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第1章 再会
3 聖獣様の来訪 -2-
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(ナディア目線)
「ジャン、止めて!」
私は何故か止めに入らなくてはと護衛騎士ジャンの足を必死に引っ張る。
「ひ、姫様!危のうございます!」
足を掴まれたジャンは焦って私の方を振り返る。全裸の男はその隙に足を蹴り上げ、ジャンの手にあった剣は床に落ちる。
「おまえは隙だらけだからナディアを守れないんだ!!」
全裸の男は怒りだすと床に落ちたジャンの剣を拾い壁に剣を突き刺した。
「ヒィーーッ!!」
一連の全裸の男の行動を見ていたサーヤは恐怖の余り悲鳴を上げると気絶した。
「サーヤ!!」
サーヤの元へ向かおうとするジャンは私の動きを止め私を庇うよに男の前に立ち憚った。
「姫様、私がこの男を止めます、サーヤのことは構わずお逃げください!」
逃げろの一言を聞いた全裸の男はしゅんと肩を落とし悲しそうな顔をする。喜怒哀楽の様子がかつて飼っていた鳥のピピに似ているので私ははっとする。
「もしかして、さっきの赤い鳥は…」
赤い鳥と聞いた男はぱあっと嬉しそうな顔をしながらも「俺だ」と必死に首を縦に振る。
「やっぱり!あなたは昔逃したピピなのね!」
男は思い切り顔を綻ばせると、
「ナディアーー、俺のこと覚えてるのか?!」
とジャンを投げ飛ばし、私を抱き締めた。
お父様以外の男性に抱き締められたことに戸惑いながらピピから漂う汗の匂いが嫌とは思えず彼を受け入れてあげたい不思議な感情が起こる。
「人間に変身できる鳥に生まれ変わったの??」
ピピはうーん…と困った顔をしたが
「まぁ、ひとまず、いっか…」
と小さく呟いた。
「ピピ、お願いがあるの…」
「なんだ!!」
「裸は恥ずかしいわ…服を着てくれない?」
私は照れながら話すとピピは自身の身体を見て、ようやく裸でいることに気付く。
「なんで裸なんだーー!!」
ピピは頭を抱え叫ぶと慌てて、私の寝台のシーツを抜き取り、身体に巻いたのだ。
「ふふ」
ピピの慌てぶりに私は口に手を当てわらう。そんな慌てて隠す姿がなんだか愛おしい。新たな姿に生まれ変わったピピ、奇跡のような再会に胸が躍るように感じた。
「ジャン、止めて!」
私は何故か止めに入らなくてはと護衛騎士ジャンの足を必死に引っ張る。
「ひ、姫様!危のうございます!」
足を掴まれたジャンは焦って私の方を振り返る。全裸の男はその隙に足を蹴り上げ、ジャンの手にあった剣は床に落ちる。
「おまえは隙だらけだからナディアを守れないんだ!!」
全裸の男は怒りだすと床に落ちたジャンの剣を拾い壁に剣を突き刺した。
「ヒィーーッ!!」
一連の全裸の男の行動を見ていたサーヤは恐怖の余り悲鳴を上げると気絶した。
「サーヤ!!」
サーヤの元へ向かおうとするジャンは私の動きを止め私を庇うよに男の前に立ち憚った。
「姫様、私がこの男を止めます、サーヤのことは構わずお逃げください!」
逃げろの一言を聞いた全裸の男はしゅんと肩を落とし悲しそうな顔をする。喜怒哀楽の様子がかつて飼っていた鳥のピピに似ているので私ははっとする。
「もしかして、さっきの赤い鳥は…」
赤い鳥と聞いた男はぱあっと嬉しそうな顔をしながらも「俺だ」と必死に首を縦に振る。
「やっぱり!あなたは昔逃したピピなのね!」
男は思い切り顔を綻ばせると、
「ナディアーー、俺のこと覚えてるのか?!」
とジャンを投げ飛ばし、私を抱き締めた。
お父様以外の男性に抱き締められたことに戸惑いながらピピから漂う汗の匂いが嫌とは思えず彼を受け入れてあげたい不思議な感情が起こる。
「人間に変身できる鳥に生まれ変わったの??」
ピピはうーん…と困った顔をしたが
「まぁ、ひとまず、いっか…」
と小さく呟いた。
「ピピ、お願いがあるの…」
「なんだ!!」
「裸は恥ずかしいわ…服を着てくれない?」
私は照れながら話すとピピは自身の身体を見て、ようやく裸でいることに気付く。
「なんで裸なんだーー!!」
ピピは頭を抱え叫ぶと慌てて、私の寝台のシーツを抜き取り、身体に巻いたのだ。
「ふふ」
ピピの慌てぶりに私は口に手を当てわらう。そんな慌てて隠す姿がなんだか愛おしい。新たな姿に生まれ変わったピピ、奇跡のような再会に胸が躍るように感じた。
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