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第4章 第四の世界編
139話 自由のために
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シンピ鉱山に戻った私達は、やるべき事があった。
カクは両親の真相がある程度わかった事で、少しスッキリしたようだった。
自分の屋敷に帰り、祖父であるヨクに報告するらしい。
魔人の国では、『闇の鉱石を支配する者』により拘束された街の人々を、元に戻さなくてはならないのだ。
『指輪に宿りし者』達は結界に拘束されている『闇の鉱石を支配する者』に一緒に魔人の国に来るように伝えたのだ。
「えー兄弟と言える君達がいればどうにかなるじゃないか。
それに、自分では誰かの身体を使わないと力が発揮できない事は知っているだろう。
もう、この鉱山から出ないからさー」
そう言って結界の中で、不満そうな顔をしたのだ。
「我ら二人が揃っている状況なら、お前の力など抑える事が出来るのだよ。
それに、流石に我らだけでは時間がかかるからな。
だから、一緒に来てもらう。」
私は少し前から思う事があったのだ。
目の前にいる『闇の鉱石を支配する者』は、封印されるほど危険な者では無いのではと考えていたのだ。
彼の希望が叶えられるなら、意外と協力的なのではと。
あの二人の兄弟と言うべき者であるなら・・・
「あの・・・あなたの一番の希望は何かしら?」
私はそう聞くと、『闇の鉱石を支配する者』は即答したのだ。
「もちろん、自由だよ。」
「あなたの思う自由と私たちの思う自由には、少し違いがあるのかも。
でも、それを私達の考える自由に合わせてくれるなら、あなたをあの鉱山に封印する必要は無いかもしれない。
でも、それが出来るかは、あなた次第だわ。
つまり、契約みたいなもの。
もし、それを破る事があれば、もう二度と鉱山から出る事は出来ない。
あなたも知っての通り、ここには森の精霊もいる。
そして、私も。
あなたを無力化させることも可能だわ。
そして、兄弟達による封印。
もし契約を破らなければ、あなたの兄弟達のように自由よ。
どう?」
「・・・なるほど。
そうは言っても、僕はお前達の自由を理解していないのだ。」
「では、それは私が。」
ユークレイスが声を上げたのだ。
「今回魔人達を元に戻すために、再度私の身体を使ってください。
そして、私がその者にこの世界について、教えて差し上げます。」
「それでは、ユークレイスの魂が闇でダメージを受けてしまうのだよ。」
ブラックは心配して、無理をする事は無いと話したのだ。
「多分、問題ないでしょう。
その者の行いにより、魂が闇に削られていくのだと思います。
そうであれば、良き行いをしている限り、私に害が及ぶとは思えません。
その者の力が必要な時は、私が身体をお貸しします。
いかがでしょう。」
確かに闇の力を使う事で器の魂のダメージを受けるのだろう。
今回のように、元に戻す事であれば問題ないかもしれない。
ユークレイスが教育係と言うのは適任だと思うが。
きっと・・・彼は大変になるだろうな。
ユークレイスを知る者は皆思ったに違いない。
それでも・・・
「・・・わかったよ。
取引しようじゃないか。
何もせずに封印されるよりはマシだからね。
でも、僕がやりたかったり、行きたいところにも行かせてくれよ。
もちろん、お前達の自由の範囲内で良いけどね。」
「舞に救われたな。
相変わらず、甘いな。
この前のドラゴンもそうだったが・・・」
舞の『指輪に宿りし者』はため息をついて、面白くない顔をしたのだ。
「いや、ドラゴンには私も救われたからね。
舞のおかげだよ。
今回の事も、そのうち良かったと思う事があるかも知れないしね。」
私の肩にちょこんと乗っている精霊は、嬉しそうに話したのだ。
ここで、一度カクとは別れを告げることにした。
私は、魔人の国が落ち着いてから、屋敷に戻ると話したのだ。
「わかったよ。
舞も落ち着いたら、戻って来てくれよ。
また、学校にも行くだろう?」
「もちろんよ。
その為にこの世界に来たのだから。」
そして、私はブラック達と共に魔人の国に繋がる洞窟を抜けたのだ。
私はブラックにつかまり、一気に城まで移動したのだ。
私達がこの世界に戻って来た事を察知した幹部達は、既に城の前に集まっていた。
「ブラック、待っていたわ。
舞も無事で良かった。」
ジルコンはそう言って、私を抱きしめてくれたのだ。
いつもの自信いっぱいの顔と違い、泣き出しそうなジルコンの顔は、本当に心配していた事がよくわかるのだ。
無理もないのだ。
ジルコンは『闇の鉱石を支配する者』に抗う事ができず、とても辛い思いをしたのだ。
「ジルコン、もう大丈夫、大丈夫よ。」
私はそう伝えて、ブラックを見たのだ。
「みんな、遅くなってすまなかった。
街の様子は?
みんなも大丈夫かい?」
ブラックはそう言うと、ネフライトが状況を伝えてくれたのだ。
「ええ、今のところ変化は起きておりません。
閉じ込められた中の時間が止まっている事が幸いだったと思います。
あの一帯には、他の住民が入らないようにジルコン様が結界を張っております。」
「そうですか。
では、すぐに行きましょう。」
私達はすぐに、閉じ込められた住民の元に向かったのだ。
すると、私とブラックの指輪から優しい光の霧が現れ、『指輪に宿りし者』達が現れたのだ。
そして二人は、『闇の鉱石を支配する者』を拘束していた結界から外に出したのだった。
そして、黒い煙となり、目の前にいるユークレイスの中に入って行ったのだ。
「ちょっと、ブラックどう言う事!」
ジルコンはその状況に驚いたのだ。
「ジルコン、大丈夫よ。
私達を信じて!」
私はそう言って、ジルコンの手を握りしめたのだ。
ユークレイスの姿の『闇の鉱石を支配する者』は、あっという間に街の人々を解放し彼らの時間を進めたのだ。
そしてすぐに青い目を光らせると、目の前の人々は何事もなかったように行動し始めたのだ。
多分あれは、ユークレイスの力。
新しい記憶を彼等に加える事で、パニックを抑えたに違いないのだ。
ユークレイスと『闇の鉱石を支配する者』の連携という事らしい。
そして、彼は全ての人達を解放し時間を進めると、魔人の国は前と変わらない活気を取り戻したのだ。
カクは両親の真相がある程度わかった事で、少しスッキリしたようだった。
自分の屋敷に帰り、祖父であるヨクに報告するらしい。
魔人の国では、『闇の鉱石を支配する者』により拘束された街の人々を、元に戻さなくてはならないのだ。
『指輪に宿りし者』達は結界に拘束されている『闇の鉱石を支配する者』に一緒に魔人の国に来るように伝えたのだ。
「えー兄弟と言える君達がいればどうにかなるじゃないか。
それに、自分では誰かの身体を使わないと力が発揮できない事は知っているだろう。
もう、この鉱山から出ないからさー」
そう言って結界の中で、不満そうな顔をしたのだ。
「我ら二人が揃っている状況なら、お前の力など抑える事が出来るのだよ。
それに、流石に我らだけでは時間がかかるからな。
だから、一緒に来てもらう。」
私は少し前から思う事があったのだ。
目の前にいる『闇の鉱石を支配する者』は、封印されるほど危険な者では無いのではと考えていたのだ。
彼の希望が叶えられるなら、意外と協力的なのではと。
あの二人の兄弟と言うべき者であるなら・・・
「あの・・・あなたの一番の希望は何かしら?」
私はそう聞くと、『闇の鉱石を支配する者』は即答したのだ。
「もちろん、自由だよ。」
「あなたの思う自由と私たちの思う自由には、少し違いがあるのかも。
でも、それを私達の考える自由に合わせてくれるなら、あなたをあの鉱山に封印する必要は無いかもしれない。
でも、それが出来るかは、あなた次第だわ。
つまり、契約みたいなもの。
もし、それを破る事があれば、もう二度と鉱山から出る事は出来ない。
あなたも知っての通り、ここには森の精霊もいる。
そして、私も。
あなたを無力化させることも可能だわ。
そして、兄弟達による封印。
もし契約を破らなければ、あなたの兄弟達のように自由よ。
どう?」
「・・・なるほど。
そうは言っても、僕はお前達の自由を理解していないのだ。」
「では、それは私が。」
ユークレイスが声を上げたのだ。
「今回魔人達を元に戻すために、再度私の身体を使ってください。
そして、私がその者にこの世界について、教えて差し上げます。」
「それでは、ユークレイスの魂が闇でダメージを受けてしまうのだよ。」
ブラックは心配して、無理をする事は無いと話したのだ。
「多分、問題ないでしょう。
その者の行いにより、魂が闇に削られていくのだと思います。
そうであれば、良き行いをしている限り、私に害が及ぶとは思えません。
その者の力が必要な時は、私が身体をお貸しします。
いかがでしょう。」
確かに闇の力を使う事で器の魂のダメージを受けるのだろう。
今回のように、元に戻す事であれば問題ないかもしれない。
ユークレイスが教育係と言うのは適任だと思うが。
きっと・・・彼は大変になるだろうな。
ユークレイスを知る者は皆思ったに違いない。
それでも・・・
「・・・わかったよ。
取引しようじゃないか。
何もせずに封印されるよりはマシだからね。
でも、僕がやりたかったり、行きたいところにも行かせてくれよ。
もちろん、お前達の自由の範囲内で良いけどね。」
「舞に救われたな。
相変わらず、甘いな。
この前のドラゴンもそうだったが・・・」
舞の『指輪に宿りし者』はため息をついて、面白くない顔をしたのだ。
「いや、ドラゴンには私も救われたからね。
舞のおかげだよ。
今回の事も、そのうち良かったと思う事があるかも知れないしね。」
私の肩にちょこんと乗っている精霊は、嬉しそうに話したのだ。
ここで、一度カクとは別れを告げることにした。
私は、魔人の国が落ち着いてから、屋敷に戻ると話したのだ。
「わかったよ。
舞も落ち着いたら、戻って来てくれよ。
また、学校にも行くだろう?」
「もちろんよ。
その為にこの世界に来たのだから。」
そして、私はブラック達と共に魔人の国に繋がる洞窟を抜けたのだ。
私はブラックにつかまり、一気に城まで移動したのだ。
私達がこの世界に戻って来た事を察知した幹部達は、既に城の前に集まっていた。
「ブラック、待っていたわ。
舞も無事で良かった。」
ジルコンはそう言って、私を抱きしめてくれたのだ。
いつもの自信いっぱいの顔と違い、泣き出しそうなジルコンの顔は、本当に心配していた事がよくわかるのだ。
無理もないのだ。
ジルコンは『闇の鉱石を支配する者』に抗う事ができず、とても辛い思いをしたのだ。
「ジルコン、もう大丈夫、大丈夫よ。」
私はそう伝えて、ブラックを見たのだ。
「みんな、遅くなってすまなかった。
街の様子は?
みんなも大丈夫かい?」
ブラックはそう言うと、ネフライトが状況を伝えてくれたのだ。
「ええ、今のところ変化は起きておりません。
閉じ込められた中の時間が止まっている事が幸いだったと思います。
あの一帯には、他の住民が入らないようにジルコン様が結界を張っております。」
「そうですか。
では、すぐに行きましょう。」
私達はすぐに、閉じ込められた住民の元に向かったのだ。
すると、私とブラックの指輪から優しい光の霧が現れ、『指輪に宿りし者』達が現れたのだ。
そして二人は、『闇の鉱石を支配する者』を拘束していた結界から外に出したのだった。
そして、黒い煙となり、目の前にいるユークレイスの中に入って行ったのだ。
「ちょっと、ブラックどう言う事!」
ジルコンはその状況に驚いたのだ。
「ジルコン、大丈夫よ。
私達を信じて!」
私はそう言って、ジルコンの手を握りしめたのだ。
ユークレイスの姿の『闇の鉱石を支配する者』は、あっという間に街の人々を解放し彼らの時間を進めたのだ。
そしてすぐに青い目を光らせると、目の前の人々は何事もなかったように行動し始めたのだ。
多分あれは、ユークレイスの力。
新しい記憶を彼等に加える事で、パニックを抑えたに違いないのだ。
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