妄想日記1<<ORIGIN>>

YAMATO

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Chapter9(異心編)

Chapter9-⑧【潮騒(The Whispering Sea)】

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ミサキの全身を塗り終わる。
滝の様な汗で目を開けているのも難儀だ。
手で拭えないので、頭を振って汗を飛ばす。
「おう、終わったか。
なら海に入って来ていいぜ。
溺れるなよ。」
ミサキが笑いながら、海を指差した。
返事も忘れ、海へ駆け出す。
腕が振れないので、スピードは出ない。
やっと着いた海に潜る。
冷たい水が心地好い。
こびり付いた汗が流れていく。
犬に堕ちた俺は異常な快楽を覚えていた。
 
10分程度水に浸かってから、ミサキの元に戻る。
ミサキは軽く鼾を掻いて眠っていた。
デカマラはぐったりと横たわり、亀頭のピアスが太陽の光を浴び輝いている。
キラキラと光り宝石の様だ。
彫刻の様な裸体を飽きることなく見続けた。
「あれ、寝ちゃったんだ。」
視線を感じたのか、ミサキが目を覚す。
「あー、眠い。
お前も仰向けになって日焼けしろよ。」
ミサキは欠伸をしながら言う。
横になるが、手錠が邪魔して真っすぐに寝れない。
仕方なく多少斜めになり、長時間堪えられるポジションを確保した。
 
どれくらい時間が経ったのだろうか。
一時間の様にも、10分位にも思えた。
ミサキはまた寝てしまったみたいだ。
喉がカラカラで唾さえ出い。
なんとか俯せになり、皿に顔を近付ける。
舌を何回も出し入れするが、水分は殆ど入ってこない。
「なんだ、そんなに喉が渇いたのか?」
突然、声がした。
「うっす!」
振り返れず、返事だけする。
「だったら、ミサキがたっぷり補給してやるよ。
仰向きになって、口を開けろ。」
背後で立ち上がる気配が分かる。
真っ青な空の中に半起ちとなったデカマラが現れた。
ピアスから水滴が滴り落ちる。
徐々に出始めた小便に勢いが増す。
放物線を描き、口に注ぎ込まれる。
やっと大量の水分を得て、身体が歓喜した。
喉をごくごく鳴らして飲む。
幾らでも飲める。
心底美味かった。
「背中を焼こうぜ。
また頼むよ。」
ミサキが俯せになる。
しゃがみ込み、舌を這わす。
万遍なくオイルを塗り、主人の体臭を味わう。
頭上から鼾が聞こえてきた。
身体が熱を持ち、とても日焼け出来そうもない。
そっと立ち上がり、海を目指す。
 
海から上がり、俯せになる。
後ろ手なので、この体勢の方が楽だ。
ミサキの鼾と潮騒を聞いている内に、微睡みの中へ落ちていく。
しかしそれは押し寄せる便意で妨げられた。
ミサキはまだ寝ている。
昨日からディルドを入れているから、丸一日振りの便意だ。
『何もこんな時に…。』
思わず愚痴が零れる。
我慢しようと思うが、便意は強まる一方だ。
ミサキが寝ている隙に海で排便しようと起き上がる。
「どうしたんだ?」
背後から声がした。
「いや、その…。」
しどろもどろになり、言い逃れしていると思われそうだ。
「なんだ?小便か?」
ミサキは察しが良い。
「いや、大の方です。」
正直に答える。
「だったらその辺でしろ。
犬は穴掘ってするんだったよな。」
ニヤつきながらミサキが言った。
「そ、それだけは…、勘弁して下さい。」
後頭部に強い陽射しを浴びながら哀願する。
景色がゆらゆらと揺れた。
「ざけんな!」
平手打ちが飛ぶ。
「犬なら犬らしくしろ!」
ミサキが始めて怒声をあげた。
 
 
(つづく)
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