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不良に見初められた少女
強制連行
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「お母さん、いってらっしゃい!」
「和凜もね。気を付けて行くのよ?」
「ふふっ、はーい!」
翌日の朝、いつものようにお母さんとそんな会話をしてから昨日と同じルートで学校に向かう。
そうしていると昨日の事が思い出されて、顔周りに少しの熱が集まった。
実はあの後、天狼さんとは雑談しながら帰ったんだけど――。
『なぁ、この辺りの治安が良くないってのは知ってたのか?』
『一応、友達に教えてもらってまして……やっぱり気を付けなきゃダメですよね。』
『そうだな。和凜は可愛い奴だからすぐ標的にされるだろうし、一人で出歩くのは少し危険だ。』
あんなにサラッと、当たり前だっていう声で可愛いなんて……。
天狼さんに言われた“可愛い”がずっと頭の中に残っていて、思い出す度にまた心臓が暴れ出す。
絡んできた男の人たちに言われても何とも思わなかったのに、どうして天狼さんにはドキドキするんだろう。
お世辞だと分かっていても、つい意識してしまう。
でもきっと、天狼さんと関わる事はない。同じ学校だとしても接点がないし、制服の腕章の色が水色の3年生だったから会う事すらないと思う。
……それはそれで寂しいなぁ、なんて。
「なんだか私、ロマンチストみたい……。」
1回助けてもらっただけの天狼さんのことをここまで考えるなんて私らしくなくて、ぶんぶんと左右に首を振る。
一人でいると余計な事まで考えちゃいそうだっ……早く学校に行って、美月ちゃんとお喋りしよう!
なんて悶々とした気持ちを抱えたまま、私は一直線に学校へ足を急がせた。
走ってきたからか、いつもよりも早い時間に学校に着いて安堵の息を吐く。
とりあえず学校まで来たら安全だよね……って、こう思ったらフラグみたいっ。
できるだけフラグを折りたくない私は、その考えを払拭するように首を左右に振ってから美月ちゃんを待った。
靴もなかったし、早い時間だからまだ美月ちゃんは来てないみたい。
だからしばらく昇降口近くで本を読みながら待とうとスクールバッグを一旦下ろすと、突然背後から美月ちゃんの声が聞こえてきた。
「あれ、和凜今日早いね。何かあったの?」
「わっ⁉ ……って、美月ちゃんかぁ。お、おはようっ!」
「うん、おはよう。相変わらず今日も和凜は可愛いね~っ!」
今日も朝から褒めてくれて、ぎゅっと抱き着いてくる美月ちゃん。
そんな美月ちゃんが可愛くて頭を撫でようと腕を伸ばすと、昇降口からヤエカちゃんがものすごい速度で走ってくるのが見えた。
「和凜先輩! 昨日大丈夫でしたか⁉」
「昨日……? 和凜、何かあったの?」
はぁはぁと息を切らしつつも私にずいっとにじり寄ってきたヤエカちゃんに、私から離れた美月ちゃんが怪訝そうな表情を浮かべる。
昨日ってもしかして……ヤエカちゃん、私が絡まれたの知ってるのかな。
そう不思議に思って小首を傾げてみせると、ヤエカちゃんは目を真ん丸にして叫んだ。
「昨日の夜、あの天狼絆那と和凜先輩が一緒に歩いてたってユミが言ってたんです! 先輩っ、天狼絆那に何もされてませんか⁉」
「えっ⁉ それほんとなのヤエカ⁉」
「ユミが言ってたので間違いはないかと……あの先輩、昨日何があったんですか⁉」
ヤエカちゃんだけでなく、美月ちゃんも私の肩をがっしり掴んで揺さぶってくる。
美月ちゃんにしては珍しく動揺していて、どうしてそんなに驚くんだろう……と疑問を抱いてしまう。
でも、とりあえずっ……!
「お、教えるからっ、ゆ、揺さぶるのやめてっ……酔っちゃう……っ。」
「はぁ、なるほどねー……あの天狼が、ねぇ。」
美月ちゃんの強めの揺さぶりから解放された私は、昨日起きた出来事を包み隠さず話した。
それを静かにヤエカちゃんと聞いていた美月ちゃんの表情は、何かを考えこんでいる。
そんな美月ちゃんに、さっきから不思議に思っていた事を思い切って尋ねた。
「み、美月ちゃんは天狼さんのこと、知ってるの?」
「……天狼絆那は、ここらじゃ有名な不良くん。小学生の時ね、天狼もあたしたちの道場に来てて、気が付いたら“最強不良”って名を馳せてた。だから、格闘技やってる人なら大体は知ってると思うよ。学校もここだし。」
「な、なるほど……。」
確かに、あの男の人たちは天狼さんを一目見る度逃げていった。きっと彼の実力は間違いないものなんだと思う。
だけど……あんなに優しい人が最強不良さんだなんて、ちょっと想像つかない。
美月ちゃんやヤエカちゃんが言ってる事は嘘じゃないだろうけど、うーん……。
天狼さんのお話を聞きながら私は、一人腑に落ちずにより頭を悩ませてしまった。
はぁ……やっと午前の授業終わったぁ。体育も理科もあったから、いつもの倍くらい疲れている気がする。
シャーペンを仕舞いながらうーんと伸びをして、美月ちゃんとお弁当を食べようとスクールバッグの中を漁る。
そんな時、やけに廊下が騒がしい事に気付いた。
「和凜、なんか廊下騒いでない?」
「うん……何かあったのかな。」
それは美月ちゃんも感じていたみたいで、二人して廊下に意識を向ける。
お昼はいつも騒がしいけど、今日は一段と騒がしい。気のせいとかじゃなく、確実に。
本当に何かあったのかと少し不安になり、お弁当を開く手を止める。
……けど、廊下の奥から現れたのは見覚えのありすぎる人物だった。
「おい、咲城和凜はいるか。」
「えっ……天狼さん?」
私たちの教室の扉に手をかけながら、威圧感ある声で私の名を言った彼。
ど、どうしてここに天狼さんが……⁉
同じ学校とは聞いてたけどこんなにすぐ再開するとは思っていなくて、瞬きを繰り返してしまう。
そうしていると天狼さんは教室を見回して、私の姿を捉えた。
刹那、ふっと緩く笑った天狼さんがこちらに近付いてくる。
「何? 和凜に用ならあたしが聞いたげるわ。」
咄嗟に美月ちゃんが私の前に立って、庇うように天狼さんをキッと睨む。
けど天狼さんはそれを物ともせず、静かに唇を開いた。
「香椎、少し和凜を借りてもいいか。」
「ダメ……って言ったらどうすんの? ていうか、何で和凜?」
「それを香椎に言う筋合いはない。」
「あんたねぇ……ほんっと、顔だけいいのがむかつく……!」
バチバチと、視線だけで喧嘩を始めちゃいそうな二人。
その勢いに周りの生徒は完全に圧倒されていて、誰も何も言えない雰囲気が出来上がっている。
でも、このままじゃ埒が明かない。そう感じて急いで二人の間に割って入った。
「て、天狼さんどうしたんですかっ? 私に何か用事、とかですか?」
「……用事というか、和凜と少し話したい事があるんだ。」
話したい事かぁ……一体何だろう? もしかして昨日の事かな……?
それなら、天狼さんとお話ししたほうがいいよね。
「美月ちゃん、私も天狼さんとちょっとだけお話したい。行ってきてもいい、かな?」
「ぐぬ……か、和凜の頼みでもそれはっ……いやでも和凜の頼みなら……けど……」
「だ、ダメ?」
「…………っ、分かった! 和凜がそこまで言うなら仕方ない!」
相当嫌なのか、美月ちゃんは今まで見た事のないような渋い顔をする。
それでも美月ちゃんは美人だなぁ……なんて思いながらも、私は両手を合わせてお願いしてみた。
すると止めるのは諦めたのか、「その代わり、」と言葉を続けた。
「天狼! 和凜に変な事したら許さないから! 心得ておきなさい!」
「分かってる。……和凜、行くぞ。」
「え? わっ……!」
念の為お弁当を手に、天狼さんに向き直る。
と同時に空いていた右手をきゅっと優しく握られて、そのまま教室に外に連れ出された。
「あ、ちょっと天狼……! 何勝手に手握ってんのよーっ!」
そんな、美月ちゃんの悲鳴を背にしながら。
「和凜もね。気を付けて行くのよ?」
「ふふっ、はーい!」
翌日の朝、いつものようにお母さんとそんな会話をしてから昨日と同じルートで学校に向かう。
そうしていると昨日の事が思い出されて、顔周りに少しの熱が集まった。
実はあの後、天狼さんとは雑談しながら帰ったんだけど――。
『なぁ、この辺りの治安が良くないってのは知ってたのか?』
『一応、友達に教えてもらってまして……やっぱり気を付けなきゃダメですよね。』
『そうだな。和凜は可愛い奴だからすぐ標的にされるだろうし、一人で出歩くのは少し危険だ。』
あんなにサラッと、当たり前だっていう声で可愛いなんて……。
天狼さんに言われた“可愛い”がずっと頭の中に残っていて、思い出す度にまた心臓が暴れ出す。
絡んできた男の人たちに言われても何とも思わなかったのに、どうして天狼さんにはドキドキするんだろう。
お世辞だと分かっていても、つい意識してしまう。
でもきっと、天狼さんと関わる事はない。同じ学校だとしても接点がないし、制服の腕章の色が水色の3年生だったから会う事すらないと思う。
……それはそれで寂しいなぁ、なんて。
「なんだか私、ロマンチストみたい……。」
1回助けてもらっただけの天狼さんのことをここまで考えるなんて私らしくなくて、ぶんぶんと左右に首を振る。
一人でいると余計な事まで考えちゃいそうだっ……早く学校に行って、美月ちゃんとお喋りしよう!
なんて悶々とした気持ちを抱えたまま、私は一直線に学校へ足を急がせた。
走ってきたからか、いつもよりも早い時間に学校に着いて安堵の息を吐く。
とりあえず学校まで来たら安全だよね……って、こう思ったらフラグみたいっ。
できるだけフラグを折りたくない私は、その考えを払拭するように首を左右に振ってから美月ちゃんを待った。
靴もなかったし、早い時間だからまだ美月ちゃんは来てないみたい。
だからしばらく昇降口近くで本を読みながら待とうとスクールバッグを一旦下ろすと、突然背後から美月ちゃんの声が聞こえてきた。
「あれ、和凜今日早いね。何かあったの?」
「わっ⁉ ……って、美月ちゃんかぁ。お、おはようっ!」
「うん、おはよう。相変わらず今日も和凜は可愛いね~っ!」
今日も朝から褒めてくれて、ぎゅっと抱き着いてくる美月ちゃん。
そんな美月ちゃんが可愛くて頭を撫でようと腕を伸ばすと、昇降口からヤエカちゃんがものすごい速度で走ってくるのが見えた。
「和凜先輩! 昨日大丈夫でしたか⁉」
「昨日……? 和凜、何かあったの?」
はぁはぁと息を切らしつつも私にずいっとにじり寄ってきたヤエカちゃんに、私から離れた美月ちゃんが怪訝そうな表情を浮かべる。
昨日ってもしかして……ヤエカちゃん、私が絡まれたの知ってるのかな。
そう不思議に思って小首を傾げてみせると、ヤエカちゃんは目を真ん丸にして叫んだ。
「昨日の夜、あの天狼絆那と和凜先輩が一緒に歩いてたってユミが言ってたんです! 先輩っ、天狼絆那に何もされてませんか⁉」
「えっ⁉ それほんとなのヤエカ⁉」
「ユミが言ってたので間違いはないかと……あの先輩、昨日何があったんですか⁉」
ヤエカちゃんだけでなく、美月ちゃんも私の肩をがっしり掴んで揺さぶってくる。
美月ちゃんにしては珍しく動揺していて、どうしてそんなに驚くんだろう……と疑問を抱いてしまう。
でも、とりあえずっ……!
「お、教えるからっ、ゆ、揺さぶるのやめてっ……酔っちゃう……っ。」
「はぁ、なるほどねー……あの天狼が、ねぇ。」
美月ちゃんの強めの揺さぶりから解放された私は、昨日起きた出来事を包み隠さず話した。
それを静かにヤエカちゃんと聞いていた美月ちゃんの表情は、何かを考えこんでいる。
そんな美月ちゃんに、さっきから不思議に思っていた事を思い切って尋ねた。
「み、美月ちゃんは天狼さんのこと、知ってるの?」
「……天狼絆那は、ここらじゃ有名な不良くん。小学生の時ね、天狼もあたしたちの道場に来てて、気が付いたら“最強不良”って名を馳せてた。だから、格闘技やってる人なら大体は知ってると思うよ。学校もここだし。」
「な、なるほど……。」
確かに、あの男の人たちは天狼さんを一目見る度逃げていった。きっと彼の実力は間違いないものなんだと思う。
だけど……あんなに優しい人が最強不良さんだなんて、ちょっと想像つかない。
美月ちゃんやヤエカちゃんが言ってる事は嘘じゃないだろうけど、うーん……。
天狼さんのお話を聞きながら私は、一人腑に落ちずにより頭を悩ませてしまった。
はぁ……やっと午前の授業終わったぁ。体育も理科もあったから、いつもの倍くらい疲れている気がする。
シャーペンを仕舞いながらうーんと伸びをして、美月ちゃんとお弁当を食べようとスクールバッグの中を漁る。
そんな時、やけに廊下が騒がしい事に気付いた。
「和凜、なんか廊下騒いでない?」
「うん……何かあったのかな。」
それは美月ちゃんも感じていたみたいで、二人して廊下に意識を向ける。
お昼はいつも騒がしいけど、今日は一段と騒がしい。気のせいとかじゃなく、確実に。
本当に何かあったのかと少し不安になり、お弁当を開く手を止める。
……けど、廊下の奥から現れたのは見覚えのありすぎる人物だった。
「おい、咲城和凜はいるか。」
「えっ……天狼さん?」
私たちの教室の扉に手をかけながら、威圧感ある声で私の名を言った彼。
ど、どうしてここに天狼さんが……⁉
同じ学校とは聞いてたけどこんなにすぐ再開するとは思っていなくて、瞬きを繰り返してしまう。
そうしていると天狼さんは教室を見回して、私の姿を捉えた。
刹那、ふっと緩く笑った天狼さんがこちらに近付いてくる。
「何? 和凜に用ならあたしが聞いたげるわ。」
咄嗟に美月ちゃんが私の前に立って、庇うように天狼さんをキッと睨む。
けど天狼さんはそれを物ともせず、静かに唇を開いた。
「香椎、少し和凜を借りてもいいか。」
「ダメ……って言ったらどうすんの? ていうか、何で和凜?」
「それを香椎に言う筋合いはない。」
「あんたねぇ……ほんっと、顔だけいいのがむかつく……!」
バチバチと、視線だけで喧嘩を始めちゃいそうな二人。
その勢いに周りの生徒は完全に圧倒されていて、誰も何も言えない雰囲気が出来上がっている。
でも、このままじゃ埒が明かない。そう感じて急いで二人の間に割って入った。
「て、天狼さんどうしたんですかっ? 私に何か用事、とかですか?」
「……用事というか、和凜と少し話したい事があるんだ。」
話したい事かぁ……一体何だろう? もしかして昨日の事かな……?
それなら、天狼さんとお話ししたほうがいいよね。
「美月ちゃん、私も天狼さんとちょっとだけお話したい。行ってきてもいい、かな?」
「ぐぬ……か、和凜の頼みでもそれはっ……いやでも和凜の頼みなら……けど……」
「だ、ダメ?」
「…………っ、分かった! 和凜がそこまで言うなら仕方ない!」
相当嫌なのか、美月ちゃんは今まで見た事のないような渋い顔をする。
それでも美月ちゃんは美人だなぁ……なんて思いながらも、私は両手を合わせてお願いしてみた。
すると止めるのは諦めたのか、「その代わり、」と言葉を続けた。
「天狼! 和凜に変な事したら許さないから! 心得ておきなさい!」
「分かってる。……和凜、行くぞ。」
「え? わっ……!」
念の為お弁当を手に、天狼さんに向き直る。
と同時に空いていた右手をきゅっと優しく握られて、そのまま教室に外に連れ出された。
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