山本五十六の逆襲

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ハワイ攻略作戦

空母竣工(4月)

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4月にも空母は続々と竣工していく。
但しこの月は大型空母の竣工は無い。
戦艦から改装されている4隻や大鳳は6月や7月に竣工する運びとなってる。
今月に竣工したのは3隻の軽空母であった。
2隻は水上機母艦から改装された千歳、千代田。
そしてもう1隻は山鷹さんようである。
聞き馴染みが無いのは当然で、これはミッドウェー海戦で大破した重巡最上が軽空母へ改装されたものだった。


山鷹型空母
排水量:1万4000トン
全長:210m
全幅:22m
速力:33ノット
武装:12.7㎝連装高角砲6基、25㎜三連装機銃8基、同単装機銃4基
格納庫:2段
艦載機数:66機(補用込み)
艦橋:右側
エレベーター:2基
航続距離:16ノットで9800海里


名称に関しては重巡時代の最上は川であり、航空機を運用する空母にとっては無縁だった。
そのため、艦名は変更されることとなったが乗員は重巡時代のままであるため、少しでも最上の名残は少しでも残そうと考えた軍令部は最上の地を支配した米沢藩の財政を立て直した名君として知られる上杉鷹山の名前を入れ替えて山鷹とされたのである。
さて、この山鷹であるが軽空母としては珍しく島型艦橋があった。
これは軍令部がこの山鷹を軽空母ではなく、中型空母として運用しようとしていた。
実際、艦載機は開戦時の蒼龍型空母に匹敵していた。
そのため、多数の艦載機を発艦させるために200m以上の飛行甲板を持つ必要に迫られたために山鷹は島型艦橋を持つに至ったのである。
艦橋は隼鷹のように煙突と一体化されたものである。
ただ、この山鷹は戦時であることをかなり反映している。
まず、砲座は角ばった物に変更され、エレベーターは2基となっていた。
そして飛行甲板も木張りではなく、生産性が高い鋸屑入セメント張りを使用していた。
それでも有力な空母に違いなく、彼女らも第一航空艦隊へ編入され訓練に明け暮れていくことになる。


空母が続々と竣工していく中、連合艦隊司令部はハワイ攻略作戦の立案を急いでいた。
やはりアメリカ海軍の機動部隊と基地航空隊を一気に相手にするというのはかなりの難題だった。
「長官。我々は敵の懐に飛び込みますか戦闘機を多く積みこんでいくべきかと思います」
大西の提案に山本はかなり理解を示したが、どれほどの比率にするかだ。
「現状は5割ですので、できれば6割は欲しいところです…」
恐らくハワイ攻略作戦が発動される頃には第一航空艦隊の航空兵力は1000機を超えるため、600機は必要になる。
だが、それだと400機程度しか攻撃機を確保できないためかなり攻撃力が減殺されるのである。
「…少し考えておく」
山本はそういうしかなかった。
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