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スティル王弟
22、救出
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そこからは怒濤の展開であった。
出会いの宿カフェにムハンマドが親衛隊を伴って包囲。
突入時は、店とニコラスを守る裏の自衛組織とのこぜり合いがありながらも、ムハンマド親衛隊は押し入っていく。
その脇を金茶の大きくしなやかな獣がすり抜ける。
一直線にリリアスとスティルのいる部屋へ。
既に、ニコラスとパリスの男は姿を消していた。
スティルは飛び込んできた豹に目を丸くしたが、リリアスを後ろにかばった。
(つぎは豹と戦えってか!?)
なかばやけくそで、スティルは豹の額に焦点を合わせようとした。
「やめてやれ、彼はズインだ」
そこへ、ムハンマドが入ってきた。
スティルがみたことのないほど、完璧な王弟は余裕のない様子だった。額に汗が流れ、息が切れ、眼がぎらつく。
握った片刃の銀刃は、威嚇するように光っていた。
一瞬、豹はムハンマドに牙を剥いたが、ぶるっと震えると人形に戻る。
(なんてこった、伝説の獣人の国の王子か!?)
ブロシャン国の王子ズインは、風の、空の尋常でない暴走から、リリアスの危機を感じてすぐに駆けつけたのだ。
スティルの中でおとぎ話が現実と重なっていく。
その日、アルゴンの町の路地裏で、たまたま自分の脇を疾風のごとく駆けた金茶の大型獣の目撃談がいくつもあった。
猫の100倍は大きかったのだが、あり得ない豹の出現に、大きな猫でもみたんだろ?と落ち着いたのだった。
ムハンマドはリリアスを確認した。
リリアスはまだ惚けた顔をしていたが、もう精霊の力は暴走を止めている。
「スティル、リリアスを止めてくれたのだな、感謝する」
ムハンマドは、スティルの腕からリリアスを奪う。
リリアスをほどけた晒しごと親衛隊の自分のフードでくるみ、抱きかかえた。
スティルの上着は床に落ちた。
「これで弟子ごっこは卒業だ。もう充分使いこなせるようになっただろう」
ムハンマドは言い放ち、スティルとズインを残してリリアスを連れ去った。
ムハンマドはリリアスを邸宅に連れ帰る。
寝室のベッどに優しくほどく。
「リリアス、大丈夫か?」
リリアスはすっかり消耗していた。
精霊の加護が暴走して、体力気力を持っていかれたのだ。
ムハンマドはリリアスのほどけた晒しをはがしきり、ふっくら膨らんだものを外の世界にさらした。
ピンと立った乳首が、まだ薬の影響下にあることを示していた。
「薬がまだぬけていないのか?」
触れると喘ぎながら身をよじらせた。
「ごめ、、、体に力がはいらない、、」
ムハンマドは最近闇で流行りだした、麻薬性のハーブ丸薬のことは知っている。
「あなたは無茶をする。あなたの事だ、やっかい事に飛び込んで、スティルの力を引き出そうとしたんだろう?」
黒曜石の熱く潤んだ瞳は、許してと瞬いた。
「もう、危険なことはしてくれるな」
ムハンマドは、唇を胸にはわせてつんととがった突起をかじった。
リリアスからは思いがけない強い反応がかえる。
体の感覚は何時にも増して敏感になっているようだった。
リリアスはもともと敏感な方である。
精霊の力を操るには、敏感さは必要だった。
そこへ、感覚を高めて、意識を高揚させるハーブ丸薬で、微細な調整がぶっ飛んだようだった。
ムハンマドは他の部分も確認していく。
どこも、甘い喘ぎを引き出していく。
「あなたは、あの薬を二度と使ってはならない。風の暴走に意識の体からの分離、、。あのとき、私のところに落ちてきただろう?
それに、触れただけでこれとは、あなたはいけない人だ」
下腹の茂みからは、リリアスのそれが立ちあがりヒクつき、よだれを垂らしている。
膝を開くと抵抗なく、あられもない姿をリリアスはさらした。
「お願い、、もう我慢できない、、」
リリアスの涙の懇願に、ムハンマドは自分の服を脱ぎ、おのれのそれを突きいれた。
受け入れるやいなや、リリアスは絶頂に登る。
リリアスの体液からもムハンマドに薬効成分が取り込まれ、えもいえぬしびれをともなった快感を感じる。
(ああ、これがハーブ丸薬か、密かに流行るはずだな。媚薬オイルの経口摂取版というところか。
依存性を抑え、もう少し軽いものにすれば、いいかもな?)
なんて、ムハンマドの頭を掠めるのであった。
カフェはその後、ひと足違いで訪れたバーライト直轄のシン親衛隊長が率いる警察兵団に検挙される。
最近流行りだしていた麻薬の取り締まりだった。
大量にハーブ丸薬が押収される。
親元の貴族は、愛人ニコラスを見捨てる。
愛人ニコラスが勝手に貴族の名を騙り、闇の組織を利用してハーブ丸薬を売りさばいていたことになっていた。
後見人を失ったニコラスは学校を中退し、繋がりを恐れた後見人から、本当の意味で自由になった。
その後彼の行方は警察兵団も掴めなかった。
由緒正しい伝統あるバラモン王都国立学校にも、ニコラスのハーブ丸薬の販売網は広がっていた。
外聞を気にした学校内部で極秘で調査が行われ、所有者を洗い出された。
同時に処分が行われる。
処分数30名。
中等科や、ニコラスをベッドに誘い込んでいた高等科、中には教師も含まれていた。教師は即日解雇。
確かな購入ルートを失った学生の彼らは、一週間の謹慎処分。その間、厳格な監視体制におかれ、禁断症状に苦しんだのであった。
スティル王弟 完
出会いの宿カフェにムハンマドが親衛隊を伴って包囲。
突入時は、店とニコラスを守る裏の自衛組織とのこぜり合いがありながらも、ムハンマド親衛隊は押し入っていく。
その脇を金茶の大きくしなやかな獣がすり抜ける。
一直線にリリアスとスティルのいる部屋へ。
既に、ニコラスとパリスの男は姿を消していた。
スティルは飛び込んできた豹に目を丸くしたが、リリアスを後ろにかばった。
(つぎは豹と戦えってか!?)
なかばやけくそで、スティルは豹の額に焦点を合わせようとした。
「やめてやれ、彼はズインだ」
そこへ、ムハンマドが入ってきた。
スティルがみたことのないほど、完璧な王弟は余裕のない様子だった。額に汗が流れ、息が切れ、眼がぎらつく。
握った片刃の銀刃は、威嚇するように光っていた。
一瞬、豹はムハンマドに牙を剥いたが、ぶるっと震えると人形に戻る。
(なんてこった、伝説の獣人の国の王子か!?)
ブロシャン国の王子ズインは、風の、空の尋常でない暴走から、リリアスの危機を感じてすぐに駆けつけたのだ。
スティルの中でおとぎ話が現実と重なっていく。
その日、アルゴンの町の路地裏で、たまたま自分の脇を疾風のごとく駆けた金茶の大型獣の目撃談がいくつもあった。
猫の100倍は大きかったのだが、あり得ない豹の出現に、大きな猫でもみたんだろ?と落ち着いたのだった。
ムハンマドはリリアスを確認した。
リリアスはまだ惚けた顔をしていたが、もう精霊の力は暴走を止めている。
「スティル、リリアスを止めてくれたのだな、感謝する」
ムハンマドは、スティルの腕からリリアスを奪う。
リリアスをほどけた晒しごと親衛隊の自分のフードでくるみ、抱きかかえた。
スティルの上着は床に落ちた。
「これで弟子ごっこは卒業だ。もう充分使いこなせるようになっただろう」
ムハンマドは言い放ち、スティルとズインを残してリリアスを連れ去った。
ムハンマドはリリアスを邸宅に連れ帰る。
寝室のベッどに優しくほどく。
「リリアス、大丈夫か?」
リリアスはすっかり消耗していた。
精霊の加護が暴走して、体力気力を持っていかれたのだ。
ムハンマドはリリアスのほどけた晒しをはがしきり、ふっくら膨らんだものを外の世界にさらした。
ピンと立った乳首が、まだ薬の影響下にあることを示していた。
「薬がまだぬけていないのか?」
触れると喘ぎながら身をよじらせた。
「ごめ、、、体に力がはいらない、、」
ムハンマドは最近闇で流行りだした、麻薬性のハーブ丸薬のことは知っている。
「あなたは無茶をする。あなたの事だ、やっかい事に飛び込んで、スティルの力を引き出そうとしたんだろう?」
黒曜石の熱く潤んだ瞳は、許してと瞬いた。
「もう、危険なことはしてくれるな」
ムハンマドは、唇を胸にはわせてつんととがった突起をかじった。
リリアスからは思いがけない強い反応がかえる。
体の感覚は何時にも増して敏感になっているようだった。
リリアスはもともと敏感な方である。
精霊の力を操るには、敏感さは必要だった。
そこへ、感覚を高めて、意識を高揚させるハーブ丸薬で、微細な調整がぶっ飛んだようだった。
ムハンマドは他の部分も確認していく。
どこも、甘い喘ぎを引き出していく。
「あなたは、あの薬を二度と使ってはならない。風の暴走に意識の体からの分離、、。あのとき、私のところに落ちてきただろう?
それに、触れただけでこれとは、あなたはいけない人だ」
下腹の茂みからは、リリアスのそれが立ちあがりヒクつき、よだれを垂らしている。
膝を開くと抵抗なく、あられもない姿をリリアスはさらした。
「お願い、、もう我慢できない、、」
リリアスの涙の懇願に、ムハンマドは自分の服を脱ぎ、おのれのそれを突きいれた。
受け入れるやいなや、リリアスは絶頂に登る。
リリアスの体液からもムハンマドに薬効成分が取り込まれ、えもいえぬしびれをともなった快感を感じる。
(ああ、これがハーブ丸薬か、密かに流行るはずだな。媚薬オイルの経口摂取版というところか。
依存性を抑え、もう少し軽いものにすれば、いいかもな?)
なんて、ムハンマドの頭を掠めるのであった。
カフェはその後、ひと足違いで訪れたバーライト直轄のシン親衛隊長が率いる警察兵団に検挙される。
最近流行りだしていた麻薬の取り締まりだった。
大量にハーブ丸薬が押収される。
親元の貴族は、愛人ニコラスを見捨てる。
愛人ニコラスが勝手に貴族の名を騙り、闇の組織を利用してハーブ丸薬を売りさばいていたことになっていた。
後見人を失ったニコラスは学校を中退し、繋がりを恐れた後見人から、本当の意味で自由になった。
その後彼の行方は警察兵団も掴めなかった。
由緒正しい伝統あるバラモン王都国立学校にも、ニコラスのハーブ丸薬の販売網は広がっていた。
外聞を気にした学校内部で極秘で調査が行われ、所有者を洗い出された。
同時に処分が行われる。
処分数30名。
中等科や、ニコラスをベッドに誘い込んでいた高等科、中には教師も含まれていた。教師は即日解雇。
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スティル王弟 完
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