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その12 絵の中へ逃げろ!
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「……これで、なんとか逃げられるかなぁ」
たどり着いたその場所で、私は腰を抜かしたようにへたり込んだ。
「逃げられたことは逃げられたけどな……」
伊吹は息を切らしながら、まわりを見回していた。
「それにしても、ここはどこだ? 外だってことはわかるけど、なんにもないな」
たしかにそうだった。だだっ広い草むらが続いているだけの場所。きれいなオレンジ色の空の向こうに、小さな山が見えるだけだった。
「でも、とりあえず逃げられたみたいだから、よくない?」
「それはどうかねぇ」
私の胸元で、つぼっちが口をとがらせた。
「なに言ってんの。警備員から逃げられたなら、十分じゃない」
「それよりもさぁ。美織、この絵って、なんの絵か知ってるのかい?」
「へ?」
その瞬間、遠くから馬の鳴き声が聞こえてきた。
ヒヒーーーーン!
ヒヒーーーーーーンッ!
いや、泣き声だけじゃない。ザッザッザッ……と、地面がゆれるほどの音もいっしょに聞こえてきた。
「お、おい! あれ……」
伊吹が音のするほうを指さした。
そこには……馬の大群が見えた。馬の上には、西洋の鎧を着た人たちが、槍や剣を持って乗っている。
「敵は近いぞ! 行けーっ!」
先頭の馬に乗った人が叫ぶと、ほかの人たちも
「おーーーーっ!」
と叫んでいる。
たどり着いたその場所で、私は腰を抜かしたようにへたり込んだ。
「逃げられたことは逃げられたけどな……」
伊吹は息を切らしながら、まわりを見回していた。
「それにしても、ここはどこだ? 外だってことはわかるけど、なんにもないな」
たしかにそうだった。だだっ広い草むらが続いているだけの場所。きれいなオレンジ色の空の向こうに、小さな山が見えるだけだった。
「でも、とりあえず逃げられたみたいだから、よくない?」
「それはどうかねぇ」
私の胸元で、つぼっちが口をとがらせた。
「なに言ってんの。警備員から逃げられたなら、十分じゃない」
「それよりもさぁ。美織、この絵って、なんの絵か知ってるのかい?」
「へ?」
その瞬間、遠くから馬の鳴き声が聞こえてきた。
ヒヒーーーーン!
ヒヒーーーーーーンッ!
いや、泣き声だけじゃない。ザッザッザッ……と、地面がゆれるほどの音もいっしょに聞こえてきた。
「お、おい! あれ……」
伊吹が音のするほうを指さした。
そこには……馬の大群が見えた。馬の上には、西洋の鎧を着た人たちが、槍や剣を持って乗っている。
「敵は近いぞ! 行けーっ!」
先頭の馬に乗った人が叫ぶと、ほかの人たちも
「おーーーーっ!」
と叫んでいる。
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