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第17章 結婚しながら生きていこう
316.事なかれ主義者はお礼の言葉を考えた
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ファマリーのお世話をした後は、さっさと自室に戻り、とりあえず洗濯ができる魔道具を作ってみた。
めちゃくちゃでかいベッドのマットレスとか諸々入れる事ができるようなサイズにしてみたらもはや洗濯機というか、物置部屋みたいになっちゃった。クリーンルーム的な……。
室内の中央の床には魔法陣が刻まれていて、室内に置かれたものに浄化の魔法をかける代物だ。服だろうがベッドだろうが人だろうが綺麗にしてくれる……と思う。
だいぶ前に洗濯機を作った事があるけど、あっちとはちょっと魔法陣が違うから、使われる魔法も違うんだろう……たぶん。時間がある時にノエルに見てもらおう。
魔法陣に使われる魔法の名前が分かる時と分からない時があるのはどういう違いなんだろうか、なんて事を考えながらアイテムバッグに入っていた依頼書を優先順位の高いものから順番に作っていく。
本当はノエルの部屋でしたかったけど、ノエルは留守だった。ノックして出てきたノエルの弟子の一人である女ドワーフのエルヴィスがそう言っていたから間違いない。
それにしても、作っても作っても増毛帽子に脂肪燃焼腹巻は依頼されるなぁ。優先順位が高いって事はそこそこのお金を払う予定だろうけど……まあ、失われた髪を元に戻すためにエリクサーを手に入れるよりは安い……のかな?
脂肪燃焼腹巻は分かるけどね。僕も未だにお世話になってるし。
一度そのお手軽さを知ってしまったらちょっと食べすぎちゃっても問題ないかな? なんて自分に甘くなってしまう恐ろしい魔道具だ。
ドラゴニアの北の港町から他の大陸にも噂は広がっているらしいし、今後もどんどん依頼は増えるだろう。
総魔力は増えているからしばらくの間本気で取り組めば終わらなくはないような気もするけど……正直めんどい。
エント様の信仰が広まって、早くもう一人加護持ち増えないかなぁ。
……加護持ちを増やす目的で子どもは作りたくないけど、二人目の加護持ちになる可能性が一番高いのは僕の子どものはずだ。もしそうなってしまうなら、僕の仕事を子どもに押し付けたくない。……頑張るしかない、か。
途中で昼食を取りつつもせっせと魔道具を作り続けたら、夕方にはそれなりの数が出来上がった。
これだけの量を作ったらそれ相応のお金が手に入るのだろう。
ノエルの弟子の子たちもそこそこ育ってきたみたいだし、もう少し魔道具製作チームを増員してもいい頃合いかもしれない。
別館に引き籠りつつ魔道具を作っているボルドは性格的に無理そうだけど、回転の魔法陣の研究を続けているジューロちゃんや、ノエルの弟子の女ドワーフのエルヴィスと人族の男エイロンにも後輩となる子たちを付けてもいいんじゃないかなぁ。
管理が今よりも大変になるだろうから、ノエルに聞いてから動こう。先にホムラやユキに話をしたらそのまま実行しちゃいそうだし。
今日はこの後パーティーがあると思うから、魔力は多少残して切り上げる。
僕の魔道具作りが一段落したタイミングで部屋の扉がノックされた。
「どうぞー」
「失礼します」
パーテーションの向こう側にある扉が開く音がして入ってきたのは、声からしてモニカだ。
パーテーションの向こう側から現れたモニカは、いつも通りメイド服だった。
黒い髪に黒い瞳のせいで、すごくコスプレをしている感が強いけど、流石元貴族令嬢。顔面偏差値が高い。普通にこれはこれでありだと思う。
「どうしたの?」
「シズト様、そろそろお召し替えのお時間です」
「着替え? この格好じゃまずい?」
いつものラフな格好だけど、パーティーをする予定らしいので問題があるようだ。
元々は婚約者の皆だけの予定だったからこの格好でも問題なかったんだけど、リヴァイさんやラグナさんも出席する事になってしまったらしい。
僕が微妙な表情になったのに気づいた様子で、モニカが申し訳なさそうに頭を下げた。
「私たちだけで済ませる予定でしたが、国王陛下に頼まれたらなかなか断り辛く……」
「うん、まあ、そうだよね。王様だもんね。なによりレヴィさんのお父様だし、仕方ないよ。他に参加するのは?」
「一緒について来ていたパール様とガント様、それからランチェッタ女王陛下も参加をご希望です。ただ、そちらはシズト様が了承した場合でよいと仰っておりました」
「……仲間外れは良くないよねぇ」
一応、婚約者候補だし。
お断りして禍根を残すのは避けたい。
「他にも周辺の貴族や商人が噂を聞きつけて参加を希望しております。食堂で行う予定でしたが、迎賓館に会場を変更すれば対応は可能です。いかがなさいますか?」
「あ、それは断ってもらって構わないっす」
禍根は残したくないけど、それ以上に知らない人を誕生日パーティーに増やしたくないっす。
僕の答えを想定していたのだろう。
モニカはただ一言「承知しました」と答えると、着替えの準備を手伝ってくれた。
パーティ用にどんな服を着るのかちょっと不安だったけど、世界樹の使徒として活動している時の服で十分という事だったから、手伝おうとするモニカには他の人の手伝いに行ってもらって自分一人で着替えた。
……流石に国王陛下に来てもらったんだったらお礼の言葉的なの考えた方が良いかななぁ……。
めちゃくちゃでかいベッドのマットレスとか諸々入れる事ができるようなサイズにしてみたらもはや洗濯機というか、物置部屋みたいになっちゃった。クリーンルーム的な……。
室内の中央の床には魔法陣が刻まれていて、室内に置かれたものに浄化の魔法をかける代物だ。服だろうがベッドだろうが人だろうが綺麗にしてくれる……と思う。
だいぶ前に洗濯機を作った事があるけど、あっちとはちょっと魔法陣が違うから、使われる魔法も違うんだろう……たぶん。時間がある時にノエルに見てもらおう。
魔法陣に使われる魔法の名前が分かる時と分からない時があるのはどういう違いなんだろうか、なんて事を考えながらアイテムバッグに入っていた依頼書を優先順位の高いものから順番に作っていく。
本当はノエルの部屋でしたかったけど、ノエルは留守だった。ノックして出てきたノエルの弟子の一人である女ドワーフのエルヴィスがそう言っていたから間違いない。
それにしても、作っても作っても増毛帽子に脂肪燃焼腹巻は依頼されるなぁ。優先順位が高いって事はそこそこのお金を払う予定だろうけど……まあ、失われた髪を元に戻すためにエリクサーを手に入れるよりは安い……のかな?
脂肪燃焼腹巻は分かるけどね。僕も未だにお世話になってるし。
一度そのお手軽さを知ってしまったらちょっと食べすぎちゃっても問題ないかな? なんて自分に甘くなってしまう恐ろしい魔道具だ。
ドラゴニアの北の港町から他の大陸にも噂は広がっているらしいし、今後もどんどん依頼は増えるだろう。
総魔力は増えているからしばらくの間本気で取り組めば終わらなくはないような気もするけど……正直めんどい。
エント様の信仰が広まって、早くもう一人加護持ち増えないかなぁ。
……加護持ちを増やす目的で子どもは作りたくないけど、二人目の加護持ちになる可能性が一番高いのは僕の子どものはずだ。もしそうなってしまうなら、僕の仕事を子どもに押し付けたくない。……頑張るしかない、か。
途中で昼食を取りつつもせっせと魔道具を作り続けたら、夕方にはそれなりの数が出来上がった。
これだけの量を作ったらそれ相応のお金が手に入るのだろう。
ノエルの弟子の子たちもそこそこ育ってきたみたいだし、もう少し魔道具製作チームを増員してもいい頃合いかもしれない。
別館に引き籠りつつ魔道具を作っているボルドは性格的に無理そうだけど、回転の魔法陣の研究を続けているジューロちゃんや、ノエルの弟子の女ドワーフのエルヴィスと人族の男エイロンにも後輩となる子たちを付けてもいいんじゃないかなぁ。
管理が今よりも大変になるだろうから、ノエルに聞いてから動こう。先にホムラやユキに話をしたらそのまま実行しちゃいそうだし。
今日はこの後パーティーがあると思うから、魔力は多少残して切り上げる。
僕の魔道具作りが一段落したタイミングで部屋の扉がノックされた。
「どうぞー」
「失礼します」
パーテーションの向こう側にある扉が開く音がして入ってきたのは、声からしてモニカだ。
パーテーションの向こう側から現れたモニカは、いつも通りメイド服だった。
黒い髪に黒い瞳のせいで、すごくコスプレをしている感が強いけど、流石元貴族令嬢。顔面偏差値が高い。普通にこれはこれでありだと思う。
「どうしたの?」
「シズト様、そろそろお召し替えのお時間です」
「着替え? この格好じゃまずい?」
いつものラフな格好だけど、パーティーをする予定らしいので問題があるようだ。
元々は婚約者の皆だけの予定だったからこの格好でも問題なかったんだけど、リヴァイさんやラグナさんも出席する事になってしまったらしい。
僕が微妙な表情になったのに気づいた様子で、モニカが申し訳なさそうに頭を下げた。
「私たちだけで済ませる予定でしたが、国王陛下に頼まれたらなかなか断り辛く……」
「うん、まあ、そうだよね。王様だもんね。なによりレヴィさんのお父様だし、仕方ないよ。他に参加するのは?」
「一緒について来ていたパール様とガント様、それからランチェッタ女王陛下も参加をご希望です。ただ、そちらはシズト様が了承した場合でよいと仰っておりました」
「……仲間外れは良くないよねぇ」
一応、婚約者候補だし。
お断りして禍根を残すのは避けたい。
「他にも周辺の貴族や商人が噂を聞きつけて参加を希望しております。食堂で行う予定でしたが、迎賓館に会場を変更すれば対応は可能です。いかがなさいますか?」
「あ、それは断ってもらって構わないっす」
禍根は残したくないけど、それ以上に知らない人を誕生日パーティーに増やしたくないっす。
僕の答えを想定していたのだろう。
モニカはただ一言「承知しました」と答えると、着替えの準備を手伝ってくれた。
パーティ用にどんな服を着るのかちょっと不安だったけど、世界樹の使徒として活動している時の服で十分という事だったから、手伝おうとするモニカには他の人の手伝いに行ってもらって自分一人で着替えた。
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