66 / 161
転生した意味
65話 新たな復讐相手
しおりを挟む
ハルが、あの事故を起こした
ハルは僕たちを殺そうとした…?
その現実が飲み込めない
グドがこんな嘘を言わないって分かってるから、それが本当なんだと分かるけど
「……ねぇカメリア、何で俺が騎士団長だった頃に処刑されたか知らないよな」
「そ、それは僕に刺客を送った冤罪じゃ……」
「冤罪じゃ無いんだ。あれもハルジオンの計画だった」
「え?」
冤罪じゃ無い?
それじゃあグドが本当に送ったの?
「あいつに言われたんだ。『国外追放か処刑か選べ』ってな。あいつは俺がお前を気にかけてることを知ってた。だから、何もしないで追い出されるか、王太子妃殺害で処刑されるかの二択を出してきた」
「なんでそんな………」
どっちもグドに利が無い
それに、騎士団長が処刑されたってことはグドが後者を選んだって事だよね
「まぁ要するに、『生きて離れるか、あの世で一緒になるか』の選択肢を出してきたってこと。どっちも嫌だった俺は、お前を守って一度死ぬことにした。そして別人としてお前のそばにいる事にしたんだ」
「つまり、自分の意思で妖精として僕のとこに来たってこと?」
「そ!ぜーんぶ計画通り!現状まで、都合が悪かったことはカメリアが失明した事だけ。正直このタイミングで神殿に来れたのは『運が良い』と言わざるを得ないね」
神殿に何かある?
グドはなんでずっと何も教えてくれなったんだろう
それともう一つ
どうしても気になることがあった
アイリスとハルの仲が良く無いのは分かった
でも何で……
「なんで、ハルは僕とアイリスを殺そうとしたの?」
「……そ、れは、違うんだ」
違う?
事故を起こしたのは僕達を殺す為じゃ無い?
あの事故はお城に向かう途中で起きた
お城に来させたく無かったから……?
「事故の直前のこと、覚えてるか?」
「え?えっと、特に何も無かったと思うけど」
「じゃあ、事故が起こされる前日のことは?」
「確か、熱を出して寝込んでたっけ。一週間近く熱が下がらなくて、事故の日にようやく治った……」
そうだ、本当は事故当日は僕はお城に行かない予定だった
たまたま熱が引いて体調が良くなったから急遽行くことになって…
じゃあ、ハルが事故を起こした理由って、僕達を殺す為じゃ無くてアイリスを殺す為?
「気付いたみたいだな。ハルジオンはずっとアイリスを邪魔だと思ってたんだ。だから、お前が来ないはずの日を狙った」
「そんな……」
僕がずっと好きだった人は、僕の一番大切な人を殺した人だった
そして、アイリスと入れ替わった僕を何度も殺そうとした
この瞬間、ハルジオンは一瞬で憎むべき相手になった
あいつを王になどしては駄目だ
あいつには、それなりに苦痛を与えないと僕の気が済まない
ハルは僕たちを殺そうとした…?
その現実が飲み込めない
グドがこんな嘘を言わないって分かってるから、それが本当なんだと分かるけど
「……ねぇカメリア、何で俺が騎士団長だった頃に処刑されたか知らないよな」
「そ、それは僕に刺客を送った冤罪じゃ……」
「冤罪じゃ無いんだ。あれもハルジオンの計画だった」
「え?」
冤罪じゃ無い?
それじゃあグドが本当に送ったの?
「あいつに言われたんだ。『国外追放か処刑か選べ』ってな。あいつは俺がお前を気にかけてることを知ってた。だから、何もしないで追い出されるか、王太子妃殺害で処刑されるかの二択を出してきた」
「なんでそんな………」
どっちもグドに利が無い
それに、騎士団長が処刑されたってことはグドが後者を選んだって事だよね
「まぁ要するに、『生きて離れるか、あの世で一緒になるか』の選択肢を出してきたってこと。どっちも嫌だった俺は、お前を守って一度死ぬことにした。そして別人としてお前のそばにいる事にしたんだ」
「つまり、自分の意思で妖精として僕のとこに来たってこと?」
「そ!ぜーんぶ計画通り!現状まで、都合が悪かったことはカメリアが失明した事だけ。正直このタイミングで神殿に来れたのは『運が良い』と言わざるを得ないね」
神殿に何かある?
グドはなんでずっと何も教えてくれなったんだろう
それともう一つ
どうしても気になることがあった
アイリスとハルの仲が良く無いのは分かった
でも何で……
「なんで、ハルは僕とアイリスを殺そうとしたの?」
「……そ、れは、違うんだ」
違う?
事故を起こしたのは僕達を殺す為じゃ無い?
あの事故はお城に向かう途中で起きた
お城に来させたく無かったから……?
「事故の直前のこと、覚えてるか?」
「え?えっと、特に何も無かったと思うけど」
「じゃあ、事故が起こされる前日のことは?」
「確か、熱を出して寝込んでたっけ。一週間近く熱が下がらなくて、事故の日にようやく治った……」
そうだ、本当は事故当日は僕はお城に行かない予定だった
たまたま熱が引いて体調が良くなったから急遽行くことになって…
じゃあ、ハルが事故を起こした理由って、僕達を殺す為じゃ無くてアイリスを殺す為?
「気付いたみたいだな。ハルジオンはずっとアイリスを邪魔だと思ってたんだ。だから、お前が来ないはずの日を狙った」
「そんな……」
僕がずっと好きだった人は、僕の一番大切な人を殺した人だった
そして、アイリスと入れ替わった僕を何度も殺そうとした
この瞬間、ハルジオンは一瞬で憎むべき相手になった
あいつを王になどしては駄目だ
あいつには、それなりに苦痛を与えないと僕の気が済まない
14
あなたにおすすめの小説
【完結】悪役に転生したので、皇太子を推して生き延びる
ざっしゅ
BL
気づけば、男の婚約者がいる悪役として転生してしまったソウタ。
この小説は、主人公である皇太子ルースが、悪役たちの陰謀によって記憶を失い、最終的に復讐を遂げるという残酷な物語だった。ソウタは、自分の命を守るため、原作の悪役としての行動を改め、記憶を失ったルースを友人として大切にする。
ソウタの献身的な行動は周囲に「ルースへの深い愛」だと噂され、ルース自身もその噂に満更でもない様子を見せ始める。
妹を救うためにヒロインを口説いたら、王子に求愛されました。
藤原遊
BL
乙女ゲームの悪役令息に転生したアラン。
妹リリィが「悪役令嬢として断罪される」未来を変えるため、
彼は決意する――ヒロインを先に口説けば、妹は破滅しない、と。
だがその“奇行”を見ていた王太子シリウスが、
なぜかアラン本人に興味を持ち始める。
「君は、なぜそこまで必死なんだ?」
「妹のためです!」
……噛み合わないはずの会話が、少しずつ心を動かしていく。
妹は完璧令嬢、でも内心は隠れ腐女子。
ヒロインは巻き込まれて腐女子覚醒。
そして王子と悪役令息は、誰も知らない“仮面の恋”へ――。
断罪回避から始まる勘違い転生BL×宮廷ラブストーリー。
誰も不幸にならない、偽りと真実のハッピーエンド。
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
【完結】悪役令息の伴侶(予定)に転生しました
* ゆるゆ
BL
攻略対象しか見えてない悪役令息の伴侶(予定)なんか、こっちからお断りだ! って思ったのに……! 前世の記憶がよみがえり、反省しました。
BLゲームの世界で、推しに逢うために頑張りはじめた、名前も顔も身長もないモブの快進撃が始まる──! といいな!(笑)
本編完結、恋愛ルート、トマといっしょに里帰り編、完結しました!
おまけのお話を時々更新しています。
きーちゃんと皆の動画をつくりました!
もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。
インスタ @yuruyu0 絵もあがります
Youtube @BL小説動画
プロフのwebサイトから両方に飛べるので、もしよかったら!
本編以降のお話、恋愛ルートも、おまけのお話の更新も、アルファポリスさまだけですー!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
流行りの悪役転生したけど、推しを甘やかして育てすぎた。
時々雨
BL
前世好きだったBL小説に流行りの悪役令息に転生した腐男子。今世、ルアネが周りの人間から好意を向けられて、僕は生で殿下とヒロインちゃん(男)のイチャイチャを見たいだけなのにどうしてこうなった!?
※表紙のイラストはたかだ。様
※エブリスタ、pixivにも掲載してます
◆4月19日18時から、この話のスピンオフ、兄達の話「偏屈な幼馴染み第二王子の愛が重すぎる!」を1話ずつ公開予定です。そちらも気になったら覗いてみてください。
◆2部は色々落ち着いたら…書くと思います
「自由に生きていい」と言われたので冒険者になりましたが、なぜか旦那様が激怒して連れ戻しに来ました。
キノア9g
BL
「君に義務は求めない」=ニート生活推奨!? ポジティブ転生者と、言葉足らずで愛が重い氷の伯爵様の、全力すれ違い新婚ラブコメディ!
あらすじ
「君に求める義務はない。屋敷で自由に過ごしていい」
貧乏男爵家の次男・ルシアン(前世は男子高校生)は、政略結婚した若き天才当主・オルドリンからそう告げられた。
冷徹で無表情な旦那様の言葉を、「俺に興味がないんだな! ラッキー、衣食住保証付きのニート生活だ!」とポジティブに解釈したルシアン。
彼はこっそり屋敷を抜け出し、偽名を使って憧れの冒険者ライフを満喫し始める。
「旦那様は俺に無関心」
そう信じて、半年間ものんきに遊び回っていたルシアンだったが、ある日クエスト中に怪我をしてしまう。
バレたら怒られるかな……とビクビクしていた彼の元に現れたのは、顔面蒼白で息を切らした旦那様で――!?
「君が怪我をしたと聞いて、気が狂いそうだった……!」
怒鳴られるかと思いきや、折れるほど強く抱きしめられて困惑。
えっ、放置してたんじゃなかったの? なんでそんなに必死なの?
実は旦那様は冷徹なのではなく、ルシアンが好きすぎて「嫌われないように」と身を引いていただけの、超・奥手な心配性スパダリだった!
「君を守れるなら、森ごと消し飛ばすが?」
「過保護すぎて冒険になりません!!」
Fランク冒険者ののんきな妻(夫)×国宝級魔法使いの激重旦那様。
すれ違っていた二人が、甘々な「週末冒険者夫婦」になるまでの、勘違いと溺愛のハッピーエンドBL。
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
ユィリと皆の動画つくりました! お話にあわせて、ちょこちょこあがる予定です。
インスタ @yuruyu0 絵もあがります
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる