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完.俺としては
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不敵に笑う志乃はじっと香乃子をじっと見ていた。少し怯えた表情を見せたものの、香乃子は毅然とした態度を大きく崩してはいない。
志乃は香乃子が持っている手ぬぐいをもう一度触れてから、話を続ける。
「誰のモノにもならないようにしよう、だなんて物騒なことをお考えになっているんじゃないですか?」
図星なのか、香乃子はだんまりを決め込んでしまう。これでは言質がとれない。
「図星ですか。これ以上はあなたの人生もめちゃくちゃになりますので、これ以上は止した方が良いかと思います」
煽るような言い方に時宗はハラハラしてしまった。こんなに強気でいられる彼女は凛とした一輪の花のように気高いように見える。
「なんなのよ、あなたはっ」
「私はただ事実を申し上げたままです。今ならばまだ引き返せるかもしれません」
「あなたに何がわかるのよっ。女給のくせにっ」
なけなしの矜持というやつだろうか。
香乃子は椅子を蹴って立ち上がる。顔は真っ赤に染まっていて、眉はキリッと上がっている。
「誰かを傷つけてまで手に入れたいのですか。それは盗人と変わらないのではありませんか」
道信が割って入ろうとしたが、時宗がそれを止める。今は紳士に振る舞う必要はない。香乃子が道信を怪我させたのではないだろうが、こんな方法を使うのは間違ってる。
「なんなのよ、あんた」
「私はしがない女給ですが、大切なお客様を傷つけるのを見逃すことはできません」
「うるさあああいっ!」
香乃子が悲鳴とも似た叫び声をあげると同時に、喫茶店の扉が乱暴に開けられた。
バスの中で見た大柄の男が、木刀を手に一目散に志乃に向かって襲い掛かってきた。
あまりのことに志乃は一歩も動けずにいる。
その志乃に向かって男はいつの間にか手に入れた木刀を志乃に向かって頭上から振り下ろそうとする。
「時!」
道信が時宗にそう声をかけ、時宗の鞄から小型の木刀を時宗に投げ渡した。右手で受け取った時宗は勢いそのまま、志乃の前に躍り出る。
男が振り下ろした木刀を時宗は短い木刀で受け止めた。上から押さえつけられるかのような力に負けそうになりながらも、時宗は必死に踏ん張る。
「お前、誰だ!」
男は時宗の問いに答えるつもりはないようで、黙ったまま再び木刀を振り上げる。
その隙だらけの素人のような構えに、時宗はすぐに冷静になった。
相手が再び振り下ろそうとしたその瞬間に、相手の右手首に小手を決める。男はうめき声を上げながら木刀を手放した。
乾いた音を立てながら、木刀は床に転がり、その木刀を道信が足で押さえつける。
「か、彼女は悪くない!」
「……香乃子さんの婚約者の方、ですね?」
突き止められた正体に男は手首を押さえながら、渋々頷いた。
「お、俺がしっかりしてないから」
「違いますよ」
さっきまで固まっていた志乃が木刀を拾いながら、男を見る。
「誰よりも彼女を心配したからこそ、止めに来たんですね」
「ち、ちが」
「でなければ、そこいらで拾った木刀なんて使わないでしょう?」
男は考えを見抜かれたのを悟り、ただ黙って頷く。
「志乃ちゃん、大丈夫かい?」
マスターがゆっくりと奥の部屋から出てきた。
「全て決着がつきました。警察を呼んでください、マスター」
「そうしようかね」
この状況の中で、マスターだけがいつもと変わらずのんびりとした様子で警察を電話で呼んだ。
駆け付けた警察により、香乃子と香乃子の婚約者は連行されていった。後ろ姿を見送りながら、時宗はなんとも言えない気持ちが胸の中にくすぶっている。
「そんな顔をしないでください」
隣にいた志乃が時宗にだけ聞こえるように言った。
「これは見えていた結果です。それを受け入れなければいけません」
「強いな、志乃さんは」
「強くないですよ。この力と向き合うにはもっと強くならないと」
それだけ言い残すと、志乃は店の中に戻ろうとする。志乃の寂しげな後ろ姿に、時宗はとっさに志乃の肩を掴んだ。
「何か?」
驚いたように志乃は立ち止り、振り返る。
「1人よりも2人の方が強くなれそうじゃないか?」
「何の話をしているんですか?」
「あんな危険なことに巻き込んでごめん。でも俺が、志乃さんを支えたいって言ったらおかしいかな?」
時宗の言葉をどう受け取ったのかわからないが、志乃の顔はなぜか急に赤くなった。一方の時宗も一瞬自分が何を言ったのかわからなかった。自分の頬も耳も熱くなるのを感じる。
しかし、志乃の顔を見て自分が彼女をこんな様子にさせたことだけは理解できた。
「そ、それは求婚ということですか?」
志乃の言葉でようやく時宗は自分が何を言ったのかわかった。
だが、自分の口から出てきた言葉を今更取り消すのは、紳士としてはカッコがつかない。それにいつだからか、彼女を守れるだけの存在になりたいと心の隅で考えていたのかもしれない。
時宗は自分の気持ちに素直になると、志乃の腕を強く引き、自分の腕の中に志乃を包み込む。志乃は一瞬何が起こったかわからずに、時宗の腕から逃れようとする。それに気が付いた時宗は少しだけ腕の力を緩める。
時宗は志乃と視線を合わせるようにして、少しだけ屈む。お互い照れたように笑い、お互いをまっすぐ見る。
「2人とも、警察が話を」
そこに空気を読まずに、道信が浪漫倶楽部から出てくる。志乃を抱きしめていた時宗を見るなり、道信はいつものにやついた顔になる。
「こんな人通りがあるところで、大胆だねぇ」
「これは、その、あれだ。そう、お疲れって意味の」
「そう言うことらしいですけど、志乃さん?」
からかわれていることがわかった志乃は、慌てて時宗の腕の中から抜け出す。
乱れてしまった髪を整えながら、志乃は俯く。時宗は志乃が嫌がっていないか様子を見ると、志乃の耳はまだ赤いままだ。少なくとも嫌がっていないことがわかり、時宗はひとまず安心する。
「それにしても、志乃さん、さっきのはすごかったね。いつ気づいたの?」
「それは……」
道信の問いに志乃はしどろもどろになる。時宗はそっと志乃の前に立ち、道信に答える。
「それは、2人だけの秘密だよね、志乃さん」
時宗の答えに志乃も必死に頷く。どこか腑に落ちなさそうな顔をしながら、道信は二人に浪漫俱楽部へ入るように促して、店に入って行った。
「藤島さんには、言わなくて良いの、私の力のこと」
「さっきも言った通り、2人の秘密で良いんじゃないかな。男の親友同士にも秘密の1つや2つあるしね」
「それならば良いけど」
「でも、俺としては、志乃さんを支えられる立場ではありたいのは覚えていて」
時宗の言葉に、志乃は今度は顔まで真っ赤になって、頷く。
志乃の了承も取れ、照れている姿に時宗は満足したように、志乃の手を取り一緒に浪漫倶楽部に入って行った。
完
志乃は香乃子が持っている手ぬぐいをもう一度触れてから、話を続ける。
「誰のモノにもならないようにしよう、だなんて物騒なことをお考えになっているんじゃないですか?」
図星なのか、香乃子はだんまりを決め込んでしまう。これでは言質がとれない。
「図星ですか。これ以上はあなたの人生もめちゃくちゃになりますので、これ以上は止した方が良いかと思います」
煽るような言い方に時宗はハラハラしてしまった。こんなに強気でいられる彼女は凛とした一輪の花のように気高いように見える。
「なんなのよ、あなたはっ」
「私はただ事実を申し上げたままです。今ならばまだ引き返せるかもしれません」
「あなたに何がわかるのよっ。女給のくせにっ」
なけなしの矜持というやつだろうか。
香乃子は椅子を蹴って立ち上がる。顔は真っ赤に染まっていて、眉はキリッと上がっている。
「誰かを傷つけてまで手に入れたいのですか。それは盗人と変わらないのではありませんか」
道信が割って入ろうとしたが、時宗がそれを止める。今は紳士に振る舞う必要はない。香乃子が道信を怪我させたのではないだろうが、こんな方法を使うのは間違ってる。
「なんなのよ、あんた」
「私はしがない女給ですが、大切なお客様を傷つけるのを見逃すことはできません」
「うるさあああいっ!」
香乃子が悲鳴とも似た叫び声をあげると同時に、喫茶店の扉が乱暴に開けられた。
バスの中で見た大柄の男が、木刀を手に一目散に志乃に向かって襲い掛かってきた。
あまりのことに志乃は一歩も動けずにいる。
その志乃に向かって男はいつの間にか手に入れた木刀を志乃に向かって頭上から振り下ろそうとする。
「時!」
道信が時宗にそう声をかけ、時宗の鞄から小型の木刀を時宗に投げ渡した。右手で受け取った時宗は勢いそのまま、志乃の前に躍り出る。
男が振り下ろした木刀を時宗は短い木刀で受け止めた。上から押さえつけられるかのような力に負けそうになりながらも、時宗は必死に踏ん張る。
「お前、誰だ!」
男は時宗の問いに答えるつもりはないようで、黙ったまま再び木刀を振り上げる。
その隙だらけの素人のような構えに、時宗はすぐに冷静になった。
相手が再び振り下ろそうとしたその瞬間に、相手の右手首に小手を決める。男はうめき声を上げながら木刀を手放した。
乾いた音を立てながら、木刀は床に転がり、その木刀を道信が足で押さえつける。
「か、彼女は悪くない!」
「……香乃子さんの婚約者の方、ですね?」
突き止められた正体に男は手首を押さえながら、渋々頷いた。
「お、俺がしっかりしてないから」
「違いますよ」
さっきまで固まっていた志乃が木刀を拾いながら、男を見る。
「誰よりも彼女を心配したからこそ、止めに来たんですね」
「ち、ちが」
「でなければ、そこいらで拾った木刀なんて使わないでしょう?」
男は考えを見抜かれたのを悟り、ただ黙って頷く。
「志乃ちゃん、大丈夫かい?」
マスターがゆっくりと奥の部屋から出てきた。
「全て決着がつきました。警察を呼んでください、マスター」
「そうしようかね」
この状況の中で、マスターだけがいつもと変わらずのんびりとした様子で警察を電話で呼んだ。
駆け付けた警察により、香乃子と香乃子の婚約者は連行されていった。後ろ姿を見送りながら、時宗はなんとも言えない気持ちが胸の中にくすぶっている。
「そんな顔をしないでください」
隣にいた志乃が時宗にだけ聞こえるように言った。
「これは見えていた結果です。それを受け入れなければいけません」
「強いな、志乃さんは」
「強くないですよ。この力と向き合うにはもっと強くならないと」
それだけ言い残すと、志乃は店の中に戻ろうとする。志乃の寂しげな後ろ姿に、時宗はとっさに志乃の肩を掴んだ。
「何か?」
驚いたように志乃は立ち止り、振り返る。
「1人よりも2人の方が強くなれそうじゃないか?」
「何の話をしているんですか?」
「あんな危険なことに巻き込んでごめん。でも俺が、志乃さんを支えたいって言ったらおかしいかな?」
時宗の言葉をどう受け取ったのかわからないが、志乃の顔はなぜか急に赤くなった。一方の時宗も一瞬自分が何を言ったのかわからなかった。自分の頬も耳も熱くなるのを感じる。
しかし、志乃の顔を見て自分が彼女をこんな様子にさせたことだけは理解できた。
「そ、それは求婚ということですか?」
志乃の言葉でようやく時宗は自分が何を言ったのかわかった。
だが、自分の口から出てきた言葉を今更取り消すのは、紳士としてはカッコがつかない。それにいつだからか、彼女を守れるだけの存在になりたいと心の隅で考えていたのかもしれない。
時宗は自分の気持ちに素直になると、志乃の腕を強く引き、自分の腕の中に志乃を包み込む。志乃は一瞬何が起こったかわからずに、時宗の腕から逃れようとする。それに気が付いた時宗は少しだけ腕の力を緩める。
時宗は志乃と視線を合わせるようにして、少しだけ屈む。お互い照れたように笑い、お互いをまっすぐ見る。
「2人とも、警察が話を」
そこに空気を読まずに、道信が浪漫倶楽部から出てくる。志乃を抱きしめていた時宗を見るなり、道信はいつものにやついた顔になる。
「こんな人通りがあるところで、大胆だねぇ」
「これは、その、あれだ。そう、お疲れって意味の」
「そう言うことらしいですけど、志乃さん?」
からかわれていることがわかった志乃は、慌てて時宗の腕の中から抜け出す。
乱れてしまった髪を整えながら、志乃は俯く。時宗は志乃が嫌がっていないか様子を見ると、志乃の耳はまだ赤いままだ。少なくとも嫌がっていないことがわかり、時宗はひとまず安心する。
「それにしても、志乃さん、さっきのはすごかったね。いつ気づいたの?」
「それは……」
道信の問いに志乃はしどろもどろになる。時宗はそっと志乃の前に立ち、道信に答える。
「それは、2人だけの秘密だよね、志乃さん」
時宗の答えに志乃も必死に頷く。どこか腑に落ちなさそうな顔をしながら、道信は二人に浪漫俱楽部へ入るように促して、店に入って行った。
「藤島さんには、言わなくて良いの、私の力のこと」
「さっきも言った通り、2人の秘密で良いんじゃないかな。男の親友同士にも秘密の1つや2つあるしね」
「それならば良いけど」
「でも、俺としては、志乃さんを支えられる立場ではありたいのは覚えていて」
時宗の言葉に、志乃は今度は顔まで真っ赤になって、頷く。
志乃の了承も取れ、照れている姿に時宗は満足したように、志乃の手を取り一緒に浪漫倶楽部に入って行った。
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