虹色アンティーク

赤尾ロマ

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その1 オイラがつぼっちだよ!

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「マ、ママ? ママなの!?」

 私はもう一度、まわりを見た。私のうしろに、ママが立っていた。

「ママ!」

 私はママへと走り、飛びついた。
 両手で抱きしめたママは、たしかにママだった。柔軟剤のにおいがする、いつものママだった。
 ママも私をぎゅっと抱きしめてくれた。

「ごめんね、美織。ママ、とつぜん死んじゃって……」
「ううん! ママは悪くないよ! ぜんぜん、悪くない……」

 鼻の奥がツーンとした。
 涙が目に一気にあふれてきて、それをぬぐうように、ママの体に顔を押しつけた。

「……美緒、お願いがあるの」

 私が泣くだけ泣いたあと。顔をつけたママのおなかから、声が聞こえてきた。

「美織に、ママの力を受けついでほしいの」
「力? ママの……力?」
「はいはーい! そのことについては、オイラが説明しまーす!」

 どこからともなく、つぼっちの声が聞こえてきた。

「むかし、ミユキはオイラと出会ったことで、骨とう品の中に入れちゃうっていう、それはそれは不思議なパワーを手に入れたんだぜっ!」
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