聖女』と前代の『聖女』が同じところにいてはいさかいの種にしかならないと判断され、彼女は『聖女』の名を奪われ、更に、ずっと過ごしてきた大聖堂からも追い出されることに。

彼女が次に派遣されたのは、何もない閑静な国境付近の村。

誰にも見送られることもなく、一人大聖堂から出たその瞬間、彼女は思い出す。

「…………あら、わたし殺されちゃうのかしら?」

この世界が、自分に優しくない破滅エンドしか残っていないクソゲーだということを。


死にたくない元『聖女』は、考えた。

「よし、ヒロインの座を奪ってしまえ」

と。
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