山本五十六の逆襲

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平和に向けて

ハワイ講和会議

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ハワイ沖海戦にて決定的な大敗北を喫したことはすぐにアメリカ国民の知るところとなった。
これを受けて国民の厭戦感情は頂点に達し、政府に対して対日講和を求めた。
その後の11月に行われた大統領選挙ではルーズベルトはデューイに大敗を喫し、ついにその座を追われたのである。
デューイは就任演説で対日講和を明言。
対する日本政府も政変が起こり、東条英機が木戸などの工作により退陣。
代わりに陛下からの信任が厚く、謹厳実直な鈴木貫太郎が就任し、講和に向けて日米両政府は交渉を開始する。


動きがあったのは年が明けた1月12日の事であった。
もはや、日本軍と連合軍の間では暗黙の了解で現地部隊同士の停戦が行われており、講和は確実な情勢であった。
そこに”日米交渉がまとまりそうだ”という情報が流れたのである。
これは間違いなどではなく、実際この日に日米両国は大筋で合意していた。
そして、1月15日。
正式に全戦線において停戦命令が派出されたのである。


講和会議はハワイにおいて行われた。
連合艦隊が碇泊しているハワイは厳かな雰囲気に包まれている。
講和会議は2時間ほどで終了し、ここに日米戦争が終結した。
同日にイギリスも日本と講和条約を結び、こうして日本は太平洋での戦闘を終えたのである。


講和会議の結果、ハワイまでの太平洋諸島が日本領とされビルマからソロモン諸島までが日本の影響下に入った。
現地では大きな混乱は起きず、戦闘を行っていた両軍の兵士は整然と撤退していった。
連合艦隊もハワイから本土に帰投し、日本近海の保全という本来の任務に回帰した。
また、太平洋での戦いが終わったことにより日本海軍は建艦予定であった艦を全て中止。
既に竣工間近であった3隻の雲龍型は竣工することになったが、それ以外は全く中止された。
海軍の予算は削減されるとともに、基地航空隊の拡充に捧げられることになる。


日本はいまだ戦いを続けている。
それは大陸戦線である。
これを終結させなければ平和は訪れない。
よって陸海軍は大陸戦線に戦力を集中。
各方面に配備されていた航空隊なども順次配備されていく。
対して国民党軍は日本と欧米が講和してしまったことで欧米の支援が途絶え、弱っていく一方であった。
頼みの綱の連合軍航空隊も撤退してしまい、もはや上空は日本軍機が乱舞している。
それでも蒋介石の徹底抗戦の意志は消えることは無く、継戦を決定。
大陸での戦いは新たな局面を迎えることになったのである。
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