26 / 30
最強な不良くんの溺愛
溢れる気持ちを
しおりを挟む
さっきの轟音は扉が蹴破られた音だったらしく、ほとんど原型が残っていなかった。
絆那さん、強いっ……!
「おい時雨、和凜に何もしてないだろうな?」
「……自分で確認したらどうだ? 好きな女なんだろう?」
「分かってる。それと……後で一発な。」
「……あぁ。」
ドスが利いている絆那さんの声と、軽くあしらっている会長の声が私の耳まで届く。
お、温度差がすごい……。
苦笑いしか零せない状況で、私は一人置いてけぼりにされる。
その時ふわっと、温かい体温が私を包んだ。
「和凜っ、怪我してないか⁉」
「あ、えっと……大丈夫、です。」
焦っている様子で尋ねる絆那さんは、今にも泣いてしまいそうなくらい表情が崩れている。
……でも、ごめんなさい。私は絆那さんに抱きしめられる資格なんて、ありません。
だから私は、弱い力で絆那さんの胸板を押した。
「絆那さん……離してください。」
「……どうしてだ。」
ぐっと、強引に視線を合わせられてしまう。
視線を逸らそうにも、熱っぽい瞳が私を捉えて離さない。
だけど、こんなところで弱音は吐けない。
それに私は、ずっと絆那さんのお荷物になっていたはずだ。
だからこれはちょうどいい機会で、後悔する事なんてないはず……。
「ごめん、なさい……っ。」
だったのに、自分の気持ちには抗えなかった。
我慢しようにも、溢れ出した気持ちは止まってはくれない。
タカが外れたように、“好き”という気持ちが溢れてやまない。
絆那さんから離れなきゃならないのに、心はそれを拒んでいる。
「私、絆那さんにひどいこと言いました……っ。だから、私は抱きしめられる資格なんてないんですっ……!」
どれだけ懺悔しても、しきれない。
それなのに、もう絆那さんを突き放したくないと私の心は訴えていた。
さっきよりも溢れてくる涙を一生懸命拭いながら、力任せに強く絆那さんを押す。
「そんなこと、考えなくていい。」
けどそれを遮ったのは、誰でもない絆那さんだった。
背中に回された腕はさっきよりも強く、私を抱きしめている。
――離さない、と言っているように。
考えなくていいって……そんなわけにはいかない。
そう考えながら絆那さんを押そうとするも、全くびくともしなくて焦ってしまう。
でも絆那さんはそれを許してはくれなくて、続けてこう口にした。
「お前がそんなこと考える必要なんてない。時雨の言った通りにするしかなかったんだろ?」
「そ、それでも……私は絆那さんに、あんなこと言ってしまったので……」
『しばらく、私に関わらないでください。』
例え本心じゃないとはいえ、言ってしまった事実は変わらない。
それなのに絆那さんは、さも当然かのように私を許してくれる。
「お前が無事なら、もうそれでいい……っ。」
きずな、さん……。
きっと、こんなに私を想ってくれる人はこの先現れない。
やっぱり私は……――絆那さんが大好きだ。
「あの、絆那さん――」
「お前ら、いちゃつくんなら他所でしてくれ。俺が悪かったから。」
い、いちゃ……⁉
そんなことしてないですよ、会長さん……!
そう言いたかったけど、絆那さんに腕を掴まれて遮られてしまう。
「分かった。時雨、お前のことが後でぶっ飛ばしてやる。」
「はいはい……ま、簡単には殴らせねぇけど。」
「言ってろ。」
絆那さんは会長さんと軽い口喧嘩をしてから、盛大に壊した扉から外へ出る。
手を引かれるまま私も廃倉庫を後にすると、 少しだけ涼しい風が私の頬を掠めた。
……あれ、晴れてる?
さっきまでは曇ってて、今にも雨が降りそうだったのに……と、空を見上げながら考える。
もうそろそろ夜が来るようで、周りは少しだけ薄暗い。
「本当に、時雨には何もされてないのか?」
「は、はいっ。私は無事です……!」
廃倉庫から距離を取ってすぐ、絆那さんが足を止める。
そして私へと向き直った絆那さんの表情は、今までにないほど悲痛に歪んでいた。
あぁ……私はどれだけ、この人に心配と迷惑をかけたんだろうか。
まともに顔が見れなくて絆那さんの手元を見ると、血が流れているのを見てしまった。
「絆那さん……腕、怪我してます……!」
「ん? 多分さっき扉壊した時に破片が飛んできたんだろうな。まぁ大したことはない。」
「大したことありますよ! だ、大丈夫なんですか……っ?」
私のせい、だよね……確実に。
私がほいほい会長さんについていったから、絆那さんに傷を負わせてしまった。
罪悪感が胸いっぱいに広がり、気を抜くと泣いてしまいそうになる。
だったら私は、尚更ここにいちゃダメなんじゃ……。
「和凜、余計なこと考えてるだろ。」
「……いえ、考えてないですよっ。」
「嘘だな、目が泳いでる。」
うっ……そう言われると何も言えない……。
指摘されて短く声を漏らしてしまい、自分の服の袖をきつく持つ。
……絆那さんは今でも、私を好きでいてくれるのかな。酷いことをしてしまった私を、許してくれてるのかな。
あんなことをしてしまった分際で許しを乞うなんて……って、思われるかもしれない。
それでも――。
「俺は和凜に何があっても受け入れる。不安なこと心配なこと、全部俺に言ってくれ。」
この人に嘘を吐き通すのは、もうできなかった。
「……だい、すきです。」
絆那さんの服を引っ張って、視界がぐちゃぐちゃになりながらも顔を上げる。
もう、抑えられない。溢れて、やまない。
「絆那さん、大好きです……っ。」
「和凜……。」
私は今回も、絆那さんの優しさに甘えてしまった。
あんなの何があってもしちゃダメなのに、やってしまった。
これ以上、欲張りなことは言わない。
言わないから……気持ちだけ伝わってほしい。
「――和凜。」
「絆那さん……」
「俺も、大好きだ。」
やっぱり、この人は優しい。どうしようもないくらい優しすぎる。
だからこそ、私は溺れてしまう。
どこまでも、大好きになってしまう。
「私のこと、嫌いになってないんですか……? 酷いことしちゃったのに……っ。」
「嫌いになるわけないだろう。それにさっきも言ったが、和凜は何も気にしなくていい。和凜こそ、俺のこと嫌ってないのか?」
「へ?」
「いや……どうせ時雨が余計な話をしただろうと思って。聞いたんだろ、グループのこと。」
分かってたんだ、絆那さん……。従兄だからそういうことも分かるのかな?
心の隅っこで思って、こくりと小さく頷く。
確かに、結構詳しいことまで聞いてしまった。
……でもそんなことで嫌いになるほど、私の気持ちは軽くない。
「びっくりはしちゃいましたけど、私も絆那さんと同じで嫌いになんてあるわけありません。むしろ……絆那さんのこともっと知れて嬉しいですっ。」
「……それが時雨からって思うと、すごく嫌なんだが。」
「えっ、あっ……ご、ごめんなさい……?」
「いや、和凜が謝ることじゃない。」
む、無神経だったかな……としゅんとすると、絆那さんが慌てて言う。
その直後に絆那さんは、子供みたいな拗ねた表情を浮かべた。
「教えるなら、俺自身から言いたかった……と思ってしまったんだ。」
……か、可愛いっ。
もしかしてこれって、会長さんに嫉妬してるってことだよね……?
絆那さんには申し訳ないけど、可愛いと思わずにはいられなかった。
「私、今のでもっと絆那さんのこと好きになりましたっ。」
「好きになる要素あったか……?」
「はいっ。」
絆那さんは何のことか分かってないみたいで、きょとんと呆気に取られている。
それすらも可愛くて、好きすぎてどうにかなっちゃいそうだ。
「まぁいいか。俺のことはこれから教えればいいだけだしな。」
「わっ……!」
力強く抱きしめられて、身動きが取れなくなる。
“これから”
それが何を意味しているのかは、絆那さんの次の言葉で知ることになった。
「和凜、俺の恋人になってくれ。」
「……っ。」
まさか、そう言われるとは予想していなかった。私としては気持ちを伝えられたらいいと思っていたから。
だけど恋人になったら、ずっと一緒に居られるのかな……。
そうだったら、私の答えはひとつしかない。
「私なんかで、いいんですか……?」
「あぁ、和凜じゃなきゃ困る。」
はっきりと、私を肯定してくれる言葉をくれる絆那さん。
その言葉で私の心は、ぎゅっと掴まれたような感覚に苛まれた。
「私も、言いたいです。……いいですか?」
「あぁ。」
こんなに欲張りになっちゃっても、いいのかな? いつか罰が当たっちゃわないかな?
そう心配になってしまうけど、絆那さんとこれからも一緒に居たい。
……ずっと、大好きって言いたい。
「絆那さん……私の恋人に、なってくれますか?」
恥ずかしさを押し殺して、絆那さんと同じ言葉を紡ぐ。
そんな私に絆那さんは、優しくはにかんで再び私を強く抱きしめた。
「大好きだ、和凜。」
絆那さん、強いっ……!
「おい時雨、和凜に何もしてないだろうな?」
「……自分で確認したらどうだ? 好きな女なんだろう?」
「分かってる。それと……後で一発な。」
「……あぁ。」
ドスが利いている絆那さんの声と、軽くあしらっている会長の声が私の耳まで届く。
お、温度差がすごい……。
苦笑いしか零せない状況で、私は一人置いてけぼりにされる。
その時ふわっと、温かい体温が私を包んだ。
「和凜っ、怪我してないか⁉」
「あ、えっと……大丈夫、です。」
焦っている様子で尋ねる絆那さんは、今にも泣いてしまいそうなくらい表情が崩れている。
……でも、ごめんなさい。私は絆那さんに抱きしめられる資格なんて、ありません。
だから私は、弱い力で絆那さんの胸板を押した。
「絆那さん……離してください。」
「……どうしてだ。」
ぐっと、強引に視線を合わせられてしまう。
視線を逸らそうにも、熱っぽい瞳が私を捉えて離さない。
だけど、こんなところで弱音は吐けない。
それに私は、ずっと絆那さんのお荷物になっていたはずだ。
だからこれはちょうどいい機会で、後悔する事なんてないはず……。
「ごめん、なさい……っ。」
だったのに、自分の気持ちには抗えなかった。
我慢しようにも、溢れ出した気持ちは止まってはくれない。
タカが外れたように、“好き”という気持ちが溢れてやまない。
絆那さんから離れなきゃならないのに、心はそれを拒んでいる。
「私、絆那さんにひどいこと言いました……っ。だから、私は抱きしめられる資格なんてないんですっ……!」
どれだけ懺悔しても、しきれない。
それなのに、もう絆那さんを突き放したくないと私の心は訴えていた。
さっきよりも溢れてくる涙を一生懸命拭いながら、力任せに強く絆那さんを押す。
「そんなこと、考えなくていい。」
けどそれを遮ったのは、誰でもない絆那さんだった。
背中に回された腕はさっきよりも強く、私を抱きしめている。
――離さない、と言っているように。
考えなくていいって……そんなわけにはいかない。
そう考えながら絆那さんを押そうとするも、全くびくともしなくて焦ってしまう。
でも絆那さんはそれを許してはくれなくて、続けてこう口にした。
「お前がそんなこと考える必要なんてない。時雨の言った通りにするしかなかったんだろ?」
「そ、それでも……私は絆那さんに、あんなこと言ってしまったので……」
『しばらく、私に関わらないでください。』
例え本心じゃないとはいえ、言ってしまった事実は変わらない。
それなのに絆那さんは、さも当然かのように私を許してくれる。
「お前が無事なら、もうそれでいい……っ。」
きずな、さん……。
きっと、こんなに私を想ってくれる人はこの先現れない。
やっぱり私は……――絆那さんが大好きだ。
「あの、絆那さん――」
「お前ら、いちゃつくんなら他所でしてくれ。俺が悪かったから。」
い、いちゃ……⁉
そんなことしてないですよ、会長さん……!
そう言いたかったけど、絆那さんに腕を掴まれて遮られてしまう。
「分かった。時雨、お前のことが後でぶっ飛ばしてやる。」
「はいはい……ま、簡単には殴らせねぇけど。」
「言ってろ。」
絆那さんは会長さんと軽い口喧嘩をしてから、盛大に壊した扉から外へ出る。
手を引かれるまま私も廃倉庫を後にすると、 少しだけ涼しい風が私の頬を掠めた。
……あれ、晴れてる?
さっきまでは曇ってて、今にも雨が降りそうだったのに……と、空を見上げながら考える。
もうそろそろ夜が来るようで、周りは少しだけ薄暗い。
「本当に、時雨には何もされてないのか?」
「は、はいっ。私は無事です……!」
廃倉庫から距離を取ってすぐ、絆那さんが足を止める。
そして私へと向き直った絆那さんの表情は、今までにないほど悲痛に歪んでいた。
あぁ……私はどれだけ、この人に心配と迷惑をかけたんだろうか。
まともに顔が見れなくて絆那さんの手元を見ると、血が流れているのを見てしまった。
「絆那さん……腕、怪我してます……!」
「ん? 多分さっき扉壊した時に破片が飛んできたんだろうな。まぁ大したことはない。」
「大したことありますよ! だ、大丈夫なんですか……っ?」
私のせい、だよね……確実に。
私がほいほい会長さんについていったから、絆那さんに傷を負わせてしまった。
罪悪感が胸いっぱいに広がり、気を抜くと泣いてしまいそうになる。
だったら私は、尚更ここにいちゃダメなんじゃ……。
「和凜、余計なこと考えてるだろ。」
「……いえ、考えてないですよっ。」
「嘘だな、目が泳いでる。」
うっ……そう言われると何も言えない……。
指摘されて短く声を漏らしてしまい、自分の服の袖をきつく持つ。
……絆那さんは今でも、私を好きでいてくれるのかな。酷いことをしてしまった私を、許してくれてるのかな。
あんなことをしてしまった分際で許しを乞うなんて……って、思われるかもしれない。
それでも――。
「俺は和凜に何があっても受け入れる。不安なこと心配なこと、全部俺に言ってくれ。」
この人に嘘を吐き通すのは、もうできなかった。
「……だい、すきです。」
絆那さんの服を引っ張って、視界がぐちゃぐちゃになりながらも顔を上げる。
もう、抑えられない。溢れて、やまない。
「絆那さん、大好きです……っ。」
「和凜……。」
私は今回も、絆那さんの優しさに甘えてしまった。
あんなの何があってもしちゃダメなのに、やってしまった。
これ以上、欲張りなことは言わない。
言わないから……気持ちだけ伝わってほしい。
「――和凜。」
「絆那さん……」
「俺も、大好きだ。」
やっぱり、この人は優しい。どうしようもないくらい優しすぎる。
だからこそ、私は溺れてしまう。
どこまでも、大好きになってしまう。
「私のこと、嫌いになってないんですか……? 酷いことしちゃったのに……っ。」
「嫌いになるわけないだろう。それにさっきも言ったが、和凜は何も気にしなくていい。和凜こそ、俺のこと嫌ってないのか?」
「へ?」
「いや……どうせ時雨が余計な話をしただろうと思って。聞いたんだろ、グループのこと。」
分かってたんだ、絆那さん……。従兄だからそういうことも分かるのかな?
心の隅っこで思って、こくりと小さく頷く。
確かに、結構詳しいことまで聞いてしまった。
……でもそんなことで嫌いになるほど、私の気持ちは軽くない。
「びっくりはしちゃいましたけど、私も絆那さんと同じで嫌いになんてあるわけありません。むしろ……絆那さんのこともっと知れて嬉しいですっ。」
「……それが時雨からって思うと、すごく嫌なんだが。」
「えっ、あっ……ご、ごめんなさい……?」
「いや、和凜が謝ることじゃない。」
む、無神経だったかな……としゅんとすると、絆那さんが慌てて言う。
その直後に絆那さんは、子供みたいな拗ねた表情を浮かべた。
「教えるなら、俺自身から言いたかった……と思ってしまったんだ。」
……か、可愛いっ。
もしかしてこれって、会長さんに嫉妬してるってことだよね……?
絆那さんには申し訳ないけど、可愛いと思わずにはいられなかった。
「私、今のでもっと絆那さんのこと好きになりましたっ。」
「好きになる要素あったか……?」
「はいっ。」
絆那さんは何のことか分かってないみたいで、きょとんと呆気に取られている。
それすらも可愛くて、好きすぎてどうにかなっちゃいそうだ。
「まぁいいか。俺のことはこれから教えればいいだけだしな。」
「わっ……!」
力強く抱きしめられて、身動きが取れなくなる。
“これから”
それが何を意味しているのかは、絆那さんの次の言葉で知ることになった。
「和凜、俺の恋人になってくれ。」
「……っ。」
まさか、そう言われるとは予想していなかった。私としては気持ちを伝えられたらいいと思っていたから。
だけど恋人になったら、ずっと一緒に居られるのかな……。
そうだったら、私の答えはひとつしかない。
「私なんかで、いいんですか……?」
「あぁ、和凜じゃなきゃ困る。」
はっきりと、私を肯定してくれる言葉をくれる絆那さん。
その言葉で私の心は、ぎゅっと掴まれたような感覚に苛まれた。
「私も、言いたいです。……いいですか?」
「あぁ。」
こんなに欲張りになっちゃっても、いいのかな? いつか罰が当たっちゃわないかな?
そう心配になってしまうけど、絆那さんとこれからも一緒に居たい。
……ずっと、大好きって言いたい。
「絆那さん……私の恋人に、なってくれますか?」
恥ずかしさを押し殺して、絆那さんと同じ言葉を紡ぐ。
そんな私に絆那さんは、優しくはにかんで再び私を強く抱きしめた。
「大好きだ、和凜。」
0
あなたにおすすめの小説
極甘独占欲持ち王子様は、優しくて甘すぎて。
猫菜こん
児童書・童話
私は人より目立たずに、ひっそりと生きていたい。
だから大きな伊達眼鏡で、毎日を静かに過ごしていたのに――……。
「それじゃあこの子は、俺がもらうよ。」
優しく引き寄せられ、“王子様”の腕の中に閉じ込められ。
……これは一体どういう状況なんですか!?
静かな場所が好きで大人しめな地味子ちゃん
できるだけ目立たないように過ごしたい
湖宮結衣(こみやゆい)
×
文武両道な学園の王子様
実は、好きな子を誰よりも独り占めしたがり……?
氷堂秦斗(ひょうどうかなと)
最初は【仮】のはずだった。
「結衣さん……って呼んでもいい?
だから、俺のことも名前で呼んでほしいな。」
「さっきので嫉妬したから、ちょっとだけ抱きしめられてて。」
「俺は前から結衣さんのことが好きだったし、
今もどうしようもないくらい好きなんだ。」
……でもいつの間にか、どうしようもないくらい溺れていた。
【奨励賞】おとぎの店の白雪姫
ゆちば
児童書・童話
【第15回絵本・児童書大賞 奨励賞】
母親を亡くした小学生、白雪ましろは、おとぎ商店街でレストランを経営する叔父、白雪凛悟(りんごおじさん)に引き取られる。
ぎこちない二人の生活が始まるが、ひょんなことからりんごおじさんのお店――ファミリーレストラン《りんごの木》のお手伝いをすることになったましろ。パティシエ高校生、最速のパート主婦、そしてイケメンだけど料理脳のりんごおじさんと共に、一癖も二癖もあるお客さんをおもてなし!
そしてめくるめく日常の中で、ましろはりんごおじさんとの『家族』の形を見出していく――。
小さな白雪姫が『家族』のために奔走する、おいしいほっこり物語。はじまりはじまり!
他のサイトにも掲載しています。
表紙イラストは今市阿寒様です。
絵本児童書大賞で奨励賞をいただきました。
こわモテ男子と激あま婚!? 〜2人を繋ぐ1on1〜
おうぎまちこ(あきたこまち)
児童書・童話
お母さんを失くし、ひとりぼっちになってしまったワケアリ女子高生の百合(ゆり)。
とある事情で百合が一緒に住むことになったのは、学校で一番人気、百合の推しに似ているんだけど偉そうで怖いイケメン・瀬戸先輩だった。
最初は怖くて仕方がなかったけれど、「好きなものは好きでいて良い」って言って励ましてくれたり、困った時には優しいし、「俺から離れるなよ」って、いつも一緒にいてくれる先輩から段々目が離せなくなっていって……。
先輩、毎日バスケをするくせに「バスケが嫌い」だっていうのは、どうして――?
推しによく似た こわモテ不良イケメン御曹司×真面目なワケアリ貧乏女子高生との、大豪邸で繰り広げられる溺愛同居生活開幕!
※じれじれ?
※ヒーローは第2話から登場。
※5万字前後で完結予定。
※1日1話更新。
※noichigoさんに転載。
※ブザービートからはじまる恋
星降る夜に落ちた子
千東風子
児童書・童話
あたしは、いらなかった?
ねえ、お父さん、お母さん。
ずっと心で泣いている女の子がいました。
名前は世羅。
いつもいつも弟ばかり。
何か買うのも出かけるのも、弟の言うことを聞いて。
ハイキングなんて、来たくなかった!
世羅が怒りながら歩いていると、急に体が浮きました。足を滑らせたのです。その先は、とても急な坂。
世羅は滑るように落ち、気を失いました。
そして、目が覚めたらそこは。
住んでいた所とはまるで違う、見知らぬ世界だったのです。
気が強いけれど寂しがり屋の女の子と、ワケ有りでいつも諦めることに慣れてしまった綺麗な男の子。
二人がお互いの心に寄り添い、成長するお話です。
全年齢ですが、けがをしたり、命を狙われたりする描写と「死」の表現があります。
苦手な方は回れ右をお願いいたします。
よろしくお願いいたします。
私が子どもの頃から温めてきたお話のひとつで、小説家になろうの冬の童話際2022に参加した作品です。
石河 翠さまが開催されている個人アワード『石河翠プレゼンツ勝手に冬童話大賞2022』で大賞をいただきまして、イラストはその副賞に相内 充希さまよりいただいたファンアートです。ありがとうございます(^-^)!
こちらは他サイトにも掲載しています。
【完結】またたく星空の下
mazecco
児童書・童話
【第15回絵本・児童書大賞 君とのきずな児童書賞 受賞作】
※こちらはweb版(改稿前)です※
※書籍版は『初恋×星空シンバル』と改題し、web版を大幅に改稿したものです※
◇◇◇冴えない中学一年生の女の子の、部活×恋愛の青春物語◇◇◇
主人公、海茅は、フルート志望で吹奏楽部に入部したのに、オーディションに落ちてパーカッションになってしまった。しかもコンクールでは地味なシンバルを担当することに。
クラスには馴染めないし、中学生活が全然楽しくない。
そんな中、海茅は一人の女性と一人の男の子と出会う。
シンバルと、絵が好きな男の子に恋に落ちる、小さなキュンとキュッが詰まった物語。
運よく生まれ変われたので、今度は思いっきり身体を動かします!
克全
児童書・童話
「第1回きずな児童書大賞」重度の心臓病のため、生まれてからずっと病院のベッドから動けなかった少年が12歳で亡くなりました。両親と両祖父母は毎日のように妾(氏神)に奇跡を願いましたが、叶えてあげられませんでした。神々の定めで、現世では奇跡を起こせなかったのです。ですが、記憶を残したまま転生させる事はできました。ほんの少しだけですが、運動が苦にならない健康な身体と神与スキルをおまけに付けてあげました。(氏神談)
クールな幼なじみの許嫁になったら、甘い溺愛がはじまりました
藤永ゆいか
児童書・童話
中学2年生になったある日、澄野星奈に許嫁がいることが判明する。
相手は、頭が良くて運動神経抜群のイケメン御曹司で、訳あって現在絶交中の幼なじみ・一之瀬陽向。
さらに、週末限定で星奈は陽向とふたり暮らしをすることになって!?
「俺と許嫁だってこと、絶対誰にも言うなよ」
星奈には、いつも冷たくてそっけない陽向だったが……。
「星奈ちゃんって、ほんと可愛いよね」
「僕、せーちゃんの彼氏に立候補しても良い?」
ある時から星奈は、バスケ部エースの水上虹輝や
帰国子女の秋川想良に甘く迫られるようになり、徐々に陽向にも変化が……?
「星奈は可愛いんだから、もっと自覚しろよ」
「お前のこと、誰にも渡したくない」
クールな幼なじみとの、逆ハーラブストーリー。
「いっすん坊」てなんなんだ
こいちろう
児童書・童話
ヨシキは中学一年生。毎年お盆は瀬戸内海の小さな島に帰省する。去年は帰れなかったから二年ぶりだ。石段を上った崖の上にお寺があって、書院の裏は狭い瀬戸を見下ろす絶壁だ。その崖にあった小さなセミ穴にいとこのユキちゃんと一緒に吸い込まれた。長い長い穴の底。そこにいたのがいっすん坊だ。ずっとこの島の歴史と、生きてきた全ての人の過去を記録しているという。ユキちゃんは神様だと信じているが、どうもうさんくさいやつだ。するといっすん坊が、「それなら、おまえの振り返りたい過去を三つだけ、再現してみせてやろう」という。
自分の過去の振り返りから、両親への愛を再認識するヨシキ・・・
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる