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第9章
第27話 報告 2
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ダンジョンから回収してきた物をパパッと倉庫に出して、ギルマスに見せた。
するとギルマスの顔色が、途端に悪く為って行くのが分かる。
ギルマス…ショックを受けたような、なんとも言えない複雑な顔をして俺を見る。
そのギルマスの顔を見て俺は笑いを堪えた。(ハハハそりゃ顔色も変わるよな)
なんか色々期待してたみたいだった様だし。
でも実際はあのダンジョン、屑アイテムしか出なかったし。
ってかなに期待してんだよ。
「………樹里よ……。これが、ダンジョンから出てきたアイテムなのか?」
本当にか?と、俺に念を押しながら汚いゴブリンの腰布を指で摘まんで持ち上げてる。
汚い腰布が余程匂うのようで、ギルマスは自分の鼻を摘まんで鼻声で俺に聞いてくる。
「うッぷ!それを俺に近付けないで。ギルマス、取りあえずそれ捨てずに持ってきたけどなそのゴミを…うっぷ!それ臭いからそれ俺に近づけないで!」
嫌がる俺に、半笑いで悲しそうな顔をして俺に話しかけて来るが…やめてくれよ。
それ、汚いから!
「それにしても臭ぇなぁ~。でもよぉ~樹里ぃ~これは頂けないぞ!錆びた剣に初級ポーションとはなんだこれはよ!これは…どれも殆んど使えないだろ?」
こんなもん持って帰って来るなよと言う顔をしてるが。でもこれがあのダンジョンで出たアイテムだし。
「けどさ、ギルマスが言ってた情報って少し違ってんだよ。まあ、水系の魔物とやらは…出るには出た。が…主に魚だったがな。それから、沼地は下級ポーションと銅貨が数枚ドロップするくらいだったぜ。あと一番最悪なのは、氷河地帯…彼処は無理!体が凍る!」
「へ?」
「ああそれから、そこには出してないけどスライムの核、あれ回収してきたんだけど…要るか?」
「そ、それ以外の魔物は?」
「後はそこに出したのが全部だ、アイテムはそれだけ」
「そ、それは……おかしいぞ? 俺が聞いた話しと違うぞ!他の冒険者は、普通にアイテムを持って帰って来たぞ?」
「と言われても…俺も嘘は言ってないぞ? なんなら鑑定してくれよ。肉は少し回収できたけど居るのか? まあ、ダンジョン内で殆ど食っちまったけどな。その他は…ああ、薬草なんか採って来てるな」
「に、肉だとそれは?」
「えっと……なんだったけ…ああそうそう、バイソンの肉な!美味かったぞ!あれ」
「ああバイソンか…」
なんだ?テンション低いな。
もしかして屑肉なのか?
あんなに旨いのに?脂が乗って旨い美味かったぞ。
「要らんの? なら、良かった。あれ美味くてさっ、ダンジョンのセーフティエリア? 彼処で全部食っちゃってね、在庫無いから出せと言われても出せないんだよ。それから、タイターンってボスが出たんだ」
「何だ? そのタイターンって?」
「ん~簡単に言うと、魚の魔物だな」
「はあ?」
「で、出たのがこれ」
と出したのは魚の切り身だ。
「う、これは生か? 魚なのか?」
「そう、まあ、これはこのまま焼いて食ったら旨かったぞ。でも、これも要らんだろ?」
「そうだな……魚など要らん。が、他になにもないのか?」
「後は金位だな。それと蟻の殻なら有るが……」
「申し訳無いがどれも……蟻か?」
「そう、アントの殼が有るな少しだけどな」
「それは買うぞ! 全部だ!」
「あっそうなの?なら出すけど……」
こんなもんなにに使うんだろうか?
盾とか胸当てかな。
「ふぅ~これで全部だ?で、あのダンジョンは地下100階層だったからな」
「ひ、百階層!」
「そうそう、百だ。それから、三十階層から下へは、行かない方がお薦めだな!」
「それはなんでだ?」
「えっと、下へ進むに連れてドロップアイテムは屑しか出てこないし。攻略が難しいし、生還率が低く為ると思うぞ。何せ、一階づつ降りる環境が厳し過ぎるんだよ」
「え?」
「灼熱地獄に、極寒地獄。それから、密林では湿気と暑さに遣られるし。とてもじゃないが、余程の物好きしか行けないし、ほんと悪列ダンジョンだったぜ。でも、安心してくれ、もうあのダンジョンの入口は閉ざされてたから行けないぞ。アハハ!」
「そ、そうだったか…それなら取りあえず、ダンジョンの調査ご苦労だった。約束のランク上げは保証する。冒険者カードを出してくれ。それからそっちの二人もだ」
「おお、ラッキー!」
「我も良いのか?」
「良いから早く出せ、悪いねギルマス」
「おう、少し待っててくれ」
なんか自棄に物分かりの良いギルマスだな。
これなら、色んな町をさ迷い歩いてないで素直に隣の領地に来れば良かったかね?
なんか後悔してる俺が居るのだが…。
するとギルマスの顔色が、途端に悪く為って行くのが分かる。
ギルマス…ショックを受けたような、なんとも言えない複雑な顔をして俺を見る。
そのギルマスの顔を見て俺は笑いを堪えた。(ハハハそりゃ顔色も変わるよな)
なんか色々期待してたみたいだった様だし。
でも実際はあのダンジョン、屑アイテムしか出なかったし。
ってかなに期待してんだよ。
「………樹里よ……。これが、ダンジョンから出てきたアイテムなのか?」
本当にか?と、俺に念を押しながら汚いゴブリンの腰布を指で摘まんで持ち上げてる。
汚い腰布が余程匂うのようで、ギルマスは自分の鼻を摘まんで鼻声で俺に聞いてくる。
「うッぷ!それを俺に近付けないで。ギルマス、取りあえずそれ捨てずに持ってきたけどなそのゴミを…うっぷ!それ臭いからそれ俺に近づけないで!」
嫌がる俺に、半笑いで悲しそうな顔をして俺に話しかけて来るが…やめてくれよ。
それ、汚いから!
「それにしても臭ぇなぁ~。でもよぉ~樹里ぃ~これは頂けないぞ!錆びた剣に初級ポーションとはなんだこれはよ!これは…どれも殆んど使えないだろ?」
こんなもん持って帰って来るなよと言う顔をしてるが。でもこれがあのダンジョンで出たアイテムだし。
「けどさ、ギルマスが言ってた情報って少し違ってんだよ。まあ、水系の魔物とやらは…出るには出た。が…主に魚だったがな。それから、沼地は下級ポーションと銅貨が数枚ドロップするくらいだったぜ。あと一番最悪なのは、氷河地帯…彼処は無理!体が凍る!」
「へ?」
「ああそれから、そこには出してないけどスライムの核、あれ回収してきたんだけど…要るか?」
「そ、それ以外の魔物は?」
「後はそこに出したのが全部だ、アイテムはそれだけ」
「そ、それは……おかしいぞ? 俺が聞いた話しと違うぞ!他の冒険者は、普通にアイテムを持って帰って来たぞ?」
「と言われても…俺も嘘は言ってないぞ? なんなら鑑定してくれよ。肉は少し回収できたけど居るのか? まあ、ダンジョン内で殆ど食っちまったけどな。その他は…ああ、薬草なんか採って来てるな」
「に、肉だとそれは?」
「えっと……なんだったけ…ああそうそう、バイソンの肉な!美味かったぞ!あれ」
「ああバイソンか…」
なんだ?テンション低いな。
もしかして屑肉なのか?
あんなに旨いのに?脂が乗って旨い美味かったぞ。
「要らんの? なら、良かった。あれ美味くてさっ、ダンジョンのセーフティエリア? 彼処で全部食っちゃってね、在庫無いから出せと言われても出せないんだよ。それから、タイターンってボスが出たんだ」
「何だ? そのタイターンって?」
「ん~簡単に言うと、魚の魔物だな」
「はあ?」
「で、出たのがこれ」
と出したのは魚の切り身だ。
「う、これは生か? 魚なのか?」
「そう、まあ、これはこのまま焼いて食ったら旨かったぞ。でも、これも要らんだろ?」
「そうだな……魚など要らん。が、他になにもないのか?」
「後は金位だな。それと蟻の殻なら有るが……」
「申し訳無いがどれも……蟻か?」
「そう、アントの殼が有るな少しだけどな」
「それは買うぞ! 全部だ!」
「あっそうなの?なら出すけど……」
こんなもんなにに使うんだろうか?
盾とか胸当てかな。
「ふぅ~これで全部だ?で、あのダンジョンは地下100階層だったからな」
「ひ、百階層!」
「そうそう、百だ。それから、三十階層から下へは、行かない方がお薦めだな!」
「それはなんでだ?」
「えっと、下へ進むに連れてドロップアイテムは屑しか出てこないし。攻略が難しいし、生還率が低く為ると思うぞ。何せ、一階づつ降りる環境が厳し過ぎるんだよ」
「え?」
「灼熱地獄に、極寒地獄。それから、密林では湿気と暑さに遣られるし。とてもじゃないが、余程の物好きしか行けないし、ほんと悪列ダンジョンだったぜ。でも、安心してくれ、もうあのダンジョンの入口は閉ざされてたから行けないぞ。アハハ!」
「そ、そうだったか…それなら取りあえず、ダンジョンの調査ご苦労だった。約束のランク上げは保証する。冒険者カードを出してくれ。それからそっちの二人もだ」
「おお、ラッキー!」
「我も良いのか?」
「良いから早く出せ、悪いねギルマス」
「おう、少し待っててくれ」
なんか自棄に物分かりの良いギルマスだな。
これなら、色んな町をさ迷い歩いてないで素直に隣の領地に来れば良かったかね?
なんか後悔してる俺が居るのだが…。
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