母親に家を追い出されたので、勝手に生きる!!(泣きついて来ても、助けてやらない)

いくみ

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第10章

第6話 ギルマスとバラン

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 今は、商業ギルドの中の一室に通さた俺達。
 
 バランさんの目の前で、コソッと相談。だけど、カイトは話し合いが苦手とか言って離脱。ベルゼスは早々にこれまた離脱。ただ座るだけの二人。
 二人はソファーに座ると、直ぐ様カイトはベルゼスの肩に寄り掛かり爆睡。ベルゼスは、カイトの頭に自分の頭を乗せて爆睡かましてる。なんつう寝方だろうか。

 まったく、使えん奴らだ。
 仕方ねぇ~勝手に契約済ますぞ!コラ!

「オッホン。バランさん、お待たせしました。話し合いが終わりました」
「そんなにお待ちしてませんよ。それでは、どう致しますか?」
「えっと、金額の確認を今一度したいのですが」
「はい、総額ですね? 総額は大金貨三百枚と金貨六十枚です。変更はなしです」

 ヘイヘイ、値引きはこれ以上出来ないのね。

「了解です。でしたら購入しますので、手続きをお願い出来ますか?」

 フフン買っちゃうもんねぇ~。

「…そうですか、お買い…へっ?」
「え、だから手続きをお願いしますよ」
「……………し、少々お待ち頂けますか?それと、お手数ですがギルドの…商業ギルドのカードを、お持ちではありませんか?」

「ん?」

 何故ここで商業ギルドのカードの話し?

「ですから」

 あっ、イライラしてるし。

「商業ギルドのカードは、持ち合わせて無いよ?」
「そうですか。でしたら冒険者カードは?」
「そっちは持ってる。ほれ」
「し、失礼します」
「うん」

 なに、この焦りようはさっ。
 あっ、冷やかしだと思われた?
 冷やかしする程、俺らは暇じゃ無いんだけどなあ。

「……………こ、これは!(Sランクのこれは本物!)このカードは、ジュリ様のお持ち物で間違い有りませんね?(Sランクだっだぁ~!でも、待って下さい。所詮ランクの高い冒険者。ランクが高いからって、金なんか持ってる訳が)」
「だったらなにか?カードは確かに俺んだよ。なに、俺ら疑われてるのか?金なら有るぞ?」
「そ、そんな事はございませんよ。アハハ。(待ってんのかぁ~!これは不味いです。私は存外な扱いをこの方にしてしまったぁ~。まさかのSランクの冒険者でした!クッソギルマスに騙された)これはお借りしても? それと少しお待ち下さい」
 
 バランは、ジュリのカードを引ったくる様に借りると、ジュリを放ったらかしにして、ギルマスが居る執務室に飛び込むのだった。

「おお、なんか焦ってるし」



~思い起こせば、あの日………バランとギルマスは~
《バランとギルマスの回想》

「済まないな、バラン。わざわざ呼び出して」
「構いませんよ、それでご用ですか?」
「ああ、済まないが明日の昼過ぎに人を、"あの"屋敷に案内してくれ」
「へ、明日ですか? それに"あの"とは?」
「あのは、あのだよ。ほら貴族街の中にある、あの空き家」
「ああ、あそこですか(また、どうしてあの屋敷を? あそこは立地が悪くて、買い手も付かない。いわば曰く付きの物件なのに)あえて訊きますが、どうして、あの屋敷の案内するのですか?」
「ああ、何にか知らんが、冒険者ギルドのギルマスからの紹介で人が来るそうだ。だが~どうも、信用ならんのだよ」
「信用ならないとは?」
「ああ、何でもSランクの冒険者が家を買いたいそうで、物件を案内されてしてくれと。だとよ」

 ええ、Sランクの冒険者?
 どうしてまた、そんなランクの高い冒険者がこんな町へ?
 そんなレベルの高い冒険者等、この町には寄り付かないのに。
 ここは、辺境伯爵様が管理する領地の中の小さな町だ。
 それに、ここの町の売りはダンジョンだが、ダンジョンが近いと言うだけで他には何もない土地だ。
 しかも、ダンジョンからは良い素材が採れるとは聞かない。
 だからか、居着く冒険者は低ランク冒険者ばかり。なので、治安もそれ程良くはない。そんな町に、高ランクの冒険者が家を買い住み着くと? 
 あり得ない。

「なんで、またそんな高ランクの冒険者が、こんな町に居着くのですか?」
「そんなもの知るかよ。兎に角、冒険者ギルドのギルマスからの紹介だ。無下には出来んからな。ま、ランクを誤魔化した、低ランクの冒険者が来るかもしれんからな。少し、からかってやれや」

 それは、また、意地の悪い。
 もし本物だったら私は知りませんよ。
 責任は全てギルマスに押し付けてやる。

「ハハ、ギルマスそれは意地が悪い。ですが、そうですねぇ~少しお高めの、あの屋敷なら良いしれませんね」
「ああ、あそこなら中々の屋敷だろ」

 ワハハと、ギルマスと二人で笑ったのはほんの少し前の話しだった。





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