母親に家を追い出されたので、勝手に生きる!!(泣きついて来ても、助けてやらない)

いくみ

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第8章

第7話 ベルゼス達を探しに。

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 ベルゼス達に戻る様に伝えてから暫く経つがいまだに帰らない……どうした?
 まぁ、待っててくれと言ってたから……待っても良いがそれにしても遅いよな?

 それからカイトは?

 あいつ、釣りはしてるけど………。
 なにあれ!釣糸垂らしてボーッとしてるだけかよ…。

 もっとこう………嫌やめとくかな。
 やんや言って、やる気を削ぐのは不味い気がするからな。

 だが…あれじゃ魚は釣れないか……。

「おい!カイト、魚…釣れたか?」

 そう声を掛けると、カイトが振り向き俺に文句を言ってくる。

「兄ちゃん!さっきの大きな音の所為で、魚が逃げちゃったよ!全く釣れやしないよ」
「え?そうか……?そうでも無さそうだけど?」

 川を覗けば魚の姿がちらほら見えるけどなぁ。
 釣れなくはないよな。

「なんで分かんだよそんなこと」
「なら、釣竿貸してみ?」
「ほら……」

 カイトは、予備の釣竿を俺に押し付けて来た。 それを受けとると、釣り針にエサを付けて川に投げ込み魚を誘う様に釣竿を操る。

 魚を誘いながら、釣竿を握っていると針に魚が食い付いた感覚が有ったので竿と糸を引き魚を吊り上げた!

「ほら、魚居るじゃん」

 釣った魚をカイトに見せ自慢げにニヤリと笑った。

「………兄ちゃん…狡いぞ!」
「なにが?俺は釣糸垂らして、ボーッとしてなかっただけだが?」
「うっ!」
「だろ、ん?はい!反省は?」
「………俺は、釣りは苦手なんだよ!」
「あっそう!まあいいや、なら魚は諦めるよ」

 釣った魚をその針から外してリリースする。

「あ、釣れたのに……」
「仕方ないだろ?あれ一匹じゃ、皆に食わせられないしな」
「んで、なに?用があんだろ?」
「そうでした!ベルゼス達が未だ戻らん。なので行って来るから、それを(釣り道具)片付けて家にいろ。結界は張ってあるから、魔物や危険物は入って来ない。カイトは留守しててくれ」
「……なら、俺も行きたい!」

 魔物なら狩りたいし!と言うけど……。

「……わかった、なら行くからそこ早く片付けてくれ」

 釣り道具を素早く片付けるとカイトは直ぐに俺に声を掛けてきた。
 なんだかワクワクしてないか?
 なんで?ベルゼス達を迎えに行くだけなのに嬉しがってるのかな?

「さて、行くぞ!」
「了解!兄ちゃん早く!どっちに行けば良いんだ?」
「ここから西に向かってるから…そっちに」

 左に指をさせば分かったらしくニヤニヤしてカイトが答えた。

「……兄ちゃん!あっちだな?」

 カイトと二人で雑木林の中を割って入る。
 邪魔な枝を薙ぎ払って、進んで暫く歩けばベルゼスたち三匹が魔物と対峙中だった。
 しかも、魔物が多くいるけどうするか?

「これじゃ帰って来れないか……」

 こそっと小声で話せば、カイトも小声で返事をしてくる。この辺は教えてるからちゃんと覚えてるんだな。

「兄ちゃん、あれはオークだよね?」
「だな、スッゲー居たんだな……」

 ベルゼス達の周りに目を遣れば、オークの死体が彼方此方に転がっていた。

「どうするんだ?助けに入るか?」
「ん~もう数は少ないし、見てようか?ベルゼスもそうだが、レツ達のレベルもこの数こなせば上がるだろうし」
「そうか……俺もレベル上げたいぞ?」

 そうは言ってももう後10匹だ。

「なら、危なく為ったら手助けしてやれば?ほらレオが疲れて来てるから…」

 レオは未だ体力が無いからな、疲れるのも早いんだよなぁ~。

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