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不良さんとドキドキ
迎えの王子は不良さん
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「和凜っ! あの後、天狼と何してたの! ものすーっごく心配したんだからね……!」
「ご、ごめんね美月ちゃん……!」
絆那さんに教室まで送り届けてもらって、5限目の授業を終える。
するとチャイムが鳴るや否や美月ちゃんが私の目の前にやってきて、強めの力で机を叩いた。
「《もう少し天狼と話してから戻る》ってメールが来た時、めちゃくちゃ焦ったんだからね……⁉ どこ探してもいないし、電話しても和凜出ないしっ!」
「えっ、電話?」
「……まさか、気付いてなかったの?」
思わず、美月ちゃんの言葉に首を傾げてしまう。
絆那さんとのお話に夢中になってて、全然気が付かなかったな……。
「ほ、本当にごめんね! マナーモードにしてたから、分かんなくって……」
「和凜謝んないで! まぁ過ぎたこと言っても仕方ないし、その様子だととりあえず変なことはされてないみたいだし。何があったかは教えてもらいたいけどね?」
「は、はい……全部話します……。」
確かに、何かされたわけじゃないけど話しておかなきゃいけないことはある。
きっと相当心配かけちゃったと思うし、ちゃんと言わなきゃだよね……。
授業まで時間もないし、できるだけ簡単に話そう。
「えっと……実は、これからは天狼さんとお昼を過ごすことになりそうで――」
「はぁっ⁉ 何があってそうなったの⁉」
「天狼さん、お昼いつも食べてないって言ってて……私が天狼さんの分のお弁当も作りたいなって思ったの。だからこれからは、頻繁にお昼一緒に過ごせないかもしれなくて……。」
たじたじになりながらも言葉を紡ぐ私に、美月ちゃんは極めて難しい顔をする。
美月ちゃんにはすごく申し訳ないことをしている。私の勝手な事情で振り回してしまっているし、不安にもさせちゃっている。
やっぱり、怒ってるかな……。
そう思ってチラッと美月ちゃんを見やると、瞬間両肩を強めに掴まれた。
「和凜の言いたいことは分かった。いいよ、思う存分天狼のとこ行ってきな。」
「い、いいのっ?」
「いいの。それに和凜、『天狼ともっと仲良くなりたい』って顔に書いてるの、自分で気付いてる?」
「ふぇっ⁉」
つんつんと頬をつつかれ、素っ頓狂な声が飛び出す。
顔に書いてるって……私、どんな顔してたんだろう⁉
なんだか恥ずかしくなってきてペタペタと自分の顔を触る私に、美月ちゃんは微笑ましそうに眺めてくる。
「天狼はちょっと荒っぽい奴だけど、悪い奴じゃないしね。天狼になら和凜を任せてもいいって思えるし。」
「美月ちゃん……」
「あ、でも週一はあたしと一緒にお昼過ごすんだからね! そこだけは譲れない!」
「も、もちろんだよ! 私も、美月ちゃんといるのすっごく楽しいからっ。」
「あんたって子はほんと……もうっ、この天使ちゃんめ~!」
勢いよくこっちに腕を伸ばしてくる美月ちゃんを受け止めるように、軽く腕を広げてみる。
すると間髪入れずに上半身を乗り出してきて、ぎゅーっと強く抱きしめられた。
美月ちゃんっていつもはキリッとかっこいいけど、こういう時は可愛いなぁ……。
「か~り~ん~っ!」と嬉しそうに笑う美月ちゃんにつられて、私もふふっと口元を緩ませた。
「やっと終わった……はぁ、英語なんて勉強して何になるって言うの~……。」
「あはは……美月ちゃん、お疲れ様。」
6限が終わって早々、美月ちゃんは魂が抜けたように机に突っ伏していた。
そういえば美月ちゃん、理系だったもんね……。
私は文系だからさほど苦ではなかったけど、確かに今日の授業はハイペースだった気がする。
宿題もいっぱいあるし、早く準備しちゃおうっ。
机の中やロッカーから必要なものを取り出してきて、小さいスクールバッグに詰めていく。
これ、入るかな……参考書とか持ってきちゃってるから、明日からは減らしてこよう。
既にパンパンのバッグを見て、はぁと息を零したその時。
「和凜。」
「あっ、絆那さん!」
どうにかしてバッグのボタンを留めようと躍起になっている私にかけられたのは、落ち着いた絆那さんの呼び声。
振り返った私の視界にはすぐ、扉近くで柔らかい笑みの絆那さんが飛び込んでくる。
き、絆那さん来るの早いっ……!
6限が終わってから5分くらいしか経ってないはずなのに、すごいなぁ……。
どこかうわごとのように抱きながら、無理やりボタンを留めて駆け寄る。
「ごめんなさい、お待たせしてしまって……。」
「いや、俺が早く来すぎただけだ。気にしないでくれ。」
ふわりと、つぼみが咲くように笑いかけてくる絆那さんにドキッと心臓が跳ねる。
い、イケメンさんの笑顔って半端ないな……。
それは周りも思ったのか、耳をすませばちらほら声が聞こえてくる。
「天狼先輩ってあんな風に笑うんだ……ちょっとびっくり。」
「咲城さんに向けられたのだって分かってても、キュンってしちゃった!」
「あんなキャラじゃなかっただろ天狼……やめろよもっと俺たちフツメンの立場がなくなるだろ……。」
女の子からは羨望や驚き、男の子からは悲痛な叫び。多種多様な声が耳に入ってきて、かぁぁっと顔に熱がやってくる。
ちゅ、注目されてるっ……ちょっと恥ずかしい。
絆那さんに視線が集まっているため必然的に私も見られて、足元に視線を落とす。
そんな中、何やらニヤニヤとした声色が絆那さんの背後からした。
「やっぱ和凜ちゃんすげーね、この不愛想で有名な絆那を笑わせるなんて。」
え?と驚く間も与えられず私の目の前に姿を見せたのは、絆那さんと同じくらいの身長の男子生徒。
彼は試すような視線を私と絆那さんに向けてから、不敵に微笑む。
「俺は朝霞水翔。絆那の親友でーすっ!」
「誰が親友だ。ただの腐れ縁だろーが。」
「んな悲しいこと言うなって~。かれこれもう10年くらい一緒にいるのにさ。」
青い空が似合いそうな爽やかな笑顔で、朝霞さんは自己紹介する。お兄ちゃん、って雰囲気の人だ。
……それにしても、10年ってことは二人は幼なじみなのかな?
二人の間に遠慮というものはなさそうで、絆那さんも朝霞さんには気を許しているように見える。
すごく仲が良いんだな……そう羨んだ時だった。
「ちょっとあんたたち、扉の前で喧嘩しないでくれる? 喧嘩しに来たんじゃないでしょーが。」
「あ、美月久しぶり~。元気にしてた?」
「うるさい朝霞。今は黙ってて。」
「相変わらず冷たいな~美月は。」
どうやら絆那さんたちを止めに来てくれたらしい美月ちゃんは、朝霞さんと知り合いみたい。
だからなのか今度はその二人が喧嘩を始めてしまって、私は真ん中でおろおろしているしかできなかった。
とりあえず止めたいけど、どうしよう……。
美月ちゃんと朝霞さんを交互に見つめて慌てていると、不意に優しい力で腕を引かれた。
「和凜、忘れ物はないか?」
「えっと……は、はい!」
「なら帰るぞ。あいつらは放っておいても大丈夫だろうから。」
ほ、本当に大丈夫なのかな……。
バチバチと火花が散っていそうな美月ちゃんたちを置いて、さっさと昇降口に向かっていく絆那さん。
繋がれている手からはちょうどよく落ち着く温度が伝わってきて、私はちょびっと握り返してみた。
美月ちゃんには後で、先に帰っちゃってごめんってメッセージ入れておこうっ。
「ご、ごめんね美月ちゃん……!」
絆那さんに教室まで送り届けてもらって、5限目の授業を終える。
するとチャイムが鳴るや否や美月ちゃんが私の目の前にやってきて、強めの力で机を叩いた。
「《もう少し天狼と話してから戻る》ってメールが来た時、めちゃくちゃ焦ったんだからね……⁉ どこ探してもいないし、電話しても和凜出ないしっ!」
「えっ、電話?」
「……まさか、気付いてなかったの?」
思わず、美月ちゃんの言葉に首を傾げてしまう。
絆那さんとのお話に夢中になってて、全然気が付かなかったな……。
「ほ、本当にごめんね! マナーモードにしてたから、分かんなくって……」
「和凜謝んないで! まぁ過ぎたこと言っても仕方ないし、その様子だととりあえず変なことはされてないみたいだし。何があったかは教えてもらいたいけどね?」
「は、はい……全部話します……。」
確かに、何かされたわけじゃないけど話しておかなきゃいけないことはある。
きっと相当心配かけちゃったと思うし、ちゃんと言わなきゃだよね……。
授業まで時間もないし、できるだけ簡単に話そう。
「えっと……実は、これからは天狼さんとお昼を過ごすことになりそうで――」
「はぁっ⁉ 何があってそうなったの⁉」
「天狼さん、お昼いつも食べてないって言ってて……私が天狼さんの分のお弁当も作りたいなって思ったの。だからこれからは、頻繁にお昼一緒に過ごせないかもしれなくて……。」
たじたじになりながらも言葉を紡ぐ私に、美月ちゃんは極めて難しい顔をする。
美月ちゃんにはすごく申し訳ないことをしている。私の勝手な事情で振り回してしまっているし、不安にもさせちゃっている。
やっぱり、怒ってるかな……。
そう思ってチラッと美月ちゃんを見やると、瞬間両肩を強めに掴まれた。
「和凜の言いたいことは分かった。いいよ、思う存分天狼のとこ行ってきな。」
「い、いいのっ?」
「いいの。それに和凜、『天狼ともっと仲良くなりたい』って顔に書いてるの、自分で気付いてる?」
「ふぇっ⁉」
つんつんと頬をつつかれ、素っ頓狂な声が飛び出す。
顔に書いてるって……私、どんな顔してたんだろう⁉
なんだか恥ずかしくなってきてペタペタと自分の顔を触る私に、美月ちゃんは微笑ましそうに眺めてくる。
「天狼はちょっと荒っぽい奴だけど、悪い奴じゃないしね。天狼になら和凜を任せてもいいって思えるし。」
「美月ちゃん……」
「あ、でも週一はあたしと一緒にお昼過ごすんだからね! そこだけは譲れない!」
「も、もちろんだよ! 私も、美月ちゃんといるのすっごく楽しいからっ。」
「あんたって子はほんと……もうっ、この天使ちゃんめ~!」
勢いよくこっちに腕を伸ばしてくる美月ちゃんを受け止めるように、軽く腕を広げてみる。
すると間髪入れずに上半身を乗り出してきて、ぎゅーっと強く抱きしめられた。
美月ちゃんっていつもはキリッとかっこいいけど、こういう時は可愛いなぁ……。
「か~り~ん~っ!」と嬉しそうに笑う美月ちゃんにつられて、私もふふっと口元を緩ませた。
「やっと終わった……はぁ、英語なんて勉強して何になるって言うの~……。」
「あはは……美月ちゃん、お疲れ様。」
6限が終わって早々、美月ちゃんは魂が抜けたように机に突っ伏していた。
そういえば美月ちゃん、理系だったもんね……。
私は文系だからさほど苦ではなかったけど、確かに今日の授業はハイペースだった気がする。
宿題もいっぱいあるし、早く準備しちゃおうっ。
机の中やロッカーから必要なものを取り出してきて、小さいスクールバッグに詰めていく。
これ、入るかな……参考書とか持ってきちゃってるから、明日からは減らしてこよう。
既にパンパンのバッグを見て、はぁと息を零したその時。
「和凜。」
「あっ、絆那さん!」
どうにかしてバッグのボタンを留めようと躍起になっている私にかけられたのは、落ち着いた絆那さんの呼び声。
振り返った私の視界にはすぐ、扉近くで柔らかい笑みの絆那さんが飛び込んでくる。
き、絆那さん来るの早いっ……!
6限が終わってから5分くらいしか経ってないはずなのに、すごいなぁ……。
どこかうわごとのように抱きながら、無理やりボタンを留めて駆け寄る。
「ごめんなさい、お待たせしてしまって……。」
「いや、俺が早く来すぎただけだ。気にしないでくれ。」
ふわりと、つぼみが咲くように笑いかけてくる絆那さんにドキッと心臓が跳ねる。
い、イケメンさんの笑顔って半端ないな……。
それは周りも思ったのか、耳をすませばちらほら声が聞こえてくる。
「天狼先輩ってあんな風に笑うんだ……ちょっとびっくり。」
「咲城さんに向けられたのだって分かってても、キュンってしちゃった!」
「あんなキャラじゃなかっただろ天狼……やめろよもっと俺たちフツメンの立場がなくなるだろ……。」
女の子からは羨望や驚き、男の子からは悲痛な叫び。多種多様な声が耳に入ってきて、かぁぁっと顔に熱がやってくる。
ちゅ、注目されてるっ……ちょっと恥ずかしい。
絆那さんに視線が集まっているため必然的に私も見られて、足元に視線を落とす。
そんな中、何やらニヤニヤとした声色が絆那さんの背後からした。
「やっぱ和凜ちゃんすげーね、この不愛想で有名な絆那を笑わせるなんて。」
え?と驚く間も与えられず私の目の前に姿を見せたのは、絆那さんと同じくらいの身長の男子生徒。
彼は試すような視線を私と絆那さんに向けてから、不敵に微笑む。
「俺は朝霞水翔。絆那の親友でーすっ!」
「誰が親友だ。ただの腐れ縁だろーが。」
「んな悲しいこと言うなって~。かれこれもう10年くらい一緒にいるのにさ。」
青い空が似合いそうな爽やかな笑顔で、朝霞さんは自己紹介する。お兄ちゃん、って雰囲気の人だ。
……それにしても、10年ってことは二人は幼なじみなのかな?
二人の間に遠慮というものはなさそうで、絆那さんも朝霞さんには気を許しているように見える。
すごく仲が良いんだな……そう羨んだ時だった。
「ちょっとあんたたち、扉の前で喧嘩しないでくれる? 喧嘩しに来たんじゃないでしょーが。」
「あ、美月久しぶり~。元気にしてた?」
「うるさい朝霞。今は黙ってて。」
「相変わらず冷たいな~美月は。」
どうやら絆那さんたちを止めに来てくれたらしい美月ちゃんは、朝霞さんと知り合いみたい。
だからなのか今度はその二人が喧嘩を始めてしまって、私は真ん中でおろおろしているしかできなかった。
とりあえず止めたいけど、どうしよう……。
美月ちゃんと朝霞さんを交互に見つめて慌てていると、不意に優しい力で腕を引かれた。
「和凜、忘れ物はないか?」
「えっと……は、はい!」
「なら帰るぞ。あいつらは放っておいても大丈夫だろうから。」
ほ、本当に大丈夫なのかな……。
バチバチと火花が散っていそうな美月ちゃんたちを置いて、さっさと昇降口に向かっていく絆那さん。
繋がれている手からはちょうどよく落ち着く温度が伝わってきて、私はちょびっと握り返してみた。
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