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第二部 旅
131、兄弟達の事情
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天竺牡丹公ギアルギーナより話を聞かされたカーネリアンは、嘆息して頭に手をやった。
「マラカイト兄上がそう仰るのであれば、私は従いますけど……。オニキス兄上に隠し事をするのは、どうかと思いますよ」
マラカイトの不安もわかる。オニキスがフローライトを疑って、手をかけるという流れは大いにあり得るのだ。近頃のオニキスは殺気立っており、兄を亡き者にすることなど抵抗はないだろう。というか、殺すきっかけを欲しがっているようにすら見える時があった。
オニキスを刺激しないよう、暗殺未遂の件は伏せておく、という判断は有りだ。だが、もし伏せていたのを知られた場合、オニキスは必ず激高する。まず確実にマラカイトは糾弾されるだろう。その糾弾の方法に、兄が刃物を用いない保証はない。カーネリアンなら隠し立てはしないで素直に伝える。
(マラカイト兄様は、オニキス兄様に殺されるのが怖くないのだろうか?)
マラカイトは自分を教育してきた兄オニキスに半ば服従している形であったし、オニキスもそれを当然と捉えていた。そんな弟が重要な報告を怠れば、謀反と断定するかもしれない。
自分以上にオニキスと長く接してきたマラカイトなら、当然その可能性を考慮しているはずなのだが。
ギアルギーナも険しい顔をしていた。黙っていてくれと頼まれた彼は共犯にされるかもしれず、後にこじれれば立場が不利だ。悩んだようだが、マラカイトの願いを聞き入れると決めたらしい。
「テクタイト殿下にもお伝えしましたが、カーネリアン殿下もしばらくは兄君とお会いにならないようお願い申し上げます」
「わかりました。もっとも、私が見舞ったところで兄は喜びもしないでしょうけど……」
カーネリアンは微苦笑してみせる。マラカイトによるカーネリアンの評価は「お調子者の腰抜け」である。ことさらいがみ合ってはいないが、親しくもない。
この天竺牡丹公は、脅しに来たテクタイトを追い返したというのだからなかなか剛胆である。秘訣を聞くと、「私があの方の好みの玩具ではなく、運が良かっただけですよ」とのことだ。要するに怯えなければいいそうだが、カーネリアンには無理な話である。やはり花の貴人は数千年生きているだけのことはあった。
天竺牡丹公ギアルギーナはやや愛想に欠けるが、人格者であり信用できる貴人である。勝手に宮殿に来て勝手に倒れた王子を介抱し、心底心配してくれているようだ。
「マラカイト兄上なら、大丈夫だと思いますよ。何度も危ないところから復活していますから」
マラカイトは普段から精力的に活動しており、暗殺未遂も両手の指では足りないくらいの数を経験している。カーネリアンも幾度か「あれはもう駄目だな」と思ったが、しぶといマラカイトは生還を果たした。
マラカイトは決して弱くない。むしろ兄弟の中では強いと言うべきだろう。
カーネリアンは改めて、第五王子マラカイトとはどういう男であったか考えてみた。
カーネリアンからしてみると、あの兄はわかりやすい人間だった。からかえば素直に怒るし、感情が顔に出やすく、あまり腹芸が得意な方ではない。何を言っても響かないオニキスよりは話していて楽であった。
「苦労されたのですね、マラカイト殿下は」
ギアルギーナの呟きが、不思議な響きを伴って、カーネリアンの胸に広がった。
よく思い出してみると、マラカイトは私利私欲のために動いたことはなかった。人一倍走り回って、彼なりに混乱を収めようとしていたのだ。
だがカーネリアンはあの小うるさい兄を、「余裕がなく器の小さい男」と決めつけて軽んじていた。
どうしてそう思っていたのだろう。何故、兄が奔走する理由を真剣に考えてみなかったのだろう。
――見ろ、カーネリアン。マラカイト兄様は小物だな。オニキス兄様の手足でしかない、能なしだ。
――マラカイト兄様は臆病者だ。ああして動いていないと不安なのだろうな。難癖をつけて、周りから嫌われてばかりいる。哀れなことだ。
――笑えるではないか。あんな男でも、王位を狙っているのだぞ? 兄の小間使いで、弟より弱い。兄弟を出し抜いて、いずれは玉座に座り、鬱憤を晴らそうとでも思っているのだ。
――気をつけろ、カーネリアン。マラカイト兄様は、役に立たぬお前を軽蔑しきっている。いずれあの兄から刺客が放たれるだろう。
繰り返し聞かされた、言葉の数々を思い出す。笑い混じりのその声は、どうしてか心の奥底まで入り込んで、いつしか自分の考えのように定着してしまうのだ。
あれは、いつだっただろうか。
――もういい。そう言われてマラカイトに突き飛ばされたという出来事があった。難しい仕事にてこずっていたカーネリアンは、そこから外れるように言い渡されたのだ。
あの時自分は兄が憎いと思った。けれどもしかしたら、不器用なマラカイトは、弟の手には余る厄介ごとを引き受けてくれたのかもしれない。
いくつもある。そんなことが、長い人生の中で、いくつもいくつも思い出される。
「……殿下? どうかされましたか」
カーネリアンが長く黙想に落ちていたので、ギアルギーナが声をかけてきた。いや、何でもありません、とカーネリアンは笑う。
「それにしても、マラカイト兄上がフローライト兄上を気遣っていただなんて、思いもしませんでしたよ……」
「仲がよろしかったのではないのですか?」
「いいえ。悪くない、というくらいにしか見えませんでした」
自分が生まれる前は知らないが、上の兄達は特に和気藹々とした雰囲気ではなかったし、長兄のルビーがいなくなってからはより交流が少なくなっていた。
マラカイトは序列を重んじていたから、オニキスやフローライトには丁寧に接していた。フローライトが発狂しかけてからは、ごくたまにマラカイトがフローライトに声をかけているのをカーネリアンは目撃している。
二人が交流を深める機会はなかったようだが、マラカイトにとってフローライトは、他の兄弟より特別気にかかる存在だったのだろう。
(ということは、あの推測は当たっていたのかもしれないな……)
マラカイトは、フローライトに手籠めにされたのではないかとカーネリアンは疑っていた。根拠が薄弱だったので、確信はしていなかったのだが。
というのもある晩、フローライトが住む塔の近くで、カーネリアンはマラカイトとばったり出くわしたのだ。部屋から足早に出てきたらしいその時のマラカイトの様子は、異様であった。
せっかちなこの男が急くようにして歩くのはいつものことだったが、まるで逃げてきた風に見えた。ぶつかりそうになったのが弟だと知ったマラカイトは、目をひんむいて驚愕を表していた。取り乱しかけたと言ってもいい。
カーネリアンはそんな兄を見て、不思議に思った。というのも、妙に艶めかしかったからだ。
瞬時に気取られないように彼の全身に視線を走らせた。髪はいつものように一つにまとめて結っているし、着衣の乱れも特にない――いや。
襯衣の釦を一つ、かけ違えている。
几帳面なマラカイトにはあり得ないことだった。
通常身分の高い者は、着替えも侍従などに手伝わせるが、王子は一人でこなす場合が多い。衣服に毒針が仕かけられるという事件が過去にあったからだ。
マラカイトも用心して自分で着替えているはずで、つまり釦をとめたのは自分なのだ。今日は一日同じ服を着ていた。となると朝からこのかけ違えに気がつかなかったのだろうか。
彼の性格から考えて、絶対にあり得ない。
事後、という言葉が頭に浮かんだ。
「フローライト兄様に何か用か、カーネリアン」
「ええ。書物を届けるようにと頼まれていまして」
何も気づいていないように、カーネリアンはへらりと笑って見せた。眉間に皺を寄せたマラカイトは、カーネリアンを引っ張って歩き出す。
「兄上はご気分が優れないらしく、もうお休みになるそうだ。書物は後日、衛兵を通じて渡すといい」
ならば今、部屋の前にいる衛兵に託せばいいではないかと思うのだが、とにかくマラカイトは一歩でも弟を兄から遠ざけたいらしく、有無を言わさず引きずっていく。
ちなみにそういうマラカイトも、薬を届けるためにここを訪れたのをカーネリアンは知っていた。ルビーがいなくなってから度々錯乱するフローライトに皆が怯えており、マラカイトが時折本人に直接薬を渡しに行っているのだ。
カーネリアンはマラカイトの言うことに素直に従って自分の部屋へと戻っていった。
翌日、フローライトの塔を見張る衛兵に金を握らせて詳しい話を聞いてみた。マラカイトは薬を届けに来たと言って部屋に入り、その後しばらく出てこなかったという。物音は聞いていないそうだが、遮音の術など使われていたら外に音は漏れないのだ。
滞在時間は、不自然に長くはないが、ただ薬を渡して立ち去るにしては長すぎるくらいであった。
当日のフローライトの様子だが、女官の話では「最悪」だそうで、だからマラカイトが呼ばれたのだった。
――マラカイト兄様は、フローライト兄様に押し倒されたのではないだろうか。
あの時の兄の、どことなく疲れた表情と、隠しようもない色気が、カーネリアンの頭の中ではどうしても情事と結びついたのだ。
マラカイトは美しい王子である。そして、同性に好まれるような容貌とも言えた。決して、女らしいとか、なよやかであるというわけではないのだが、男を惹きつける男というのはいるものだ。
マラカイトは不能だという噂があった。宝石を持つ王子達は大体精力も旺盛なのだが、マラカイトは女を抱いている気配がなかったのだ。これはあくまで噂であって、カーネリアンの調査では、マラカイトも女を抱いた経験くらいはあった。単に、あまり気乗りがしないのだろう。
色事から遠い兄に性的な空気を感じたのは、あの塔の前で出くわした時が初めてだった。
しかし、フローライトに襲われたとしても、マラカイトが本気で抵抗すれば逃げ出せるはずである。それくらいの力があるからこそ、薬を渡してくれと周囲から頼まれて引き受けているのだ。
組み敷かれたとしたら、どうして抵抗しなかったのだろうか。
今考えてみると、マラカイトは兄のフローライトに複雑な感情を抱いていたのかもしれない。恋情ではないが、尊敬と哀れみを感じていて。
あの頃の狂いかけたフローライトは、他人を遠ざけたがっていた。自分に関して周囲に過度な「失望」を望んでいたように思われる。
オニキスは早々に兄を見限っていて、その分マラカイトが様子を見に行っていた。マラカイトはフローライトを軽蔑しきってはいなかったのだ。
フローライトはそんなマラカイトが二度と訪れないよう、暴挙に出たのかもしれない。おそらくはほとんど無意識で、今も覚えていない可能性もあるが。
あの時のフローライトならやりかねない。そもそもフローライトはああ見えて男も女もよく抱いていた男である。
マラカイトはフローライトに微かな同情を寄せているのだ。親しく付き合うわけでもなく、兄を信頼しているわけでもないが、弟として、ほんの少しだけ、唯一まともに心配していたのかもしれない。
強姦という忌まわしい方法で突き放そうとした兄を拒みきれなかったのは、それが完全な断絶に繋がると恐れたからか。同情や憧憬で混乱し、受け入れてしまったのか。
(真実はわからないけれど、何にせよ……フローライト兄様も罪作りな方だ)
上の兄弟達は、歳の離れたカーネリアンにはわからない絆があったのかもしれない。マラカイトはオニキスの能力を認めている。オニキスが兄のフローライトに不満を募らせているのも理解しており、だから表立ってフローライトをかばうような発言はしないのだろう。
というか、マラカイト自身、フローライトに対する感情が判然とせずに持て余しているとも考えられる。花宮殿にやって来た理由は、王冠を手に入れて早くこの騒動を収束させたかったというのもあるだろうが、あの二人から逃げたかったという深層心理もあるのかもしれない。
オニキスの気持ちを汲めば、フローライトの味方はできない。死んでほしくはないが、支えきれないフローライトのそばにいるのはつらい。
カーネリアンにとって、兄のマラカイトは劣等感が強い、口やかましい男でしかなかった。もしも誰かに殺されたと聞いても、ついに倒れたか、程度にしか思わなかっただろう。
けれど今は違う。死んだと知ったら、胸に痛みが走る気がする。
あなたはもっと、話をするべき人がいたのではなかったのですか、と言いたくなるだろう。
そうだ、我々はもっと語り合うべきだった。互いを嘲り、疑いながら、失望して憎み、遠ざけてきた……。
カーネリアンは、フローライトの苦しみを知らず、マラカイトの思いやりを知らず、ジェードが笑うことを知らなかった。彼らは皆人間で、血の繋がった兄だった。
消えていった兄弟達も、また。
盤上で駒となり、誰かの遊びのために操られ、惨めな踊りを踊り続けた王子達。
その駒を動かす手は誰のものだ?
(ルビー兄様。我々は、皆、愚かだったのかもしれません)
暗澹たる思いで、カーネリアンは卓の下で指を組んだ両手に力を込めた。これまでの人生が、重く自分にのしかかってくる。
まだ整然とした悔悟にはまとめられない。目の前にあったことは何一つ変わっていないのに、自分の見方を変えると、こうも世界は異なって見える。
尻腰がないカーネリアンはあらゆる出来事から離れ、目を背けてきた。今、一つ、また一つと真実が己の中に落下して、驚愕に心が揺れる。
私はどうしたいのか、どうするべきか。それがちっとも、わからない。
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