虹色アンティーク

赤尾ロマ

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その10 美術館に潜入!

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「よしっ! じゃあここのカギを吸い込んじゃうぜ!」
 つぼっちは、裏口のドアノブに向かってツボの口を向けた。すると、ドアノブとその下にあるカギの部分が、一気に吸い込まれてしまった。
 ドアを見ると、ドアノブとカギがあった部分には、ぽっかりと穴が開いている。
「いやっほぅ! これで中には入れるぜ!」
 はしゃぐつぼっちの口をふさぎ、私と伊吹はうなずき合う。そして、ドアにあいた穴に手をかけてドアを開けた。
 中はほとんど電気がついていなくて、かなり暗い。でも、ちょっとだけ明かりが見える。
 それは、この入り口近くにある部屋の窓の明かりみたいだ。窓は床から一メートルぐらいの高さのところについていた。そして部屋のドアの上には、「警備員室」と書かれた札がついている。
「明かりがついているってことは……中に警備の人がいるんだよな?」
 伊吹の声に、私は「だね」とうなずいた。
「警備員室の窓から見えないように、しゃがんで進んだほうがいいな」
「わかった」
 私はつぼっちをかかえ、しゃがんで窓の下を通り、警備員室の前を過ぎた。うしろからは、高い身長の伊吹が、必死に体を小さくしながらやってきている。
 なんとか警備員室を通り過ぎ、明かりが見えなくなったところで、立ち上がる。
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