善人ぶった姉に奪われ続けてきましたが、逃げた先で溺愛されて私のスキルで領地は豊作です

しろこねこ

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手伝い

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エリアスとの会話が日課になってから、セリナは自分の中に芽生えた新しい感情に気づいていた。それは、彼に対して抱く尊敬や興味だけではなく、もっと何かをしたいという前向きな気持ちだった。

ある日、いつものように庭でエリアスと話をしていると、彼がぽつりとこぼした。

「この辺境には、まだまだ手がつけられていない土地が多いんだ。だけど、開拓するには人手も時間も足りない。それに、土地が枯れていて作物も育ちにくい。」

その言葉を聞いた瞬間、セリナの胸の中で何かがはじけた。

「エリアス様、私に何かお手伝いできることはないでしょうか?」

「君が?」

エリアスは驚いた顔をしたが、すぐに微笑んだ。

「いや、正直助かるよ。でも、結構大変だぞ?未開の地を見て回るのは道も整備されてないし、楽な仕事じゃない。」

「それでもいいんです!私、植物魔法が得意ですから、何か役に立てるかもしれません!」

その日から、セリナとエリアスは辺境の地を見て回る旅を始めることになった。



「ここがその土地ですか?」

セリナがエリアスに聞いたのは、最初の目的地に着いたときだった。目の前に広がるのは、荒れ果てた大地。乾いた土はひび割れ、草木はほとんど見当たらない。遠くにちらほらと小さな家が見えるが、人影はまばらだ。

「そう。ここは一応、辺境伯領内なんだけど、もう何十年も放置されたままだ。農作物が育たない土地は、みんな敬遠してしまうからな。」

エリアスの説明を聞きながら、セリナは地面にしゃがみこんだ。そして、そっと手を土に触れる。

「うーん…土が固くて栄養が足りてないみたい。でも、完全に無理ってわけじゃないですね。」

彼女は手をかざして植物魔法を使い、小さな芽を土から生やしてみた。すると、芽は少し成長したが、すぐに枯れてしまった。

「やっぱり、もっと根本的な改善が必要ですね。」

セリナは眉をひそめながら呟いた。

「すごいな。ここまで見ただけでわかるのか?」

エリアスが感心したように言うと、セリナは少し照れくさそうに笑った。

「いえ、まだまだ勉強中です。でも、何とかしたい気持ちは強いんです。」



荒れ地を見て回る中で、セリナとエリアスは現地の人々とも話をした。そこに住む人たちは、どこか疲れた顔をしていて、セリナの心を締めつけた。

「こんな土地でも、捨てられなくてね。代々ここに住んでるもんだから、離れるわけにもいかなくて…。」

年老いた村人が、ため息をつきながら話す。

「それに、土が悪いからって言っても、作物が全然育たないわけじゃないんだ。ただ、手間もかかるし、収穫も少ない。」

その話を聞いて、セリナは思った。

「魔法で少しでも土を改良できれば…。」

エリアスも同じ気持ちだったのだろう。彼は村人たちに力強く言った。

「俺たちができる限り協力する。必ず、この土地をもう一度生き返らせてみせる。」



旅を続けるうちに、セリナとエリアスの間には自然と信頼関係が生まれていった。セリナは植物魔法で村の周辺に防風林を作ったり、小さな菜園を整えたりして、少しずつ土地を変えていった。

「ここに、この種を植えてみましょう。栄養が少ない土でも育つ種類です。」

「なるほど、君は本当に頼りになるな。」

エリアスの言葉に、セリナは自然と笑顔になった。

「私、こんなに誰かのために働くのが楽しいって思うの、初めてかもしれません。」

「君のおかげで、俺も希望が持てるよ。」

そう言って微笑むエリアスの顔に、セリナは少しだけ胸が高鳴るのを感じた。



こうして、セリナとエリアスは荒れ地を巡りながら、少しずつ新しい道を切り開いていった。魔法と努力、そして人々との触れ合いの中で、セリナは自分の力が人の役に立てることを実感していった。

「これからも、一緒に頑張りましょうね、エリアス様。」

「もちろんだ、セリナ。」

新たな旅路を前に、二人の絆は確実に深まっていくのだった。
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