犬

冬

25

　神楽と法正に無理矢理犯された中二の夏。神楽の家から帰ってきた俺の変化を大学生だった寿楽はすぐに気づいた。

　俺は寿楽の部屋に連れて行かれ、部屋に鍵をかけられて寿楽にも犯された。

「神楽？法正？どっち？」
「‥両方」
　
　手首は縛られたが、殊更優しく寿楽は体に触れてきた。
　寿楽のセックスは執拗で足のつま先まで舐め、その時はまだ普通の首輪だったうなじは特に時間をかけて舐められた。
　
　ローションで滑る後孔に指をいれ丹念に官能を呼び起こす場所を探られた。
　性器が初めての二人よりずいぶん大きく苦しさに喘いだのをおぼえている。
　恍惚の表情を俺が浮かべるまで寿楽はしつこく抽送を繰り返した。



　その後の寿楽の度重なるスキンシップに母が俺たちの関係を察知し、俺に対して母が強くあたるようになった。
　寿楽も母の変化に気づいていた。
　ある日些細なことで母に怒られた時に叩かれ、弾みでテーブルの角に俺は額をぶつけて切ってしまった。傷は浅くあとには残らなかったものの、その時は驚くほど血が出た。
　寿楽は静かに母に近寄ると、母の利き手の小指を反対側に曲げて折った。
　小学生だった巳嘉月だけがそれを見て泣いていた。
　それから母は俺に何も言わなくなり、俺たち二人を冷たい視線で見るだけになった。

　それから寿楽は発情期が来るまで俺を犯らなかった。