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忍び寄る影
無力な自分 side絆那
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「和凜はいるか?」
いつも通り昼休憩になり、和凜の教室まで向かう。
教室の後ろ扉で声をかけると、和凜は急いでこっちに来てくれた。
「お、お待たせしました……!」
……その時俺は、ある違和感を覚えた。
視線を、合わせてくれない。
些細なことだと思われるかもしれないが、和凜はいつも視線を合わせてくれる。
合わせてくれない時は恥ずかしがっている時か……何か悩んでいる時だ。
恥ずかしがっているのか?とも思ったが、この様子だと違う気がする。
和凜ってこんな、愛想笑いする奴だったか……?
何かを必死に隠しているような、違和感のある笑みが胸中をざわつかせる。
「大丈夫だ、行くか。」
「はい……っ。」
やはり、どことなくおかしい。
ぎこちないというか避けているような……和凜はまた、何か俺に思うところがあるのだろうか。
雑に踏み込むことはしたくなくて尋ねまではしないが、気になって仕方がない。
まさか、体調が悪いのか……?
和凜はそういうことをすぐ隠そうとするから、その線は無きにしも非ずだろう。
「和凜、ぼーっとしてどうした?」
「あ……いえ、何でもありません!」
「そうか? 少し顔色が悪いような気がするが……。」
無理に笑顔を取り繕っている様子の和凜に、より心の奥がキリキリと痛む。
何でもないわけ、ないだろ……。
何でもないならどうして、今にも泣きそうな顔をしてるんだ。
……どうして、今にも壊れてしまいそうなんだ。
そのことばかりを考えてしまい、気付けば屋上に到着していた。
とりあえず和凜をベンチに座らせて、じっと話し始めるのを待ってみる。
けれど言い出す気配はなく、むしろ言うことをためらっているような感じもした。
和凜は一体、何を抱えているんだ……?
和凜はいつも遠慮して、思っているところがあるにも関わらず教えてくれない。
俺の前では気にするなと言いたくなるが、今はそれができなかった。
……嫌な予感が、するな。
そう思った矢先のこと、だった。
「絆那さん。」
「ん? どうした?」
衝撃的な言葉が、和凜の口から飛び出したのは。
「しばらく、私に関わらないでください。」
…………は?
何を、言ってるんだ……?
「……和凜。」
どうしてそんなことを言うんだと、問いただしたかった。
言葉の真意を、今すぐ確かめたかった。
だができなくて、情けなく名前を呼ぶことしかできない。
しばらくって……いつまでだ。
一週間? 1か月? 一年?
……それとも、“もう関わるな”なのか?
分からない、分かりたくない。嘘だ、和凜がそう言うなんて何かの間違いだ。
俺が何かしてしまったか? 何か、和凜が嫌な気持ちになるようなことをしてしまったか?
その俺の問いに答えるように、和凜が言葉を紡ぎ出す。
「私、よく考えたんです。絆那さんにずっと頼りすぎてて迷惑かけてて……だから、しばらく距離を取りましょう。」
……違う、これは和凜の本心じゃない。
迷惑なんて考えなくていいと言いたかったが、何かが違った。
「急にこんなこと、言ってごめんなさい。でもしばらくは、送り迎えもなしにしてください。私に、関わってこないでください……っ。」
苦しい、悲しい、辛いといった感情が混じったような和凜の表情。
そんな和凜を引き留められなくて、ぎゅっと爪が食い入るまで拳を握る。
無理だ、距離なんて取りたくない。
俺が壊れてしまう。
和凜がいないと、俺は……っ。
「か、りん……?」
引き留める間もなく、逃げるように屋上を出て行った和凜。
唯一かけられた声さえ、到底届かないような小さすぎる声で。
パタン……と閉められた扉を見つめて、無性に泣きたくなってしまった。
……俺は、何をしてるんだ。多少なりともできることがあっただろ……っ。
和凜がああ言った理由は、全くもって分からない。
それならやはり、和凜に何かがあったかと考えるのが自然だろうか。
いきなり“関わらないで”なんて、和凜が言いそうなことではない。
だから今朝から昼までの間に、何かがあったと考えるのが妥当だ。
一体和凜に、何があったんだ。
……いや、それ以上にどうしてその時俺は一緒にいてやれなかったんだ。
詰めが甘かった。もっとちゃんと、和凜を守ってやれればよかったんだ……っ。
「あれ、和凜ちゃんは?」
ガチャと、屋上の扉が開く音と共におちゃらけた声が飛んでくる。
入ってきたのは水翔で、その顔は何とも不思議そうだった。
「絆那、なんて顔してんの? 今にも死にそうな顔だし……それに和凜ちゃんはどこ行ったの? 一緒に屋上上がったよね?」
「……うるさい。」
「ご機嫌斜めだね~。ほんとに何があったの?」
「お前には関係ないことだ。」
これは俺と和凜の問題。水翔に首を突っ込まれるわけにはいかない。
……だがもしかしたら、手がかりくらいは掴めるかもしれない。
「最近変わったことは?」
「急だなぁ……うーんそうだね、何かあったかな。」
腕を組み、首を捻って心当たりを探す水翔。
ないとは思いたいが、和凜のあの発言は誰かが関わっているかもしれない。
とはいえ問題になりそうな奴は事前に片付けているし、可能性はかなり低いだろう。
同じように考え込む俺に、水翔はやっと思いついたように「そういえば、」と声を上げた。
「そういやここ最近、ずっとあの不良グループ……Fuzzyが活発だって聞いたかも。特にリーダーが。」
「理由は?」
「分かんない。けどその前は下っ端の不良が活発だったはず。」
……まさかとは思うが、“あいつ”が和凜に関わっているのか?
だとしたら結構まずい状況だ。あいつは俺を狙ってきているのに和凜に近付いたのなら、おかしなことを吹き込んでいてもおかしくない。
早く、できるだけ迅速に手を打たなければ。
「水翔、引き続きFuzzyの情報収集を頼む。他の奴らには見回りの強化をさせる。」
「りょーかい。……んで、絆那はどうするの?」
「……悪い、少し一人にさせてくれ。」
どうすると言われても、今すぐには動けない。
先ほど和凜に言われた言葉が思いのほか突き刺さっていて、ショックが拭えない。
自己中心的なのは分かっているが、一人にならないとみっともなく泣いてしまいそうだった。
それに気付いた水翔は、仕方ないと言うように俺の肩を一度だけ叩いた。
「分かった。何があったのか知らないけど、あんま一人で抱え込まないようにね。」
「……あぁ。」
深く聞かずに屋上を出て行った水翔の背中を見て、途端頭を抱える。
まさかとは思う。正直のところ、思いたくないのが現状だが。
――時雨が、関わってるのか?
確証はない。根拠も証拠もない。
それでも時雨が何かしたと考えるのが、今の流れ的に自然だった。
「……っ、どうするか。」
いくら喧嘩ができても、好きな女一人守れなきゃ意味がない。
こんな自分は……すごく、無力だ。
いつも通り昼休憩になり、和凜の教室まで向かう。
教室の後ろ扉で声をかけると、和凜は急いでこっちに来てくれた。
「お、お待たせしました……!」
……その時俺は、ある違和感を覚えた。
視線を、合わせてくれない。
些細なことだと思われるかもしれないが、和凜はいつも視線を合わせてくれる。
合わせてくれない時は恥ずかしがっている時か……何か悩んでいる時だ。
恥ずかしがっているのか?とも思ったが、この様子だと違う気がする。
和凜ってこんな、愛想笑いする奴だったか……?
何かを必死に隠しているような、違和感のある笑みが胸中をざわつかせる。
「大丈夫だ、行くか。」
「はい……っ。」
やはり、どことなくおかしい。
ぎこちないというか避けているような……和凜はまた、何か俺に思うところがあるのだろうか。
雑に踏み込むことはしたくなくて尋ねまではしないが、気になって仕方がない。
まさか、体調が悪いのか……?
和凜はそういうことをすぐ隠そうとするから、その線は無きにしも非ずだろう。
「和凜、ぼーっとしてどうした?」
「あ……いえ、何でもありません!」
「そうか? 少し顔色が悪いような気がするが……。」
無理に笑顔を取り繕っている様子の和凜に、より心の奥がキリキリと痛む。
何でもないわけ、ないだろ……。
何でもないならどうして、今にも泣きそうな顔をしてるんだ。
……どうして、今にも壊れてしまいそうなんだ。
そのことばかりを考えてしまい、気付けば屋上に到着していた。
とりあえず和凜をベンチに座らせて、じっと話し始めるのを待ってみる。
けれど言い出す気配はなく、むしろ言うことをためらっているような感じもした。
和凜は一体、何を抱えているんだ……?
和凜はいつも遠慮して、思っているところがあるにも関わらず教えてくれない。
俺の前では気にするなと言いたくなるが、今はそれができなかった。
……嫌な予感が、するな。
そう思った矢先のこと、だった。
「絆那さん。」
「ん? どうした?」
衝撃的な言葉が、和凜の口から飛び出したのは。
「しばらく、私に関わらないでください。」
…………は?
何を、言ってるんだ……?
「……和凜。」
どうしてそんなことを言うんだと、問いただしたかった。
言葉の真意を、今すぐ確かめたかった。
だができなくて、情けなく名前を呼ぶことしかできない。
しばらくって……いつまでだ。
一週間? 1か月? 一年?
……それとも、“もう関わるな”なのか?
分からない、分かりたくない。嘘だ、和凜がそう言うなんて何かの間違いだ。
俺が何かしてしまったか? 何か、和凜が嫌な気持ちになるようなことをしてしまったか?
その俺の問いに答えるように、和凜が言葉を紡ぎ出す。
「私、よく考えたんです。絆那さんにずっと頼りすぎてて迷惑かけてて……だから、しばらく距離を取りましょう。」
……違う、これは和凜の本心じゃない。
迷惑なんて考えなくていいと言いたかったが、何かが違った。
「急にこんなこと、言ってごめんなさい。でもしばらくは、送り迎えもなしにしてください。私に、関わってこないでください……っ。」
苦しい、悲しい、辛いといった感情が混じったような和凜の表情。
そんな和凜を引き留められなくて、ぎゅっと爪が食い入るまで拳を握る。
無理だ、距離なんて取りたくない。
俺が壊れてしまう。
和凜がいないと、俺は……っ。
「か、りん……?」
引き留める間もなく、逃げるように屋上を出て行った和凜。
唯一かけられた声さえ、到底届かないような小さすぎる声で。
パタン……と閉められた扉を見つめて、無性に泣きたくなってしまった。
……俺は、何をしてるんだ。多少なりともできることがあっただろ……っ。
和凜がああ言った理由は、全くもって分からない。
それならやはり、和凜に何かがあったかと考えるのが自然だろうか。
いきなり“関わらないで”なんて、和凜が言いそうなことではない。
だから今朝から昼までの間に、何かがあったと考えるのが妥当だ。
一体和凜に、何があったんだ。
……いや、それ以上にどうしてその時俺は一緒にいてやれなかったんだ。
詰めが甘かった。もっとちゃんと、和凜を守ってやれればよかったんだ……っ。
「あれ、和凜ちゃんは?」
ガチャと、屋上の扉が開く音と共におちゃらけた声が飛んでくる。
入ってきたのは水翔で、その顔は何とも不思議そうだった。
「絆那、なんて顔してんの? 今にも死にそうな顔だし……それに和凜ちゃんはどこ行ったの? 一緒に屋上上がったよね?」
「……うるさい。」
「ご機嫌斜めだね~。ほんとに何があったの?」
「お前には関係ないことだ。」
これは俺と和凜の問題。水翔に首を突っ込まれるわけにはいかない。
……だがもしかしたら、手がかりくらいは掴めるかもしれない。
「最近変わったことは?」
「急だなぁ……うーんそうだね、何かあったかな。」
腕を組み、首を捻って心当たりを探す水翔。
ないとは思いたいが、和凜のあの発言は誰かが関わっているかもしれない。
とはいえ問題になりそうな奴は事前に片付けているし、可能性はかなり低いだろう。
同じように考え込む俺に、水翔はやっと思いついたように「そういえば、」と声を上げた。
「そういやここ最近、ずっとあの不良グループ……Fuzzyが活発だって聞いたかも。特にリーダーが。」
「理由は?」
「分かんない。けどその前は下っ端の不良が活発だったはず。」
……まさかとは思うが、“あいつ”が和凜に関わっているのか?
だとしたら結構まずい状況だ。あいつは俺を狙ってきているのに和凜に近付いたのなら、おかしなことを吹き込んでいてもおかしくない。
早く、できるだけ迅速に手を打たなければ。
「水翔、引き続きFuzzyの情報収集を頼む。他の奴らには見回りの強化をさせる。」
「りょーかい。……んで、絆那はどうするの?」
「……悪い、少し一人にさせてくれ。」
どうすると言われても、今すぐには動けない。
先ほど和凜に言われた言葉が思いのほか突き刺さっていて、ショックが拭えない。
自己中心的なのは分かっているが、一人にならないとみっともなく泣いてしまいそうだった。
それに気付いた水翔は、仕方ないと言うように俺の肩を一度だけ叩いた。
「分かった。何があったのか知らないけど、あんま一人で抱え込まないようにね。」
「……あぁ。」
深く聞かずに屋上を出て行った水翔の背中を見て、途端頭を抱える。
まさかとは思う。正直のところ、思いたくないのが現状だが。
――時雨が、関わってるのか?
確証はない。根拠も証拠もない。
それでも時雨が何かしたと考えるのが、今の流れ的に自然だった。
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