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忍び寄る影
ぎこちない逃げ
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絆那さんと出会ってから、今日で2週間が経とうとしていた。
時の流れって早いなぁ……小学生の時はそんなことなかったのに。
というよりも、絆那さんと仲良くなってから時間が早く過ぎてるような?
「和凜、次音楽室だよー。そろそろ行くー?」
「あ、うん……! ちょっと待ってて、今準備する!」
そんな日常の中、私は今日も平凡な一日を過ごしていた。
お昼休憩が終わり5限の準備をしていると、既に教科書を持った美月ちゃんに声をかけられる。
見ると予鈴が鳴るまであと2分しかなくて、私は慌てて教科書を引っ張り出した。
「ごめんね、お待たせしました……!」
「まぁまだ急がなくても全然大丈夫だけどねー。音楽室近いし。」
「でも遅刻はしたくないから、急ぐことに越したことはないんじゃないかな?」
「だよねー。遅刻で減点されたくないしー。」
美月ちゃんと談笑しながら、ぼんやり窓の外に視線を投げる。
今日はずっと快晴だなぁ……日向ぼっこできちゃいそう。
なんて陽気にあてられて呑気な考え事をしていると、不意に美月ちゃんが呟いた。
「そういや、天狼とは最近どうなの? 変なこととかされてない?」
「変なこと……はされてないよ! むしろいつも優しくって、遠慮がちなところもあるっていうか……」
「あいつが遠慮~? ぜんっぜん想像できない……えー、あの天狼がねぇ。」
信じられないといった様子の美月ちゃんは、うげーと苦い顔をする。
美月ちゃん、一体絆那さんにどんなイメージを抱いてるんだろう……あはは。
……そういえば、美月ちゃんと絆那さんって知り合いって感じだったよね? 仲、良いのかな……。
そう思ったと同時に、心がもやっとかげった感覚になる。
二人が仲良しなのは素敵なことだと思うのに、何だろう……ちょっと嫌、かも。
「やば……ごめん和凜、先行ってて。楽譜忘れちゃった。」
「そういうことならここで待ってるよ?」
「待ってたら和凜まで遅れちゃうって! あたしのことは気にしなくていいから、ね?」
「美月ちゃ――……行っちゃった。」
念を押すように私の肩を押してから、踵を返して戻っていってしまった美月ちゃん。
すぐに小さくなったその背を見つめながら、音楽室に行こうか迷う。
時間はあるだろうし待っていたいけど、私も授業に遅れるのはなるべく避けたい。
それに音楽の先生、遅刻には厳しいし……美月ちゃんには申し訳ないけど、お言葉に甘えよう。
美月ちゃんなら、すぐ戻ってくると思うしっ……!
そうやって自分を納得させてから、予鈴に怯えつつも音楽室への道を歩く。
「ねぇ、そこの君。ちょーっといいかな?」
「え?」
背後からかけられた声に、爪先がキュッと音を鳴らした。
声が聞こえたほうに視線を向けるとそこには、絆那さんよりも制服を崩しているいかにも不良って感じの男子生徒が二人立っていた。
この人たち、私に何か用事かな……?
「どうしたんですか?」
普段なら絶対関わらないような人たちで、少し後ずさって訪ねる。
緊張から、抱いている教科書に力が加わる。
だけど彼らは私の問いには答えず、何やらこそこそと会話していた。
「リーダーから言われた通りに接触してみたけどよ、この子マジ可愛くね?」
「それな。あ、でもそれリーダーの前で言うなよ。」
「そうか、リーダーって桃江さん一筋だったもんな。」
い、今の内に逃げたほうがいいよね……?
私を蚊帳の外に置いて話し込んでいる彼らの目を盗んで、一歩ずつ逃げる。
失礼します!と心の中で叫んで、駆け出そうとした瞬間。
「あっ、おい逃げんな……!」
「っ、離してください!」
パシッと、掴まれてしまった腕。
腕を掴んだ彼の腕は私よりも何倍も大きく、簡単には振りほどけなさそう。
一体、この人たちの目的は何?
“リーダー”っていうのもよく分からないし、私は何に巻き込まれてるの……?
「あのっ、本当に――」
「あーもう暴れんなって! おい、リーダーへの連絡はまだか⁉」
どれだけ抵抗しても、一向に聞く耳を持ってくれない彼ら。
うぅっ、やっぱり私って結構な巻き込まれ体質だっ……。
掴まれている腕が段々と痛くなってきて、顔を歪めてしまいそうになる。
腕を引いてもびくともしないし、どうすれば……!
「おい、俺の和凜に何しやがる。」
聞き心地がいい、テノールの声。
痛みからいつの間にか目を瞑っていた私の手を解放してくれ、代わりに手を引かれる。
絆那、さん……っ。
「勝手にこいつに関わるな。つーかお前ら、まだ懲りてなかったのかよ。」
「貴様に言われる筋合いはないッ! 俺たちはリーダーに言われただけだ!」
「だからといって連れ去るな。……さっさと散れ。」
「ッ、クソ……。」
ドスの利いた声の絆那さんの声に、彼らは悔しそうに眉間に皺を寄せ行ってしまった。
はぁ、よかった……とりあえず一件落着、かな。
というかやっぱり、リーダーって何なんだろう……。
「和凜、大丈夫か?」
何が何だか分からなくて首を捻ると、頭上から絆那さんの声が降る。
反射的に顔を上げると、視界には瞳の奥が揺れている絆那さんが映った。
私はまた、絆那さんを悲しませてしまった……?
「はい、大丈夫です……助けてくれて、ありがとうございます!」
「当たり前だ。あいつらに何もされてないか? 怪我してないか?」
「それは全然っ……また巻き込んでしまってごめんなさい……。」
私といると、絆那さんまで巻き込んでしまう。
絆那さんには迷惑なんて、かけたくないのにっ……。
「……どうして和凜が謝るんだ。」
少し震えたような、けれど不思議そうな声色が届く。
どうしてなんて……そんなの、私のせいだから。
「ごめん、なさい……。」
次第に、私の声も震えていく。
何て言われるかが不安で仕方なくて、絆那さんを見ていられない。
……気まずい空気が、私と絆那さんの間に流れる。
どう言葉を紡げばいいのかも分からない、私も絆那さんも。
「和凜っ、先行っててって……天狼、何であんたがここに?」
それを壊すように、遠くから慌てたような声が飛んでくる。
正体は美月ちゃんで私の体を掴むと、冷静な声で威嚇した。
その中には絆那さんへの不信感があるような気がして、いたたまれない気持ちで美月ちゃんの腕を握る。
「し、失礼します……っ!」
「え⁉ ちょっと和凜、どうしたのよーっ⁉」
これ以上この場にいたくなくて、絆那さんの目を見ずに逃げる。
私のせい。絆那さんは何も悪くないのに。
助けてくれた絆那さんへの罪悪感で、胸がいっぱいになる。
……私はどんな顔で、絆那さんを見ればいいの?
時の流れって早いなぁ……小学生の時はそんなことなかったのに。
というよりも、絆那さんと仲良くなってから時間が早く過ぎてるような?
「和凜、次音楽室だよー。そろそろ行くー?」
「あ、うん……! ちょっと待ってて、今準備する!」
そんな日常の中、私は今日も平凡な一日を過ごしていた。
お昼休憩が終わり5限の準備をしていると、既に教科書を持った美月ちゃんに声をかけられる。
見ると予鈴が鳴るまであと2分しかなくて、私は慌てて教科書を引っ張り出した。
「ごめんね、お待たせしました……!」
「まぁまだ急がなくても全然大丈夫だけどねー。音楽室近いし。」
「でも遅刻はしたくないから、急ぐことに越したことはないんじゃないかな?」
「だよねー。遅刻で減点されたくないしー。」
美月ちゃんと談笑しながら、ぼんやり窓の外に視線を投げる。
今日はずっと快晴だなぁ……日向ぼっこできちゃいそう。
なんて陽気にあてられて呑気な考え事をしていると、不意に美月ちゃんが呟いた。
「そういや、天狼とは最近どうなの? 変なこととかされてない?」
「変なこと……はされてないよ! むしろいつも優しくって、遠慮がちなところもあるっていうか……」
「あいつが遠慮~? ぜんっぜん想像できない……えー、あの天狼がねぇ。」
信じられないといった様子の美月ちゃんは、うげーと苦い顔をする。
美月ちゃん、一体絆那さんにどんなイメージを抱いてるんだろう……あはは。
……そういえば、美月ちゃんと絆那さんって知り合いって感じだったよね? 仲、良いのかな……。
そう思ったと同時に、心がもやっとかげった感覚になる。
二人が仲良しなのは素敵なことだと思うのに、何だろう……ちょっと嫌、かも。
「やば……ごめん和凜、先行ってて。楽譜忘れちゃった。」
「そういうことならここで待ってるよ?」
「待ってたら和凜まで遅れちゃうって! あたしのことは気にしなくていいから、ね?」
「美月ちゃ――……行っちゃった。」
念を押すように私の肩を押してから、踵を返して戻っていってしまった美月ちゃん。
すぐに小さくなったその背を見つめながら、音楽室に行こうか迷う。
時間はあるだろうし待っていたいけど、私も授業に遅れるのはなるべく避けたい。
それに音楽の先生、遅刻には厳しいし……美月ちゃんには申し訳ないけど、お言葉に甘えよう。
美月ちゃんなら、すぐ戻ってくると思うしっ……!
そうやって自分を納得させてから、予鈴に怯えつつも音楽室への道を歩く。
「ねぇ、そこの君。ちょーっといいかな?」
「え?」
背後からかけられた声に、爪先がキュッと音を鳴らした。
声が聞こえたほうに視線を向けるとそこには、絆那さんよりも制服を崩しているいかにも不良って感じの男子生徒が二人立っていた。
この人たち、私に何か用事かな……?
「どうしたんですか?」
普段なら絶対関わらないような人たちで、少し後ずさって訪ねる。
緊張から、抱いている教科書に力が加わる。
だけど彼らは私の問いには答えず、何やらこそこそと会話していた。
「リーダーから言われた通りに接触してみたけどよ、この子マジ可愛くね?」
「それな。あ、でもそれリーダーの前で言うなよ。」
「そうか、リーダーって桃江さん一筋だったもんな。」
い、今の内に逃げたほうがいいよね……?
私を蚊帳の外に置いて話し込んでいる彼らの目を盗んで、一歩ずつ逃げる。
失礼します!と心の中で叫んで、駆け出そうとした瞬間。
「あっ、おい逃げんな……!」
「っ、離してください!」
パシッと、掴まれてしまった腕。
腕を掴んだ彼の腕は私よりも何倍も大きく、簡単には振りほどけなさそう。
一体、この人たちの目的は何?
“リーダー”っていうのもよく分からないし、私は何に巻き込まれてるの……?
「あのっ、本当に――」
「あーもう暴れんなって! おい、リーダーへの連絡はまだか⁉」
どれだけ抵抗しても、一向に聞く耳を持ってくれない彼ら。
うぅっ、やっぱり私って結構な巻き込まれ体質だっ……。
掴まれている腕が段々と痛くなってきて、顔を歪めてしまいそうになる。
腕を引いてもびくともしないし、どうすれば……!
「おい、俺の和凜に何しやがる。」
聞き心地がいい、テノールの声。
痛みからいつの間にか目を瞑っていた私の手を解放してくれ、代わりに手を引かれる。
絆那、さん……っ。
「勝手にこいつに関わるな。つーかお前ら、まだ懲りてなかったのかよ。」
「貴様に言われる筋合いはないッ! 俺たちはリーダーに言われただけだ!」
「だからといって連れ去るな。……さっさと散れ。」
「ッ、クソ……。」
ドスの利いた声の絆那さんの声に、彼らは悔しそうに眉間に皺を寄せ行ってしまった。
はぁ、よかった……とりあえず一件落着、かな。
というかやっぱり、リーダーって何なんだろう……。
「和凜、大丈夫か?」
何が何だか分からなくて首を捻ると、頭上から絆那さんの声が降る。
反射的に顔を上げると、視界には瞳の奥が揺れている絆那さんが映った。
私はまた、絆那さんを悲しませてしまった……?
「はい、大丈夫です……助けてくれて、ありがとうございます!」
「当たり前だ。あいつらに何もされてないか? 怪我してないか?」
「それは全然っ……また巻き込んでしまってごめんなさい……。」
私といると、絆那さんまで巻き込んでしまう。
絆那さんには迷惑なんて、かけたくないのにっ……。
「……どうして和凜が謝るんだ。」
少し震えたような、けれど不思議そうな声色が届く。
どうしてなんて……そんなの、私のせいだから。
「ごめん、なさい……。」
次第に、私の声も震えていく。
何て言われるかが不安で仕方なくて、絆那さんを見ていられない。
……気まずい空気が、私と絆那さんの間に流れる。
どう言葉を紡げばいいのかも分からない、私も絆那さんも。
「和凜っ、先行っててって……天狼、何であんたがここに?」
それを壊すように、遠くから慌てたような声が飛んでくる。
正体は美月ちゃんで私の体を掴むと、冷静な声で威嚇した。
その中には絆那さんへの不信感があるような気がして、いたたまれない気持ちで美月ちゃんの腕を握る。
「し、失礼します……っ!」
「え⁉ ちょっと和凜、どうしたのよーっ⁉」
これ以上この場にいたくなくて、絆那さんの目を見ずに逃げる。
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