未来スコープ  ―この学園、裏ありすぎなんですけど!? ―

米田悠由

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エピローグ Ver.6

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それから数ヶ月後。
学園の買収と再生は、九条院グループの莫大な資金力と蓮の祖父の指揮のもと、驚くべき速さで進められた。
学園は「ソフィア湘南カレッジ」と名を改め、その理念も一新された。

「真実と公正を追求し、多様な価値観を尊重する。世界経済を牽引する知性と行動力を育む」

それが、ソフィア湘南カレッジの新たな教育方針だった。
不正によって失われた信頼は、透明性の高い運営と、最先端の経済学を学べるカリキュラムによって、急速に回復していった。

全校生徒分の新しい制服も、祖父からの寄贈によって一新された。水色を基調とした現代風のブレザーは、スマートでありながらも上品さを兼ね備え、生徒たちは皆、誇らしげに袖を通していた。

藍は、学園の不正を暴いた功労者として、「特別優待生徒」という形でソフィア湘南カレッジに迎え入れられた。
そして、新たな生徒会では、優花が会長に、藍が会計に就任することになった。
二人は、学園の新しい未来を築くために、これまで以上の情熱を燃やしていた。

ある日の放課後。
生徒会室での打ち合わせを終えた藍と優花は、校舎へと続く渡り廊下を歩いていた。遠くで、重機の音が響いている。

「旧校舎も、もうすぐ全部なくなるんだね」
優花が少し寂しそうに呟いた。
学園の象徴とも言える古びた旧校舎は、不正の記憶と共に解体が進められていた。
「うん……でも、これで本当に全部、終わりなんだよね」
藍は、どこか晴れやかな、しかしわずかに物足りなさも感じる表情で、解体中の旧校舎を見つめた。
その時だった。

「あれ……? なんだか、あの辺り、変じゃない?」

優花が、解体現場の奥の一点を指さした。
重機の動きが一時的に止まり、作業員たちが何かに群がっているのが見える。
瓦礫の山の中から、淡い青色の光を放つ、金属のような丸い物体が顔を覗かせているように見えた。

「まさか……また何か、隠されてたとか?」

藍の目が、好奇心と探求の光を帯びて輝き始める。
隣の優花も、その顔に呆れつつも、どこか楽しげな笑みを浮かべた。

藍たちのオカルト熱が、再び燃え上がりそうだ――。

その夜、自室に戻った藍のスマホが震えた。
画面には「蓮くん」の文字。
「もしもし、蓮くん? うん、今日ね、優花と旧校舎の解体現場で……え? 明日、会えるの? 楽しみ!」

藍は弾んだ声で話し、顔を赤く染めた。



          ―完―
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