無気力系主人公の総受け小説のモブに本物の無気力人間が転生したら

7瀬

文字の大きさ
44 / 136
第一章 幼少期編

第四十三話 主治医エドワルド(5)

しおりを挟む

 元々薬に馴染みのない国だ。完成した薬を世に広めるのに必要な許可や手続きはない。

 とはいえやはり安全性を確かめる試験は実施しておきたかった。残念ながらエドワルドは備えられた神聖力のせいで病にかかることはなく、どう試用するかが問題だった。

「じゃーん!わざと感染してみたよ!それじゃあ今から薬を飲みまーす」
「クソ、頭いてぇ…」
「よし。これで明日には熱も下がって三日後には湿疹も綺麗さっぱり消えるはず!まあ僕は毒に慣れちゃってるからあんまり当てにならないけどねー。その代わり頼りになる助っ人を呼んだよ!」

 躊躇いを知らない変人ほど怖いものはない。心配するのも馬鹿らしいので大人しく実験台になってもらおう。

「失礼する」
 ラーセンを無理矢理ベッドに寝かせていると次の被験体がやって来た。

「ラーセン、俺にも薬をくれ」

 フードを脱ぎながら髪と目、ついでに顔から首までをも湿疹で真っ赤にして現れたのは皇太子付きの護衛だ。

「おお。ゼオンくんも無事症状が出たみたいだね。君は丈夫だから菌にも勝っちゃうと思ったんだけどな~。はい薬」
「悪いな。
 あ、お前。エドワルドと言ったか?ルシア様には俺が感染したことは秘密にしておいてくれ。彼女は怒ると手が付けられな………」
「ゼオン~???誰に秘密にするつもりかしら~?」
「え、あ、ちょ、ルシア様!?すみません!すみませんでした!!」

 背後霊のようにゼオンの後ろから現れた聖女は勇ましいことに騎士の耳を掴んで引き摺っていく。
 人は見た目に寄らないということを分かりやすく表した光景だった。

「失礼するよ。ラーセン、僕にも薬をくれ」
「あれ?殿下もかかっちゃったんですか?」
「うん。ついうっかり」
「………」
「エドワルド、顔色が悪いな。君は病にはかからないんじゃなかったか?」
「いえ………単なる頭痛です。殿下、そちらのベッドをお使いください。神聖力で治癒を………」
「しようものなら不敬罪で今すぐ処刑だね」
「………どうぞ薬をお飲みください」


 エドワルドの頭痛は悪化したが、幸い三人とも三日後には完全に回復して全員で帝都への帰路を辿った。

 皇太子と騎士は秘密裏に動いている身のようで帝都に着く少し前に別れることにする。
 ラーセンも殿下の庇護下で薬の量産に臨むため二人について行った。

 皇太子の立位置は非常に複雑で、その立場に相応しい権力を得ていないことは周知の事実だ。
 とはいえエドワルドが直接会った皇太子殿下は噂と異なりその座に相応しい威厳と情を持っていた。

 今後事態は快方に向かうだろうとエドワルドは信じて疑わなかった。


「長旅ご苦労だった。見ない間に背が伸びたようだな」

 神殿に戻るなり一息つく間もなくエドワルドは大神官に呼び出されていた。聖女ではなく自分だけが呼ばれたことに違和感を覚える。

 その上指定されたのは執務室ではなく聖堂だ。神の像が見守るこの場所で大神官は一体何の話をするつもりなのだろう。
 
「そうでしょうか。自分ではあまり分からないものですね」

 女神の像の目の前に立っている大神官はわざとらしい笑顔とともにエドワルドを出迎えた。エドワルドは扉の側で足を止め、妙な胸騒ぎに身体を強張らせる。

「それに、どうやら期待以上の成果をあげてくれたようだ」

 ズキズキとこめかみが痛む。
 薬はまだあの三人以外の誰にも使っていない。

 神を深く信仰している皇帝に阻まれるのを防ぐためにも十分な量の薬を確保するまで敢えて伏せておくというのが五人が出した結論だった。

 それなのに何故この男が知っているのだ。
 ある意味では皇帝以上に厄介な男だというのに。

「そんなに警戒しないでくれたまえ。虐めているみたいじゃないか。
 仕方ないだろう?未来の大神官候補と聖女を二人だけで旅させる訳にはいかなかったんだ」
「誰かにつけさせていたということでしょうか」
「そんな言い方はよしてくれ。神の力を持つ子を守るのも私の役目なんだ」

 大神官はゆっくりとした足取りで距離を詰めてくる。反射的に後退りしたものの、直ぐに背中が壁に当たった。

「エドワルドくん。私と取り引きをしよう」
「取り引き…?」
「安心しなさい。悩むことなどない。簡単な取り引きだ。
 名前も知らない他人とたった一人の家族。比べる必要もないだろう?」

 うまく空気が吸えない。
 妹とは神殿に来てから手紙のやり取りをするだけでただの一度も会っていなかった。

 帝都からかなり遠い山にある孤立した村には病すらやって来ない。
 聖女と旅に出る前に届いた最後の手紙にも元気にしていると書いてあった。村人からも同じ内容の手紙が届いていたので間違いはないはずだ。

「残酷なこともあるものだ。君の住んでいた村でも感染者が出たらしい。必ずしも死に至るものではないが………君の妹は身体が弱いんだったね」

 神は何故この男に力を与えたのだろう。
 目の前にいる生物は人間というにはあまりにも醜く悪魔にすら見える。

「妹の元に私の信頼する神官を向かわせておいた。君が取り引きに応じてくれるなら通信魔道具を使って今すぐ治癒するように指示しよう」
「私に何をしろと言うのですか」
「簡単なことだ。フードの男達の正体と居場所を教えてくれればいい」

 どうやら皇太子一行の顔は割れていないらしい。認識阻害の魔法でも使っていたのだろう。

「そんなことを知ってどうするおつもりですか」
「神の力を冒涜する愚か者を処分するだけだ」

 これで確信した。
 大神官はこの病が終息することを望んでいないのだ。彼等を亡き者にして薬の存在ごと抹消しようとしている。

 聖女ではなくエドワルドを呼んだのは彼女には脅しに使える家族がいないからだろう。

「………」

 エドワルドは血が滲むほど強く拳を握りしめた。
 病の発症から半年以上経つというのに帝都の外には未だに病で苦しんでいる者が数多く存在している。
 ルシアとエドワルドも立ち寄れる場所にはなるべく立ち寄ったが、ただでさえ広い帝国の半分以上の地に蔓延してしまった病をたった二人の神官で収めるのは不可能だ。今この瞬間も誰かが感染して命を落としている。

 外の様子を見たからこそ言い切れる。薬がなければ何れは帝国どころか世界が崩壊する。

「神を冒涜しているのはお前の方だろ。神の作った世界を自分の手で壊すつもりか?」
「ははっ、これは面白い。怒ると人格が変わるんだな」
「悪いが元々こういう性格なんだよ。安心しろ、テメェほど腹は黒くねぇから」
「落ち着きなさいみっともない。そんな風に攻撃しても、君は結局私の言葉に従わざるを得ないんだ。大切な妹を失うわけにはいかないだろう?」

 別れ際の妹の笑顔が脳裏に浮かぶ。
 自分のために寂しさを隠して笑っていたことには気づいていた。
 あの子は強い。身体が弱く体調を崩しがちであったが、いつも大丈夫だと言って平気なフリをしていた。魔力や神聖力を持たずとも人を救えるのはきっとああいう子なのだろう。

 だからこそ、誤った選択をするわけにはいかなかった。

「………クソッ」

 エドワルドは聖堂を飛び出して先ほど返したばかりの馬を取りに走る。息を切らしながら神殿の門を潜ると丁度目の前に立派な軍馬が現れた。

「はやく乗れ!俺の馬の方が速い!」

 見知ったローブの男はエドワルドの腕を迷いなく引き上げた。

「アンタ何で………」

 ローブで特徴的な赤は隠れているが体格で直ぐに見分けがついた。これまで経験したことがない速度で馬を走らせながらゼオンは応える。

「帰りに襲撃に合ったんだ。それもただの賊とは違う、かなり腕のたつ魔法使だった」
「魔法使…」

 神官とは違い魔力は貴族にしか与えられない。その上神聖力と魔力を併せ持つことはないため相手は神殿の人間では無いということだ。

 だとしたら一体誰が…?

 普通なら皇太子を狙ったと考えるのが妥当だが、大神官の話を鑑みると薬の配布を防ぐためとしか考えられない。

 そもそもエドワルドを脅迫するのは大神官にとってもリスクが大きい選択だったはずだ。
 襲撃に失敗したため第二の手段としてエドワルドに取り引きを持ちかけたというなら辻褄が合う。

「殿下が君達の方にも何か仕掛けられているかもしれないと言うから様子を見に来たんだ。そしたら案の定顔を真っ青にした君が出てきた」
「あの、今何処に向って………」
「君が昔住んでた村に行けばいいんだろう?
 悪いが君のことは一通り調べてある。大神官が付け入るとしたら唯一の家族である妹だろうと思った」
「そ………その通りです」

 てっきり筋肉にしか興味がないのだと思い込んでいたのが申し訳なくなるくらい的確な読みだった。

 二人の間にそれ以上会話はない。
 ただ、自分達のために休まず馬を走らせてくれている男の存在が有り難くて胸が詰まった。


 ✽✽✽


 そこで映像は止まり、意識が浮上していくのを感じる。
 
 続きを見なくとも結果は知っている。寧ろ見なくて済んだことに安心している自分がいた。  

 人の過去を覗き見るというのはあまり心地良いものじゃないな。
 エド先生が話したがらなかったことを踏まえても今見たことは忘れた方がいいのがしれない。  

 とないえ神様に会ってから不思議と鮮明になり始めた前世の記憶のせいで忘れる前にやらねばならないことが出来てしまった。


「………」

 目を覚ますとやわらかなものに顔が埋まっていた。
 かなり上質な感触だ。このまま寝てしまいたい。とは思いつつ窒息する危険を感じたのでモゾモゾと重たい身体を動かして圧迫から解放された。

 俺を抱き締めて眠っている母さん。
 こうして見ると領地にいた頃よりかなり痩せたな。顔色も悪い。
 不調の原因には俺が神子に選ばれたことも含まれているんだろうか?そうだとしたらなんだが複雑だ。

 起こさないように慎重に母さんの腕から抜け出す。

 そのままベッドを降りようとしたが身体が動かなかった。だって寝起きだし。おまけにちゃんと寝てたわけじゃないし。

「リッテー」

 蟻さんの声で名前を呼ぶ。

「はい!お呼びでしょうか!」

 これでも一応優秀な世話係のリッツェは足音一つ立てずにやはり蟻さんの声で返事をしながら風の如くやって来た。

「だっこ」

 両手を伸ばすなり即座に身体が浮いてリッツェの腕の中に収まる。リッツェは俺の額を凝視するとホッと息をこぼした。

「よかった。紋様は消えてますね。苦しいところはないですか?」
「ねむい」
「健康体ですね。やっぱり坊ちゃまはこうでなくちゃ!」

 おいこら。眠いって言ってんだろ。何処が健康体なんだよ。

「そうだ!元気になったってエド先生に伝えに行かないと!坊ちゃま、僕ちょっと先生のところに行ってくるので奥様と一緒におねんねしててください」
「おれもいく」
「え?だ、駄目ですよ。寝ていてください」
「いく」
「駄目ですって。ほーら、良い子ですからおんりしましょうねー」
「エドしぇんしぇ、どこいうの」

 リッツェはどうしても俺を連れて行きたくないようだ。場所を問うと困ったように眉尻を下げる。
 ったく。分かりやすい奴だな。

 リッツェを一人で行かせれば面倒なことになるのは目に見えているし、何より俺もやらねばならないことをさっさと終わらせて快眠を手に入れるためにはついて行くのが一番だ。

「迎えにいくの」
「坊ちゃまも眠いって言ってたじゃないですか。病み上がりなんですからワガママ言わないで………」
「リッテ。おねがい」

 真っ直ぐ目を見て懇願する。リッツェは目を大きく開いたり固く瞑ったり、歯を食いしばったり頰を膨らませたり百面相した後潔く敗北を宣言した。

「はあ、僕って坊ちゃまに甘いよなー。でも可愛いんだもんなー。もー、後で絶対旦那様とエド先生に怒られるよぉ」
「よちよち」
「は!坊ちゃまに撫で撫でされた!!元気十億倍!」

 どうやら神子の手には人を十億倍元気にする力が宿っているらしい。これぞまさしくゴッドハンド。
しおりを挟む
感想 54

あなたにおすすめの小説

この世界は僕に甘すぎる 〜ちんまい僕(もふもふぬいぐるみ付き)が溺愛される物語〜

COCO
BL
「ミミルがいないの……?」 涙目でそうつぶやいた僕を見て、 騎士団も、魔法団も、王宮も──全員が本気を出した。 前世は政治家の家に生まれたけど、 愛されるどころか、身体目当ての大人ばかり。 最後はストーカーの担任に殺された。 でも今世では…… 「ルカは、僕らの宝物だよ」 目を覚ました僕は、 最強の父と美しい母に全力で愛されていた。 全員190cm超えの“男しかいない世界”で、 小柄で可愛い僕(とウサギのぬいぐるみ)は、今日も溺愛されてます。 魔法全属性持ち? 知識チート? でも一番すごいのは── 「ルカ様、可愛すぎて息ができません……!!」 これは、世界一ちんまい天使が、世界一愛されるお話。

公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜

上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。 体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。 両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。 せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない? しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……? どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに? 偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも? ……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない?? ――― 病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。 ※別名義で連載していた作品になります。 (名義を統合しこちらに移動することになりました)

【土壌改良】スキルで追放された俺、辺境で奇跡の野菜を作ってたら、聖剣の呪いに苦しむ伝説の英雄がやってきて胃袋と心を掴んでしまった

水凪しおん
BL
戦闘にも魔法にも役立たない【土壌改良】スキルを授かった伯爵家三男のフィンは、実家から追放され、痩せ果てた辺境の地へと送られる。しかし、彼は全くめげていなかった。「美味しい野菜が育てばそれでいいや」と、のんびり畑を耕し始める。 そんな彼の作る野菜は、文献にしか存在しない幻の品種だったり、食べた者の体調を回復させたりと、とんでもない奇跡の作物だった。 ある嵐の夜、フィンは一人の男と出会う。彼の名はアッシュ。魔王を倒した伝説の英雄だが、聖剣の呪いに蝕まれ、死を待つ身だった。 フィンの作る野菜スープを口にし、初めて呪いの痛みから解放されたアッシュは、フィンに宣言する。「君の作る野菜が毎日食べたい。……夫もできる」と。 ハズレスキルだと思っていた力は、実は世界を浄化する『創生の力』だった!? 無自覚な追放貴族と、彼に胃袋と心を掴まれた最強の元英雄。二人の甘くて美味しい辺境開拓スローライフが、今、始まる。

悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?

  *  ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。 悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう! せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー? ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください! ユィリと皆の動画つくりました! お話にあわせて、ちょこちょこあがる予定です。 インスタ @yuruyu0 絵もあがります Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

穏やかに生きたい(隠れ)夢魔の俺が、癖強イケメンたちに執着されてます。〜平穏な学園生活はどこにありますか?〜

春凪アラシ
BL
「平穏に生きたい」だけなのに、 癖強イケメンたちが俺を狙ってくるのは、なぜ!? 夢魔の血を隠して学園生活を送るフレン(2年)は、見た目は天使、でも本人はごく平凡に過ごしたい派。
なのに、登校初日から出会ったのは最凶の邪竜後輩(1年)!?
幼馴染で完璧すぎる優等生騎士(3年)に、不良ワーウルフの悪友(同級生)まで……なぜかイケメンたちが次々と接近してきて―― 運命の2人を繋ぐ「刻印制度」なんて知らない!恋愛感情もまだわからない! 
それでも、騒がしい日々の中で、少しずつ何かが変わっていく。 個性バラバラな異種族イケメンたちに囲まれて、フレンの学園生活は今日も波乱の予感!?
甘くて可笑しい、異世界学園BLラブコメディ! 毎日更新予定!(番外編は更新とは別枠で不定期更新) 基本的にフレン視点、他キャラ視点の話はside〇〇って表記にしてます!

超絶美形な悪役として生まれ変わりました

みるきぃ
BL
転生したのは人気アニメの序盤で消える超絶美形の悪役でした。

魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました

タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。 クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。 死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。 「ここは天国ではなく魔界です」 天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。 「至上様、私に接吻を」 「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」 何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?

魔王の息子を育てることになった俺の話

お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。 「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」 現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません? 魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。 BL大賞エントリー中です。

処理中です...