絶対的フィナーレ

15、保健室

今日はサッカー。

得意種目だったこともあり難なくこなしていたがふとした瞬間に体に力が入らなくなり倒れた。

倒れたと言っても回りから見ればなにもないところでこけたようにしか見えないだろう。

「大丈夫？麻也ちゃん」

「・・・ごめんちょっと抜けるね」

力の抜けた瞬間が人の少ないところだったのでよかったがもし試合中に倒れでもしたら回りの人を巻き込みかねない。

「先生、保健室に行ってきます」

「どこか怪我でも？」

「・・・少しだけ足をすりむいてしまって」

「・・・分かりました」

よかった・・許可してくれて。

まあ本当に渋々って感じだけど。

そりゃあそうだよね。
擦り傷程度で保健室なんていかないもん。

今回は病気の心配とほんのちょっとの怪我で保健室行ってきます。って言えたらいいんだけど・・・

私、最後は普通がいいんだよね・・

私はしんみりした思いのまま保健室に向かった。

「失礼します。六年三組楠麻也です。」

「はーい。・・・どうしましたか？体育で怪我でもしましたか？」

飯田先生。

いつもだったらおっとりしててとても優しい先生だがルールを守らない生徒にはとても厳しいという一面を持っている。

恐らく私がどこにも怪我がないのを見て仮病だと思ったのだろう。

私の場合、ほんっとうに小さな傷だからね。

だから仮病ですかと聞かれたらキッパリとノーと言えるかはわからない・・

保健の先生には病気のこと話しておいた方がいいよね・・

「先生、少しお話があります。」