18 / 31
油断4
しおりを挟む
射精が終わると、勢いよくペニスを抜いた晴人は、力が入らない加奈子のスーツを脱がし、自分も生まれたままの姿になる。
コンドームをつけ直すと、ベッドの淵に腰掛け、後ろから抱きかかえるように挿入する。
「ふぁっ!…あっ…っつ!」
入れただけで潮を噴きながら達する。床に加奈子から出た液体が飛ぶがそんなことを気にする余裕はなかった。
加奈子を落ちないように支えると、押し付けるように刺激する。
ポルチオイきを思い出し、子宮は快楽を求めて少し下がってきている。簡単にポルチオにペニスが当たる。じっくり解すように押し付ける。
先程までの性急な責めとは反対な、ゆったりとした繋がりだ。
激しい荒波が来ない分、達したときは深海に沈み込んで浮かび上がれない程深い快楽の海に浸ることができる。
ブルリと加奈子は体を震わせる。
「っつ…。こわいっ…っ!イきたくないっ…」
1度だけ、晴人と共に深い快楽の海を味わったことがある加奈子。その時の大きすぎる快楽を思い出し、体が震える。
あの快楽を味わいたい気持ちと、味わうことでますます晴人から離れなくなる恐怖で感情が涙となって溢れてくる。
目尻から頬に伝う涙を後ろから唇でなめ取りながら、晴人はゆったりと加奈子を抱く。
「…んっ…ふぁ…。んっ…はぁっ…」
「好きです。…会えない間、本当に長かった」
耳元でささやきながら、一つ一つ証を刻むように、丁寧に穏やかに動いていく。
加奈子の人生でここまで熱烈に口説いてくる男はいなかった。
年末までの会えない時間、彼のことを忘れようとした。敢えて加奈子から連絡は取らず、晴人から連絡が来たとしても仕事のことを理由に断り続けた。
諦めて欲しいという思いと裏腹に、思いは募っていく。
何となくだが、そのうちこの関係はバレるだろう。そんな予感がする。その時に付き合っていなかったら、今までの慣習で先輩である加奈子だけ左遷される。
晴人の仕事っぷりは課は違うが同じ部内で働いている以上、見えてくる。
期待されている方だろう。花形部署で楽しそうに仕事をしているのを見ていると、加奈子は晴人の未来を奪うつもりは無かった。
それに、加奈子は一度挫折している。眩しいくらい輝きながら働いている晴人が羨ましくもあり、応援をしていたかった。
「ふぁっ…っ。やぁ…っ…。こわっ…」
「大丈夫です。…俺に体預けて」
勝手に体がブルブルと震える。ゆっくりと解された体は今までで一番大きな波を迎え入れようとする。
その快楽の大きさに怖がる加奈子を後ろから抱きしめて、晴人は少し強めに突き上げる。
「っつ!っあ…ふぁっ…んっ。きちゃっ…んあーっ!!」
「…イって。…俺ももう…」
目の前にある大きな波に呑み込まれる。逃げることすらできずなすがまま、加奈子は大きな絶頂を味わう。
「あーっ!!んっ!あっ!!あっー!!」
獣のような声を上げ、膣内を波打たせ襲ってくる快楽を受け止める。
潮を噴いていることも、涙を流していることも、声を出していることすら自覚も出来なかった。
ただ流れに身を任せ、深い深い快楽を全身で享受した。
加奈子が、部長に呼び出されたのは年が明けた1月の終わり頃だった。
「そこ、座れ」
先にミーティングルームにいた部長の佐藤に促されるまま、向かい合う席に座る。
「良い報告と悪い話がある。まず良い報告だ」
一旦言葉を区切り、破顔すると佐藤は加奈子に伝える。
「結城が年明けに出した企画書が通った。なので、来年度から順次現場で取り入れる。結城は、また店舗に戻ってお客様に直接プレゼンして来い!」
佐藤の言葉に加奈子も笑顔になる。
出した企画書は、注文住宅のプランニング案だった。
「もう大丈夫だな、現場に戻して」
「はい!ありがとうございます!」
入社1年目で出したプランニング案がたまたま上の目に止まり、採用されることになった。その時に加奈子は周りからのやっかみに耐えきれず、仕事を辞めようか考えた時に、佐藤の元で本部の立ち上げ部署で働くようになった。
ハウスメーカーとして差別化を図ろうとしていた会社の方針で、無名の業者開拓をし、実用化する仕事。
その経験を元に今回の企画書を書いた。
「根回しは済んでいるな」
「ええ、その企画書の単価でお取引先に内諾も頂いています」
満足そうに頷いた佐藤は表情を変え、悪い話しだ、と切り出した。
「岩田と付き合っているか?」
とうとうこの時が来たと思った。
「いえ、付き合っていません」
嘘はついていない。だが、佐藤のことだ、きちんと確証を得た上で話している。
「しかし、体の関係はありました。私の責任です。岩田くんを巻き込みました」
難しい顔で佐藤は黙り込む。
ふぅ、とため息をつき、バカだなぁと呟く佐藤に加奈子は聞く。
「会社での態度でバレたんですか?美樹からではないと思いますが」
佐藤は、美樹の旦那だった。社内恋愛が発覚して辞めざるを得なかった美樹に、何度か晴人のことを相談していた。
「いや、あいつからでもないし、お前らの態度でもない。山本が忘年会の後、お前ら2人がホテルに行くところを見たらしい」
「そうですか。舞に忠告されていたんですけどね」
そう言って加奈子は苦笑した。舞に注意されていたのにも関わらず、つい油断してしまった自分に呆れてしまう。
「岩田は付き合いたいと言っていたそうだな。別に社内恋愛は禁止されていない」
苦虫をかみ潰したような顔で佐藤は言う。その言葉がどれほどの重みを持つのか身を持って知っているからだろう。
「…仕事と恋愛、どちらも選べない性分なんです。まだ結婚とか考えられないですし、彼にもその重みを背負わせたくない」
やっぱり付き合わなくてよかった、と言う加奈子に、佐藤は言う。
「不器用だな、相変わらず。特に男関係は。岩田は結城のワガママを上手くコントロールできそうなタイプだがな」
笑って誤魔化した加奈子に今日何度目かのため息をついた佐藤は言う。
「異動先は頑張るが、期待するな。だが、結城が出した企画だ。1年はきちんと売ってこい」
少し驚いたように目を見開いた加奈子は、バレていたんですね、と呟いた。
正直、辞めようか迷っていた。この企画書を作っている時に気づいてしまった。
会社に所属しているからできてしまう制限、それがまどろっこしい。
付き合いが長い佐藤にはあの企画書を見ただけで気づかれたのだ。
あと少し、この人のために仕事をしよう。そう思った加奈子は、深々と一礼する。
「ありがとうございます。きっちり仕事でお返し致します」
コンドームをつけ直すと、ベッドの淵に腰掛け、後ろから抱きかかえるように挿入する。
「ふぁっ!…あっ…っつ!」
入れただけで潮を噴きながら達する。床に加奈子から出た液体が飛ぶがそんなことを気にする余裕はなかった。
加奈子を落ちないように支えると、押し付けるように刺激する。
ポルチオイきを思い出し、子宮は快楽を求めて少し下がってきている。簡単にポルチオにペニスが当たる。じっくり解すように押し付ける。
先程までの性急な責めとは反対な、ゆったりとした繋がりだ。
激しい荒波が来ない分、達したときは深海に沈み込んで浮かび上がれない程深い快楽の海に浸ることができる。
ブルリと加奈子は体を震わせる。
「っつ…。こわいっ…っ!イきたくないっ…」
1度だけ、晴人と共に深い快楽の海を味わったことがある加奈子。その時の大きすぎる快楽を思い出し、体が震える。
あの快楽を味わいたい気持ちと、味わうことでますます晴人から離れなくなる恐怖で感情が涙となって溢れてくる。
目尻から頬に伝う涙を後ろから唇でなめ取りながら、晴人はゆったりと加奈子を抱く。
「…んっ…ふぁ…。んっ…はぁっ…」
「好きです。…会えない間、本当に長かった」
耳元でささやきながら、一つ一つ証を刻むように、丁寧に穏やかに動いていく。
加奈子の人生でここまで熱烈に口説いてくる男はいなかった。
年末までの会えない時間、彼のことを忘れようとした。敢えて加奈子から連絡は取らず、晴人から連絡が来たとしても仕事のことを理由に断り続けた。
諦めて欲しいという思いと裏腹に、思いは募っていく。
何となくだが、そのうちこの関係はバレるだろう。そんな予感がする。その時に付き合っていなかったら、今までの慣習で先輩である加奈子だけ左遷される。
晴人の仕事っぷりは課は違うが同じ部内で働いている以上、見えてくる。
期待されている方だろう。花形部署で楽しそうに仕事をしているのを見ていると、加奈子は晴人の未来を奪うつもりは無かった。
それに、加奈子は一度挫折している。眩しいくらい輝きながら働いている晴人が羨ましくもあり、応援をしていたかった。
「ふぁっ…っ。やぁ…っ…。こわっ…」
「大丈夫です。…俺に体預けて」
勝手に体がブルブルと震える。ゆっくりと解された体は今までで一番大きな波を迎え入れようとする。
その快楽の大きさに怖がる加奈子を後ろから抱きしめて、晴人は少し強めに突き上げる。
「っつ!っあ…ふぁっ…んっ。きちゃっ…んあーっ!!」
「…イって。…俺ももう…」
目の前にある大きな波に呑み込まれる。逃げることすらできずなすがまま、加奈子は大きな絶頂を味わう。
「あーっ!!んっ!あっ!!あっー!!」
獣のような声を上げ、膣内を波打たせ襲ってくる快楽を受け止める。
潮を噴いていることも、涙を流していることも、声を出していることすら自覚も出来なかった。
ただ流れに身を任せ、深い深い快楽を全身で享受した。
加奈子が、部長に呼び出されたのは年が明けた1月の終わり頃だった。
「そこ、座れ」
先にミーティングルームにいた部長の佐藤に促されるまま、向かい合う席に座る。
「良い報告と悪い話がある。まず良い報告だ」
一旦言葉を区切り、破顔すると佐藤は加奈子に伝える。
「結城が年明けに出した企画書が通った。なので、来年度から順次現場で取り入れる。結城は、また店舗に戻ってお客様に直接プレゼンして来い!」
佐藤の言葉に加奈子も笑顔になる。
出した企画書は、注文住宅のプランニング案だった。
「もう大丈夫だな、現場に戻して」
「はい!ありがとうございます!」
入社1年目で出したプランニング案がたまたま上の目に止まり、採用されることになった。その時に加奈子は周りからのやっかみに耐えきれず、仕事を辞めようか考えた時に、佐藤の元で本部の立ち上げ部署で働くようになった。
ハウスメーカーとして差別化を図ろうとしていた会社の方針で、無名の業者開拓をし、実用化する仕事。
その経験を元に今回の企画書を書いた。
「根回しは済んでいるな」
「ええ、その企画書の単価でお取引先に内諾も頂いています」
満足そうに頷いた佐藤は表情を変え、悪い話しだ、と切り出した。
「岩田と付き合っているか?」
とうとうこの時が来たと思った。
「いえ、付き合っていません」
嘘はついていない。だが、佐藤のことだ、きちんと確証を得た上で話している。
「しかし、体の関係はありました。私の責任です。岩田くんを巻き込みました」
難しい顔で佐藤は黙り込む。
ふぅ、とため息をつき、バカだなぁと呟く佐藤に加奈子は聞く。
「会社での態度でバレたんですか?美樹からではないと思いますが」
佐藤は、美樹の旦那だった。社内恋愛が発覚して辞めざるを得なかった美樹に、何度か晴人のことを相談していた。
「いや、あいつからでもないし、お前らの態度でもない。山本が忘年会の後、お前ら2人がホテルに行くところを見たらしい」
「そうですか。舞に忠告されていたんですけどね」
そう言って加奈子は苦笑した。舞に注意されていたのにも関わらず、つい油断してしまった自分に呆れてしまう。
「岩田は付き合いたいと言っていたそうだな。別に社内恋愛は禁止されていない」
苦虫をかみ潰したような顔で佐藤は言う。その言葉がどれほどの重みを持つのか身を持って知っているからだろう。
「…仕事と恋愛、どちらも選べない性分なんです。まだ結婚とか考えられないですし、彼にもその重みを背負わせたくない」
やっぱり付き合わなくてよかった、と言う加奈子に、佐藤は言う。
「不器用だな、相変わらず。特に男関係は。岩田は結城のワガママを上手くコントロールできそうなタイプだがな」
笑って誤魔化した加奈子に今日何度目かのため息をついた佐藤は言う。
「異動先は頑張るが、期待するな。だが、結城が出した企画だ。1年はきちんと売ってこい」
少し驚いたように目を見開いた加奈子は、バレていたんですね、と呟いた。
正直、辞めようか迷っていた。この企画書を作っている時に気づいてしまった。
会社に所属しているからできてしまう制限、それがまどろっこしい。
付き合いが長い佐藤にはあの企画書を見ただけで気づかれたのだ。
あと少し、この人のために仕事をしよう。そう思った加奈子は、深々と一礼する。
「ありがとうございます。きっちり仕事でお返し致します」
1
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる