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赤毛の王妹
14、女子クラス
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リリアスは女子クラスを厳選した。
おおよそクラスは男女別で進行しながらも、同じ内容のものも多い。
なので、女子クラスでなければならないもののうち、ムハンマドがこれは受けたら?と言ったものを幾つか選択している。
さらに、男女別で進行していても、かなりの割合で合同になるものもある。
例えば、社交ダンスのクラスはそうだった。
リリアスは、社交ダンスは女子クラスを選択していた。
リリアスは女子クラス参加の場合、いつも髪を三編みにする。
初めて王都に来たときにしてもらった髪型で、それをするとリリアスの中で、男から女へ切り替えがスムーズにいく気持ちがする。
女性は、何かと立ち居振る舞いに気をつかう。目線のやり方ひとつも大事だそうだ。
「視線も大事なのです。真っ直ぐ見るときは、彼の心を引き寄せる気持ちで、心を大きく開いて、そして笑顔の花を添えましょう」
と言われたのは何のクラスだったか。
どこの場にも立っても恥ずかしくない、気品溢れる教養のある女性、これが王族や高貴な立場の妻像だった。
勉強する範囲も広い。
文学、音楽、書道、お茶お花などのような教養部分。
各国の地理、歴史的背景と各国との問題、得意な生産品目と貿易課題、そのほか個別に実践的に取り上げる問題と改善方法。
過去例を取り上げた議論。
また、もっとも身近なものも取り上げる。
理想の夫婦像や、もし、夫が破滅的な選択をした場合、自分ならどうするか、など、答えのない課題も多い。
色んなシチュエーションで、他の人の考えを聞き、自分の選択を発表し、それを幾つか取り上げて、その選択の予想される結果を議論して、もう一度その答えの主に再考させる。
すると、最初の考えの浅はかさに気がついて、意見が変わることも大半である。
女性は、王女もいれば、貴族の娘、商人の娘、後宮入を望まれている女性、将来有望な夫を見つけにきているだけの女性、など立場はそれぞれで、答えの有り様も立場によって大きく変わってくる。
女性のクラスはリリアスには大変面白かった。
誰がどんな意見をいうか。
夫の意見に諾諾と従うタイプなのか、自分の意見を押し通そうというのか、平和を好んでいるのか、かっとなりやすいのか。
「相手を観察しなさい。
相手が話している時だけではなく、人の話を聞いていたり、注目が集まっていないときのその相手を観察しなさい。
別れた時に、一度振り返りなさい。
油断している時にみせた相手の顔が、あなたへの思いを語っています」
(シーラもこんなこと、学んでいたんだ、、まるわかりだったんだろうな、女って怖い)
と学べば学ぶほど面白くもあり、怖くなるリリアスだった。
ダンスは女子クラスである。
男性のパートだと、ムハンマドと踊れないからだ。
初めてのクラスの時、リリアスはみつ編みのお下げに、ムハンマドの用意してくれていたシンプルなドレスをまとった。
首まで詰まったドレスである。
クラスに入ったとき、みんな絶句した。
初見は見慣れぬきれいな女子、よく見ると噂の黒髪、改めてみると女装男子ーー。
最悪である。
ダンスクラスの女子たちは、ドレスに生花を付け、揃いの髪飾りをつけたり、パンプスにつけたり、おしゃれを楽しんでいる。
赤毛の燃え立つような女子がこそっと教えてくれる。
彼女はガーネリアン。
現王の妹。
飾らない率直なものいいで、ふとしたときに、手助けをさりげなくしてくれる。
リリアスは彼女を頼りにすることも多かった。
ガーネリアンは教えてくれる。
ダンスクラスはコーディネートも評価対象になること。さらに、一度使ったコーディネートはもう使えない。
毎回考えてこなければならないし、それらをお互いに誉めあう場もある。
知らないと、場違いな褒め方になって、失笑を買うこともある。
これは極めてリリアスには難しい。
褒め方はきれいだね、素敵だね、だけではダメなのだ。
素材、産地、色味、加工方法、そして作成者、購入場所も知っておかねばならない場合もある。
女子クラスは既にグループが出来上がっていた。
リリアスは話してもらうまでに、一週間は必要かな、男子クラスを思い出しながら長目に見積もっていた。
だが、好奇心旺盛な若い女子たちだった。
休憩時間になると、リリアスの回りに人集る。
「どうして、男なのに女クラスも受けるの?」
「ぼ、わたしには女性として振る舞わなければいけない機会があって、ならいっそ、最高の女性になれるように学ぼうと思って。
でも男子として横に立つかもしれないから、男部分も捨てられない」
キャー!
と悲鳴が上がる。
「ムハンマドさまは素敵よね~!」
「わたしはバーライトさまに見初められたいわ~」
と夢みる女子もいる。
現王には二人の妻がいるが、大々的な後宮は閉鎖されている。
前王からの反省だ。彼女は空いている妻の座を狙っているようだった。
そんな女子たちはかなり多かった。
(バーライトってもてもて、、)
女で勝負はかなり過酷そうだった。
そして、明日は初の男子との合同ダンスレッスン日だった。
アルマンも、トムも、ハンクスも、ズィンも参加する。
女子としての自分はどう映るのだろう?
不安を感じるのだった。
おおよそクラスは男女別で進行しながらも、同じ内容のものも多い。
なので、女子クラスでなければならないもののうち、ムハンマドがこれは受けたら?と言ったものを幾つか選択している。
さらに、男女別で進行していても、かなりの割合で合同になるものもある。
例えば、社交ダンスのクラスはそうだった。
リリアスは、社交ダンスは女子クラスを選択していた。
リリアスは女子クラス参加の場合、いつも髪を三編みにする。
初めて王都に来たときにしてもらった髪型で、それをするとリリアスの中で、男から女へ切り替えがスムーズにいく気持ちがする。
女性は、何かと立ち居振る舞いに気をつかう。目線のやり方ひとつも大事だそうだ。
「視線も大事なのです。真っ直ぐ見るときは、彼の心を引き寄せる気持ちで、心を大きく開いて、そして笑顔の花を添えましょう」
と言われたのは何のクラスだったか。
どこの場にも立っても恥ずかしくない、気品溢れる教養のある女性、これが王族や高貴な立場の妻像だった。
勉強する範囲も広い。
文学、音楽、書道、お茶お花などのような教養部分。
各国の地理、歴史的背景と各国との問題、得意な生産品目と貿易課題、そのほか個別に実践的に取り上げる問題と改善方法。
過去例を取り上げた議論。
また、もっとも身近なものも取り上げる。
理想の夫婦像や、もし、夫が破滅的な選択をした場合、自分ならどうするか、など、答えのない課題も多い。
色んなシチュエーションで、他の人の考えを聞き、自分の選択を発表し、それを幾つか取り上げて、その選択の予想される結果を議論して、もう一度その答えの主に再考させる。
すると、最初の考えの浅はかさに気がついて、意見が変わることも大半である。
女性は、王女もいれば、貴族の娘、商人の娘、後宮入を望まれている女性、将来有望な夫を見つけにきているだけの女性、など立場はそれぞれで、答えの有り様も立場によって大きく変わってくる。
女性のクラスはリリアスには大変面白かった。
誰がどんな意見をいうか。
夫の意見に諾諾と従うタイプなのか、自分の意見を押し通そうというのか、平和を好んでいるのか、かっとなりやすいのか。
「相手を観察しなさい。
相手が話している時だけではなく、人の話を聞いていたり、注目が集まっていないときのその相手を観察しなさい。
別れた時に、一度振り返りなさい。
油断している時にみせた相手の顔が、あなたへの思いを語っています」
(シーラもこんなこと、学んでいたんだ、、まるわかりだったんだろうな、女って怖い)
と学べば学ぶほど面白くもあり、怖くなるリリアスだった。
ダンスは女子クラスである。
男性のパートだと、ムハンマドと踊れないからだ。
初めてのクラスの時、リリアスはみつ編みのお下げに、ムハンマドの用意してくれていたシンプルなドレスをまとった。
首まで詰まったドレスである。
クラスに入ったとき、みんな絶句した。
初見は見慣れぬきれいな女子、よく見ると噂の黒髪、改めてみると女装男子ーー。
最悪である。
ダンスクラスの女子たちは、ドレスに生花を付け、揃いの髪飾りをつけたり、パンプスにつけたり、おしゃれを楽しんでいる。
赤毛の燃え立つような女子がこそっと教えてくれる。
彼女はガーネリアン。
現王の妹。
飾らない率直なものいいで、ふとしたときに、手助けをさりげなくしてくれる。
リリアスは彼女を頼りにすることも多かった。
ガーネリアンは教えてくれる。
ダンスクラスはコーディネートも評価対象になること。さらに、一度使ったコーディネートはもう使えない。
毎回考えてこなければならないし、それらをお互いに誉めあう場もある。
知らないと、場違いな褒め方になって、失笑を買うこともある。
これは極めてリリアスには難しい。
褒め方はきれいだね、素敵だね、だけではダメなのだ。
素材、産地、色味、加工方法、そして作成者、購入場所も知っておかねばならない場合もある。
女子クラスは既にグループが出来上がっていた。
リリアスは話してもらうまでに、一週間は必要かな、男子クラスを思い出しながら長目に見積もっていた。
だが、好奇心旺盛な若い女子たちだった。
休憩時間になると、リリアスの回りに人集る。
「どうして、男なのに女クラスも受けるの?」
「ぼ、わたしには女性として振る舞わなければいけない機会があって、ならいっそ、最高の女性になれるように学ぼうと思って。
でも男子として横に立つかもしれないから、男部分も捨てられない」
キャー!
と悲鳴が上がる。
「ムハンマドさまは素敵よね~!」
「わたしはバーライトさまに見初められたいわ~」
と夢みる女子もいる。
現王には二人の妻がいるが、大々的な後宮は閉鎖されている。
前王からの反省だ。彼女は空いている妻の座を狙っているようだった。
そんな女子たちはかなり多かった。
(バーライトってもてもて、、)
女で勝負はかなり過酷そうだった。
そして、明日は初の男子との合同ダンスレッスン日だった。
アルマンも、トムも、ハンクスも、ズィンも参加する。
女子としての自分はどう映るのだろう?
不安を感じるのだった。
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