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小話まとめ・短編・番外編
番外編 花火大会(三) ★
しおりを挟む俺にぴったりとくっ付いて離れないジェイを連れて屋敷に着くと、外から内に入った所為かジェイが益々、甘えてくる。
「雪乃。……これ、脱ぎたい……」
ジェイは、浴衣の帯が苦しいのか、帯を掴んで引っ張っている。
「分かったよ。今、脱がせてあげる。序でにシャワーを浴びようか」
玄関で、こくりと頷くジェイの羽織を脱がせていると、奥から臙脂色の着物に白い割烹着を身に着けた綾子さんが出て来た。
綾子さんは、この屋敷を夫婦で管理してくれている鮎川 静夫さんの奥さんだ。四十代始めの、おっとりとしたベータ女性。
「おかえりなさいませ。休憩ですか?」
「ただいま、綾子さん。花火が始まるまで休もうと思って。軽くシャワーを浴びてお昼寝します」
「分かりました。着替えの用意と、お部屋にお布団、敷いておきますね」
「お願いします」
差し出された綾子さんの手にジェイの羽織を渡し、俺も羽織を脱いで渡した。
「あと、またすくって来ちゃった。ジェイが初めてすくった金魚だから大事にしてあげて欲しいな」
「あらあら、初めて記念の金魚ちゃんですか。それなら、大事に育てませんとね」
「ふふっ、お願いします」
金魚の入った水袋と射的の景品も渡す。
鮎川夫妻は、金魚を育てるのがとっても上手で、びっくりするくらい大きく育ててくれる。屋敷の中には、金魚の水槽が沢山置かれているんだ。
綾子さんと別れて、バスルームへ向かう。
俺を真正面から抱き締めて離さないジェイの帯の結び目を手探りで解いていると、彼も俺の帯を解き始めた。
帯さえ解いてしまえば、簡単に脱がせてしまえる。
ジェイと番になってからは、少し位なら離れてもジェイの存在の強さは放たれない事が分かった。ジェイのテリトリーでもある彼の邸なら、俺が見える処に居れば問題ないらしい。
これが非常に助かっている。何が助かるかと言えば、トイレだ。トイレに一人で入れるのは、とても助かる。
「ほら、ジェイ。先にトイレを済ませて来て?」
渋るジェイを宥め賺してトイレに押込み、別のトイレに俺も入って済ませた。
トイレから出るなり、ジェイに抱き上げられてバスルームに連れて行かれる。
本当に酔っているとは思えない程、しっかりとした足取りなんだよね……。
俺を抱っこしたまま椅子に腰掛けてシャワーの湯を出すと、お互いの身体に湯が降り注ぐ。
ジェイが俺をしっかりと隙間なく抱き締めているから、身体を洗うどころじゃない。
「ジェイ。これじゃあ、身体が洗えないよ?」
ジェイの広い背中を撫でながら言うと、口を口で塞がれた。
まだ、苺飴の味が残る口内をさっきみたいに、ゆっくり、ねっとり、舐め回される。
ジェイとするキスの中でも、このキスが一番好き……。
優しいけれど情熱的で……じっくりと念入りに可愛がられているみたい……。大事に舐め上げられて、その癖、容赦がない。
苦しいけど、気持ちいいから──もっとしたい……。
ジェイの大きな手が俺の背中を滑り降りて、後孔を指の腹で撫で回す。
身体がヒクリと跳ねた。
「ふぅ……んっ……!」
シャワーのお湯で濡れているのか、俺自身が濡れているのか、ジェイの指はつぷりと抵抗なく俺の中へと入って来る。
思わず身体を捩ると俺のお腹とジェイのお腹に挟まれた、存在を無視出来ないほどに育ったリルジェイがいる。
あ、コレ……まずい……。
また、お預けされちゃうっ……!
前回、ジェイが酔った時の事を思い出す。ずっと胸ばかり弄られて、焦らされるだけ焦らされて、ジェイは眠ってしまった……。
ジェイの両頬を両手で挟んで、無理矢理唇を引き離す。
「んっ……はあ……はぁ……!」
「はあぁ……はあ……」
お互いに、荒い息を吐く。
「はぁぁ……だめっ……!」
俺の中に潜り込んだジェイの指が動きを止めてくれないから、漸くそれだけを伝える。
「はあぁ……。何で、駄目なんだ?」
「だっ……だってっ……途中でっ…あっ…! ……寝ちゃうでしょっ……!?」
「────寝る訳ないだろ?」
「前はっ……! 寝たじゃないかっ……んぁっ……!!」
増えていく指に悶えながら答えた俺に、ジェイが苦笑する。
「あ~~……アレは……。ちゃんと、最後までするなら……してもいいか……?」
「────ちゃんと……最後までするなら……してもっ…いいよっ……! でもっ……! 一回だけっ……んっ……! ……だよっ…?」
「ああ……」
ジェイの指が抜けていった。
「雪乃、掴まってろよ……?」
俺の両太腿の裏に、ジェイの腕が通されて持ち上げられる。俺の視線が一気に高くなって、バランスを取るためにジェイの肩に掴まった。
後孔に、リルジェイの熱がぴとりと充てがわれた…。
リルジェイをすっかり覚えてしまった俺のそこは、次に来る快楽を知っている……。
俺のお腹をみっちりと埋める大きなリルジェイは、俺の胎内に入って来るだけで全部の性感帯を刺激して来るから、それだけで絶頂させられてしまう……。
何度も味わっている快楽を覚えているそこは、その快楽を期待して……想像して……思い出して……キュッと喉を鳴らすように締まってしまう……。
ゆっくりと落とされて、ズブズブと呑み込んでしまう身体……。小さな快楽の波が、徐々に大きな波になって、自分では制御出来ない身体の震えに何度もリルジェイを喰い締める……。
そこから身体が勝手に跳ねて、ぞわぞわ、じょわじょわとした感覚が押し寄せてきて、必死にジェイの首に縋り付いた。
「ハッ……! ……ぅああっああぁっ……!! ジェイっ……ジェイっ……!!!!」
どうにも逃がせない刺激に、唯一、どうにかしてくれるジェイの名前を呼んで、縋り付くしかない……。
身体がカクカクと震え、後孔がヒクヒクと痙攣してリルジェイを抱き締める。締め付ければ締め付ける程に、リルジェイの侵略は止まらず、容赦なく前立腺を踏み潰して突き上げて来る刺激に、理由が分からなくなってイかされるっ……!
「~~~~ッッ……!! ジェッ……ジェ……イッ……!!!!」
「ハアァッ……! 雪乃ッ……!!」
イッた中が凄く敏感になってしまい、ほんの少しの刺激に身体が跳ねて、つま先までピンと張り詰めた。俺の息子からは少量の白濁が何度も吐き出される。
絶頂の波が何度も押し寄せては、突き抜けていく……。
その度に身体の中がキュウ~~~っとなり、ヒクヒクと蠢いてリルジェイの形を感じてしまう……。
「ぁあぁっ……!! ……ジェ…イ…、ジェ…イッ…!! ……なかっ……せつな……いっ……!!」
生理的な涙が目に滲んできて、流れ落ちる。
「雪乃ッッ……!!」
ジェイが唇を塞いで、舌が乱暴な動きで俺の舌に絡んで来た。同時に身体を上下に浅く揺さぶられる。激しいものじゃないけれど、大きなリルジェイでされると内臓を押し上げられて苦しい……。だけど、それ以上に刺激が強くて、抑えられない刺激がお腹の奥から脳髄を突き上げて──突き抜けていく。
「ゔっ……! ゔゔゔん゙~~~ッッッ!!!!」
「はぁッッッ……!!」
受け容れている胎内がきゅうううっと引き絞られ、リルジェイを吸い付く様に喰い締めて……頭の中を白く灼きながら、中だけで達した……。
直ぐにジェイも達して、俺の胎内でリルジェイがビクビクと震えながら白濁を吐き出しているのが分かる。お腹の中にじわりと感じるジェイのものに、益々、身体が震えた。
お互いがお互いに縋り付く様に、ぎゅうっと抱き締め合って快楽が奔り抜ける感覚に打ち震える。
落ち着いた頃に、痩せてしまったリルジェイがにゅるんっと俺の胎内から簡単に抜けていった。
俺が脱力している間に身体や髪を洗われて、中に吐き出されたものも掻き出され、悶える。
ジェイも身体と髪を洗ってバスルームを出た。
着替えに置かれていた、タオル生地のハーフパンツとTシャツを着て、髪を乾かし部屋に敷かれた布団に寝転がる。
重い瞼をどうにか開いて、スマホの目覚ましをセットした。
ジェイに、しっかりと抱き締められたまま、俺も彼の胸に顔をくっ付けて二人で眠りに落ちた……。
お昼寝をした俺達は、元気になって花火会場に戻って来ていた。
浴衣は、俺達が寝ている間に綾子さんが洗って乾かしてくれて、ピシッと糊付けまでされていた。それを着付けてもらったから、さっぱりとして気持ちがいい。
日が落ちて薄暗くなって来たけれど、明かりも灯っているから辺りは明るい。
「ジェイ。何か食べるものを買って行こうか」
花火を観る場所は、特別な場所が用意されている。花火大会を始めたお祖父ちゃんが作った場所だ。
日本酒を呑む時の枡をでっかくした様なものを川に浮かべて、その中で花火を観るんだ。鎖で固定するから流される心配はない。
まだ行っていなかった出店の通りを歩いていたら、お弁当を売っているお店があった。仕出し屋さんが出しているお店みたいだ。覗いてみると、彩り良く盛り付けられた五目ちらし寿司があった。
「ジェイは、お寿司って平気?」
「ああ」
ジェイがどういうお寿司を食べているのか分からないけれど、この五目ちらし寿司は生魚は使われていないから大丈夫かな。
ジェイが食べられるかどうか分からなかったので、五目ちらし寿司一つと、お稲荷さんとかんぴょう巻きのお弁当を一つ買った。
苺飴のお店を見つけると、ジェイが欲しがった。透明なフィルムを被せ、保冷ケースに入れて売っているお店で、十本も買っていた。かなり、気に入ったみたいだ。
パイン、メロン、ぶどうも売っていたので、お試しに二本ずつ買ってみた。
飲み物を買おうとしたら、ジェイがまたビールを買おうとしたので止める。
「ジェイ。今日はもう、ビールはお仕舞い」
「何故だ?」
「そんなに飲んだら身体に悪いでしょう?」
「…………一本だけ」
「だめ」
ジェイは残念そうな顔で諦めて、コーラと炭酸水を買っていた。
後は、焼き鳥の匂いにジェイが立ち止まったので焼き鳥を買い、観覧場所に向かう途中で焼きそばとトルネードポテトを買って行く。
辺りはすっかり暗くなって、街灯や提灯、灯籠のオレンジ色の柔らかな灯りが溢れている。
日本の祭りって感じで、日常とは切り離された空間に感じる。
川に近付く程に祭りの喧騒が遠ざかり、静かになって行く。
百メートル以上はある川幅に、一メートル幅の橋が架かっている中央に、枡形の船? に乗り込む階段がある。畳が敷かれたその船を皆は、座敷船と呼んでいる。
「何だか、急に寂しい感じになって来たな」
「ふふっ、そうだね。こっちには余り、人が来ないからね」
辺りの静けさに、ジェイが呟いた。
ジェイにとっては、知らない国、知らない場所だから不安になっているのかも知れない。
絡めているジェイの腕に擦り寄って、笑って見せた。ジェイも俺に微笑み返してくる。
座敷船に着くと、家族の皆が既に来ていた。
俺達が最後だったみたいだ。下駄を脱いで畳に上がる。
「皆、もう来てたんだ?」
「疲れたから、此処に来て休んでいたのよ」
俺の問い掛けに、母さんが答えてくれた。
ジェイと二人、余っていた二人用の大きいビーズクッションに座る。皆もこれに座って薄手の毛布を膝に掛けている。
日が落ちると寒いし、川風があるから尚更冷える。
俺達が乗り込むと、禅乃兄さんが船と橋を繋いでいる鎖の留め金を外して、ガラガラと巻き上げた鎖を伸ばして行く。ゆっくりと座敷船が川を流れ出し、橋から二十メートル位離れた場所でガクンと停まった。
皆、自身の番といちゃついているので気にせずに、買ってきたものを二人で食べる。
「ジェイ、五目ちらし寿司を食べてみて」
「ああ」
お弁当に付いてきたのは、割り箸だ。ジェイは、箸を上手く使えないから、俺が箸で彼の口元に持って行くと嬉しそうにパクリと食べた。
「食べられそう?」
「ん。美味いな」
どうやら気に入ったようだ。俺も食べながら、せっせとジェイの口に五目ちらしを運ぶ。ジェイはジェイで、合間、合間に焼き鳥を俺に食べさせてくれる。
焼き鳥も気に入ったみたいで、自分でも食べていた。大きい串じゃなかったから、二十本買って良かった。
お稲荷さんや、かんぴょう巻きも普通に食べていた。焼きそばは、凄く好きみたい。ジェイの国でも、テイクアウトの物を買って来てもらって、食べたりしてたんだって。
トルネードポテトもカリッと揚がっていて、美味しかった。
ジェイは炭酸水を飲みながら苺飴を取り出して、ガリガリと食べる。
「ジェイは、苺飴が好きなの?」
「ああ。キャンディの薄いカリカリとした食感が良い。苺そのものも美味い。ビールと合わせて食べると、もっと美味いんだけどな」
苺とシャンパンを合わせて飲んだりするから、そんな感じなのかな? 俺は、まだお酒が飲めないから分からないけど。
そんなに好きなら、ビール……一、二本位許そうかな。──お祭りだしね。
この座敷船にもクーラーボックスが置かれていて、ビールも置かれている。ほんの少しだけジェイと離れて、クーラーボックスからビールを二本取り出した。
「はい、二本だけだよ?」
「良いのか?」
俺が頷くと、ジェイは嬉しそうに笑って美味しそうにビールを飲んだ。
買ってきたものを全部平らげて、一息つく。
────大分、寒くなってきた。
毛布を二枚引き寄せて、ジェイの脚の間に座った。一枚は俺とジェイの腰から下に掛けて、もう一枚はジェイが肩から羽織って俺を抱き込んでくれる。
「ジェイは、温かいね」
「雪乃も、温かいな」
二人で温々しながら、花火の開始を待った。
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