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思わず漏らした感想に、また股間を隠そうとする赫の手を押さえる。
そこに屹立していたものは、それほどまでに修造の想像より大きかった。下に垂れ下がるふぐりまでは赫らしく控えめなのに、上を向いた部分は太く、鈴口が臍より上にあるようだ。大きく反り返った雁首も立派で、皮膚の下で脈打つ血管の膨らみまではっきりと見える。
修造の下腹部が疼いた。
「来い、赫」
いても立ってもいられなくなった修造は自分も褌を解き、前をくつろげながら膝の上を叩いた。足をまたいでくる赫の腰を掴み、股間を密着させる。二本の屹立を握り、まとめて扱き上げた。
「あ、んっ、修造ぉ」
赫が甘い声を上げ、修造の肩に縋りついてくる。
「あ、あ、ぼく、やあっ……」
「いいぞ、赫っ」
互いの熱が擦れ合い、追い立てられるような感覚が高まっていく。混ざりあった先走りが修造の手首を伝った。
「ん……っ、ふあぁ……!」
一際大きな声を上げ、赫が全身を大きく震わせた。びゅるりと大きな剛直の先端から白濁液が迸る。
一拍遅れて、修造も達した。
「うぅ……くうっ……」
官能の呻きを漏らしながら、手を止めずに最後の一滴まで絞り出す。部屋中に雄の匂いが満ち、修造の胸の中を満たした。
「ふは……」
赫を抱いたま布団に倒れ込み、余韻に浸る。薄く目を開けた赫が、恍惚とした表情で小さく鳴いた。
「……しゅうぞう、あのね……よかった。すごく……きもちよかった」
「ん……オレも……」
汚れていない方の手で大きな耳を撫でる。ふうふうと興奮の冷めやらぬ息遣いの赫は、修造のもう片方の手を取った。
「んふ……ふふ」
満足そうに微笑んだ、と思うと、修造の手のひらから垂れそうになった液体が赤い舌で舐め取られる。
「……不味いだろ、そんなの……」
「ううん……おいしい……」
手を舐め回してすっかり綺麗にし、赫は幸せそうに修造の胸に顔を寄せた。尻尾が柔らかく修造の足を撫でる。
そうか、と修造はその頬に口づけた。それから唇にも。案の定青臭く、いがらっぽい味がする。
そのままただ赫と微笑み交わしていると、ぐうと情緒のない音がその邪魔をした。
「ご、ごめん……お腹空いちゃった」
先程までとは違う意味で頬を染める赫も、また愛らしい。
「ちょっと待ってろ、今朝飯準備すっから」
今度こそ立ち上がった修造が服を直して顔を洗っていると、狐の姿で同じく身繕いをしている赫が「あのね」と耳をくるくるさせた。
「今朝はね、ちょっと量を少なめにしてほしいんだ」
「え?」
「だってさ、ほら、お餅つくんだろ? いっぱい食べたいじゃないか」
「……行きてえのか、餅つき」
低い声で返すと、ピンと耳を立てて赫が振り向いた。修造の顔を見て、しおしおとその耳が垂れる。
「い、行きたい……け、ど……」
「やめろ。餅ならもらってきてやるから」
「なんでっ」
固まる赫を横目で見ながら、修造はいつもと同じ量の米を米びつから取った。こちらも水瓶と同じく、いくら使っても中身が減っていかない便利な代物である。
米を研ぎ、釜を置く。よろよろと飛んできた火の玉が、修造の足元でわだかまった。
「赫……」
振り向くと、伏せて平たくなった赫が土間の床を見ていた。四本の尻尾が、はたりはたりと床を打つ。
「……修造は、ぼくのことが恥ずかしいのか?」
「はあ?」
「だって……そうだろ。連れてってくれないってことは、修造の親や親類にぼくのこと見せたくないんだろ。耳も隠せない、小さくて出来損ないの狐だから恥ずかしいんだろ」
「そういうことじゃねえよ」
手で仰ぐようにすると、ふわふわと火の玉が竈の中に入っていく。
「お前のこと、出来損ないだなんて思ってねえし」
「じゃあ何さ」
あー、と修造は苛立った声を上げた。察しの悪い狐だ、と思うが、怯えたように丸まった様子を見て罪悪感が湧く。
「お前なあ、権治の家はオレの実家の向かいだろうが」
「だから何さ」
「また撃たれるかもしんねえだろ」
「んえっ」
丸まった中から、尖った鼻先がぴょこりと飛び出した。
「貞宗兄さんとか叔父さんは平気だと思うけど……餅つきには普段会わない親戚だって来る。お前のことどう思ってるかわかんないんだぞ? 危ねえだろが」
「……修造、ぼくのこと心配してくれてるの?」
「したら悪ぃかよ」
「え? いや? んふふ」
一足で修造の横まで跳んできた赫は、きゅっきゅっと修造の脚にまとわりついた。火が強くなり、ボコボコと釜が蓋を浮かす。
「でも修造だって見ただろ、頭でも飛ばされない限りぼくは平気だよ」
「あれは平気じゃねえだろ……」
泡まじりの血を吐きながら息をしていた赫の様子を思い出し、修造は心の底に穴が空いてしまったような不安感に襲われた。たとえ治るとしても、同じ目にはもう遭わせたくない。
そこに屹立していたものは、それほどまでに修造の想像より大きかった。下に垂れ下がるふぐりまでは赫らしく控えめなのに、上を向いた部分は太く、鈴口が臍より上にあるようだ。大きく反り返った雁首も立派で、皮膚の下で脈打つ血管の膨らみまではっきりと見える。
修造の下腹部が疼いた。
「来い、赫」
いても立ってもいられなくなった修造は自分も褌を解き、前をくつろげながら膝の上を叩いた。足をまたいでくる赫の腰を掴み、股間を密着させる。二本の屹立を握り、まとめて扱き上げた。
「あ、んっ、修造ぉ」
赫が甘い声を上げ、修造の肩に縋りついてくる。
「あ、あ、ぼく、やあっ……」
「いいぞ、赫っ」
互いの熱が擦れ合い、追い立てられるような感覚が高まっていく。混ざりあった先走りが修造の手首を伝った。
「ん……っ、ふあぁ……!」
一際大きな声を上げ、赫が全身を大きく震わせた。びゅるりと大きな剛直の先端から白濁液が迸る。
一拍遅れて、修造も達した。
「うぅ……くうっ……」
官能の呻きを漏らしながら、手を止めずに最後の一滴まで絞り出す。部屋中に雄の匂いが満ち、修造の胸の中を満たした。
「ふは……」
赫を抱いたま布団に倒れ込み、余韻に浸る。薄く目を開けた赫が、恍惚とした表情で小さく鳴いた。
「……しゅうぞう、あのね……よかった。すごく……きもちよかった」
「ん……オレも……」
汚れていない方の手で大きな耳を撫でる。ふうふうと興奮の冷めやらぬ息遣いの赫は、修造のもう片方の手を取った。
「んふ……ふふ」
満足そうに微笑んだ、と思うと、修造の手のひらから垂れそうになった液体が赤い舌で舐め取られる。
「……不味いだろ、そんなの……」
「ううん……おいしい……」
手を舐め回してすっかり綺麗にし、赫は幸せそうに修造の胸に顔を寄せた。尻尾が柔らかく修造の足を撫でる。
そうか、と修造はその頬に口づけた。それから唇にも。案の定青臭く、いがらっぽい味がする。
そのままただ赫と微笑み交わしていると、ぐうと情緒のない音がその邪魔をした。
「ご、ごめん……お腹空いちゃった」
先程までとは違う意味で頬を染める赫も、また愛らしい。
「ちょっと待ってろ、今朝飯準備すっから」
今度こそ立ち上がった修造が服を直して顔を洗っていると、狐の姿で同じく身繕いをしている赫が「あのね」と耳をくるくるさせた。
「今朝はね、ちょっと量を少なめにしてほしいんだ」
「え?」
「だってさ、ほら、お餅つくんだろ? いっぱい食べたいじゃないか」
「……行きてえのか、餅つき」
低い声で返すと、ピンと耳を立てて赫が振り向いた。修造の顔を見て、しおしおとその耳が垂れる。
「い、行きたい……け、ど……」
「やめろ。餅ならもらってきてやるから」
「なんでっ」
固まる赫を横目で見ながら、修造はいつもと同じ量の米を米びつから取った。こちらも水瓶と同じく、いくら使っても中身が減っていかない便利な代物である。
米を研ぎ、釜を置く。よろよろと飛んできた火の玉が、修造の足元でわだかまった。
「赫……」
振り向くと、伏せて平たくなった赫が土間の床を見ていた。四本の尻尾が、はたりはたりと床を打つ。
「……修造は、ぼくのことが恥ずかしいのか?」
「はあ?」
「だって……そうだろ。連れてってくれないってことは、修造の親や親類にぼくのこと見せたくないんだろ。耳も隠せない、小さくて出来損ないの狐だから恥ずかしいんだろ」
「そういうことじゃねえよ」
手で仰ぐようにすると、ふわふわと火の玉が竈の中に入っていく。
「お前のこと、出来損ないだなんて思ってねえし」
「じゃあ何さ」
あー、と修造は苛立った声を上げた。察しの悪い狐だ、と思うが、怯えたように丸まった様子を見て罪悪感が湧く。
「お前なあ、権治の家はオレの実家の向かいだろうが」
「だから何さ」
「また撃たれるかもしんねえだろ」
「んえっ」
丸まった中から、尖った鼻先がぴょこりと飛び出した。
「貞宗兄さんとか叔父さんは平気だと思うけど……餅つきには普段会わない親戚だって来る。お前のことどう思ってるかわかんないんだぞ? 危ねえだろが」
「……修造、ぼくのこと心配してくれてるの?」
「したら悪ぃかよ」
「え? いや? んふふ」
一足で修造の横まで跳んできた赫は、きゅっきゅっと修造の脚にまとわりついた。火が強くなり、ボコボコと釜が蓋を浮かす。
「でも修造だって見ただろ、頭でも飛ばされない限りぼくは平気だよ」
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