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第1章 井戸の中のスライム騒動
第11話 碑文の写し
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リリーは再び役場へ戻り、今度はセドリックの根城である会計課へ向かった。セドリックは、机にかじりつくようにして帳面に何かを記載していたが、リリーが来たことに気づくと、体を起こした。
「リリー、またペンを折ったんですか」
開口一番に疑われた。
「今日はペンはまだ折ってません! 帳簿を見せてもらいたくて」
「帳簿? あなたが?」
またもや疑われた。
それも仕方がない。リリーは数字が苦手だ。数字や式が並んでいるのを見ただけで頭が固まり、じっと見つめているうちに数字たちが目の前で踊り出し、収拾不能となって混乱しているうちに眠ってしまう。あれは一種の睡眠剤だとリリーは強く思う。激しい不眠症が続いた結果、今では昼夜が完全に逆転した夜警のルナでさえ賛同してくれたから、そうに違いないのである。
「今、村の井戸のスライムの関連で、水源の近くの石碑のことを調べているんです。マルコに聞いたら、役場の帳簿に碑文を書き写したのがあるってことだったんで」
「碑文?」
そんなものあったかな、とセドリックが首をひねった。
「なんで帳簿にって、私も思ったんですけど」
「ああ、それは、昔の帳簿は、ほぼ日記なんですよ。業務日誌みたいなものでしてね、村の出来事とそのときのお金の動きが一緒に書かれてるんです」
よいしょ、とセドリックが腰を上げた。
「どこだったかな。あの石碑となると、かなり古い帳簿だと思うんですがね」
古いとなると、あっちかな、とセドリックは独り言をつぶやいて、会計課から出た。リリーも後に続く。セドリックは、会計課の隣にある資料室になっている部屋の扉を開けて、リリーを招き入れた。
「時代が古い物は、箱に入っているんですけどね」
セドリックが並んだ棚の奥を指す。あっちにあるということなのだろう。
「君一人で探すんですか?」
「えーと、はい、そうです」
バーナードたちには頼めないだろう。碑文の文字をマートが読めたとしても、そもそも今回の件には何ら関係ないかもしれないのだ。それに、あのやる気のないマートが手伝ってくれるとは残念ながら思えない。
「そう。じゃあ、私は仕事に戻りますんでね。終わったら声かけてください」
手伝いを申し出てくれることをほんのちょっぴり期待していたリリーは、肩を落として「はい」と答えた。
一人になった資料室は、物音一つしない。ついさっきまでマルコの混沌とした資料館にいたからか、棚に背表紙が整然と並び、静寂に満ちたこの空間は、安心感と同時に威圧感もあった。
棚を回り、セドリックが指さしたほうへ歩いていく。部屋の奥に、木箱が3つ並んでいた。大人2人が並んで座れるほどの大きな木箱だ。
この中から見つけるのかー、とリリーは自分が言い出したことを後悔した。が、言い出したものは仕方がない。ひとまず、手前の木箱の蓋を開けた。かびと埃の混じった臭いがモワッと立ち上がる。予想どおり、びっしりと古びたノートが詰まっていた。
「よしっ」
気が滅入ってしまう前に動いてしまえ。リリーは、ひいおばあちゃんから受け継いだ精神で、さっそく古い帳簿を1冊取り出して床にどっかり座った。
帳簿というと数字が並んでいるものと思っていたが、セドリックが言っていたとおり、この頃のものは日記にその日の収支がおまけのように書き加えられていた。
ただ、古い筆記体で書かれていて、読むのに時間がかかる。美しく整った筆跡ではあるが、しばらく頑張って読んだものの頭痛がしてきて、リリーはこめかみを押さえながらハアーッとため息をついた。
「苦労してるねぃ、リリー」
突然、頭上から声が降ってきた。驚いて見上げると、デイジーがにやにやした顔で、リリーを見下ろしていた。
「デイジー! どうしたの? あ、ここの掃除?」
「いやいや」
デイジーは胸の前で組んでいた腕を解き、顔を木箱に向けた。
「もし暇があるなら手伝ってやってほしいって、セドリックに言われたんさぁ」
リリー1人では荷が重かろうと正しく判断したセドリックは、役場の中をモップ片手にぷらぷら歩いていたデイジーを捕まえ、そう言ったのだという。
驚いて何も言えないリリーに、デイジーは、
「セドリックはああ見えて、結構みんなのこと、気にかけてるんだよ」
と木箱に手を伸ばし、
「どんな情報がいるんだい?」
とリリーに顔を向けた。
リリーが説明すると、デイジーは「ふむふむ、なるほどね。じゃ、ちゃっちゃと探しちゃいましょうかね」と言って帳簿を調べ始めた。
ありがたいなあ、とリリーは膝の上に広げた帳簿に目を落とした。セドリックにもデイジーにも、これが終わったらちゃんとお礼をしよう、と決めた。
「よーっし、見つけるぞー!」
「おおー、その意気、その意気!」
急に元気を取り戻して拳を振り上げたリリーに、デイジーが拍手した。
リリーとデイジーは隣り合って座り、かび臭い帳簿をめくり続けた。
「あ、これじゃあないかぃ?」
デイジーが声を発したのは、それから割とすぐのことだった。リリーが1冊読む間に、デイジーは3、4冊進んでいた。昔から発明好きだったデイジーは、古い書物を読むことにも慣れていたし、頭の回転も速かった。デイジーが読み上げる。
「なになに、『山の草木や獣ども常ならぬ姿かたちに育ちしは、山より湧き出でる水に不思議なる力のこもりしゆえなり。これまで長きにわたり村人を悩ませてきたそのわけを、旅の魔法使い、ついに見抜きて語りぬ』」
「つまり?」
リリーは眉間にしわを寄せ、デイジーに解説を頼んだ。
「山の湧き水に不思議な力、まあ、魔力だろうね、が含まれてたんだってさ。旅の魔法使いがそれに気づいたってことらしいねぃ」
村人は、その魔術師に水を正常にしてくれるよう頼んだ。魔術師が呪文を唱えると、それ以降、周囲の動植物の異常な増殖と成長が止まったという。
「ふーん、あの謎の石碑には、そのときにその魔術師が唱えた呪文が書かれてるんだって。もしまた困ったことになったら、この呪文を唱えればいいってことなんだろうけどねぃ。そんなら読める文字で書いとけっての」
ほら、とデイジーが指で示した箇所には、その呪文を書き写したと思われる文字が書かれていた。
「デイジーは、この文字見たことある?」
「ないねえ」
「マートさんなら、読めるかな」
「それを期待してたんでしょ?」
「そうなんだけど。なんか不安になってきた」
「わかる」
くくくっ、とデイジーが笑った。リリーも一緒に笑った後、「じゃあ、マートさん、呼んでくるね」と、足取り軽く総務課に向かった。
「リリー、またペンを折ったんですか」
開口一番に疑われた。
「今日はペンはまだ折ってません! 帳簿を見せてもらいたくて」
「帳簿? あなたが?」
またもや疑われた。
それも仕方がない。リリーは数字が苦手だ。数字や式が並んでいるのを見ただけで頭が固まり、じっと見つめているうちに数字たちが目の前で踊り出し、収拾不能となって混乱しているうちに眠ってしまう。あれは一種の睡眠剤だとリリーは強く思う。激しい不眠症が続いた結果、今では昼夜が完全に逆転した夜警のルナでさえ賛同してくれたから、そうに違いないのである。
「今、村の井戸のスライムの関連で、水源の近くの石碑のことを調べているんです。マルコに聞いたら、役場の帳簿に碑文を書き写したのがあるってことだったんで」
「碑文?」
そんなものあったかな、とセドリックが首をひねった。
「なんで帳簿にって、私も思ったんですけど」
「ああ、それは、昔の帳簿は、ほぼ日記なんですよ。業務日誌みたいなものでしてね、村の出来事とそのときのお金の動きが一緒に書かれてるんです」
よいしょ、とセドリックが腰を上げた。
「どこだったかな。あの石碑となると、かなり古い帳簿だと思うんですがね」
古いとなると、あっちかな、とセドリックは独り言をつぶやいて、会計課から出た。リリーも後に続く。セドリックは、会計課の隣にある資料室になっている部屋の扉を開けて、リリーを招き入れた。
「時代が古い物は、箱に入っているんですけどね」
セドリックが並んだ棚の奥を指す。あっちにあるということなのだろう。
「君一人で探すんですか?」
「えーと、はい、そうです」
バーナードたちには頼めないだろう。碑文の文字をマートが読めたとしても、そもそも今回の件には何ら関係ないかもしれないのだ。それに、あのやる気のないマートが手伝ってくれるとは残念ながら思えない。
「そう。じゃあ、私は仕事に戻りますんでね。終わったら声かけてください」
手伝いを申し出てくれることをほんのちょっぴり期待していたリリーは、肩を落として「はい」と答えた。
一人になった資料室は、物音一つしない。ついさっきまでマルコの混沌とした資料館にいたからか、棚に背表紙が整然と並び、静寂に満ちたこの空間は、安心感と同時に威圧感もあった。
棚を回り、セドリックが指さしたほうへ歩いていく。部屋の奥に、木箱が3つ並んでいた。大人2人が並んで座れるほどの大きな木箱だ。
この中から見つけるのかー、とリリーは自分が言い出したことを後悔した。が、言い出したものは仕方がない。ひとまず、手前の木箱の蓋を開けた。かびと埃の混じった臭いがモワッと立ち上がる。予想どおり、びっしりと古びたノートが詰まっていた。
「よしっ」
気が滅入ってしまう前に動いてしまえ。リリーは、ひいおばあちゃんから受け継いだ精神で、さっそく古い帳簿を1冊取り出して床にどっかり座った。
帳簿というと数字が並んでいるものと思っていたが、セドリックが言っていたとおり、この頃のものは日記にその日の収支がおまけのように書き加えられていた。
ただ、古い筆記体で書かれていて、読むのに時間がかかる。美しく整った筆跡ではあるが、しばらく頑張って読んだものの頭痛がしてきて、リリーはこめかみを押さえながらハアーッとため息をついた。
「苦労してるねぃ、リリー」
突然、頭上から声が降ってきた。驚いて見上げると、デイジーがにやにやした顔で、リリーを見下ろしていた。
「デイジー! どうしたの? あ、ここの掃除?」
「いやいや」
デイジーは胸の前で組んでいた腕を解き、顔を木箱に向けた。
「もし暇があるなら手伝ってやってほしいって、セドリックに言われたんさぁ」
リリー1人では荷が重かろうと正しく判断したセドリックは、役場の中をモップ片手にぷらぷら歩いていたデイジーを捕まえ、そう言ったのだという。
驚いて何も言えないリリーに、デイジーは、
「セドリックはああ見えて、結構みんなのこと、気にかけてるんだよ」
と木箱に手を伸ばし、
「どんな情報がいるんだい?」
とリリーに顔を向けた。
リリーが説明すると、デイジーは「ふむふむ、なるほどね。じゃ、ちゃっちゃと探しちゃいましょうかね」と言って帳簿を調べ始めた。
ありがたいなあ、とリリーは膝の上に広げた帳簿に目を落とした。セドリックにもデイジーにも、これが終わったらちゃんとお礼をしよう、と決めた。
「よーっし、見つけるぞー!」
「おおー、その意気、その意気!」
急に元気を取り戻して拳を振り上げたリリーに、デイジーが拍手した。
リリーとデイジーは隣り合って座り、かび臭い帳簿をめくり続けた。
「あ、これじゃあないかぃ?」
デイジーが声を発したのは、それから割とすぐのことだった。リリーが1冊読む間に、デイジーは3、4冊進んでいた。昔から発明好きだったデイジーは、古い書物を読むことにも慣れていたし、頭の回転も速かった。デイジーが読み上げる。
「なになに、『山の草木や獣ども常ならぬ姿かたちに育ちしは、山より湧き出でる水に不思議なる力のこもりしゆえなり。これまで長きにわたり村人を悩ませてきたそのわけを、旅の魔法使い、ついに見抜きて語りぬ』」
「つまり?」
リリーは眉間にしわを寄せ、デイジーに解説を頼んだ。
「山の湧き水に不思議な力、まあ、魔力だろうね、が含まれてたんだってさ。旅の魔法使いがそれに気づいたってことらしいねぃ」
村人は、その魔術師に水を正常にしてくれるよう頼んだ。魔術師が呪文を唱えると、それ以降、周囲の動植物の異常な増殖と成長が止まったという。
「ふーん、あの謎の石碑には、そのときにその魔術師が唱えた呪文が書かれてるんだって。もしまた困ったことになったら、この呪文を唱えればいいってことなんだろうけどねぃ。そんなら読める文字で書いとけっての」
ほら、とデイジーが指で示した箇所には、その呪文を書き写したと思われる文字が書かれていた。
「デイジーは、この文字見たことある?」
「ないねえ」
「マートさんなら、読めるかな」
「それを期待してたんでしょ?」
「そうなんだけど。なんか不安になってきた」
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