【完結済】深海マンションのうるさい住人はどこまでもおちていく

コン、コン、コン、コン
靴の音が廊下に響いた。
それ以外の音はなかった。
一緒に来ていた宅建業者の人でさえ、一言も発さない。
うやうやしく僕を部屋にうながすだけで、足音ひとつ立てなかった。
エコーのように響くそれは、まるで水底の気泡のようですらあった。
マンションの一室を見学に来ていた。
「ここに決めます」
さして考えもせず僕は決めた。
耳障りな自分の声があたりに響いた。

※なろうにも掲載しています。
※イラスト、ツバキノコ様
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