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第32話 変われない自分
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ロランの怪我も無事に回復し、一行の旅は再開されることになった。
宿を出る前に、アメリはフランツを呼び止める。
「あのフランツさん。これ破れたところ繕っておきましたから」
「ああ、悪いなアメリ。しかし器用なもんだ。どこを縫ったのか全く分からんぞ」
「いえ、別にたいしたことじゃ。これくらい誰にだってできますし」
「いやいや、そんなことはない。マーサなんかは何をやらせても破壊しかできないからな」
ぶふっと笑いをもらすフランツに、アメリは困った顔を向けた。
「でもマーサさんは魔物相手に勇敢に戦えますし。わたしの方がよっぽど役立たずで……」
「まだそんなことを言ってるのか? アメリが加わって俺は大いに感謝してるんだが」
「え? 感謝、ですか……?」
「ああ、アメリが来る前は何と言うかこう、俺たち関係がギスギスしていてな。みんなアクの強いヤツらばかりだろう? それがアメリがいるおかげで場が和むようになって助かっている」
潤滑油のような存在ということだろうか。
そんなふうに感じてもらえていることに、アメリはなんだかむずがゆい気持ちになった。
「おっはよう、アメリ。朝からご機嫌じゃん。なんかいいことあった?」
「おはようございます、マーサさん。いえ、ちょっと……」
「あ、ねぇ、アメリ。夕べもサラと同部屋だったんだって? なんでロランとこ行かないワケ?」
「そ、それは……」
アメリとロランが両想いになったと言うことは、メンバー全員に知れ渡っていた。
というより、むしろロランがまったく隠そうとしていない。フランツやヴィルジールにまでアメリに近づくな宣言をして、アメリはただ呆気に取られてしまった。
アメリが返答に困っていると、フランツがまたぶふっと吹きだした。
「ロランのヤツ、同じ部屋にいたら絶対に我慢できないからってことらしいぜ? ま、朝までヤってたら旅に支障が出るからな」
「確かにアメリの体力じゃあねぇ。ロラン相手じゃ起き上がれなくもなるか」
明け透けなふたりの言葉に、アメリは口をパクパクして真っ赤になった。
「やだぁ、アメリ、可愛い~。ね、その気になったらわたしの相手もしてよ」
「おいおい、そんなことロランに聞かれでもしたら……」
「聞いているが?」
ロランの顔が怖くって、アメリだけがびくっと体を震わせた。
まるで魔物に対峙しているような表情だ。それなのにマーサはケラケラと笑って手をひらひらさせた。
「なによぅ、冗談に決まってんじゃん」
「冗談でも次に同じようなことを言ったらただじゃ置かないからな」
「やだぁ、ロランこわぁい」
まったく怖がっていないそぶりで、マーサはフランツに抱きついた。
そんなマーサを抱き留めて、フランツもぶふっと笑いをもらす。
「あら、みなさん朝からずいぶんと楽しそうですね」
「あ、おはようサラ。聞いて、ロランってばね……」
「も、もうマーサさん! これ以上ロランを刺激しないでください!」
「え? なにさ? そんなおもしろい話、僕にも聞かせてほしいんだけど?」
「ヴィルジールさんも蒸し返さないで……!」
不機嫌続行中のロランの背を押して、慌ててアメリは出発を促した。
ゆるやかな勾配の街道を行く。
今日は魔物に出くわさなくて、平和な時間が過ぎている。
脇の茂みガサっと揺れて、そこからもふもふの兎が顔をのぞかせていた。
「あ、可愛い!」
愛くるしい瞳にきゅんとなる。もっとそばで見てみたくて、アメリは思わず近づこうとした。
しかしよく見ると兎のおでこに角が一本生えている。はっとなってその足を止めた。
「ロラン、もしかしてあれ……」
「ああ、あれも魔物の一種だ。普段はおとなしいが、卵を抱く期間は凶暴化する。可愛いからといって迂闊に近づくなよ」
「やっぱり……」
どうやらタマゴウサギという魔物らしい。
この前の食人植物の騒ぎもあって、アメリはサラに魔物の知識を教えてもらうようになった。
自衛のためにも、もっと正しい知識が必要そうだ。何よりロランに余計な心配をかけたくはなかった。
そう考えれば、サラと同じ部屋であるのも悪いことではないと思えてくる。
ロランと一緒にいたいという自分のわがままを、表に出してはならないとアメリはひとり頷いた。
「アメリ……」
真剣な声音のロランが耳元に唇を寄せてくる。
何事かと不安にかられつつも、アメリも黙って頭を傾けた。
「次の街で依頼をこなしたら、怪我の有無にかかわらず同じ部屋に泊って欲しい。俺もそろそろ我慢できそうにない」
ぼっと頬に熱が集まるのが分かった。誰にも聞かれていないことを確かめて、アメリはこくりと頷き返す。
とたんに上機嫌になったロランがアメリの手をぎゅっと握ってきた。
絡めあった指が恥ずかしすぎる。それでもアメリは振りほどくこともせず、しばらくロランと並んで歩いていった。
「そろそろお昼にしませんか?」
サラの提案で、一行は脇の野原に腰を下ろした。
宿屋で作ってもらった食事を平らげたあと、アメリはみんなにお茶をいれた。
こういったとき魔法は便利だ。収納魔法でポットとカップを取り出して、お湯もぱっと沸かせてしまう。
「あ、夕べ厨房を借りてクッキーを焼いたんです。よかったら」
「わお! アメリってば気が利くじゃん」
「ありがとうございます、アメリさん」
女性陣だけでなく、ロランたちもよろこんで手を伸ばしてくれた。そのことがうれしくてたまらない。
クッキーを片手に、マーサが大きく伸びをした。
「はー、アメリがいてくれて、なんか人としての尊厳が保たれるわ」
「それは言えるな。これまでの旅は常に戦場って感じで殺伐としてたからなぁ」
茶をすすりながらフランツもうんうんと頷いている。
「だが、魔王討伐の旅ってことを忘れてしまいそうだな」
「ま、たまにはいいんじゃない?」
「ああ、今日はゆっくり行くか」
のどかな風が吹き抜けて、ロランはアメリの膝に頭を預けてごろっとなった。
それを皮切りに、ほかのメンバーも思い思いに距離を取る。
「いい天気だ」
そう言いながらも、ロランは空など見ていなかった。
まぶしそうにアメリを見上げ、風に遊ぶアメリの髪を指にからめ取っている。
「綺麗だな」
何が、とは言われなかったが、アメリはそれだけで赤面してしまった。あれ以来、遠慮のないロランの態度にどうしたらいいのかが分からない。
いつかロランが離れて行ってしまったら。
そう思うと、急に悲しくなってきてしまった。泣くような場面ではないのに、アメリの瞳に制御不能の涙が溢れ出る。
「どうしたんだ?」
跳ね起きたロランが、心配そうにのぞき込んでくる。
唇を震わせて、アメリはただ首を振った。
「ごめんなさい……わたしがこんなにしあわせでいいのかって、急に不安になってしまって……」
「そんなに俺が信じられないか?」
「ロランのことは信じています。でも……」
「でも?」
「今はわたしのこと好きでいてくれたとしても、この先もずっとそうかは分からないから……」
あのやさしかった父親のように。
落ちた涙が足元の葉を揺らす。
ロランはこんなにも真っすぐな愛を向けてくれているのに、変われない自分が嫌でたまらなくなった。
嗚咽をもらすアメリの肩をそっと抱きよせ、ロランは自信たっぷりな表情でにやっと笑った。
「いいだろう、アメリに教えてやる。どれほど俺が君を思っているかってことを」
耳元で囁いて、頬をやさしく包み込む。
「――俺の一生をかけて、な」
ロランはアメリの唇のすれすれを、ちゅっと音を立てて啄んだ。
一瞬でアメリの涙が止まる。口をパクパクしたあと、ようやく赤くなった顔でアメリは抗議の声を上げた。
「こ、こんなところで……!」
「聖剣が出ると困るからな。気軽に君の唇を奪えないことだけが勇者でいる弊害だ」
悪びれもなく返されて、アメリは再び言葉を失った。
休憩も終わり一行は再び街道を行く。
「うんうん、あともうひと息って感じだね」
並んで歩くロランとアメリの後ろで、ヴィルジールがたのしそうにつぶやいた。
「ヴィルジール? 今何か言いましたか?」
「ううん、何でもないよ、サラ」
ヴィルジールは笑顔で返す。
そんなときアメリが不思議そうに辺りを見回した。
「あれ? この景色、なんだか見たことがあるような……」
「そりゃそうだよ。もうすぐアメリの住んでた村だからね」
「え?」
二度と戻らないと決めた故郷を目前に、アメリは思わず立ち止まった。
宿を出る前に、アメリはフランツを呼び止める。
「あのフランツさん。これ破れたところ繕っておきましたから」
「ああ、悪いなアメリ。しかし器用なもんだ。どこを縫ったのか全く分からんぞ」
「いえ、別にたいしたことじゃ。これくらい誰にだってできますし」
「いやいや、そんなことはない。マーサなんかは何をやらせても破壊しかできないからな」
ぶふっと笑いをもらすフランツに、アメリは困った顔を向けた。
「でもマーサさんは魔物相手に勇敢に戦えますし。わたしの方がよっぽど役立たずで……」
「まだそんなことを言ってるのか? アメリが加わって俺は大いに感謝してるんだが」
「え? 感謝、ですか……?」
「ああ、アメリが来る前は何と言うかこう、俺たち関係がギスギスしていてな。みんなアクの強いヤツらばかりだろう? それがアメリがいるおかげで場が和むようになって助かっている」
潤滑油のような存在ということだろうか。
そんなふうに感じてもらえていることに、アメリはなんだかむずがゆい気持ちになった。
「おっはよう、アメリ。朝からご機嫌じゃん。なんかいいことあった?」
「おはようございます、マーサさん。いえ、ちょっと……」
「あ、ねぇ、アメリ。夕べもサラと同部屋だったんだって? なんでロランとこ行かないワケ?」
「そ、それは……」
アメリとロランが両想いになったと言うことは、メンバー全員に知れ渡っていた。
というより、むしろロランがまったく隠そうとしていない。フランツやヴィルジールにまでアメリに近づくな宣言をして、アメリはただ呆気に取られてしまった。
アメリが返答に困っていると、フランツがまたぶふっと吹きだした。
「ロランのヤツ、同じ部屋にいたら絶対に我慢できないからってことらしいぜ? ま、朝までヤってたら旅に支障が出るからな」
「確かにアメリの体力じゃあねぇ。ロラン相手じゃ起き上がれなくもなるか」
明け透けなふたりの言葉に、アメリは口をパクパクして真っ赤になった。
「やだぁ、アメリ、可愛い~。ね、その気になったらわたしの相手もしてよ」
「おいおい、そんなことロランに聞かれでもしたら……」
「聞いているが?」
ロランの顔が怖くって、アメリだけがびくっと体を震わせた。
まるで魔物に対峙しているような表情だ。それなのにマーサはケラケラと笑って手をひらひらさせた。
「なによぅ、冗談に決まってんじゃん」
「冗談でも次に同じようなことを言ったらただじゃ置かないからな」
「やだぁ、ロランこわぁい」
まったく怖がっていないそぶりで、マーサはフランツに抱きついた。
そんなマーサを抱き留めて、フランツもぶふっと笑いをもらす。
「あら、みなさん朝からずいぶんと楽しそうですね」
「あ、おはようサラ。聞いて、ロランってばね……」
「も、もうマーサさん! これ以上ロランを刺激しないでください!」
「え? なにさ? そんなおもしろい話、僕にも聞かせてほしいんだけど?」
「ヴィルジールさんも蒸し返さないで……!」
不機嫌続行中のロランの背を押して、慌ててアメリは出発を促した。
ゆるやかな勾配の街道を行く。
今日は魔物に出くわさなくて、平和な時間が過ぎている。
脇の茂みガサっと揺れて、そこからもふもふの兎が顔をのぞかせていた。
「あ、可愛い!」
愛くるしい瞳にきゅんとなる。もっとそばで見てみたくて、アメリは思わず近づこうとした。
しかしよく見ると兎のおでこに角が一本生えている。はっとなってその足を止めた。
「ロラン、もしかしてあれ……」
「ああ、あれも魔物の一種だ。普段はおとなしいが、卵を抱く期間は凶暴化する。可愛いからといって迂闊に近づくなよ」
「やっぱり……」
どうやらタマゴウサギという魔物らしい。
この前の食人植物の騒ぎもあって、アメリはサラに魔物の知識を教えてもらうようになった。
自衛のためにも、もっと正しい知識が必要そうだ。何よりロランに余計な心配をかけたくはなかった。
そう考えれば、サラと同じ部屋であるのも悪いことではないと思えてくる。
ロランと一緒にいたいという自分のわがままを、表に出してはならないとアメリはひとり頷いた。
「アメリ……」
真剣な声音のロランが耳元に唇を寄せてくる。
何事かと不安にかられつつも、アメリも黙って頭を傾けた。
「次の街で依頼をこなしたら、怪我の有無にかかわらず同じ部屋に泊って欲しい。俺もそろそろ我慢できそうにない」
ぼっと頬に熱が集まるのが分かった。誰にも聞かれていないことを確かめて、アメリはこくりと頷き返す。
とたんに上機嫌になったロランがアメリの手をぎゅっと握ってきた。
絡めあった指が恥ずかしすぎる。それでもアメリは振りほどくこともせず、しばらくロランと並んで歩いていった。
「そろそろお昼にしませんか?」
サラの提案で、一行は脇の野原に腰を下ろした。
宿屋で作ってもらった食事を平らげたあと、アメリはみんなにお茶をいれた。
こういったとき魔法は便利だ。収納魔法でポットとカップを取り出して、お湯もぱっと沸かせてしまう。
「あ、夕べ厨房を借りてクッキーを焼いたんです。よかったら」
「わお! アメリってば気が利くじゃん」
「ありがとうございます、アメリさん」
女性陣だけでなく、ロランたちもよろこんで手を伸ばしてくれた。そのことがうれしくてたまらない。
クッキーを片手に、マーサが大きく伸びをした。
「はー、アメリがいてくれて、なんか人としての尊厳が保たれるわ」
「それは言えるな。これまでの旅は常に戦場って感じで殺伐としてたからなぁ」
茶をすすりながらフランツもうんうんと頷いている。
「だが、魔王討伐の旅ってことを忘れてしまいそうだな」
「ま、たまにはいいんじゃない?」
「ああ、今日はゆっくり行くか」
のどかな風が吹き抜けて、ロランはアメリの膝に頭を預けてごろっとなった。
それを皮切りに、ほかのメンバーも思い思いに距離を取る。
「いい天気だ」
そう言いながらも、ロランは空など見ていなかった。
まぶしそうにアメリを見上げ、風に遊ぶアメリの髪を指にからめ取っている。
「綺麗だな」
何が、とは言われなかったが、アメリはそれだけで赤面してしまった。あれ以来、遠慮のないロランの態度にどうしたらいいのかが分からない。
いつかロランが離れて行ってしまったら。
そう思うと、急に悲しくなってきてしまった。泣くような場面ではないのに、アメリの瞳に制御不能の涙が溢れ出る。
「どうしたんだ?」
跳ね起きたロランが、心配そうにのぞき込んでくる。
唇を震わせて、アメリはただ首を振った。
「ごめんなさい……わたしがこんなにしあわせでいいのかって、急に不安になってしまって……」
「そんなに俺が信じられないか?」
「ロランのことは信じています。でも……」
「でも?」
「今はわたしのこと好きでいてくれたとしても、この先もずっとそうかは分からないから……」
あのやさしかった父親のように。
落ちた涙が足元の葉を揺らす。
ロランはこんなにも真っすぐな愛を向けてくれているのに、変われない自分が嫌でたまらなくなった。
嗚咽をもらすアメリの肩をそっと抱きよせ、ロランは自信たっぷりな表情でにやっと笑った。
「いいだろう、アメリに教えてやる。どれほど俺が君を思っているかってことを」
耳元で囁いて、頬をやさしく包み込む。
「――俺の一生をかけて、な」
ロランはアメリの唇のすれすれを、ちゅっと音を立てて啄んだ。
一瞬でアメリの涙が止まる。口をパクパクしたあと、ようやく赤くなった顔でアメリは抗議の声を上げた。
「こ、こんなところで……!」
「聖剣が出ると困るからな。気軽に君の唇を奪えないことだけが勇者でいる弊害だ」
悪びれもなく返されて、アメリは再び言葉を失った。
休憩も終わり一行は再び街道を行く。
「うんうん、あともうひと息って感じだね」
並んで歩くロランとアメリの後ろで、ヴィルジールがたのしそうにつぶやいた。
「ヴィルジール? 今何か言いましたか?」
「ううん、何でもないよ、サラ」
ヴィルジールは笑顔で返す。
そんなときアメリが不思議そうに辺りを見回した。
「あれ? この景色、なんだか見たことがあるような……」
「そりゃそうだよ。もうすぐアメリの住んでた村だからね」
「え?」
二度と戻らないと決めた故郷を目前に、アメリは思わず立ち止まった。
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