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第1章 薬師大学校編
16話 指輪に宿し者
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二人の魔人が帰った後、舞は自分の部屋で考えていた。
アクアから、先程みんなの前では話さなかった事があると伝えられたのだ。
アクアとスピネルが魔人の国の岩山の先で、黒い影の集団が入っていった黒い穴を見たと言うのだ。
その穴はあっという間に小さくなり消失したらしい。
もしかすると、どこかの空間に繋がっている穴だったのかもしれない。
よく考えれば、『森の精霊』も『指輪に宿し者』も、自分の空間を作ることが出来た。
だから異世界だけでなく、そう言う空間から影達が出現した可能性もあるのかもしれない。
『森の精霊』の話だと、かなり昔から黒い影の襲来はあったはず。
もしかしたら、『指輪に宿し者』なら何か知っているのでは無いかと思った。
あの二人は精霊や、黒翼国の森の主よりも格上であり、長く存在している事は明らかなのだ。
私は右手につけている指輪を見てそう思ったのだ。
その指輪は、ブラックから約束の指輪と言われて貰った物。
ブラックの持っている指輪と対になっており、この指輪の中に宿りし者がそれぞれ存在しており、大きな力を持っているのだ。
そして、その者達の力を借りるには、彼らに認めてもらわなければならなかった。
私とブラックは黒翼国の地下の森の件の時に、その者達に認めてもらい力を貸してもらえたのだ。
私は指輪を左手で触った後、両手を組み心の中で強く願ったのだ。
『お願い、教えてほしい事があるのです。
私に力を貸してください。』
すると右手にはめていた指輪が暖かくなったかと思うと、光り出したのだ。
指輪から光の霧のようなものが出て来て、綺麗な女性の姿となったのだ。
「おお、舞、久しぶりだな。
もっと早くに話がしたかったぞ。」
以前と同じで、姿形は美しい女性を思わせるのだが、話す口調は勇ましかったのだ。
「ああ、お会いできて良かった。
大した用がないのに呼んでは申し訳ないかと思ってました。
しかし、今回はどうしても教えていただきたい事があってお呼びしたのです。」
私はそう言ってあの黒い影について聞いてみたのだ。
その『指輪に宿し者』は少し考えた後、部屋の中をウロウロして眺めたり、いくつかの物を持って確かめるようなそぶりをしてから私のベッドに腰掛けたのだ。
「舞、この部屋には興味深い物がたくさんあるな。
これを一つ私にくれるなら話しても良いぞ。
これから話す事は、この世界や魔人達の暮らしている世界の始まりの話になるからな。
褒美を少しもらっても良いだろう?」
そう言って、なぜかベッドに置いていたいくつかのぬいぐるみを持ってそう話したのだ。
正直言って私は言葉に詰まった。
力の強い『指輪に宿し者』がぬいぐるみに興味を抱くとは全く思わなかったのだ。
もちろん、私のお気に入りの一つではあったが、それを渡す事で知りたい事がわかるなら安い物だと思ったのだ。
「では、大事にすると約束していただけたら、好きな物を一つお渡しいたします。」
「そうか、もちろん大事にするとも。
私は美しい物が好きなのだよ。」
そう言って、以前私があるテーマパークで買った綺麗なドレスを着たぬいぐるみを抱きしめたのだ。
そして、『指輪に宿し者』はそのぬいぐるみを見て満足すると、横に置いて話し始めたのだ。
「さて、どこから話そうかな。」
そう言って、美しい姿の『指輪に宿し者』は遠い目をしたのだ。
アクアから、先程みんなの前では話さなかった事があると伝えられたのだ。
アクアとスピネルが魔人の国の岩山の先で、黒い影の集団が入っていった黒い穴を見たと言うのだ。
その穴はあっという間に小さくなり消失したらしい。
もしかすると、どこかの空間に繋がっている穴だったのかもしれない。
よく考えれば、『森の精霊』も『指輪に宿し者』も、自分の空間を作ることが出来た。
だから異世界だけでなく、そう言う空間から影達が出現した可能性もあるのかもしれない。
『森の精霊』の話だと、かなり昔から黒い影の襲来はあったはず。
もしかしたら、『指輪に宿し者』なら何か知っているのでは無いかと思った。
あの二人は精霊や、黒翼国の森の主よりも格上であり、長く存在している事は明らかなのだ。
私は右手につけている指輪を見てそう思ったのだ。
その指輪は、ブラックから約束の指輪と言われて貰った物。
ブラックの持っている指輪と対になっており、この指輪の中に宿りし者がそれぞれ存在しており、大きな力を持っているのだ。
そして、その者達の力を借りるには、彼らに認めてもらわなければならなかった。
私とブラックは黒翼国の地下の森の件の時に、その者達に認めてもらい力を貸してもらえたのだ。
私は指輪を左手で触った後、両手を組み心の中で強く願ったのだ。
『お願い、教えてほしい事があるのです。
私に力を貸してください。』
すると右手にはめていた指輪が暖かくなったかと思うと、光り出したのだ。
指輪から光の霧のようなものが出て来て、綺麗な女性の姿となったのだ。
「おお、舞、久しぶりだな。
もっと早くに話がしたかったぞ。」
以前と同じで、姿形は美しい女性を思わせるのだが、話す口調は勇ましかったのだ。
「ああ、お会いできて良かった。
大した用がないのに呼んでは申し訳ないかと思ってました。
しかし、今回はどうしても教えていただきたい事があってお呼びしたのです。」
私はそう言ってあの黒い影について聞いてみたのだ。
その『指輪に宿し者』は少し考えた後、部屋の中をウロウロして眺めたり、いくつかの物を持って確かめるようなそぶりをしてから私のベッドに腰掛けたのだ。
「舞、この部屋には興味深い物がたくさんあるな。
これを一つ私にくれるなら話しても良いぞ。
これから話す事は、この世界や魔人達の暮らしている世界の始まりの話になるからな。
褒美を少しもらっても良いだろう?」
そう言って、なぜかベッドに置いていたいくつかのぬいぐるみを持ってそう話したのだ。
正直言って私は言葉に詰まった。
力の強い『指輪に宿し者』がぬいぐるみに興味を抱くとは全く思わなかったのだ。
もちろん、私のお気に入りの一つではあったが、それを渡す事で知りたい事がわかるなら安い物だと思ったのだ。
「では、大事にすると約束していただけたら、好きな物を一つお渡しいたします。」
「そうか、もちろん大事にするとも。
私は美しい物が好きなのだよ。」
そう言って、以前私があるテーマパークで買った綺麗なドレスを着たぬいぐるみを抱きしめたのだ。
そして、『指輪に宿し者』はそのぬいぐるみを見て満足すると、横に置いて話し始めたのだ。
「さて、どこから話そうかな。」
そう言って、美しい姿の『指輪に宿し者』は遠い目をしたのだ。
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