牧師に飼われた悪魔様

リナ(腐男子くん準備中)

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第一章「呪われた教会」

教会本部の罠

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「...へえ。ガーゴイルの像ね」

 俺は今日見たこと起きたことの全てをありのまま伝えた。

「まあ悪魔の言葉だから、あまりあてにするのいけないんだけど。ヒントがこれしかない。このままじゃ安心して眠れないし財布も空だし...路頭に迷う、というか迷ってる」
「ふーむ」

 バンは考え込むように唸った。

「そういう事は専門家に聞かないとよくわからないが・・・教会については結構知ってるぞ」
「ほんとか!」
「で、言いにくいんだが...あの教会は呪われてるって噂だ。」
「呪い?!」

(悪魔の次は呪いときたか...これからは何を言われてもあまり驚かなくなりそうだな...)

「教会が呪われてると言われ始めたのは十年前ぐらいだったかな。昔はあそこの教会も評判が良くてなかなか人気だったし教会近くの公園のホタルが街の名物になっていた。だが、急に通う者がパタリと途絶え、それからそこにつく牧師は皆、変死を遂げるようになった。」
「変死...」

 馬車の男、門番の反応、これではっきりと納得できた。

(なるほどね、俺がこの教会に送り込まれる哀れな生贄の子羊に見えたってわけ)

 呪いの教会に配属される新しい牧師、と知ってあの顔をしてたんだ。

(・・・馬鹿にするな)

 俺はこんなとこで死んでたまるか。それに、どんなジョークだよ。牧師が教会にいくせいで変死を遂げるって。そんな教会によくも俺を配属させようとしたな、本部のやつらめ!!

(そういえば)

 よくよく考えれば、あの事件のあとから色々おかしかった。村全員を悪魔堕ちの可能性があるというだけであれだけあっさり消した、あの極悪非道の教会本部が、すべての事情を知ってる俺の事を簡単に野放しにするわけがない。牧師様の話では、悪魔に関わった牧師は浄化もしくは免職されるそうだ。俺は当時見習いだったし洗脳勉学を受けたからお咎めなしなんだと聞かされた。

 でも新人牧師にこんな教会に行かせるなんて正気の沙汰じゃない。この教会が十年も前からおかしくなってたのが本当だとしたら、その事実を本部が知らないわけがない。

(甘かった!これは教会本部の罠か...!)

 知りすぎた面倒な新人牧師は呪いの教会でさっさと死んでくれという事だろう。教会は直接手を汚さず俺を消せるわけだし体裁も守られる。

 呪われた教会で悪魔に殺される。悪魔と関わった俺にはおあつらえ向きの死に方。

「・・・っ」
「ルト?」

 拳を強く握り締めた。心配そうにバンが様子を伺ってくるが同情の言葉はかけてこない。それはありがたかった。こんな時同情されたって俺はきっと八つ当たりしかできない。

「で、ルト。実はまだ続きがあるんだが、どうする?」
「...話してくれ」
「うん。でだな、実はお前が来る前の前の牧師から、それはそれは大層な護衛を連れてくるようになったんだよ。情報によればその牧師とやらは結構な位置にいる奴だったらしい。」
「お偉いさんってことか?」
「そうなるな。幹部とかそこらだった気がする」
「十年経っても解決されないこの事件に、教会本部も重い腰をあげた...のか。にしてはゆっくりした奴らだな」

 村での事件の時はあれほど迅速に対応してたのに...えらい差だ。

「まあそれまでは知らぬふりをしてたっぽいんだが、急に手をひっくり返してきてな。俺としても気になったんだがそこの謎はかなりガードが固くて調べられなかった」
「ここまででも十分すごいよ。街のしがない案内人でも皆これぐらい調べられるのか?」
「いやそれはないだろう。この街ほどコミュニティが大きくないと情報屋の必要性がないから育たないし、何より俺は才能があるからなーはははっ」
「...すごい自信だな」
「これも戦略なんだよ。底を見せちゃ舐められるし欲しい情報が手に入らない」
「ふーん?」

 バンと初めて会った時は何も考えてなさそうな男だと思っていたが、実はよく考えて行動してるんだなと知った。不覚にも見直してしまう。

「あと、ここに送り込まれる牧師共は皆、ワケありだったらしい。問題をおこしたもの、政略に負けたもの、色とりどりだがそこは共通してる。」
「へえ、かわいそうに」
「かわいそうにってルト。お前も今同じ状況だってわかってるのか?」
「わかってるさ。でもまだ一日目なのにここまで情報をつかめた奴は今までもそうそういなかったと思う。そんな俺なら、手を打てるかもしれない」
「ルト・・・」
「それに手遅れっぽくなったら尻尾巻いて逃げればいいだけだし?」

 逃げればいいという言葉を聞いてバンは驚く。そして

「...ぷ!!ハハハ!ほんっと!面白いなあ!お前ほど信心浅い牧師はいないぜ!よし、決めた、俺も全面的に協力しようじゃないか!」
「!!」

 こっちに身を乗り出してるバンを見た。真剣な目をしている。

(...頼ってもいい、のか?)

 そんな時、心の中に悪夢での言葉が浮かんだ。マスターの、あの言葉。

 “どうしてリリだけ助けて俺たちを見殺しにしたんだよお”

 俺が安易に地上に出たせいで無関係な村の人たちを巻き込んでしまった。

(あんなにいい人だったのに)

 俺が殺したようなものだ。俺が殺した。マスターも、ダッツも、村の人たちも。全部、俺のせい。

(だめだ・・・巻き込んじゃ、ダメだ)

 いい奴だからこそ、バンは巻き込むわけにはいかない。

「・・・有り難いけど、遠慮しておく」
「な、なんでだよ?」
「あんたを・・・信じられない」
「!?」

 本音を隠して、バンを牽制する言葉を選ぶ。少しだけ、ちくりと胸が痛んだ。

「怪しい奴の協力なんて・・・要らない」
「・・・」
「俺は一人で何とかできる、だからバンは今の話は聞かなかったことにして忘れろ」
「・・・」
「おい、バン聞いているのか?」

 どれだけ待っても返事が返ってこずおかしいと思えば、口を開けた間抜けな顔でバンが見てくる。

「??!」

 焦った。確かに、牽制するためにあえて傷つける言葉を選んだが、それほどショックを受けたのだろうか。あまり気にしないタイプだと思っていたが...意外にメンタルは弱かったのかもしれない。申し訳ないことをしてしまった。バンは善意で協力するといってくれたのに・・・。

「わ、悪かった、傷つけたなら謝るっ」

 慌ててそう言う。

「・・・」

 奴は何を思ったのか立ち上がってこっちに歩いてきた。俺が黙ってそれを見守っていると。

 がしっ

 独特の男の匂いが体を包む。そこで俺はバンの腕の中に抱かれたんだと気づいた。

「んなっ?!!ちょ、バン??」
「...」

 ジタバタ暴れる俺をものともしない上、もっと強く力を込めて抱きしめてきた。

(馬鹿力めっ!!)

 自分のひ弱さとバンの馬鹿力に舌打ちしかける。

「ルト、お前苦労してきたんだな」
「..っ!」

 その言葉で俺は一気に大人しくなった。

「・・・バン・・・?」
「大丈夫、俺は簡単に死にゃしない」

 子供を諭すように背中を摩られる。その手つきは恐ろしいほど優しかった。出鼻を挫かれ、さっきまでの怒りを飲み込んだ俺はぼそぼそと呟いた。

「・・・馬鹿か・・・相手は悪魔なんだぞ」

 牧師でもないお前が太刀打ちできるような相手じゃない。

「だとしてもだ。俺は少なくとも自分の身ぐらいは守れるつもりだ。ルトに気遣ってもらう必要はない。」

 大丈夫だと力強く言われ、俺は促されるように頷いてしまった。

「...うん...ごめん、悪かった」
「...わかればいい、それで?」
「へ?」

 バンに抱かれて身動きのできない状態のまま顔だけ上に向ける。

「で?いう事があるだろ?」
「?」
「俺にどうして欲しい?」

 そういってバンはにこっと爽やかに笑った。その笑顔を見せられもう俺は・・・突き放す気にはなれなかった。

「・・・・・って、手を貸して、...くれ」
「よくできました」

 頭を勢いよく撫でられる。

 わしゃわしゃ!

 この勢いで撫でられ続けたらハゲてしまう。俺は目の前の胸板を押し、なんとか体を離させた。バンは少し不満げな顔をしながら、しぶしぶという感じに隣の席に座った。

「なんだーさっきの泣きそうな顔はどこいったんだよー」
「はああ?いっ、いつ俺が泣きそうになったんだ、寝ぼけてるのかお前」

 一体どのタイミングで泣いたんだ・・・いや、泣いてないけども。

(バンにきつく言う時、ちょっと不安になったけど)

 それだけだ。

「?!まさか、無意識だったのか!?」

 俺が意味がわからないという顔をすると、バンが飛び上がるようにして驚いた。

「だから何がだよ!」

 俺はそっぽを向いて、奴に見えないように目を拭いた。

(大丈夫だよな??涙なんかでてないよな?)

 拭き終えてバンの方に視線を戻すと、不思議そうというか意外そうな顔をしたバンがこっちを見ていた。

「...おったまげた。ルト・・・モテるだろ、男相手とか特に」
「...」

 何故それを。

(まあ、もてるというより巻き込まれるって言い方のほうが正しいけども)

 俺が複雑な顔をして俯くと、肩に両手を置いてくる。

「ルトはそれが外見のせいだと思ってるだろうな。でも違うぜ、男は単純だがカンがいい。お前のそういうとこに気付いて近寄ってきてんだよ。」
「?・・・何の話だ?」
「まあ、気をつけろってことだ」
「どう気を付けろっていうんだよ」

 なんだそれは。こんな投げやりな助言、前にも聞いたぞ。いつだっけか。・・・あ、そうか。悪魔学の時か。

 “見分ける方法はひとつ。舌です”

 “確認しにくいので結果的な解決にはなってない”

 “気をつけるように”

 おぼろげに思い出す。そうそう、確認できないのにどう気を付けるんだよって思ったんだよな。

「ーっ!!!って、そうだ!悪魔は舌で見分けれるんだ!」
「お?舌がどうした??」
「バン!早速頼みたいことがある!」

 俺は椅子から立ち上がり考えをまとめようと机の周りを歩いた。バンはやれやれという顔して、すぐに笑顔に戻る。

「はは、いいぜ、どんとこいだ!」

 その自信ありげな態度を見てるとこっちもなんとかになりそうな気がしてくる。ふと、あの事件の風景がよぎった。

 真っ赤に染まる酒屋。
 血だらけのマスター。
 冷たくなったリリ。
 地下の惨状。

(大丈夫、同じ悪魔相手でも・・・俺には今心強い助っ人がいる)

 今度はあんな惨状にはさせない!


 ***


 むにゃ...むにゃ...

「いてって!いてて!」

 む...?

「やめてって!マジ痛いから!」

 なんだ?俺は目を開けて、ゆっくりと顔を上げた。

 =ルトにぃに、ちかづくなー!=
「ちょ本当にほんとやめて!」

 ??・・・リリが人をつついてる。あ、つつかれてる奴ってあの店の店員(バンの知り合いっぽい)じゃん・・・ってあれ?!ここどこだ?!

 ガバッ!!

 俺が急に起き上がったためリリと店員が驚いてこちらを見る。

 =にい!おきたんだね!=

 リリが俺の肩に飛び乗り、クチバシを頬にこすりつけてくる。くすぐったい。

「助かったよ、つつかれてあやうく死ぬとこだった...」

 リリのつつきから解放され、ホッとしたようにため息をつく店員。

「・・・」

 俺はジトーっと店員を睨んだ。

「あ、ご、ごめん。びっくりさせたかな、えっと、僕はシータ。ここの住み込みバイトをやっていてバンとは結構長い付き合いで」
「俺はルトだ」
「よろしくねルト、ああ、そうだ...昨日のことは心配しないで見てないことにするから」
「昨日のこと?」
「...だ、抱き合ってた、だろ?」
「!」

 なぜそれを!!

「いや、覗き見してたわけじゃないんだ、ずっと外にいたら寒いかと思って茶でもだそうかと思ったら、ちょうど見ちゃったんだ」
「...」

 焦って話す彼の言葉はどうも信用できない。なるほどバンの言うとおり本当の情報でも伝える人次第で嘘に見えるのか...深いな。と、どこか変なとこで感心してしまった。

「で、ここは?どこなんだ?」
「テラス席の上の階、つまりレストランの三階だ。窓からテラスが見えると思うよ。」

 カーテンを開けると、確かに昨日バンと話したテラス席が見えた。

「一週間の間はここで寝ればいいよ。バンからいろいろ手配してもらってるから。気にしないで」
「それはできない、危なすぎる」
「・・・悪魔が怖いの?」

 なんで知ってるんだ、と思ったが俺を泊めてくれてる者に事情を話さないのはあれだと思ったバンなりの気遣いかもしれない。

「なら昼間に仮眠を取りにこればいいじゃん」

 そういう問題じゃない。もしあの教会の呪いが俺の近くにいる者にも降りかかるとしたら、ここで寝ると迷惑がかかる。

「・・・」

 俺が黙り込んで考え込んでるとシータが笑いをこらえていた。

「なんだよ」
「いや、君ってありえないぐらいキレーだしクールだし人を寄せ付けない感じがあるけど、意外に可愛いとこもあるんだなあって」

 ギロリ

「ひい!!」

 昨日から何なんだ。俺はかなり機嫌を悪くしたという雰囲気を出し、シータが申し訳なさで押しつぶされそうになる寸前まで追い込んだ。それからゆっくりと視線を外した。

「・・・はあ。わかった。じゃあ使わせてもらう」
「う、うん、それがいいよ!」

 実際寝る場所で困ってたし、助かるっちゃ助かるし。

(よし、寝たおかげで頭がすっきりした、一旦教会に戻ろう。)

 時計を見ると針は午前十一時を指していた。バンとは夜に待ち合わせてる。まだだいぶ時間があるな。モップと雑巾をたくさん買い込んで教会の掃除でもしよう。流石に昼間に悪魔は来ないだろうし。


「っふう!こんなもんか?」

 俺は真っ黒になった布雑巾片手に、教会の正門で仁王立ちしていた。今日のノルマ(掃除の)は正門だ。天使だってあんな入口の教会に入ってきたくはないだろう。とリリに言われ、かなり手を込んで掃除したのだが。

「うん!いいじゃん」

 ツルだらけで黒く錆びてた正門が今や太陽の光をピカピカ反射させるほどになっていた。油もさしたから気味の悪い音が鳴ることもない。変わったのは正門だけなのに、教会全体が明るくなった気がする。少しだが教会の雰囲気が柔らかくなったような感じがして気分がいい。

 =にい!なんか落ちてるー=
「??」

 正門に見とれていると、教会の敷地の奥からリリの声がした。

(落ちてる?何がだ?)

 俺は急いで声のした方に向かった。

「...!!」

 なんと目に前には

 にゃ、あ...

 昨晩リリを助けてくれた赤い猫が倒れていた。
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