ヘンゼルとグレーテル〜昏き森の魔法使い〜

蒼琉璃

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二話 二人だけの秘密※

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「グレーテルがあまりにも美しくて、華のように愛らしいからだね。その場にいるだけで世界が煌めくんだよ。グレーテルの心も同じように、清らかで美しいから、お母様は羨ましいのさ」
「わ、私が? お兄様、恥ずかしいわ。でもお母様が、私に嫉妬されるだなんてそんな事はないでしょう。きっと私が娘として、いたらないせいだと思うの」

 思わぬ形で褒められ、グレーテルはぱっと頬を薔薇色に染めると、恥じらい、視線を落とした。ヘンゼルはいつも、過剰にグレーテルを褒めるのでそれが、こそばゆくなる時がある。
 時折、彼の視線が熱っぽく感じられるのは何故だろう。

「お母様は、私がお嫌いなはずなのに、どうして私をこのお城に閉じ込めておくのかしら。私がどこかの御子息のもとに嫁げば……」
「駄目だ」

 突然冷たい声で遮られてしまい、グレーテルは驚いたようにヘンゼルを見た。綺麗な指先がグレーテルの頬を伝うと、金色の瞳が仄暗く光る。その表情は、いつもの義兄とは異なり、グレーテルは不安そうに首を傾げた。

「ヘンゼル……お兄様?」
「ふふ……そろそろ頃合いかな。僕があれだけ社交界に顔を出しているのに、浮いた話もなくどうしてご令嬢と婚約しないのか、グレーテルは不思議に思わないかい?」
「どう……して?」

 ヘンゼルはそう言うと、華奢なグレーテルの指を掴んで口付ける。ヘンゼルの突然の行動に戸惑っていると、彼はグレーテルの指の隙間に舌を這わせた。柔らかな舌が指の溝を擽り、泡立つような感覚に、一瞬吐息が漏れる。

「あっ……ん。ヘ、ヘンゼルお兄様……なぁに」
「初めてお前に出逢った日、こんなにも可愛くて清らかな女の子が、この世界に存在しているだなんて思いもしなかった。僕は、ずっと穢れた淫売婦ばかり見てきたからね」
「ヘンゼルお兄様……?」
「グレーテル、愛しているよ。お前はずっとこの城で、僕と共に暮らすんだ」

 金色に輝くヘンゼルの瞳は、どこか狂気を宿していて、グレーテルは怯える子兎のように彼を見つめた。初めて異性から愛の告白を受けたグレーテルは赤面し、当然ながら戸惑う。
 自分もヘンゼルの事は愛しているが、それが男女としての恋愛感情かと言われると分からなかった。

「ヘンゼルお兄様の事は好き。だ、だけど、私達は兄妹なの」
「そうか、ならば兄妹でなくなれば良いのだね。ふふ、いずれグレーテルが他の男の手に渡る前に、この手で純潔を奪わねばと思っていたんだ。もちろん誰にも渡すつもりはないが」

 ヘンゼルは彼女の顎を掴むと、薔薇色の瑞々しい唇を奪った。驚いて、思わず開いたグレーテルの唇に、柔らかな舌が挿入され、絡め取られる。そうして、彼女は手首を掴まれ、緩やかにベッドに押し倒された。
 口腔内を蹂躙じゅうりんする、淫靡な音が響いて、グレーテルはヘンゼルのシャツを握りしめる。

「んっ……やっ……はぁっ……ん、だ、だめ」

 ヘンゼルの舌技は巧みで、無垢なグレーテルの心を溶かしていく。これから、何が起こるのか、彼女には見当もつかなかったが、恐らく血の繋がりがないとはいえ、一緒に暮らしてきた兄妹が、してはならない行為だろうと察した。

「可愛い反応だね。お前は外の世界を知らないから、愛し合う行為なんて想像もつかないだろう? 僕が教えて上げよう、グレーテル。きっと気に入る」
「はっ……んんっ、で、でも……お父様とお母様に知れたら……はっ、ひぁっ……」

 戸惑いながらも、ヘンゼルの舌先が首筋に這うと、甘い吐息が漏れてしまった。抵抗しようにも、義兄に手首を掴まれベッドに押さえつけられている。
 もう、逃がすつもりはないと言わんばかりだ。
 処女雪のように白く、滑らかな肌に、ヘンゼルの温かい舌が這うと、敏感に反応して甘い吐息が漏れる。

「そうだね……今はまだ、僕達の関係を黙っていよう。もし、お母様とお父様が、僕からお前を引き離そうとしたら……。こちらにも考えがある」

 ヘンゼルは優しい声音で、冷たく囁く。

「ヘンゼル……お兄様……? きゃぁっ……はっ、あっ……ど、どうしてそこを触るの……んっ……んんっ……これはなぁに」

 義妹を安心させるように言うと、柔らかな乳房まで手を伸ばした。ドレスから零れ落ちた、控えめで可愛らしい乳房を両手で包み込むと、薄桃色の綺麗な乳輪を親指で撫でた。
 初めて感じる不思議な感覚に、グレーテルは戸惑いつつ、禁断の快楽に飲み込まれていく。

「ふふふ……。それはね、ここがグレーテルが感じる場所だからさ。ほら、可愛らしい乳房の突起が、ガーベラの蕾みたいに実っている。優しく摘んであげようね」
「感じる場所……? あっ、んっ……はぁ、ひゃあんっ……ん、んんぅ……へん、な感じ。怖いわ……むずむずするの」

 絹のように滑らかな乳房に、薄桃色の乳輪が鮮やかに咲いている。その先端を男が愛撫するなんて、無垢なグレーテルには知りもしない行為だろう。
 娼婦だった母を見て育った彼は醜い女の駆け引きも、客を喜ばせるための艶めかしい咆哮や、獣のような交わりも見てきた。
 その度に異性に失望しながら、燻るような暗い欲望を感じ、その技術を視覚から学習していたのだ。

「綺麗だ。大丈夫だよ、グレーテル。僕に身を任せておけば良い。優しくしてあげるからね」
「はっ……はぁっ……んっ、んぅ……ぁん、お兄様、おかしな声が出ちゃうの……あっ、ひゃあ……んんっ」

 グレーテルの乳輪を指でなぞり、乳頭を優しく摘む。突起した蕾を舌に絡ませると、甘い味がする。グレーテルが放つ柔らかな花の体臭に興奮し、ヘンゼルは直ぐに下半身を硬くさせた。
 舌と指の刺激に、彼女は小鳥のように甘い声で囀り、瑠璃色の瞳から涙を零した。

「はぁ……っ、グレーテル……痛いかい?」
「ううん。はっ、違うの。気持ちいい……はっ……あっ……んっ……」

 直ぐにでも彼女と交わりたくなるが、挿入するには、充分に準備が必要だ。
 ヘンゼルはドレスのスカートを太腿まで捲ると、下着越しにグレーテルの秘部を撫でた。不浄の場所に触れられ、グレーテルは思わず驚愕し、義兄を見る。

「はっ……んっ、ヘンゼルお兄様、そ、そこは……お小水を出す場所なの。そんなところに触れては、汚いわ……はぁっ、はっ……はぁっ」
「ふふ。本当に何も知らないんだね、グレーテル。お前に限っては、ここは汚い場所なんかじゃないんだよ。さぁ、脚を開けて僕に見せてご覧」

 羞恥に頬を染めるグレーテルを見ると、ヘンゼルはこれ以上ない位の愛しさが込み上げてきた。清らかな者を穢したいという、嗜虐的な感情に支配される。
 神々しい天使の装飾が施されたベッドの上で、グレーテルは言われるがまま、脚を開脚する。
 ヘンゼルがグレーテルの清楚な下着を外すと、まるで陶器人形のような無毛の白い丘に、薄桃色の亀裂がぴったりと閉じているのが見えた。羞恥に、脚を閉じようとするグレーテルをヘンゼルは制する。彼はそこをじっと凝視すると、熱い溜息を吐き出した。

「ああ……やっぱり綺麗だね。グレーテルのここは、清楚で華のように美しい。ここは僕と愛し合うための場所なんだよ。グレーテルは、僕を愛してるだろう?」

 二本の指で、薄桃色の花弁を揉み解すように優しく撫でると、グレーテルは先程とは比べようもない激しい快楽に身悶える。右から、円を描くように亀裂に触れると、もう片方の親指で、隠れた陰核を掘り起こすように、愛撫した。

「んっ、ああっ……やぁっ……んんっ、ヘンゼルお兄様の、事は、愛してるわ……はぅっ……んあ、で、でも……あっあっ、やぁっ……あっあっあっ……だめ、そこ、変なの……ヘンゼルっ……あっあっんんぅっ……」
「グレーテル……ふふ。ここが好きなんだね。段々と濡れてきたよ。もっと気持ち良くしてあげよう」

 生まれはどうあれ、ヘンゼルは優秀で、貴族としての振る舞いも一流だった。紳士的で優しく、尊敬出来る彼は彼女にとって完璧な兄である。
 そんなヘンゼルが、自分の陰部に顔を埋め、まるで犬のように、不浄の場所を舐め回していると思うと、羞恥と快感でグレーテルはぎゅっとシーツを握りしめて嬌声を上げる。

「ゃっ……あっ、あぁっ! はぁ、やぁぁ、だめ、だめ、ヘンゼルお兄様っ、はっ、はぁんっ、気持ちいいっ、あっ、ああっ、や、やだっ、あっ、あんんっ、あっあっあ!」

 閉じた陰裂を、柔らかな舌で隅々まで嬲られる。膣口から尿道口、そして陰核に絡みつき、小さく突起する粒の根元から先までを縦横無尽じゅうおうむじんに愛撫されると、呼吸さえままならないほど、グレーテルは喘いだ。
 やがて、じんわりと花弁から愛液が溢れると、それを指に絡ませ、未開の地に挿入する。

「はぁ、グレーテル……僕の可愛い妹。心配しないで、なるべく痛みを感じないように愛撫するから。ふふ、僕も初めてなんだけど……女の自慰を手伝わされた事があるからね。とてつもなくおぞましい経験だったが、ようやくそれが、役に立つ時がきたよ」
「はぁっ……はっ、自慰……? あっ……んんっ、ヘンゼルお兄様の指が……あっ……はぁっ、んんっ、あっあっあっんっ……」

 グレーテルには、ヘンゼルの口にした言葉の意味は分からなかった。
 彼は自分の過去について他人に話す事を、極端に嫌っている様子で、グレーテルは質問をするのも、憚られる気がしたからだ。
 ヘンゼルの綺麗な指が、腟内なかで蠢くと、異物感と共にゾクゾクと内部から込み上げてくる、快感に甘い嬌声を漏らす。
 波打つように上下に動き、陰核の裏を愛撫されると、泡立つ蜜の濡れた音が響く。
 指を動かしながら、舌で小さく膨らんた陰核を舐め回される。グレーテルは、その強烈な快楽に、ヘンゼルから逃れようと腰を引こうとしたが、やすやすと組み敷かれた。
 ずぽ、じゅぽ、と指の愛撫に合わせて、結合部から淫らな音が漏れる。

「あっあっあっ……んぁっ、はっ……はぁっ、それ、だめっ……ゃっ……あっ、やぁんっ……んぁっ、はぁっ……あっ、なにか、きちゃうっ、やぁぁっ!」

 グレーテルは頭が真っ白になり、初めて絶頂に達した。ヘンゼルは恍惚とした表情で、呼吸を乱す義妹を見つめると、指を抜き溢れた甘い愛液を舐めた。

「グレーテル、お前は僕の愛撫で快楽の頂きまで達したんだ。これは……この喜びは、僕だけのものだ。あぁ……本当になんて美しくて清らかなんだろう。もっと時間を掛けるつもりだったのに駄目だ……早く、お前を僕だけのものにしないと」
「はぁ、はぁ…………お兄様、これから何をするの?」

 ヘンゼルは感情を必死に押し殺したような声で囁く。彼は年月を重ねる事に、美しく成長する義理の妹に対する、愛情と執着心を募らせていた。
 鬱積うっせきした感情は蛇のようにトグロを巻き、もう抑える事など出来ない。

「グレーテル、これから僕とお前は夫婦になる儀式をするんだよ。ほんの少し痛いかもしれないが……それが、僕達の永遠の絆になる」
「お兄様との……永遠の絆?」

 敬愛する義兄が下半身から取り出したのは、蛇のように鎌首をもたげたような陰茎で、初めて異性の性器を見てしまった彼女は驚き、羞恥に頬を染める。
 ヘンゼルは、グレーテルの両腿を手で抑えると、無垢な彼女の花弁に陰茎の先端を押し付け、溢れた蜜を絡ませて、一気に挿入して処女膜を貫いた。
 
「はぁっ……んっ……ひっ、あっ、あああっ! い、痛い、お兄様、痛いのっ! 抜いてっ」

 肉体を切り裂くような痛みが走り、グレーテルは苦悶の表情を浮かべて泣いた。お互いの結合部から見える鮮血が、シーツに広がると、ヘンゼルは彼女をあやすように頬を撫でた。

「はぁ……大丈夫だよ、グレーテル。僕達は一つになったんだよ」

 温かくぴったりと密着し蠢く腟内に、ヘンゼルは呻く。
 ようやく、愛する義妹の純潔を手折る事が出来た。そして自分の童貞を、グレーテルに捧げる事が出来たのだ。それはとてつもなく美しく、清らかな事だとヘンゼルは思った。
 この痛みと行為に、なんの意味があるのか、グレーテルには理解出来なかったが、ヘンゼルは頬を上気させ幸せそうに微笑んでいる。

「はっ……はぁっ……んっ……くぅ」
「はぁっ……馴染むまで少し痛いのかな。でも大丈夫だ。こうして動かすと、やがて気持ち良くなっていくからね。動くよ、グレーテル」

 ヘンゼルはグレーテルの額に自分の額を合わせると、ゆっくりと腰を動かした。何度も口付けられ、媚肉を馴染ませるように上下に擦られると、激痛から鈍痛に代わり、快感と呼べるものが、グレーテルの中で生まれてきた。

「はっ……あっ、んっ、もう、痛くなっ……はぁっ、あっ……あっんっ、やっ……なんか、変な感じがっ……んんっ」
「はぁっ……また、グレーテルの腟内なかから蜜が溢れてきた。はぁっ、はっ……愛してる、グレーテル……はぁっ……、絡みついてくる……はぁっ……ああ、これが、僕の愛しいグレーテルの体内だ……こんなに愛おしいものはないよ、ああ」

 腰が動く度に、蜜が破瓜の血を洗い流す。先端まで引いて根元まで挿入するという、ゆるりとした動きに、グレーテルはシーツを握りしめながら喘いだ。
 陰核の裏を無意識にヘンゼルが雁首かりくびに引っ掛かるように刺激すると、グレーテルは、ビクビクと体を震わせ悶えた。
 彼女は、与えられた快感になす術もなく喘ぐ。

「はぁっ、あっ、やぁっ、ヘンゼルお兄様っ、あっんんっ、はぁっ……あっ、んぁっ、はっ、あぅっ……はっ、お兄様……好きっ、ひっ、あ、ぅ、はっ、だめぇ、そこ、きもちいいっ……!」
「はぁっ……はぁっ、グレーテル……っ、本当はね、僕がお母様に頼んだんだ。大切なグレーテルを外の世界に出して……はぁっ、汚らしい男に穢されてはかなわない、だろうっ……? だから、どんな形でも僕の側に居られるように頼んだんだ……ふふ、あはは」

 ヘンゼルに突き上げられる度に、グレーテルの瞳から涙が弾け飛んだ。それを見たヘンゼルは、やんわりとグレーテルの首に片手を掛け、甘く狂気を孕んだ声で囁く。
 ひくひくと貪欲に蠢く媚肉を割いて、花の奥まで突き上げるれると、幾度も火花が散るほど心地よい箇所に当たり、グレーテルは続けて絶頂に達する。

「あっ、~~~~ッッッ! はっ、はぁっ、あんっ、あっあっあっ……だめっ、ヘンゼルお兄様っ、あっ、あんっ、も、もう、はぁっ、気持ちいいの……はぁっ、あっ、だめっっ」
「はぁっ……ああ、そんなに僕の陰茎ペニスが気持ちいいのかい、グレーテル。可愛いなぁ。ああ、僕のたんぽぽ姫っ、いいよ、僕も、気持ちがいい、はぁ、はっ、はっ……もうっ、限界だ」

 ヘンゼルは、彼女の体に余裕もなく覆い被さると、速度を上げて腰を打ちつけた。肌がぶつかる乾いた音が響いて、グレーテルは義兄の背中に腕を回す。
 結合部から淫らな音が響いて、ヘンゼルとグレーテルの舌と吐息が淫らに絡まり合う。

「はぅっ、~~~~~ッッッ!」

 二人の時が止まって同時に絶頂に達すると、何かどろりとした熱い液体がグレーテルの腟内に放たれ、彼女は余韻に震えた。
 愛する義妹の膣内を、名残り惜しむかのように、ヘンゼルはゆっくりと陰茎を抜き、愛しげに額、頬、唇にキスの雨を降らして抱き締めた。

「はぁ……お兄様……私」
「グレーテル、心配しなくてもいい。僕の子が宿ったら、僕がきちんとベルケル伯爵としてお前を妻に迎える。ふふ、驚いたかい? 初めて出逢った時から、お前と結婚する。そう決めていたんだ」
「で、でも。お父様やお母様は許して下さるかしら」
「何もかもお兄様に任せてくれ。ただお前は僕の側にいて、僕の愛に包まれていれば良いんだよ」
「はい、ヘンゼルお兄様」

 僅かに見えた義兄の狂気は、金色の優しい瞳の中に姿を消し、春の柔らかな陽射しのような微笑みが帰ってくると、グレーテルの心に罪悪感が湧き上がった。
 グレーテルは、父と義兄以外の異性を知らない。
 恋愛感情がなんなのか、人を愛するとはどういう事なのか、それも分からないまま、義兄妹の一線を超えてしまった。
 ヘンゼルを愛しながらも心が追い付かず、彼が見せたあの狂気を思い出すと、グレーテルは背筋が寒くなってしまった。


(私は、お兄様の檻に囚われたのだわ)
 


 
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