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温度差
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そこに何か鈴の音のような音が響く。
俺の前にキラキラした光のリボンが浮かんだ。
リボンには「Rank Up!」と言う文字が浮かびせ、キラキラと瞬いて消えた。
「あ、ランクが上がった……。」
「は??何それ??」
「いや、こっちの話。」
どうもこの「ランクアップのお知らせ」等や自分のステータス表示が見えるのは、異世界から来た俺だけのようなのだ。
はじめはこの世界の人は皆見えるもんだと思って聞いたりしていたが、不思議がられるだけだった。
俺はステータスを開いて確認する。
「ひよっこ召還士A⁺」だったのが「新米召還士C⁻」に変わっている。
パラメータを見ると「義精霊召還」や「神降ろし」に必要な基本エネルギー量が下がっている。
祈られた生命エネルギーが今までより少なくて済むようだ。
なるほど?
今まであんまり意識していなかったが、ランクアップしていけば必要エネルギーが減っていき、いつかは恥ずかしいパフォーマンスもしなくて大丈夫になるのかもしれない。
俺は少しの期待に胸を撫で下ろした。
ステータスは細かい所も変わっているようだが、詳しくはまた後でゆっくり確認・考察すればいい。
他にぱっと見てわかるのは、ノーマル状態なら失敗なく召喚できる神仏リストが増えている点だ。
いくら元の世界の神仏全て(ただしマッチョに限る)を召喚できる能力があるとはいえ、まだ召喚士としてのランクも特殊能力「神降ろし」の経験値も浅い俺は、問題なく呼べる神仏が限られているのだ。
他の神々は呼べなくはないが、エネルギーがたくさん必要だし成功確率も低いので苦労する割に成功するかもわからないので、今の所、問題ないとされる神仏以外を降ろした事はない。
「……スゲェー、お不動様が呼べるようになった。」
「は??オメェ、さっきからぼんやりしながら何ブツブツ言ってやがんだよ??」
「あ~、ちょっと召喚士としての経験値が上がって、呼べる神様が増えたんだよ。」
「お!そりゃ良いな!!この調子でガンガンやっていけば!!呼べる神サンが増えるって訳か!!て事は!どんどん仕事をしていけば!金も入るし召喚できるモンも増えて一石二鳥じゃね?!」
こりゃいいとばかりに浮かれるハック。
その言葉に俺は苦虫を噛み潰したような顔でハックをこれでもかと見つめた。
しかしハックの方はそんなものは気にもとめない。
俺のそんな顔は見慣れすぎているからだ。
「……絶対、もうやらないからな、俺は。」
「はいはいはい~。」
「わかってる?!アレ!死ぬほど恥ずかしいんだからな?!マジで病むからな?!」
「うんうん。」
「聞いてる?!ねぇ?!聞いてる?!」
「聞いてる聞いてる~。」
真剣に反論する俺。
慣れた調子で聞き流すハック。
……駄目だ。
絶対コイツ、またそういう話を小耳に挟んだら営業するぞ……。
旅の相棒がこいつで良かったのだろうかと俺はあらためて頭を抱えたのだった。
俺の前にキラキラした光のリボンが浮かんだ。
リボンには「Rank Up!」と言う文字が浮かびせ、キラキラと瞬いて消えた。
「あ、ランクが上がった……。」
「は??何それ??」
「いや、こっちの話。」
どうもこの「ランクアップのお知らせ」等や自分のステータス表示が見えるのは、異世界から来た俺だけのようなのだ。
はじめはこの世界の人は皆見えるもんだと思って聞いたりしていたが、不思議がられるだけだった。
俺はステータスを開いて確認する。
「ひよっこ召還士A⁺」だったのが「新米召還士C⁻」に変わっている。
パラメータを見ると「義精霊召還」や「神降ろし」に必要な基本エネルギー量が下がっている。
祈られた生命エネルギーが今までより少なくて済むようだ。
なるほど?
今まであんまり意識していなかったが、ランクアップしていけば必要エネルギーが減っていき、いつかは恥ずかしいパフォーマンスもしなくて大丈夫になるのかもしれない。
俺は少しの期待に胸を撫で下ろした。
ステータスは細かい所も変わっているようだが、詳しくはまた後でゆっくり確認・考察すればいい。
他にぱっと見てわかるのは、ノーマル状態なら失敗なく召喚できる神仏リストが増えている点だ。
いくら元の世界の神仏全て(ただしマッチョに限る)を召喚できる能力があるとはいえ、まだ召喚士としてのランクも特殊能力「神降ろし」の経験値も浅い俺は、問題なく呼べる神仏が限られているのだ。
他の神々は呼べなくはないが、エネルギーがたくさん必要だし成功確率も低いので苦労する割に成功するかもわからないので、今の所、問題ないとされる神仏以外を降ろした事はない。
「……スゲェー、お不動様が呼べるようになった。」
「は??オメェ、さっきからぼんやりしながら何ブツブツ言ってやがんだよ??」
「あ~、ちょっと召喚士としての経験値が上がって、呼べる神様が増えたんだよ。」
「お!そりゃ良いな!!この調子でガンガンやっていけば!!呼べる神サンが増えるって訳か!!て事は!どんどん仕事をしていけば!金も入るし召喚できるモンも増えて一石二鳥じゃね?!」
こりゃいいとばかりに浮かれるハック。
その言葉に俺は苦虫を噛み潰したような顔でハックをこれでもかと見つめた。
しかしハックの方はそんなものは気にもとめない。
俺のそんな顔は見慣れすぎているからだ。
「……絶対、もうやらないからな、俺は。」
「はいはいはい~。」
「わかってる?!アレ!死ぬほど恥ずかしいんだからな?!マジで病むからな?!」
「うんうん。」
「聞いてる?!ねぇ?!聞いてる?!」
「聞いてる聞いてる~。」
真剣に反論する俺。
慣れた調子で聞き流すハック。
……駄目だ。
絶対コイツ、またそういう話を小耳に挟んだら営業するぞ……。
旅の相棒がこいつで良かったのだろうかと俺はあらためて頭を抱えたのだった。
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