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第三章 廃墟の遊園地
37話 目指せ! 第七のアトラクション! 観覧車!
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ジェットコースターとの勝負の話はうやむやになったが、あのお化けは人に害をなさないと約束してくれた。私とデビルンはそれを了承し、クレヴァナルのメンバーの元へ帰ってきていた。
「黒井さん、大丈夫?」
ビーブリオテーカ様の声が若干震えていた。
「えっ、な、何がでしょう……?」
「あの~~信じたくはないのだけど、ジェットコースターに乗ったりしてないわよね」
「(どうせ投稿動画でバレるのだ言ってしまおう)え~~っと、乗りました」
「……そ、そう、あり得ないスピードで動いてたけど……大丈夫?」
「軽く時が止まりましたよ~~いや~~6秒って長いですね」
「フーハッハッハッハッ! デイネブリスパピヨンよ! 安全の方は確認が取れたのか?」
「あっ、いえ、その~~(どうしよう。乗りに行くつもりかしら。だとしたらここは……)」
「安全なら我々も乗り込もうと思うのだが……」
「お馬鹿! あのスピードを見なかったの!? オーナーさんに伝えて再調整した方がいいに決まっている!」
「うむ、それもそうか……そのヘルメットに付いた撮影カメラで確認だけでもさせてくれ」
「――あ、はい」
ガチャガチャとヘルメットに取り付けたカメラを外してダークネス・カイザー様に手渡した。
「それで、次はどこに行くの? 時間は午後15時を指しているんだけど……」
「まぁ、待ちたまえ! 今確認作業を……と思ったが、あっという間に終わってしまったな――では、次なる目的地は、あそこだ!」
撮影の確認を終えたダークネス・カイザー様の指を差した方向には観覧車があった。
(――っていうか、撮影の反応が薄すぎる。もっとツッコミどころがありますよね。ダークネス・カイザー様)
「ソリトゥス! クリスチャン! 休憩は終わりだ! 行くぞ!」
「それで係の人は居たの? 黒井さん」
「い、居ましたよ……(ジェットコースターさんご自身が係の人とは言えないけど)」
「そう……でもよかった。なんにもなくて、心配したのよ。あんなスピードで発進するんだもの。どう? 気分が悪いとかない?」
「お気遣いどうもありがとうございますビーブリオテーカ様。この通りどこも悪いところはありませんわ」
私はその場で優雅に回って見せた。
「――二人共何をしている行くぞ! 新天地へ!」
私とビーブリオテーカ様が観覧車に向かって歩き出した。
「主様、お怪我はありませんか? もの凄い勢いでジェットコースターが発進していましたが……」
バステトが私の右肩によじ登って来た。
「(軽く昼食を吐き出しそうになっただけよ。心配ないわ)」
「それは一大事なのでは……」
詳しく話をしたかったのだが、周囲には先輩たちもいる迂闊に話せば猫と話す邪気眼女、そうわ見られまいと必死に隠す。その為に話を強引に切り上げた。
「にゃあ、にゃにゃにゃあ」
ほら、クリスチャンに話しかけられてるし、危ない危ない。
「主様、何とお答えしたら良いですか」
「う~~みゃーーーーー!」
「意味不明です。主様通訳を……」
「(彼女は猫語を話しているの。猫の貴方がわからなくて常人の私にわかるわけないでしょう)」
「あれ~~今アゲハちゃん、バステトちゃんとお話していませんでしたか?」
「話していたわよ。何せ使い魔だもの。身体の安否を心配されたわ」
「凄い猫語がわかるんですね」
「猫語というより、使い魔の言葉が聞こえてくると言った方が正しいわ」
「へ~~私も使い魔さえいれば話せるかなぁ~~」
「どうかしら、まずは主従関係の儀式を執り行ったり、命令には絶対服従させるよう調教したりしないと……」
「なるほどなるほど……要するに猫語は分からないけど、その主従関係の効果でお話が出来ているんですね。さっすがはデイネブリスパピヨンと呼ばれるだけありますね~~」
「まぁそうかしらね」
そうこうしている間に一行は、目的地である観覧車の前まで辿り着いた。
「黒井さん、大丈夫?」
ビーブリオテーカ様の声が若干震えていた。
「えっ、な、何がでしょう……?」
「あの~~信じたくはないのだけど、ジェットコースターに乗ったりしてないわよね」
「(どうせ投稿動画でバレるのだ言ってしまおう)え~~っと、乗りました」
「……そ、そう、あり得ないスピードで動いてたけど……大丈夫?」
「軽く時が止まりましたよ~~いや~~6秒って長いですね」
「フーハッハッハッハッ! デイネブリスパピヨンよ! 安全の方は確認が取れたのか?」
「あっ、いえ、その~~(どうしよう。乗りに行くつもりかしら。だとしたらここは……)」
「安全なら我々も乗り込もうと思うのだが……」
「お馬鹿! あのスピードを見なかったの!? オーナーさんに伝えて再調整した方がいいに決まっている!」
「うむ、それもそうか……そのヘルメットに付いた撮影カメラで確認だけでもさせてくれ」
「――あ、はい」
ガチャガチャとヘルメットに取り付けたカメラを外してダークネス・カイザー様に手渡した。
「それで、次はどこに行くの? 時間は午後15時を指しているんだけど……」
「まぁ、待ちたまえ! 今確認作業を……と思ったが、あっという間に終わってしまったな――では、次なる目的地は、あそこだ!」
撮影の確認を終えたダークネス・カイザー様の指を差した方向には観覧車があった。
(――っていうか、撮影の反応が薄すぎる。もっとツッコミどころがありますよね。ダークネス・カイザー様)
「ソリトゥス! クリスチャン! 休憩は終わりだ! 行くぞ!」
「それで係の人は居たの? 黒井さん」
「い、居ましたよ……(ジェットコースターさんご自身が係の人とは言えないけど)」
「そう……でもよかった。なんにもなくて、心配したのよ。あんなスピードで発進するんだもの。どう? 気分が悪いとかない?」
「お気遣いどうもありがとうございますビーブリオテーカ様。この通りどこも悪いところはありませんわ」
私はその場で優雅に回って見せた。
「――二人共何をしている行くぞ! 新天地へ!」
私とビーブリオテーカ様が観覧車に向かって歩き出した。
「主様、お怪我はありませんか? もの凄い勢いでジェットコースターが発進していましたが……」
バステトが私の右肩によじ登って来た。
「(軽く昼食を吐き出しそうになっただけよ。心配ないわ)」
「それは一大事なのでは……」
詳しく話をしたかったのだが、周囲には先輩たちもいる迂闊に話せば猫と話す邪気眼女、そうわ見られまいと必死に隠す。その為に話を強引に切り上げた。
「にゃあ、にゃにゃにゃあ」
ほら、クリスチャンに話しかけられてるし、危ない危ない。
「主様、何とお答えしたら良いですか」
「う~~みゃーーーーー!」
「意味不明です。主様通訳を……」
「(彼女は猫語を話しているの。猫の貴方がわからなくて常人の私にわかるわけないでしょう)」
「あれ~~今アゲハちゃん、バステトちゃんとお話していませんでしたか?」
「話していたわよ。何せ使い魔だもの。身体の安否を心配されたわ」
「凄い猫語がわかるんですね」
「猫語というより、使い魔の言葉が聞こえてくると言った方が正しいわ」
「へ~~私も使い魔さえいれば話せるかなぁ~~」
「どうかしら、まずは主従関係の儀式を執り行ったり、命令には絶対服従させるよう調教したりしないと……」
「なるほどなるほど……要するに猫語は分からないけど、その主従関係の効果でお話が出来ているんですね。さっすがはデイネブリスパピヨンと呼ばれるだけありますね~~」
「まぁそうかしらね」
そうこうしている間に一行は、目的地である観覧車の前まで辿り着いた。
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