あなたの1番になりたかった

トモ

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サム

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俺は完全に出遅れた。小さい時から見てきた、幼馴染の妹、ルナ。とても可愛く、5歳も年下だから、本当の妹のように可愛いがっていた。
いつしか遊びに行くと、必ず後ろをついて来るようになった。その姿が可愛いくて、とても微笑ましかった。もっと一緒にいてあげたいのに、メイジェーンがいつも打ち切ってくる。最近では後ろからついて来れないように、早歩きする。
だから、意地悪せずに一緒に過ごしてあげたらいいだろ?と言った事がある。でもメイジェーンは、いいのよ。ついてきたいだけで一緒に過ごしたらすぐに退屈するんだからと、混ざらせないようにしていた。
それからも会えるかな?と少し期待して行ったが、ある日を境に俺の前から、ルナはいなくなった。
メイジェーンがディープキスしたあたりからだと思う。そして、久しぶりに家を訪ねると、ルナは、同級生らしき男と一緒に出掛けるようだった。ショックだった。そして、話しかけた俺に対する態度はずっと俺に憧れてくれていたあの目じゃなかった。
そして一緒にいた男にもうすぐ彼氏になると宣言までされた。
そして、そこから数年会う事もなかった。
まさか、就職したホテルに、ルナとあの時の男が結婚式をあげにくるとは思いもしなかった。
とても幸せそうな2人。俺はルナが好きだったんだな。そう思わずにはいられなかった。
そして、ルナが結婚する日、姉のメイジェーンに、「お姉ちゃんが私に意地悪をして、サムとキスしてるところをわざと見せたり、邪魔者扱いして同級生と遊ぶよう言ってくれたおかげで外の世界を知れたし、出会いもあった。ありがとう」そう言っているのを聞いて、俺はメイジェーンに邪魔をされていたのか。と今更知った。
もうこんな幼馴染は、いらないな。
そして、話しかけてこようとしたメイジェーンに対し、仕事中なのでと、一切関わらないようにした。
これからは、人を見る目を養って、もう出遅れることがないようにしよう。
そう決意した日だった。
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