山本五十六の逆襲

ニミッツの逆襲

アリューシャン列島奪還

太平洋艦隊はアリューシャン列島奪還作戦を開始したのは1943年の10月であった。
これ以降は北太平洋が荒れるため、時間との闘いである。
一方、アリューシャン列島の日本軍守備隊は削減に次ぐ削減により、アリューシャン列島全体で1000人と言う有様であった。
元々、MI作戦の陽動のために攻略された意味が強かったアリューシャン列島はハワイが陥落した今、陸海軍はこの列島に意味を見出すことが出来なかったのである。
加えて、守備隊はアメリカ軍に奪還の兆候があればすぐに撤退するように命令されていた。
ここでむざむざと兵を失うということを陸軍が避けたかったためである。
アリューシャン列島には九七式飛行艇が4機配備され、南の索敵任務を行っている。
そして、なるべくしてアリューシャン列島奪還部隊を発見した。
すぐにアリューシャン列島守備隊は撤退準備を開始。
1日の猶予があったため、撤退は順調に進み夜間の内にアリューシャン列島を脱した。
4機の飛行艇も単冠湾へ向けて撤退したため、これでアリューシャン列島はもぬけの殻となった。
アリューシャン列島の実質的な陥落の報は連合艦隊にも届き、アメリカ海軍が早くも反撃を開始したことに驚愕したが、本格的な攻勢ではないため変わらずハワイ防衛に心血を注いでいた。


アリューシャン列島への上陸作戦は作戦通りに進んだ。
計画から1分も送れずに。
この時期は霧が無かったため、すぐに日本軍が存在しないことを悟ったため同士討ちなどは無かったが、徹底的な砲撃と爆撃の為列島は滅茶苦茶に破壊されており、復旧にかなり時間が掛かることになる。
だが、ともかくアメリカ軍は日本軍によって占領された領土を初めて奪還して見せたのである。
すぐにマスメディアはこれを大々的に取り上げたが、ハワイ失陥の衝撃を和らげるにはいかにも力不足だった。
やはり、国民の厭戦気分を和らげるにはもっと大きな勝利が必要であった。
そんな時に南太平洋から魅力的な申し出があった。
「十分な兵力があればポートモレスビーを奪還して見せる！」
そう豪語したのは南太平洋総司令官のダグラス・マッカーサーである。
この声にアメリカ政府は吸い寄せられるように艦隊派遣を決定した。
だが、ニミッツとしては疑問が残る。
（ポートモレスビーを奪還できても、マーシャルに行くにはかなりの年月を要する…。それにここで艦隊兵力を消耗すればハワイを奪還できるか怪しくなる！）
だが、大統領すらマッカーサーの言葉に魅了されており習熟訓練が完了したばかりの虎の子の高速空母と護衛空母を南太平洋へ派遣することを決定したのである。