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第1章 薬師大学校編
30話 対策
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ヨクは舞から聞いた事をここだけの話とし、王にのみ話したのだ。
「何とも信じられない話であるな・・・
それにしても、異世界につながる洞窟が現れてからというもの、驚きの日々であるな・・・」
オウギ王は胸がいっぱいになったようで、大きなため息をついたのだ。
「全くその通りでございます。
まだまだ私も引退するわけにはいきませんな。」
ヨクはオウギ王の言葉に頷いたのだ。
そして、舞を襲った三人組についても内密に捜査をする事になったのだ。
どんな者達が関係しているかわからないため、本当に信頼のおける者のみに捜査の指示をしなければならないと二人は思ったのだ。
そして人選はシウン大将に任せる事としたのだ。
オウギ王と王室の薬師達は何度も話し合いを重ねていた。
薬師達の話し合いの場には、黒い影の集団の弱点は光である事だけを話したのだ。
実際、舞とカクが先日遭遇した影達は、温室での強い光で消滅させる事が出来たのだ。
今この人間の国に、どの程度進入しているかは不明ではあるが、対策は考えるべきであったのだ。
少なくとも、明るい日の元では安心である事がわかっただけでも進展なのだ。
そして魔人の世界とつながる洞窟の入り口に、光の鉱石からなる灯りを増やす事にしたのだ。
少なくともその光がある限り、黒い影達はこちらにくる事は無いのではと思ったのだ。
その光の鉱石からなる灯りは、昼夜問わず、ずっと輝きを放っており、その場所は夜とは思えない明るさとなったのだ。
○
○
○
その夜、ヨクとカクが家に帰ると、多数の蔓が何重にも絡み合いながらお屋敷全体を包み込んでいたのだ。
入り口の扉と窓はそのままになっており、問題なく入る事は出来たのだ。
「あ、お帰りなさい。
お屋敷がすごい事になってごめんなさい。」
舞は申し訳なさそうに二人を迎えたのだ。
「舞、家がすごい事になっているね。
驚いたよ。」
カクは不思議そうに窓から外を覗いたのだ。
「これは、精霊の守りという事だね。
それに風の盾も使われてるようだが。」
ヨクは問題の答えを言うように、嬉しそうに話したのだ。
「さすが、その通りよ。
風の盾をシウン大将から借りたの。
そして、精霊に蔓でお屋敷の防御をお願いしたのよ。
これで不審者が来ても安心よ。
私の為に二人に迷惑をかける事になるかも・・・
ごめんなさい。」
舞がそう言うと、ヨクが笑いながら話したのだ。
「舞、私たちは家族も同然なのだよ。
そんな事は気にするで無い。
もっと我らを頼りにするのだぞ。
舞は頑張りすぎるからのう。
ただ、危ない事だけはするで無いぞ。
舞に何かあったら、快くこちらに送り出してくれた父上やマサユキに顔向けできんからな。」
「ええ、もちろんよ。」
舞はヨクの言葉が本当に嬉しかったのだ。
そして舞は三人組に襲われた時に言われた言葉について、自分の思う事を話したのだ。
「あの三人組は『災いをもたらす黒髪の娘って』私の事を言ってた。
・・・やっぱりブラックが言う通り、五百年前の事が関係してると思うの。
その時、私の世界からここに来たハナさんが、魔人達を討伐しようとする集団に軟禁されたと聞いているのよ。
その時は、王家やケイシ家の人達も拘束されたって・・・
ハナさんは作りたくも無い闇の薬を、魔人を倒す為に作るように強要されたと聞いているわ。
もしかしたら、同じ事を繰り返そうとしている集団がいるのかも知れない。
もちろん、私はそんな薬は作らないけれどね。
・・・だから、二人も本当に気を付けてほしいの。」
舞は、襲ってきた三人組の件をシウン大将に任せてあると聞いたので、ヨクには以前魔人討伐を掲げた者達の子孫やその思想を受け継いだ者がいないかを探してもらいたいと話したのだ。
「わかった、舞。
その件はこちらに任せておくれ。」
ヨクはそう言って微笑んだのだ。
舞は頷いたが、どうしても暗躍している者達を自分で探したかったのだ。
「何とも信じられない話であるな・・・
それにしても、異世界につながる洞窟が現れてからというもの、驚きの日々であるな・・・」
オウギ王は胸がいっぱいになったようで、大きなため息をついたのだ。
「全くその通りでございます。
まだまだ私も引退するわけにはいきませんな。」
ヨクはオウギ王の言葉に頷いたのだ。
そして、舞を襲った三人組についても内密に捜査をする事になったのだ。
どんな者達が関係しているかわからないため、本当に信頼のおける者のみに捜査の指示をしなければならないと二人は思ったのだ。
そして人選はシウン大将に任せる事としたのだ。
オウギ王と王室の薬師達は何度も話し合いを重ねていた。
薬師達の話し合いの場には、黒い影の集団の弱点は光である事だけを話したのだ。
実際、舞とカクが先日遭遇した影達は、温室での強い光で消滅させる事が出来たのだ。
今この人間の国に、どの程度進入しているかは不明ではあるが、対策は考えるべきであったのだ。
少なくとも、明るい日の元では安心である事がわかっただけでも進展なのだ。
そして魔人の世界とつながる洞窟の入り口に、光の鉱石からなる灯りを増やす事にしたのだ。
少なくともその光がある限り、黒い影達はこちらにくる事は無いのではと思ったのだ。
その光の鉱石からなる灯りは、昼夜問わず、ずっと輝きを放っており、その場所は夜とは思えない明るさとなったのだ。
○
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その夜、ヨクとカクが家に帰ると、多数の蔓が何重にも絡み合いながらお屋敷全体を包み込んでいたのだ。
入り口の扉と窓はそのままになっており、問題なく入る事は出来たのだ。
「あ、お帰りなさい。
お屋敷がすごい事になってごめんなさい。」
舞は申し訳なさそうに二人を迎えたのだ。
「舞、家がすごい事になっているね。
驚いたよ。」
カクは不思議そうに窓から外を覗いたのだ。
「これは、精霊の守りという事だね。
それに風の盾も使われてるようだが。」
ヨクは問題の答えを言うように、嬉しそうに話したのだ。
「さすが、その通りよ。
風の盾をシウン大将から借りたの。
そして、精霊に蔓でお屋敷の防御をお願いしたのよ。
これで不審者が来ても安心よ。
私の為に二人に迷惑をかける事になるかも・・・
ごめんなさい。」
舞がそう言うと、ヨクが笑いながら話したのだ。
「舞、私たちは家族も同然なのだよ。
そんな事は気にするで無い。
もっと我らを頼りにするのだぞ。
舞は頑張りすぎるからのう。
ただ、危ない事だけはするで無いぞ。
舞に何かあったら、快くこちらに送り出してくれた父上やマサユキに顔向けできんからな。」
「ええ、もちろんよ。」
舞はヨクの言葉が本当に嬉しかったのだ。
そして舞は三人組に襲われた時に言われた言葉について、自分の思う事を話したのだ。
「あの三人組は『災いをもたらす黒髪の娘って』私の事を言ってた。
・・・やっぱりブラックが言う通り、五百年前の事が関係してると思うの。
その時、私の世界からここに来たハナさんが、魔人達を討伐しようとする集団に軟禁されたと聞いているのよ。
その時は、王家やケイシ家の人達も拘束されたって・・・
ハナさんは作りたくも無い闇の薬を、魔人を倒す為に作るように強要されたと聞いているわ。
もしかしたら、同じ事を繰り返そうとしている集団がいるのかも知れない。
もちろん、私はそんな薬は作らないけれどね。
・・・だから、二人も本当に気を付けてほしいの。」
舞は、襲ってきた三人組の件をシウン大将に任せてあると聞いたので、ヨクには以前魔人討伐を掲げた者達の子孫やその思想を受け継いだ者がいないかを探してもらいたいと話したのだ。
「わかった、舞。
その件はこちらに任せておくれ。」
ヨクはそう言って微笑んだのだ。
舞は頷いたが、どうしても暗躍している者達を自分で探したかったのだ。
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