山本五十六の逆襲

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ニミッツの逆襲

戦力増強

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ニミッツは3月に日本軍に対して反撃をすることを決定した。
だが、これは上陸を伴わない機動空襲によるものである。
太平洋艦隊の指揮下には新たにエセックス級空母2隻、インデペンデンス級軽空母2隻、そしてアイオワ級戦艦4隻が新たに加わりひとまずは窮地を脱したと言ってよかった。
だが、これを指揮できる指揮官がいないのである。
スプールアンスは死刑が執行され、その他の指揮官もかなりの数が死んでしまっていた。
(ここはハルゼーに託すしかない…!)
そう思い立ったのは良かったが、ハルゼーは南太平洋艦隊の司令官であり、現在の南太平洋はハルゼーが指揮を執っているから持ちこたえられている面が大きかった。
ここでハルゼーを引き抜いてしまうと南太平洋が総崩れとなる可能性があったのである。
そこでニミッツは今だ経験不足は否めないものの、部下からの信頼が厚いマーク・ミッチャー少将を新編された第五八任務部隊と司令長官とすることを決めた。
ミッチャーは根っからの飛行機屋であり、その敢闘精神は目を見張るものがあった。
そしてミッチーは着任早々に訓練を開始し、ニミッツが進める作戦に向けて邁進し始めたのである。


一方、日本海軍はと言うとここに来て魁鳳型空母と信濃型空母がそれぞれ装甲空母への改装が完了し、また5隻の軽空母も飛行甲板の延長の工事を完了させ戦列に復帰しつつあった。
また、新造空母の建造も順調である。
1944年2月にはマル急計画にて建造されていたものの、ミッドウェー海戦に敗北したために空母への改装工事が行われていた改鈴谷型重巡洋艦の伊吹が軽空母として竣工した。
艦名の命名規則の変更により、伊吹はそのままの艦名で軽空母となる。
気になる性能だが、こちらは山鷹型軽空母と全く同じである。
そもそも、最上と伊吹では船体に大きな違いが無く艦政本部の負担をへらすために山鷹の設計図を流用したのである。
そのため、伊吹は山鷹型空母二番艦となる。
伊吹の戦力化は喜ぶべきことであったが、日本海軍はすでに雲龍型空母の建造に躍起になっていた。
量産性を重視した雲龍型空母であるが、いまだ神龍しか竣工しておらず次期決戦に間に合いそうなのは雲龍、天城、葛城の3隻だけだった。
やはり、ハワイ作戦までの戦力増強を成すためにかなり無理をしたのがここに来て現れ始めたに違いなかった。
それでもついに阿賀野型軽巡洋艦4隻が竣工を果たし、鹵獲戦艦もそのすべてが改装を終えることが出来るため日本海軍としては雲龍型のさらなる増産が諦める他なかった。
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