【R18】メイドは騎士から寵愛される

ショコラぱんけーき

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 窓辺から差し込む朝陽を顔に感じて、私は目が覚める。

 身じろぎしようとすると、キリアンの美しい褐色の肌と筋肉質な身体に包まれていることに気づいた。

 あ!
 そうだった、昨日は――――


 ――ここが1人部屋でよかった……!
 改めてそう思うと同時に、私は昨夜の熱い時間を思い出して途端に顔が熱くなる。

 注がれた沢山の愛情を思い返した私は、隣で寝ているキリアンの美しい顔を見つめて、改めて幸せな気持ちが湧いてきた。

 私たちって、そういう関係になったのよね。
 そう思うとなんだか不思議な気持ちだった。

 キリアンのこの逞しい身体に抱かれた感触が心地よくて、鼓動を確認するように厚い胸板に頬を当てる。

 その音には愛しさが詰まっていて、私は胸の奥がじんわりと温かくなるのを感じていた。

 そうして物思いに耽っていると、ふいに腰に回されていた手に力が入り、キリアンの胸の中にぎゅっと抱かれる。

「お、起きてたの?!」
「ああ、お前があまりにも可愛い顔で見つめるから目が覚めた」
 そう言って、私の額に自分の額をくっつけて、甘やかな瞳でこちらを覗き込む。

「もう……」
 照れくさくなって思わず視線を外すと、昨日見つけた首元のキスマークが目に入る。

 そういえば、これって結局なんだったのかしら……。

 私の疑問が伝わったのか、キリアンは少し言いにくそうに切り出した。

「ああ、これは……ラポルト侯爵令嬢につけられた」
「……は?!?!」
「お茶の用意をさせると言って移動した後、急に倒れかかって具合が悪いというから、仕方なく客間に運んだんだ」

 私が目を剥くと、キリアンは参ったというように、頭に手を当てて説明を始める。

「ベッドに寝かせた時に、急にしがみついてきて、コレさ」

 そこまで言ってから、キリアンはハッとして続ける。

「だけど、本当にそれだけだ。突然で防ぎようもなかったんだ。お前に顔向けできないようなことなんて、誓ってしていない」

 そう言うキリアンは、切実に私を見つめていた。
 そこに嘘はひとつもない。

 むううう。
 あの侯爵令嬢、ほんとに気に食わない!

 私は思わず、キリアンの首に抱きつき、つけられたキスマークの反対側の首に唇を寄せた。

 私を刻みつけるように、キリアンの首元を強く吸い上げて、褐色のその美しい肌に赤い花びらを散らす。

「っ……」

 一瞬、息を上げたキリアンは、ふっと笑って私を優しく組み敷いた。

「満足したか?」
「少しは……」
「じゃあ、今度は俺の番だ」
 キリアンはそう言うとその大きな手で私の胸元を暴き出し、唇を当てて優しく吸い上げた。

「……っんん」

 柔らかな朝陽を浴びながら、私はまたキリアンに優しく激しく、愛されていくのだった。
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